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プロローグ
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何気なく寄ったゲーム屋。そこは今にも潰れそうで、ほとんど目新しいゲームなどは無かった。たまたま店主が入荷したであろう流行りのゲームが数本だけ置いてあった。そんな中、叩き売りされているゲーム棚の中から珍しく懐かしいものを見つけた。
「これ…そういえば、乙女ゲーム版も販売されていたんだよな」
手に取ったのは、昔大好きだったギャルゲーの乙女ゲーム版だった。中々に興味深いものだ。
懐かしい記憶と思い出と共に、手に取ったゲームを暇潰し程度にはなると思って、レジで大きなあくびをしているお爺さんに会計を済ませてもらって、ちょっと色落ちした黒い袋に入れてもらって、さっさと店を出て行く。
「今日はこれをプレイしながら、お酒でも飲もうかな?」
何か手頃なツマミと好きな酒を買いに近所のスーパーに向かっている道中。
「おいおい…冗談だろ…!!」
暴走したトラックが横断歩道で右往左往しているお婆さんに向かって来ている。今にも死んでしまいそうな老人を助ける為に、必死になって先ほど買ったゲームを手放しながら、急いで婆さんを横断歩道の向こうに突き飛ばす。
なんとか婆さんは助けたが、暴走したトラックは止まる気配はない。
「クソ止まれよ!このトラック!!止まってくれよ!」
突っ込んできたトラックに、僕は直撃してしまう。
突き飛ばされた僕の体は道路を滑る様に飛ばされながら、近くの自販機でぶつかって、ようやく止まった。
「あぁ…痛い!本当に痛いな!!それなのに…何だか体から痛みがうっすらと力と一緒に抜けていきやがる」
大量に流れ出す真っ赤な血液は、大きな水溜りを作り、一気に意識を失った。
…畜生。あの買ったゲームプレイしたかったな…。
そんな後悔が頭の中をよぎっていた。
「これ…そういえば、乙女ゲーム版も販売されていたんだよな」
手に取ったのは、昔大好きだったギャルゲーの乙女ゲーム版だった。中々に興味深いものだ。
懐かしい記憶と思い出と共に、手に取ったゲームを暇潰し程度にはなると思って、レジで大きなあくびをしているお爺さんに会計を済ませてもらって、ちょっと色落ちした黒い袋に入れてもらって、さっさと店を出て行く。
「今日はこれをプレイしながら、お酒でも飲もうかな?」
何か手頃なツマミと好きな酒を買いに近所のスーパーに向かっている道中。
「おいおい…冗談だろ…!!」
暴走したトラックが横断歩道で右往左往しているお婆さんに向かって来ている。今にも死んでしまいそうな老人を助ける為に、必死になって先ほど買ったゲームを手放しながら、急いで婆さんを横断歩道の向こうに突き飛ばす。
なんとか婆さんは助けたが、暴走したトラックは止まる気配はない。
「クソ止まれよ!このトラック!!止まってくれよ!」
突っ込んできたトラックに、僕は直撃してしまう。
突き飛ばされた僕の体は道路を滑る様に飛ばされながら、近くの自販機でぶつかって、ようやく止まった。
「あぁ…痛い!本当に痛いな!!それなのに…何だか体から痛みがうっすらと力と一緒に抜けていきやがる」
大量に流れ出す真っ赤な血液は、大きな水溜りを作り、一気に意識を失った。
…畜生。あの買ったゲームプレイしたかったな…。
そんな後悔が頭の中をよぎっていた。
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