31 / 44
31 ふたりでお風呂※
しおりを挟む
恭弥の服をすべて剥ぎ取ったあと、アランも自分の服をばさばさと脱いだ。
「おいで」
手を引かれて、恭弥は風呂場に入った。
まだ風呂を焚いていない浴室はひんやりとしていた。ほんのりと、壁に貼られた木の板の香りがする。窓の外は闇に沈んでいる。
「大丈夫。うしろもうちの敷地で、誰も入ってこないから。誰も見ないし、声も聞こえない」
シャワーの湯が出て、ふたりの上に降り注ぐ。すぐに湯気がガラスを曇らせていく。恭弥は少しほっとした。
「頭、洗ってあげる」
アランは湯を止めた。洗髪料をとり、恭弥の髪を泡だらけにする。甘い香料のにおいが恭弥を包んでいく。
「恭弥くんの頭、もこもこ」
恭弥の好きな手でゆっくりと触れられて、恭弥はとろりと目を閉じた。
興奮もあって、恭弥の頭がふわふわと軽くなっていく。
(夢みてえな気分だな)
きれいに頭を流してもらうと、幸福感が恭弥を包んだ。
(いいのかな、おれ、こんなにしてもらって)
自分が誰かのかわりではないのだと思い出すたび、恭弥は信じられない気持ちになる。
「この猫ちゃんは、お風呂が好きでえらいなぁ。身体も洗ってあげよう」
アランはボディソープを手にとって恭弥の肩を撫でた。白い泡が恭弥の肌を滑っていく。
腕を優しく洗っていた手が、背中に回る。一度腰骨まで下りたあと、手は脇腹のラインを擦り上げ、脇の下から胸へとなめらかに移っていく。
「あぁ」
さっきまでたくさん弄られ、腫れきった胸の先が、今度は泡に揉まれている。
「お薬がとれちゃうから、あんまり触らないよ。お風呂から出たらまた塗ろうね」
アランの手が離れた。泡の下で、恭弥の胸の先は寂しく疼いた。
「そのかわり」
アランは泡を手に足した。
「ほかのところはいっぱい触ってあげる」
腹を優しく撫でたあと、手のひらは下生えに向かった。
「っあ」
アランはぬるついた手で、上を向いた恭弥のものを握りこむ。
「ぁ、ああ、ぁあ」
優しく皮を引っ張って濃い桃色の先端をはっきりと露出させ、指で段差を撫でてくる。
敏感な場所をすりすりと刺激され、恭弥は声を漏らした。
「気持ちいいね」
アランはゆったりとした速度で茎を撫でおろし、陰嚢をやさしく弄ぶ。もどかしい快楽に、恭弥の腰が思わずもぞもぞと動いた。
「じっとしてられないの、かわいい」
アランの手が陰嚢の下をくすぐる。恭弥の腹のいちばん快楽に弱いところを、外からそっと擦り撫でてくる。
「んぁああぁ」
腹の奥に痺れがまわって、恭弥は鳴いた。アランに貫かれたときに似た、へばりつくような快楽だった。恭弥の声は急に裏返って、媚びるようになる。
「わかってるよ。中からここ、かわいがってほしいんだよね」
ささやかれ、恭弥の身体は期待で震えた。
アランの指が離れていく。恭弥はポンプを押すアランの手をぼんやりと見ている。
「っ……!」
ぬるりとした手が、恭弥の薄い尻を包んだ。掴むように丸く撫でられると、恭弥の中はひどく疼く。
アランの腰骨で打たれ、中の弱い部分がびりびりと共鳴する感覚を、恭弥は思い出してしまう。恭弥のうしろはひくん、ひくんと痙攣した。
指はきわどいところをかすめて、また離れていく。
「ぅ……ぁ……」
恭弥は太ももを擦り合わせた。一日じゅう焦がれていた部分を触ってほしくて、じっとしていられない。
「もじもじしてる」
アランは笑った。
「ここ、撫でてほしいんだ」
ぬるん。泡だらけのアランの指が、いちばん敏感な溝に触れた。
「っあああ!」
恭弥はかくんと身体を大きく反らした。恭弥のものが揺れて、あたりに泡を撒き散らす。
「あたり。お尻、好きだねぇ」
「あっ、あっ、ぁあっ」
すりすりと溝を擦られて、恭弥は声を上ずらせる。
