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31 ふたりでお風呂※

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 恭弥の服をすべて剥ぎ取ったあと、アランも自分の服をばさばさと脱いだ。
 
「おいで」

 手を引かれて、恭弥は風呂場に入った。
 まだ風呂を焚いていない浴室はひんやりとしていた。ほんのりと、壁に貼られた木の板の香りがする。窓の外は闇に沈んでいる。
 
「大丈夫。うしろもうちの敷地で、誰も入ってこないから。誰も見ないし、声も聞こえない」

 シャワーの湯が出て、ふたりの上に降り注ぐ。すぐに湯気がガラスを曇らせていく。恭弥は少しほっとした。
 
「頭、洗ってあげる」
 
 アランは湯を止めた。洗髪料をとり、恭弥の髪を泡だらけにする。甘い香料のにおいが恭弥を包んでいく。
 
「恭弥くんの頭、もこもこ」
 
 恭弥の好きな手でゆっくりと触れられて、恭弥はとろりと目を閉じた。
 興奮もあって、恭弥の頭がふわふわと軽くなっていく。
 
(夢みてえな気分だな)
 
 きれいに頭を流してもらうと、幸福感が恭弥を包んだ。
 
(いいのかな、おれ、こんなにしてもらって)
 
 自分が誰かのかわりではないのだと思い出すたび、恭弥は信じられない気持ちになる。
 
「この猫ちゃんは、お風呂が好きでえらいなぁ。身体も洗ってあげよう」
 
 アランはボディソープを手にとって恭弥の肩を撫でた。白い泡が恭弥の肌を滑っていく。
 腕を優しく洗っていた手が、背中に回る。一度腰骨まで下りたあと、手は脇腹のラインを擦り上げ、脇の下から胸へとなめらかに移っていく。
 
「あぁ」

 さっきまでたくさん弄られ、腫れきった胸の先が、今度は泡に揉まれている。
 
「お薬がとれちゃうから、あんまり触らないよ。お風呂から出たらまた塗ろうね」

 アランの手が離れた。泡の下で、恭弥の胸の先は寂しく疼いた。
 
「そのかわり」
 
 アランは泡を手に足した。
 
「ほかのところはいっぱい触ってあげる」
 
 腹を優しく撫でたあと、手のひらは下生えに向かった。
 
「っあ」

 アランはぬるついた手で、上を向いた恭弥のものを握りこむ。
 
「ぁ、ああ、ぁあ」
 
 優しく皮を引っ張って濃い桃色の先端をはっきりと露出させ、指で段差を撫でてくる。
 敏感な場所をすりすりと刺激され、恭弥は声を漏らした。
 
「気持ちいいね」

 アランはゆったりとした速度で茎を撫でおろし、陰嚢をやさしく弄ぶ。もどかしい快楽に、恭弥の腰が思わずもぞもぞと動いた。
 
「じっとしてられないの、かわいい」

 アランの手が陰嚢の下をくすぐる。恭弥の腹のいちばん快楽に弱いところを、外からそっと擦り撫でてくる。
 
「んぁああぁ」

 腹の奥に痺れがまわって、恭弥は鳴いた。アランに貫かれたときに似た、へばりつくような快楽だった。恭弥の声は急に裏返って、媚びるようになる。
 
「わかってるよ。中からここ、かわいがってほしいんだよね」

 ささやかれ、恭弥の身体は期待で震えた。
 アランの指が離れていく。恭弥はポンプを押すアランの手をぼんやりと見ている。
 
「っ……!」

 ぬるりとした手が、恭弥の薄い尻を包んだ。掴むように丸く撫でられると、恭弥の中はひどく疼く。
 アランの腰骨で打たれ、中の弱い部分がびりびりと共鳴する感覚を、恭弥は思い出してしまう。恭弥のうしろはひくん、ひくんと痙攣した。
 指はきわどいところをかすめて、また離れていく。
 
「ぅ……ぁ……」

 恭弥は太ももを擦り合わせた。一日じゅう焦がれていた部分を触ってほしくて、じっとしていられない。
 
「もじもじしてる」

 アランは笑った。
 
「ここ、撫でてほしいんだ」

 ぬるん。泡だらけのアランの指が、いちばん敏感な溝に触れた。
 
「っあああ!」
  
 恭弥はかくんと身体を大きく反らした。恭弥のものが揺れて、あたりに泡を撒き散らす。
  
「あたり。お尻、好きだねぇ」
「あっ、あっ、ぁあっ」

 すりすりと溝を擦られて、恭弥は声を上ずらせる。
 
「すごいね、恭弥くんのここ、ぴくぴくしてる。中、こすってほしいんだ」

 全部見透かされているのが、たまらなく恥ずかしくて気持ちいい。
 
「いいよ。こすってあげる」

 ぬぷん。指が恭弥の身体の中に滑りこむ。
 
「ぁああああっ」

 恭弥は身をよじってよがった。
 ずりずりと中を擦られて、目の前に火花が散っている。
 
 
 恭弥のうしろがアランの太さにひらくまで、あまり時間はかからなかった。
 アランはずるりと指を抜いた。恭弥は喘ぎ疲れて、アランによりかかっている。

(これで、いれて、もらえる)

 もう一瞬だって待てないほど、恭弥の中は疼いていた。
 だが恭弥の期待をよそに、アランは手に泡を足している。

「忘れてた。脚もきれいにしないと」
 
 手は痩せた太ももに下りた。ざわざわとした、じれったい感覚が恭弥の肌を震わせる。
 
(そこじゃねぇのに)

 恭弥の目に涙がたまっていく。
 
(おかしくなる)
 
 脚のラインをなぞってアランは屈み、つま先まで触れてくる。足指の股に指先を入れて、泡をまとわせていく。
 
「かわいいあんよ」
 
 くすぐったいのに、今の恭弥の身体はそれさえ快楽と結びつけてしまう。敏感な足の肌からぞわぞわとした感覚がのぼって、腹の中をじんと熱くする。

(はやく、いれて)

 恭弥の頭は、アランに尻を犯されることしか考えられなくなる。
 
「ぁ……は……」
 
 恭弥のものが、泡の中でふるふると震えた。
 
「足でも感じちゃってる。恭弥くんはすごいなぁ、どこもかしこも敏感でさ」
 
 きゅっと蛇口の音がした。湯が恭弥の身体を包んでいく。
 
「泡はいったん落としておこう。滑っちゃったら困るから」

 湯が肌に跳ね返る感触すら、愛撫のようだった。
 ばんそうこうのせいかいつもより敏感になった乳首が、つぶつぶとした水流を受けて甘く切なく痺れる。
 うしろの溝や孔に湯がつたっていく、それだけでも快感が生まれた。
 
(おれ、へんだ。こんなのが、きもちいい)
 
 全身の神経がとがって、こわいぐらいだ。
 アランも手早く自分の身体を清めている。
 
「お待たせ」

 湯を止めて、アランはささやいた。
 
「準備するね」

 アランはポーチを片手で漁って、ローションの袋を出した。
 アランはとろみのある液体をたっぷりと手のひらにとった。
 
「床にこぼすとやばいな。ふたりで転んで救急車にお世話になるのはまずい」

 アランはおどけている。
 
「さて、しよっか」


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