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第6章:忍び寄る闇
第71話
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「うわぁー!いい眺めー!」
ルドルフの気球で崖を登りきった後、僕達は更に上を目指して足を動かした。しばらく登った所で見晴らしのいい丘を見つけ、辺りを見渡した。
「こうして見ると、街が小さく見えますね。」
「丁度いいし、そろそろお昼にしない?」
「賛成!」
草の上にシートを広げ、レヴィが用意してくれた昼食を頬張った。
「あ、これ美味しい!」
「本当ですか?お口にあってよかったです。」
「こんな美味しい料理を作れるなんて、すごいよレヴィ。家に帰ったら、作り方を教えてくれない?」
「もちろんいいですよ。」
「誰かに作ってあげるの?」
「ううん。そういう訳じゃないよ。自分で作れる料理のレパートリーを、増やしたいなと思って。料理に詳しい人が周りにいないから。」
「え?そうなの?」
「うん…。彼等は食事をする必要がないからね。全然って訳じゃないけど…料理をする人自体珍しいんだ。」
「こんな美味しい物を食べないなんて、人生損してるよなぁ。」
「あの…フランさん。先程の魔法は、吸血鬼の力…なんですよね?魔力はもちろんですけど…血が足りなくなったりは…。」
「まだ大丈夫だよ。もしもの時に備えて、余力を残しておくつもりだけど…血を吸わなくても、時間が経てば自然と回復するんだ。」
「へぇ~。そういうもんなんだ。」
「僕は半分人間みたいなものだから、食事でも血量を補えるしね。純粋な吸血鬼とは、身体の作りが少し違うみたい。」
「なら、もっと沢山食べて、頑張ってもらわないとな!こっちも上手いから食べてみてよ!」
「ありがとうスレイ。」
彼等との食事をしばらく楽しんだ後、山登りを再開した。山の頂上が見え始めた頃、僕は前を歩くレヴィに声をかけた。
「ねぇレヴィ。その鉱石って洞窟の中で見つかったんだよね?ここに来るまで、全然見かけてないんだけど…。」
「そうですね…。資料には、山の8合目辺りで採取した…と書かれているんですが。」
「8合目って言われても、ここが何合目かわかんねぇよなぁ。」
「もう少し登る?それとも降りる?」
「もう少し登ってみましょう。今引き返すより、頂上まで登ってから降りる方が見つけられるかもしれません。」
「ちょっと待て。…風の音が聞こえる。」
「え?」
俺は耳を澄ませ、音のする方へ歩き出した。しばらく歩いて行くと、岩肌の見える崖際に苔の生えた岩が積み重なっている場所を見つけた。
「この奥から風を感じる。」
「風を感じるって言われても…だから何なんだ?」
「岩の隙間から風が漏れているということは、奥に空洞があると言う事です。もしかしたら、以前洞窟があった場所が崩れて、入口を塞いでしまっていたのかもしれません。苔の生え方からして…数十年は経っていそうです。」
「へぇ~…ここ洞窟だったのか…。でも、どうやって入るんだ?」
「うーん…。僕達にはどうする事も…。」
「下がっていろ。」
俺は指を噛み、魔法を唱える。
「“…我が意思に従え。ルミエール”」
伸ばした手の先に光が集まり、凝縮されたエネルギーの力で岩の一部が崩れ落ちた。
「え!それって…光の魔法じゃ!」
「吸血鬼にも使えるなんて…初耳です。」
「もう少し崩したい所だが…今はこれが限界だ。」
「大丈夫ですか?先程も魔法を使っていましたし…少し休んだ方がいいのでは…。」
「俺様の代わりに、フランが身体を動かせばいいだけの話だ。貴様等は気にするな。」
「でも…。」
「僕なら大丈夫だよレヴィ。通りやすいように、もう少し岩をどかそう。」
「よし!力仕事なら、俺に任してよ!」
3人で協力し、ルドルフが崩した場所から岩を運び出した。彼の読み通り、岩の奥には洞窟が広がっている。吹き抜ける風が頬を掠め、髪をなびかせた。
「ランタンは俺が持つよ。」
「兄さん。この洞窟、かなり風化してるみたいだから、足元には気をつけて下さい。」
