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婚約破棄させれる間抜けな男2
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近くに来た時点で、男は私の顔を見て露骨に嫌そうな顔をしている。
そんなに露骨だと、隠せないだろうに…。
「なんでしょうか王子?」
「いや、君の婚約者があまりにも汚い靴を履いていると、僕の婚約者が伝えてきてね。本当に所々に傷が付いているな」
「そんなの、長年使っている間に古ぼけてて、傷も付いてきますよ。彼女はあまり良い家柄ではないですからね。こんな会場に会う靴さえもろくに変えないんですよ」
男は必至に王子に取り繕う為に、必至に大嘘ついている。流石に小さいとは彼女の家も貴族ではある。
もっと立場が上の貴族の婚約者にはいいなりになっても、ヒールの1つや2つは準備できる筈だ。
「あら、きた時から貴方の婚約者の靴がちょっと汚らしかったのよ」
「そうでしょう!この娘は薄汚い靴を履いているんですよ」
「そうね。だから、彼女に靴を貸したのよ。パーテイーが始まる前に…」
「そうなんですか。パーテイーが始まる前に……えっ?」
「そう、つまり貴方の婚約者が今履いているのは私のなの。私、王子の婚約者のエーデルシュタイン・クリスタル・グラナートが王子に頂いた靴のうち1つを彼女に貸してあげたのよ。サイズがちょっと合ってなくて、私には履けなかったら彼女に履いてもらったのよ。あとで、彼女と一緒に靴の話もする予定だったの。王子から頂いたものだったからね」
男の表情が一気に青ざめていく。自分がパーテイーの最中。合計で28回踏んづけていた靴の正体を今聞かされたからだろう。
「ちょっと靴を脱いでもらおうかしら?良いわよね貴女」
事前に話した通りに彼女はゆっくりと履いていたヒールを脱ぐ。
すると、真っ赤に腫れた踏まれた痕が、足にくっきりと残っている。
「あら、貴女の婚約者は本当にひどい人ね。こんな事を貴女にして平然としているなんて」
事前に色々とある事ない事吹き込んでおいた王子は、この証拠の数々に顔を真っ赤にさせて怒り出す。
もちろん、こんなのは状況証拠だし、ましてや信憑性を聞かれると困る。
しかし、この状況が大事なのだ。
パーテイー中で周りの参加者は何事かと注目しだして、大勢がこの証拠を目にする。
「残念だよ。君みたいに婚約者ですら大事に出来ないような人間に、俺の世代で政治に関わって欲しくないかな。君の悪行については父上に進言させてもらおう」
例の男は呻きながら、ゆっくりと崩れ落ちていく。
いい気味だ。
そんなに露骨だと、隠せないだろうに…。
「なんでしょうか王子?」
「いや、君の婚約者があまりにも汚い靴を履いていると、僕の婚約者が伝えてきてね。本当に所々に傷が付いているな」
「そんなの、長年使っている間に古ぼけてて、傷も付いてきますよ。彼女はあまり良い家柄ではないですからね。こんな会場に会う靴さえもろくに変えないんですよ」
男は必至に王子に取り繕う為に、必至に大嘘ついている。流石に小さいとは彼女の家も貴族ではある。
もっと立場が上の貴族の婚約者にはいいなりになっても、ヒールの1つや2つは準備できる筈だ。
「あら、きた時から貴方の婚約者の靴がちょっと汚らしかったのよ」
「そうでしょう!この娘は薄汚い靴を履いているんですよ」
「そうね。だから、彼女に靴を貸したのよ。パーテイーが始まる前に…」
「そうなんですか。パーテイーが始まる前に……えっ?」
「そう、つまり貴方の婚約者が今履いているのは私のなの。私、王子の婚約者のエーデルシュタイン・クリスタル・グラナートが王子に頂いた靴のうち1つを彼女に貸してあげたのよ。サイズがちょっと合ってなくて、私には履けなかったら彼女に履いてもらったのよ。あとで、彼女と一緒に靴の話もする予定だったの。王子から頂いたものだったからね」
男の表情が一気に青ざめていく。自分がパーテイーの最中。合計で28回踏んづけていた靴の正体を今聞かされたからだろう。
「ちょっと靴を脱いでもらおうかしら?良いわよね貴女」
事前に話した通りに彼女はゆっくりと履いていたヒールを脱ぐ。
すると、真っ赤に腫れた踏まれた痕が、足にくっきりと残っている。
「あら、貴女の婚約者は本当にひどい人ね。こんな事を貴女にして平然としているなんて」
事前に色々とある事ない事吹き込んでおいた王子は、この証拠の数々に顔を真っ赤にさせて怒り出す。
もちろん、こんなのは状況証拠だし、ましてや信憑性を聞かれると困る。
しかし、この状況が大事なのだ。
パーテイー中で周りの参加者は何事かと注目しだして、大勢がこの証拠を目にする。
「残念だよ。君みたいに婚約者ですら大事に出来ないような人間に、俺の世代で政治に関わって欲しくないかな。君の悪行については父上に進言させてもらおう」
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いい気味だ。
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