幼女助けたら幼女になっちゃいました！！

プロローグ

いつも通りのある日の夕暮れ。太陽が町並みに溶けていく中、僕は仕事で疲れ果てた体でのっそりのっそりと歩いていた。上司の無茶苦茶な要求のせいで、毎日毎日徹夜続きだったが嫌になって今日狂ったように辞表を叩きつけててきた。
もう何もかも嫌になって人生を投げ出したい気分である。でも、そうも簡単にはいかない。人生というのは一度きりしかないゲームのような物。ゲームオーバー＝死の物語だから。
僕は疲れて棒のようになった重い足を必死に動かしながら自宅に向かっていた。
そんな中、一人の女の子が手を挙げながら横断歩道を渡っていた。
そこにトラックが一台猛スピードでやって来た。フラフラと車体を揺らしながら信号が赤にもかかわらずに突っ込んできていた。
女の子は気がついていなかった。声を張り上げるも、慌ててクラクションを鳴らすトラック。女の子は事の重大さには気がついたが、恐怖でその場に座り込んでしまった。
勝手に体が動き出していた。
そして、気がついた時には女の子を突き飛ばしていた。何とか轢かれそうに無いところにまでは飛んでいった。
僕の体は突き飛ばした後に逃げ切れずに吹き飛ばされた。
体が道路に引きずられるように飛んで、頭も熱かった。辛うじてあった意識を元に手で頭に触れると、手のひらにはべったりと赤い血がついていた。
これは死んだな…そんなことを悟った瞬間に彼女のことを考え出した。
突き飛ばした女の子を見ると、何とか無事だったようだ。派手に突き飛ばしたせいで擦り傷は負っているが、あとは無事のようだ。
「良かった…無事で…」
そんなことを言って、僕の一生は幕を閉じた。
本当に短い人生だったな…