「わかった。2人も俺から離れないように、ちゃんと着いて来いよ?」
「うん。先頭は任せたよスレイ。」
ランタンに明かりを灯し、僕達は恐る恐る洞窟に足を踏み入れた。
中は思ったよりも広く、ランタンで照らしても壁や天井は暗くて見えなかった。足元には苔が生え、かなり滑りやすくなっているように見える。
「思ったより広いですね…。兄さん。壁沿いにゆっくり歩きましょう。」
「わかった。じゃあこっち側に…」
彼はゆっくりと右側へ進み始めた。2歩3歩と歩みを進めるが、壁と思われるものは見えてこない。
「あれ?おかしいな…壁が無いなんてこと…ぅわ!?」
彼は足を踏み外し、身体が右側へ大きく倒れる。僕は咄嗟に手を伸ばし、彼の腕を掴んだ。それと同時にレヴィも手を伸ばしていたようで、彼の手が僕の腕を掴んだ事により、なんとか耐える事が出来た。
しかし、スレイが持っていたランタンは宙に投げ出され、僕達の右側に広がっていた崖下へと落ちて行った。数秒後にガラスの割れるような音が聞こえ、それなりの深さの崖である事がわかる。
「あっぶねー…。2人共ありがとう。まさか洞窟の中に崖があるとは思わなかった…。」
「僕も気が付かなかったよ。結構深いみたいだし、落ちて怪我をしなくて良かった。」
「でも…ランタンが無くなっちゃった。この先どうする?」
「同じような崖が、この先ないとも限らないので…辛うじて見える出口の光を頼りに、戻った方がいいと思います。」
レヴィの提案により、今日は洞窟の探索を諦める事にした。
「じゃあ俺とレヴィは食料を探してくるから、フランはテントをよろしく!」
「わかった。2人共、暗くなる前に戻って来てね。」
「はい。行ってきます。」
洞窟の出入口の近くで野営をする事になった僕達は、それぞれ役割分担を決めて行動に移った。
テントの設営は騎士学校で嫌という程叩き込まれていたので、それほど時間はかからなかった。
「2人が来るまで、その辺で枝でも拾っておこうかな…。」
その場を離れて森の中を歩き回り、焚き火で使えそうな枝を拾い集めた。こうしていると、騎士学校で学んだ日々が随分昔の事のように感じる。皆は元気にしているだろうか?そんな事をぼんやりと考えていると、近くの茂みがカサカサと音を立てた。
「っ…!」
音がした方を向いて身構えると、茂みの中から1匹の熊が姿を現した。その身体は膝程の高さしかなく、まだ子供のように見える。
「なんだ…子熊かぁ…。」
「気を抜くな。子供がいるという事は、親も近…」
近くで枝の折れる音が聞こえ、俺は瞬時に後ろを振り返った。すぐそこまで迫っていた親熊の鋭い爪を避けようと、身体を反らせる。しかし、反応が遅れたせいで爪が腕を掠め、服がじんわりと赤く染まった。
「ぐ…っ!」
腰に下げた鞘に手を伸ばして剣の柄を掴むが、身体の力が抜けて膝から崩れ落ちた。
「これ程消耗していたとは…。」
何度か使った魔法に加え、傷によって失われた血量は、俺の予想を遥かに超えていた。
「熊ごときが…調子にのるな。」
こちらの様子を伺っている熊に向かって、鋭く睨みつけた。俺の気迫に怖気付いたのか、奴は子供を連れて茂みの奥へ逃げていく。
「ルドルフ…助かったよ。ありが…」
立ち上がろうとした時、血の気が引くような感覚と共に意識が遠のいていくのを感じた。
「ぅ…ん…?」
目を開けると、年季を感じる木製の天井が視界いっぱいに広がった。僕はこの光景を、数刻前に目撃している。
「あれ…?なんで戻って…」
ゆっくりと身体を起こすと、窓から吹き込む心地よい風と共に、腕に鈍い痛みを感じた。
その痛みは、熊に襲われた時のものである事を思い出し、夢ではない事を実感する。
そして、僕の頭の中にスレイとレヴィの顔が浮かんだ。僕が彼等の家に居るという事は、2人が僕をここまで連れて来たと考えるのが自然だ。僕は痛む腕を庇いつつ、ゆっくりと階段を降りて行った。
「スレイー?レヴィー?」
2人の名前を呼んでみるが、家の中は静まり返っていた。2人の安否を確認する為、僕は扉を開いて外に出た。
太陽は天高く登り、既に昼を過ぎている事がわかる。僕が気を失ったであろう日没前から、かなりの時間が経っていた。
