エテルノ・レガーメ

りくあ

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第14章︰ルカソワレーヴェ

第121話

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「そっか。方法は見つかっても、それじゃあちょっとね…。」

ギルドへ戻ってきた僕達は、クラーレさんの元へ行き研究結果の報告を済ませた。

「やはり記憶の面は難しいだろうな。」

当たり前のようにソファーに座っていたヴェラが、その事を知っていたかのように話し始めた。

「え?知ってたの?」
「なんとなく察しはついていた。人間を吸血鬼に作り替える際も、記憶は失われていたからな。吸血鬼にとってはむしろ好都合で、特に気にもしなかったが…。」
「そっか…それで僕はルナになった時の記憶が曖昧なんだ…。」
「ひとまず無事に帰って来てくれてよかったよ。2人共しばらくの間休息を取って、今後の事はその後にでも…」
「それなんですけど…実は、もう考えてる事があるんです。」
「そうなの?なら聞いておこうかな。」

ギルドへ帰る途中、僕は心の中で新たな決意を固めていた。それは、クラーレさんやヴェラにはもちろん、ガゼルにもまだ話していない事だった。

「今回、人間には戻らなかった訳ですけど…。よく考えてみたら、僕は人間に戻って何をしたいんだろうって思って…。」
「確かに人よりも吸血鬼は優れている。やれる事の多さで言ったら、吸血鬼の方が多いに決まっている。」
「それで?」
「人間に戻りたいと思ったのは、吸血鬼に対して罪悪感があるからです。けど、なってしまったものは元通りには戻らない…今回プラニナタに行って、それがよく分かりました。それだったら、吸血鬼として出来る事をやりたいと思ったんです!」
「つまりお前は、吸血鬼として生きていく覚悟を決めたのか?」

脅しのような彼女の問いに、僕は迷う事無くハッキリと答えた。

「うん。決めたよ。」
「何も諦める事はないんじゃないか?今回は駄目だったが…別の方法を探せば…」

隣に座るガゼルが、僕を心配してか珍しく弱気な発言をしていた。

「別に諦めた訳じゃないよ。けど、研究者じゃない僕達に方法を見つけ出すのは難しいでしょ?研究の方は、オズモールさんやマコ達に任せた方がいいと思うんだ。だから僕は、人間に戻る方法を探すんじゃなくて、吸血鬼が人間に危害を加えない方法を考えたいなって思ってるの。」
「それもそうだな…。」
「吸血鬼が人間を殺さないようにする…か。何か具体的に考えがあるのか?」
「まだなんとなく思い描いてるだけなんだけど…ヴェラがタクトにあげてた薬があったでしょ?」
「血液の生成を促す薬の事か?」
「そう。それをなんとか改良して、副作用を無くす事は出来ないのかな?もしくは、全く新しい薬を作り出すかだけど…。ああいう薬が出回るようになれば、人間を襲う事も無くなるんじゃないかな…って。」
「随分簡単に言ってくれるな。あの薬は長い時間を費やして、ようやく完成したものだぞ?」
「それはステラから聞いたけど…可能性があるなら諦めたくないんだ!薬を作る上でまだまだ勉強不足なのはわかってるけど…もっと頑張って勉強するから!」
「…そうか。お前の言いたい事はわかった。」
「つまりルカは…吸血鬼である事を利用して、薬の研究をしたいんだね?」
「はい。」
「ならば、ギルドにいるよりレジデンスへ戻る方がいいだろうな。」
「え?どうして?」
「吸血鬼の為の薬を作るなら、その地にある材料を使い、吸血鬼に適応した環境で作るべきだ。」
「そっか…確かにそうだね。」
「勉強する為の資料も、私の部屋に沢山あるしな。」
「ねえヴェラ。それはわかったんだけど…ルカは幹部に狙われてるんだよね?敵地に潜り込むような事…危険じゃないのかな?」
「それなら問題ない。奴らの狙いはステラとステラの妹だ。ステラの妹であるアリサは島にいれば安全だし、ステラはルカとルナが両方揃わなければ意味が無い。…ルカ1人なら問題ないだろう。」
「それなら…僕は、ルカの考えを尊重するよ。ルカのやりたいようにやってみて。ただし、危ない事はしちゃだめだよ?」
「ありがとうございます…クラーレさん。」
「あ、そうだった。マスターこれ、頼まれた物を預かってきました。」

ガゼルはゼノから渡された袋を取り出し、彼の前に差し出した。

「ああこれか…ありがとう。」
「それ、ディオース島にも設置するんですよね?」
「そうなんだ。派遣してるメンバーの事が気になって、何とか作って貰えないかお願いしたんだよね。」
「ならそれ、俺が島に持って帰ります。ルカがレジデンスに戻るなら、俺も島に戻った方がいいと思うんで…。」
「そうしてもらえると助かるよ。早速明日、試しに使ってみようか。」
「わかりました。」
「私達も出発は明日にしよう。まずは身体を休めなさい。」
「そうだね…。」