「すごいね、恭弥くんのここ、ぴくぴくしてる。中、こすってほしいんだ」
全部見透かされているのが、たまらなく恥ずかしくて気持ちいい。
「いいよ。こすってあげる」
ぬぷん。指が恭弥の身体の中に滑りこむ。
「ぁああああっ」
恭弥は身をよじってよがった。
ずりずりと中を擦られて、目の前に火花が散っている。
恭弥のうしろがアランの太さにひらくまで、あまり時間はかからなかった。
アランはずるりと指を抜いた。恭弥は喘ぎ疲れて、アランによりかかっている。
(これで、いれて、もらえる)
もう一瞬だって待てないほど、恭弥の中は疼いていた。
だが恭弥の期待をよそに、アランは手に泡を足している。
「忘れてた。脚もきれいにしないと」
手は痩せた太ももに下りた。ざわざわとした、じれったい感覚が恭弥の肌を震わせる。
(そこじゃねぇのに)
恭弥の目に涙がたまっていく。
(おかしくなる)
脚のラインをなぞってアランは屈み、つま先まで触れてくる。足指の股に指先を入れて、泡をまとわせていく。
「かわいいあんよ」
くすぐったいのに、今の恭弥の身体はそれさえ快楽と結びつけてしまう。敏感な足の肌からぞわぞわとした感覚がのぼって、腹の中をじんと熱くする。
(はやく、いれて)
恭弥の頭は、アランに尻を犯されることしか考えられなくなる。
「ぁ……は……」
恭弥のものが、泡の中でふるふると震えた。
「足でも感じちゃってる。恭弥くんはすごいなぁ、どこもかしこも敏感でさ」
きゅっと蛇口の音がした。湯が恭弥の身体を包んでいく。
「泡はいったん落としておこう。滑っちゃったら困るから」
湯が肌に跳ね返る感触すら、愛撫のようだった。
ばんそうこうのせいかいつもより敏感になった乳首が、つぶつぶとした水流を受けて甘く切なく痺れる。
うしろの溝や孔に湯がつたっていく、それだけでも快感が生まれた。
(おれ、へんだ。こんなのが、きもちいい)
全身の神経がとがって、こわいぐらいだ。
アランも手早く自分の身体を清めている。
「お待たせ」
湯を止めて、アランはささやいた。
「準備するね」
アランはポーチを片手で漁って、ローションの袋を出した。
アランはとろみのある液体をたっぷりと手のひらにとった。
「床にこぼすとやばいな。ふたりで転んで救急車にお世話になるのはまずい」
アランはおどけている。
「さて、しよっか」
「おいで」
手を引かれて、恭弥は風呂場に入った。
まだ風呂を焚いていない浴室はひんやりとしていた。ほんのりと、壁に貼られた木の板の香りがする。窓の外は闇に沈んでいる。
「大丈夫。うしろもうちの敷地で、誰も入ってこないから。誰も見ないし、声も聞こえない」
シャワーの湯が出て、ふたりの上に降り注ぐ。すぐに湯気がガラスを曇らせていく。恭弥は少しほっとした。
「頭、洗ってあげる」
アランは湯を止めた。洗髪料をとり、恭弥の髪を泡だらけにする。甘い香料のにおいが恭弥を包んでいく。
「恭弥くんの頭、もこもこ」
恭弥の好きな手でゆっくりと触れられて、恭弥はとろりと目を閉じた。
興奮もあって、恭弥の頭がふわふわと軽くなっていく。
(夢みてえな気分だな)
きれいに頭を流してもらうと、幸福感が恭弥を包んだ。
(いいのかな、おれ、こんなにしてもらって)
自分が誰かのかわりではないのだと思い出すたび、恭弥は信じられない気持ちになる。
「この猫ちゃんは、お風呂が好きでえらいなぁ。身体も洗ってあげよう」
アランはボディソープを手にとって恭弥の肩を撫でた。白い泡が恭弥の肌を滑っていく。
腕を優しく洗っていた手が、背中に回る。一度腰骨まで下りたあと、手は脇腹のラインを擦り上げ、脇の下から胸へとなめらかに移っていく。
「あぁ」
さっきまでたくさん弄られ、腫れきった胸の先が、今度は泡に揉まれている。