彼等が行きそうな場所にあてはないが、研究所にいるオズモール達なら何か知っているかもしれない。そう考え、研究所を目指して歩き出した。
ルドルフの気球で崖を登りきった後、僕達は更に上を目指して足を動かした。しばらく登った所で見晴らしのいい丘を見つけ、辺りを見渡した。
「こうして見ると、街が小さく見えますね。」
「丁度いいし、そろそろお昼にしない?」
「賛成!」
草の上にシートを広げ、レヴィが用意してくれた昼食を頬張った。
「あ、これ美味しい!」
「本当ですか?お口にあってよかったです。」
「こんな美味しい料理を作れるなんて、すごいよレヴィ。家に帰ったら、作り方を教えてくれない?」
「もちろんいいですよ。」
「誰かに作ってあげるの?」
「ううん。そういう訳じゃないよ。自分で作れる料理のレパートリーを、増やしたいなと思って。料理に詳しい人が周りにいないから。」
「え?そうなの?」
「うん…。彼等は食事をする必要がないからね。全然って訳じゃないけど…料理をする人自体珍しいんだ。」
「こんな美味しい物を食べないなんて、人生損してるよなぁ。」
「あの…フランさん。先程の魔法は、吸血鬼の力…なんですよね?魔力はもちろんですけど…血が足りなくなったりは…。」
「まだ大丈夫だよ。もしもの時に備えて、余力を残しておくつもりだけど…血を吸わなくても、時間が経てば自然と回復するんだ。」
「へぇ~。そういうもんなんだ。」
「僕は半分人間みたいなものだから、食事でも血量を補えるしね。純粋な吸血鬼とは、身体の作りが少し違うみたい。」
「なら、もっと沢山食べて、頑張ってもらわないとな!こっちも上手いから食べてみてよ!」
「ありがとうスレイ。」
彼等との食事をしばらく楽しんだ後、山登りを再開した。山の頂上が見え始めた頃、僕は前を歩くレヴィに声をかけた。
「ねぇレヴィ。その鉱石って洞窟の中で見つかったんだよね?ここに来るまで、全然見かけてないんだけど…。」
「そうですね…。資料には、山の8合目辺りで採取した…と書かれているんですが。」
「8合目って言われても、ここが何合目かわかんねぇよなぁ。」
「もう少し登る?それとも降りる?」
「もう少し登ってみましょう。今引き返すより、頂上まで登ってから降りる方が見つけられるかもしれません。」
「ちょっと待て。…風の音が聞こえる。」
「え?」
俺は耳を澄ませ、音のする方へ歩き出した。しばらく歩いて行くと、岩肌の見える崖際に苔の生えた岩が積み重なっている場所を見つけた。
「この奥から風を感じる。」
「風を感じるって言われても…だから何なんだ?」
「岩の隙間から風が漏れているということは、奥に空洞があると言う事です。もしかしたら、以前洞窟があった場所が崩れて、入口を塞いでしまっていたのかもしれません。苔の生え方からして…数十年は経っていそうです。」
「へぇ~…ここ洞窟だったのか…。でも、どうやって入るんだ?」
「うーん…。僕達にはどうする事も…。」
「下がっていろ。」
俺は指を噛み、魔法を唱える。
「“…我が意思に従え。ルミエール”」
伸ばした手の先に光が集まり、凝縮されたエネルギーの力で岩の一部が崩れ落ちた。
「え!それって…光の魔法じゃ!」
「吸血鬼にも使えるなんて…初耳です。」
「もう少し崩したい所だが…今はこれが限界だ。」
「大丈夫ですか?先程も魔法を使っていましたし…少し休んだ方がいいのでは…。」
「俺様の代わりに、フランが身体を動かせばいいだけの話だ。貴様等は気にするな。」
「でも…。」
「僕なら大丈夫だよレヴィ。通りやすいように、もう少し岩をどかそう。」
「よし!力仕事なら、俺に任してよ!」
3人で協力し、ルドルフが崩した場所から岩を運び出した。彼の読み通り、岩の奥には洞窟が広がっている。吹き抜ける風が頬を掠め、髪をなびかせた。
「ランタンは俺が持つよ。」
「兄さん。この洞窟、かなり風化してるみたいだから、足元には気をつけて下さい。」
「わかった。2人も俺から離れないように、ちゃんと着いて来いよ?」
「うん。先頭は任せたよスレイ。」
ランタンに明かりを灯し、僕達は恐る恐る洞窟に足を踏み入れた。