ガゼルと共にクラーレさんの部屋を出ると、以前使っていた部屋へ移動し、それぞれのベッドで軽く仮眠を取る事にした。



「あ、ルカくん!」

仮眠を終えて部屋を出ると、リアーナがこちらに歩み寄って来た。

「リアーナ!」
「戻って来たんだね。おかえり!」
「ただいま…って言いたい所なんだけど、明日にはまたギルドを離れる予定なんだよね…。」
「そうなんだ…。でも、ルカくんがそうするって決めたなら、あたしは応援するよ!」
「ありがとうリアーナ。」
「ところで、イルムにはもう会った?」
「イルム?そういえば…帰って来た時、受付に居なかったからまだ挨拶してなかったなぁ…。」
「なら一緒にイルムの所に行かない?多分、訓練場に居るはずだから。」
「え?訓練場に?なんで?」
「行けばわかるよ。行こ!」

彼女の後ろをついて行き、訓練場の扉を開けるとそこには長い棒を握りしめたイルムと、離れた場所に座っているヴェラの姿があった。

「やっぱりいた。おーいイルム~!」
「リアーナ?どうし…あ!ルカくん!」

彼女は棒を手に持ったまま、小走りでこちらに近付いてきた。

「久しぶりイルム。元気にしてた?」
「うん!ルカくんは大丈夫だった?どこか怪我したりしてない?ちゃんとご飯は食べられた?」
「大丈夫!怪我もしてないし、ちゃんとご飯も食べてたよ。」
「そっかー。ならよかった!」
「随分心配するんだな。そんなに不安だったのか?」

イルムの後ろから、薄らと笑みを浮かべたヴェラがゆっくりと歩み寄って来た。

「だ、だって…聞いた事も見た事も無い街に行くって言ってたから…。」
「イルムは、それだけルカくんの事が気になって…」
「わー!何を言い出すのリアーナ!?」

イルムは慌てた様子で持っていた棒を地面に投げ飛ばすと、リアーナの口元に手を伸ばした。

「ねぇイルム。棒なんて持って何をしてたの?」
「あ、これ?実は、ヴェラに棍を教わってたの。」
「棍?」
「棒状の武器の事だ。クラーレに頼まれて私が扱い方を教えている。」
「へぇー!槍と似たような物なんだね。けど、どうして武器なんか…。」
「イルムは今まで事務的な作業ばっかりしてたけど、島から帰って来ていきなりマスターに言ったんだよ「私も依頼をやれるようになりたいです!」って。」
「ふっ…あの時のクラーレの顔は傑作だったな…。」
「ちょっとヴェラ!マスターの悪口言わないでよね!」
「悪口ではないぞ?私の個人的な感想だ。」

リアーナやイルムと自然に会話しているヴェラを見て、僕は胸をなでおろした。

「いつの間にかみんなと馴染んでるねヴェラ…なんか安心したよ。」
「何故安心するんだ?」 
「元々このギルドは、吸血鬼を殺す為の場所だったでしょ?でも今では、僕やヴェラに対して普通に接してくれてる。」
「それは、ルカくんやヴェラを見て、あたし達の考え方が変わったからじゃないかな?吸血鬼も、悪い人ばかりじゃないって事がわかったからだよ。」
「そう思ってもらえるなら嬉しいな…。」
「イルム。休憩はこれくらいにして続きをやろう。今日しか付き合えないからな。」
「あ、うん…そうだね。」
「あたしはシェリアの所に行って、夕飯の準備手伝ってくるよ。」
「なら僕も手伝うよ。頑張ってねイルム。」
「うん…ありがとうルカくん!」



「ルカ。ちょっと来なさい。」

夕飯を済ませた後ガゼルと共に部屋へ戻ると、ベッドに座っていたヴェラがその場から立ち上がり、壁に飾られた絵の中へ姿を消した。この絵の中には、吸血鬼のみが入る事の出来る空間が広がっている。どうやら彼女は、僕にだけ聞かせたい話があるようだった。中に入る事が出来ない彼を部屋に残し、彼女の後を追って絵の中へ入って行った。

「どうしたの?急に…」
「ギルドを離れてレジデンスへ戻る訳だが…お前とルナの関係についてはっきりさせておこうと思ってな。その辺に座りなさい。」

彼女に促され、部屋の中央にあるソファーに腰を下ろした。

「関係も何も…僕とルナは、ステラが分裂して生まれたんでしょ?もう幹部にはバレてるんだし、何か誤魔化す必要がある?」
「確かにそうだが…向こうに戻って会うのは、幹部の奴等だけじゃないだろう?」
「そっか…エーリで知り合ったみんなにも、会うかもしれないよね。」
「お前1人じゃステラではないし、ステラはもう存在していないようなものだ。あいつらに本当の事を言うのは話がややこしくなる。お前はルナの、双子の兄という事にしておくのが無難だろう。今後は、ルカソワレーヴェと名乗りなさい。」
「え?けど…それはルナの名前で…」
「ルナはもう死んだのよ。いい加減、現実を見なさい。」
「っ…。」
「…朝になったら出発する。夜更かしをして、寝坊しないようにな。」
「うん…。」

