悪役に壁ドンされたら思い出しました

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19.ラブラブしやがって

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 周りからはくすんだ地味な色だと言われている白金・・・つまりはプラチナブロンドの長い髪は、陽に反射し美しく輝いていた。

いつもは二つ結びにしていて分かりにくかったが、美しく天使の輪っかが髪にできている。そのせいなのか本物の天使のようにグウィンには見えた。

その周囲に散りばめられた髪飾りが、美しく髪の毛を際立たせている。

首まで覆って、落ち着いた清廉なドレスだが、両肩は露出しており鎖骨もやや見える。

全ての肌は出さず、二の腕の途中から長いドレス用の手袋をつけて隠していた。

 暗めの落ち着いた色をしたドレスのせいだろう。
誰もが地味だと注目していなかったため気が付かなかった、白くキメ細やかな肌が美しく浮き出て目立っていた。

肌を出すところは出すとメリハリをつけているせいで、そこまで露出が多くないというのに目がいってしまう。

モサモサの二つ結びがイメージだった彼女の髪の毛は、以前グウィンと顔をあわせた時のように下ろしている。

そして羊のようにフワフワとした髪の毛は大人らしさを上手く抑え、愛らしさも強調され一部を編み上げていた。

(だけど・・・一番目がいくのは・・・)

鼻血を抑え、鼻血を必死に抑えつつチラリとミアを見るグウィン。

──今まで分厚い眼鏡越しで見えていなかった、プラチナブロンドの睫毛に縁取られた綺麗な碧い目だった。

「・・・お前の目の色、そんな色だったんだな。」

 感慨深く、と言うふうに指を顎に当て呟くグウィンは少々オッサン臭い。そんなグウィンを見たミアは軽く笑ってしまった。

「アレ、伊達メガネですからね。私の目は見にくかったでしょう。」

「伊達メガネ・・・?何故伊達メガネなのかはとりあえず置いておくが、まあ、ドレスも髪も・・・似合っているぞ。」

「・・・ハイハイ。ありがとうございます。」

抑揚皆無。気のない返事をするミア。

「お前なぁ!人が折角──」

 勇気を出したというのに、いつも通りの軽い返事にムッとしたグウィンはミアに噛み付こうとした。

──のだが顔を背けたミアの耳が真っ赤に染まっているのに気が付き、黙り込んでしまった。

「いや、ひ、人が折角・・・ドレスを贈ったんだ。こっち向けよ。」

「は!?・・・・・・嫌です。グウィン様エスコートしてくださいね。」

 強い口調で拒否をするミア。
エスコートすればミアの顔も見れるかと思いグウィンは了承した。

だが腕を出したグウィンに掴まるミアは、下を向いて顔を見せない。

(まさかこのまま会場に入るのかよ────!!!)

 いつもとは全く違う空気に慣れないグウィンは、絶望した面持ちで馬車に乗りパーティの会場へと向かった。
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