中は思ったよりも広く、ランタンで照らしても壁や天井は暗くて見えなかった。足元には苔が生え、かなり滑りやすくなっているように見える。
「思ったより広いですね…。兄さん。壁沿いにゆっくり歩きましょう。」
「わかった。じゃあこっち側に…」
彼はゆっくりと右側へ進み始めた。2歩3歩と歩みを進めるが、壁と思われるものは見えてこない。
「あれ?おかしいな…壁が無いなんてこと…ぅわ!?」
彼は足を踏み外し、身体が右側へ大きく倒れる。僕は咄嗟に手を伸ばし、彼の腕を掴んだ。それと同時にレヴィも手を伸ばしていたようで、彼の手が僕の腕を掴んだ事により、なんとか耐える事が出来た。
しかし、スレイが持っていたランタンは宙に投げ出され、僕達の右側に広がっていた崖下へと落ちて行った。数秒後にガラスの割れるような音が聞こえ、それなりの深さの崖である事がわかる。
「あっぶねー…。2人共ありがとう。まさか洞窟の中に崖があるとは思わなかった…。」
「僕も気が付かなかったよ。結構深いみたいだし、落ちて怪我をしなくて良かった。」
「でも…ランタンが無くなっちゃった。この先どうする?」
「同じような崖が、この先ないとも限らないので…辛うじて見える出口の光を頼りに、戻った方がいいと思います。」
レヴィの提案により、今日は洞窟の探索を諦める事にした。
「じゃあ俺とレヴィは食料を探してくるから、フランはテントをよろしく!」
「わかった。2人共、暗くなる前に戻って来てね。」
「はい。行ってきます。」
洞窟の出入口の近くで野営をする事になった僕達は、それぞれ役割分担を決めて行動に移った。
テントの設営は騎士学校で嫌という程叩き込まれていたので、それほど時間はかからなかった。
「2人が来るまで、その辺で枝でも拾っておこうかな…。」
その場を離れて森の中を歩き回り、焚き火で使えそうな枝を拾い集めた。こうしていると、騎士学校で学んだ日々が随分昔の事のように感じる。皆は元気にしているだろうか?そんな事をぼんやりと考えていると、近くの茂みがカサカサと音を立てた。
「っ…!」
音がした方を向いて身構えると、茂みの中から1匹の熊が姿を現した。その身体は膝程の高さしかなく、まだ子供のように見える。
「なんだ…子熊かぁ…。」
「気を抜くな。子供がいるという事は、親も近…」
近くで枝の折れる音が聞こえ、俺は瞬時に後ろを振り返った。すぐそこまで迫っていた親熊の鋭い爪を避けようと、身体を反らせる。しかし、反応が遅れたせいで爪が腕を掠め、服がじんわりと赤く染まった。
「ぐ…っ!」
腰に下げた鞘に手を伸ばして剣の柄を掴むが、身体の力が抜けて膝から崩れ落ちた。
「これ程消耗していたとは…。」
何度か使った魔法に加え、傷によって失われた血量は、俺の予想を遥かに超えていた。
「熊ごときが…調子にのるな。」
こちらの様子を伺っている熊に向かって、鋭く睨みつけた。俺の気迫に怖気付いたのか、奴は子供を連れて茂みの奥へ逃げていく。
「ルドルフ…助かったよ。ありが…」
立ち上がろうとした時、血の気が引くような感覚と共に意識が遠のいていくのを感じた。
「ぅ…ん…?」
目を開けると、年季を感じる木製の天井が視界いっぱいに広がった。僕はこの光景を、数刻前に目撃している。
「あれ…?なんで戻って…」
ゆっくりと身体を起こすと、窓から吹き込む心地よい風と共に、腕に鈍い痛みを感じた。
その痛みは、熊に襲われた時のものである事を思い出し、夢ではない事を実感する。
そして、僕の頭の中にスレイとレヴィの顔が浮かんだ。僕が彼等の家に居るという事は、2人が僕をここまで連れて来たと考えるのが自然だ。僕は痛む腕を庇いつつ、ゆっくりと階段を降りて行った。
「スレイー?レヴィー?」
2人の名前を呼んでみるが、家の中は静まり返っていた。2人の安否を確認する為、僕は扉を開いて外に出た。
太陽は天高く登り、既に昼を過ぎている事がわかる。僕が気を失ったであろう日没前から、かなりの時間が経っていた。
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