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16.名前
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その後、エレンと他二人と悶着があったが、グウィンが相手にしなかったため(正確にはミアのせいで)すぐに会話は終了した。
(なんかエレンさんが「こんなのありえない」って爪噛みながら呟いてたけど・・・なんのことかしら?)
そして爪を噛んでいたエレンに「爪と指が痛みますよ」とミアは注意をした。そしたらなぜか金切り声を上げて去っていったのだ。
「一体何が彼女の逆鱗に触れたんでしょうね。」
「確かにな。だがお前の顔は見ててムカつく顔をしているから、仕方ないかもしれないぞ。」
ニヤニヤしながらミアの顔をからかうグウィン。
ミアは子供っぽい弄り方をするグウィンを鼻で笑って一蹴をした。
「それはグウィン様の方ですね。いつも通り、安定のしたり顔ですし。」
「可愛くないなぁ!?」
結局この日は、デザートを食べてそのまま帰宅をした。
エレンの突撃以外に変わったことといえば帰り際になぜかグウィンが声をかけてきたことだ。
「ミア」
唐突に名前を呼ばれて振り返るミア。
なぜかグウィンは、顔を真っ赤に染めて挙動不審だ。
「・・・なんでしょう?(いい歳をした大人が、んな顔赤らめて)」
「・・・いや。気をつけて帰れよ。」
そんなおかしな様子にブッと吹き出してしまったミア。
「おい!令嬢がそんな吹き出してはしたないぞ!?」
「グウィン様の方がはしたないので大丈夫です。そうじゃなくて既に邸宅前なのにそんな気をつけろと言われても・・・ブッ」
そう言われ、二度も吹き出されたグウィンがギャーギャー騒ぎながら抗議をしていたけれど、そのままいつも通り強制送還をした。
「・・・軽いですね!?」
「お前が筋肉ダルマだからそう感じるだけだ!!!」
そうしてグウィンが帰ったあと、ミアは自室に戻りベッドにダイブした。
いつもの事だからか、侍女は何も咎めない。
(~~~~~~!!名前!?)
グウィンを強制送還したあとに、ものすごい遅れて気がついたミアだった。
- - - - - - - - - - - - - - -
ある日の朝。
学園に歩いて向かっていると、この時代背景にそぐわぬ自転車なるものに乗ってるエレンにミアは絡まれた。
「あーらぁ?はぁ・・・ミア?さんでしたっけ。ぜえ・・・徒歩で学園に行くつもりなの?伯爵家の娘なのにぃ!?・・・ごフッ」
「おはようございます、エレンさん?それがどうしました?」
「ふふん?私はねえ!ぜえっはっ・・・優雅にこの自転車で学園に行く途中なのよぉ?」
「・・・はあ。ですが、大分息を切らせているようですが大丈夫ですか?軟弱な・・・じゃなく病弱なのでしょうか?」
朝からエレンが噛み付いてきているという事実には気が付かず、本気でエレンの軟弱さにミアは心配をしていた。
天然なのか、計算なのか分からないエレンは、そんなミアの様子と発言に苛立つ。
「なっ!なんなのよ、あんた!後ろ見なさい後ろ!コレ見ても同じことが言えるって言うの!?」
「あら、本当は元気なんじゃないですか。それだけ喋られるのならば大丈夫ですね?」
「えっ、いや、ちょ!速っ!?待ちなさいよおおお!」
実際には、エレンは体力がある方だ。
優雅になどと言っているがなぜかエレンは、後ろの座席に宰相の息子であるルドルフを乗せて自転車を漕いでいたのだ。
大の男を乗せながら華奢な女が自転車を漕ぐのだ。当然ながら息切れも起こすだろう。
・・・まあ自転車よりも歩くスピードが速い事と、華奢な彼女が男を運んでいることを疑問に感じないミアの感覚がおかしいということだ。
「エレン!汗を流して僕を運ぶ君も美しい!」
「そんなこと言う暇あったら交代しなさぃぃぃぃ!」
結局、ルドルフとエレンは自転車通学を諦め、押しながら登校する事にしたが。
(なんかエレンさんが「こんなのありえない」って爪噛みながら呟いてたけど・・・なんのことかしら?)