絵の中から抜け出すと、明日に備えて早く寝る事にした。しかし、中々寝付く事が出来ず仕方なく部屋を抜け出すと、廊下を歩いて食堂へ向かった。



「ん?あの部屋は確か…。」

食堂で水を飲み、部屋に戻ろうと階段の手すりに手をかけると、奥の部屋から明かりが漏れている事に気付いた。僕の記憶が正しければ、あそこはリーガルさんの部屋だ。彼は昔から本を読むのが好きで、夜遅くまで本を読んでいる事が多かった。彼のように本を読めばぐっすり眠る事が出来るかもしれないと考えた僕は、彼の部屋へ向かった。

「こ、こんばんは…リーガルさん…。」
「ん?あぁ…ルカか。どうした?」

そっと扉をノックして部屋に足を踏み入れると、椅子に座って本を読んでいるリーガルさんの姿を見つけた。彼は読んでいた本を閉じ、傍に置いてあるランタンを持ってこちらに歩み寄って来た。

「あ、ごめんなさい…邪魔しちゃって…。」
「別に構わない。それよりどうした?何か用事か?」
「えっと…なんだか寝付けなくて、本を読んだら眠くなるかもしれないと思って来たんです。よかったら本を貸して貰えませんか?」
「なるほど。だが、出発は明日だろう?しっかりとした休息を摂るなら、本に頼らない方がいいぞ。」
「え?そうなんですか?」
「本を読んで眠くなる原因は色々あるが、その多くは疲れから来るものだ。寝る前に必ず、本を読む癖をつけているなら話は別だが…。」
「うーん…本はよく読む方だけど…寝る前に必ずって程じゃないですね…。」
「それなら尚更、本を読むのはオススメしない。」
「それじゃあ…眠くなる為にはどうしたらいいんだろう…。」
「そうだな…何故眠くならないのか、その原因を突き止めるべきだな。」
「なるほど…原因ですね…!」
「ルカは、抱えている悩みはあるか?」
「悩みですか?うーん…悩み…。」
「ならば、不安に思っている事はないか?」
「不安?うーん…。」
「他には…後悔している事や、落ち込むような事は?」
「後悔は…沢山あります。落ち込む事も…。」
「恐らくそれが原因だな。話すだけでも、少しは気が楽になるだろう。話してみろ。」
「実は…ヴェラに、現実を見ろって言われたんです。僕はまだ、ルナが死んだ事を受け入れられなくて…。」
「確か、ルナが亡くなった事はヴェラから聞いたんだったな。」
「はい…。ルナが死んだのは、僕に身体を戻したせいで…それを止められなかった事をずっと後悔してるんです。もっと時間をかけていたら、他の方法を探せたかもしれなのに…。」
「自分の目で確かめていない事を受け入れるというのは…中々難しいな。…ヴェラが嘘をついている可能性はないのか?」
「え?嘘をついても、ヴェラには何の得もないと思いますけど…。」
「…それもそうだな。今のは忘れてくれ。」

彼は眼鏡を外してテーブルの上に置き、両手で顔を覆った。そして深く、息を吐き出した。

「あの…リーガルさんは、何か後悔してる事ってないんですか?」
「俺か?あるぞ。」
「どんな事ですか?」
「もっと幼い頃から、本を読むべきだったと後悔している。」
「えぇ!?」
「…冗談だ。」
「なんだ…びっくりしたぁ…。」
「過ぎてしまった事は、もう変えられない。後悔したのなら、次は同じ後悔をしないように前を向いて歩くべきだ。ヴェラは、そう言いたかったのかもしれないな。」
「同じ後悔をしないように…。」
「少しはスッキリしただろうか?」
「あ、はい!聞いて下さって、ありがとうございました。」
「眠れない様ならまた来い。本の読み聞かせでもしてやろう。」
「お、お気持ちだけで充分です!僕…部屋に戻りますね。おやすみなさいリーガルさん!」

僕は逃げるようにして部屋から出ると、駆け足で階段を上っていった。彼が本の話をする時は、決まって長話になる。

「本を読んで寝るはずが、リーガルさんの話で寝ちゃう所だったよ…。なんかスッキリしたような気がするし、部屋に戻ってもう1度寝てみようかな。」

不思議と清々しい気持ちになり、そのまま自分の部屋へ戻って行った。
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