そして爪を噛んでいたエレンに「爪と指が痛みますよ」とミアは注意をした。そしたらなぜか金切り声を上げて去っていったのだ。
「一体何が彼女の逆鱗に触れたんでしょうね。」
「確かにな。だがお前の顔は見ててムカつく顔をしているから、仕方ないかもしれないぞ。」
ニヤニヤしながらミアの顔をからかうグウィン。
ミアは子供っぽい弄り方をするグウィンを鼻で笑って一蹴をした。
「それはグウィン様の方ですね。いつも通り、安定のしたり顔ですし。」
「可愛くないなぁ!?」
結局この日は、デザートを食べてそのまま帰宅をした。
エレンの突撃以外に変わったことといえば帰り際になぜかグウィンが声をかけてきたことだ。
「ミア」
唐突に名前を呼ばれて振り返るミア。
なぜかグウィンは、顔を真っ赤に染めて挙動不審だ。
「・・・なんでしょう?(いい歳をした大人が、んな顔赤らめて)」
「・・・いや。気をつけて帰れよ。」
そんなおかしな様子にブッと吹き出してしまったミア。
「おい!令嬢がそんな吹き出してはしたないぞ!?」
「グウィン様の方がはしたないので大丈夫です。そうじゃなくて既に邸宅前なのにそんな気をつけろと言われても・・・ブッ」
そう言われ、二度も吹き出されたグウィンがギャーギャー騒ぎながら抗議をしていたけれど、そのままいつも通り強制送還をした。
「・・・軽いですね!?」
「お前が筋肉ダルマだからそう感じるだけだ!!!」
そうしてグウィンが帰ったあと、ミアは自室に戻りベッドにダイブした。
いつもの事だからか、侍女は何も咎めない。
(~~~~~~!!名前!?)
グウィンを強制送還したあとに、ものすごい遅れて気がついたミアだった。
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ある日の朝。
学園に歩いて向かっていると、この時代背景にそぐわぬ自転車なるものに乗ってるエレンにミアは絡まれた。
「あーらぁ?はぁ・・・ミア?さんでしたっけ。ぜえ・・・徒歩で学園に行くつもりなの?伯爵家の娘なのにぃ!?・・・ごフッ」
「おはようございます、エレンさん?それがどうしました?」
「ふふん?私はねえ!ぜえっはっ・・・優雅にこの自転車で学園に行く途中なのよぉ?」
「・・・はあ。ですが、大分息を切らせているようですが大丈夫ですか?軟弱な・・・じゃなく病弱なのでしょうか?」
朝からエレンが噛み付いてきているという事実には気が付かず、本気でエレンの軟弱さにミアは心配をしていた。
天然なのか、計算なのか分からないエレンは、そんなミアの様子と発言に苛立つ。
「なっ!なんなのよ、あんた!後ろ見なさい後ろ!コレ見ても同じことが言えるって言うの!?」
「あら、本当は元気なんじゃないですか。それだけ喋られるのならば大丈夫ですね?」
「えっ、いや、ちょ!速っ!?待ちなさいよおおお!」
実際には、エレンは体力がある方だ。
優雅になどと言っているがなぜかエレンは、後ろの座席に宰相の息子であるルドルフを乗せて自転車を漕いでいたのだ。
大の男を乗せながら華奢な女が自転車を漕ぐのだ。当然ながら息切れも起こすだろう。
・・・まあ自転車よりも歩くスピードが速い事と、華奢な彼女が男を運んでいることを疑問に感じないミアの感覚がおかしいということだ。
「エレン!汗を流して僕を運ぶ君も美しい!」
「そんなこと言う暇あったら交代しなさぃぃぃぃ!」
結局、ルドルフとエレンは自転車通学を諦め、押しながら登校する事にしたが。
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