「お薬がとれちゃうから、あんまり触らないよ。お風呂から出たらまた塗ろうね」
アランの手が離れた。泡の下で、恭弥の胸の先は寂しく疼いた。
「そのかわり」
アランは泡を手に足した。
「ほかのところはいっぱい触ってあげる」
腹を優しく撫でたあと、手のひらは下生えに向かった。
「っあ」
アランはぬるついた手で、上を向いた恭弥のものを握りこむ。
「ぁ、ああ、ぁあ」
優しく皮を引っ張って濃い桃色の先端をはっきりと露出させ、指で段差を撫でてくる。
敏感な場所をすりすりと刺激され、恭弥は声を漏らした。
「気持ちいいね」
アランはゆったりとした速度で茎を撫でおろし、陰嚢をやさしく弄ぶ。もどかしい快楽に、恭弥の腰が思わずもぞもぞと動いた。
「じっとしてられないの、かわいい」
アランの手が陰嚢の下をくすぐる。恭弥の腹のいちばん快楽に弱いところを、外からそっと擦り撫でてくる。
「んぁああぁ」
腹の奥に痺れがまわって、恭弥は鳴いた。アランに貫かれたときに似た、へばりつくような快楽だった。恭弥の声は急に裏返って、媚びるようになる。
「わかってるよ。中からここ、かわいがってほしいんだよね」
ささやかれ、恭弥の身体は期待で震えた。
アランの指が離れていく。恭弥はポンプを押すアランの手をぼんやりと見ている。
「っ……!」
ぬるりとした手が、恭弥の薄い尻を包んだ。掴むように丸く撫でられると、恭弥の中はひどく疼く。
アランの腰骨で打たれ、中の弱い部分がびりびりと共鳴する感覚を、恭弥は思い出してしまう。恭弥のうしろはひくん、ひくんと痙攣した。
指はきわどいところをかすめて、また離れていく。
「ぅ……ぁ……」
恭弥は太ももを擦り合わせた。一日じゅう焦がれていた部分を触ってほしくて、じっとしていられない。
「もじもじしてる」
アランは笑った。
「ここ、撫でてほしいんだ」
ぬるん。泡だらけのアランの指が、いちばん敏感な溝に触れた。
「っあああ!」
恭弥はかくんと身体を大きく反らした。恭弥のものが揺れて、あたりに泡を撒き散らす。
「あたり。お尻、好きだねぇ」
「あっ、あっ、ぁあっ」
すりすりと溝を擦られて、恭弥は声を上ずらせる。
「すごいね、恭弥くんのここ、ぴくぴくしてる。中、こすってほしいんだ」
全部見透かされているのが、たまらなく恥ずかしくて気持ちいい。
「いいよ。こすってあげる」
ぬぷん。指が恭弥の身体の中に滑りこむ。
「ぁああああっ」
恭弥は身をよじってよがった。
ずりずりと中を擦られて、目の前に火花が散っている。
恭弥のうしろがアランの太さにひらくまで、あまり時間はかからなかった。
アランはずるりと指を抜いた。恭弥は喘ぎ疲れて、アランによりかかっている。
(これで、いれて、もらえる)
もう一瞬だって待てないほど、恭弥の中は疼いていた。
だが恭弥の期待をよそに、アランは手に泡を足している。
「忘れてた。脚もきれいにしないと」
手は痩せた太ももに下りた。ざわざわとした、じれったい感覚が恭弥の肌を震わせる。
(そこじゃねぇのに)
恭弥の目に涙がたまっていく。
(おかしくなる)
脚のラインをなぞってアランは屈み、つま先まで触れてくる。足指の股に指先を入れて、泡をまとわせていく。
「かわいいあんよ」
くすぐったいのに、今の恭弥の身体はそれさえ快楽と結びつけてしまう。敏感な足の肌からぞわぞわとした感覚がのぼって、腹の中をじんと熱くする。
(はやく、いれて)
恭弥の頭は、アランに尻を犯されることしか考えられなくなる。
「ぁ……は……」
恭弥のものが、泡の中でふるふると震えた。
「足でも感じちゃってる。恭弥くんはすごいなぁ、どこもかしこも敏感でさ」
きゅっと蛇口の音がした。湯が恭弥の身体を包んでいく。
「泡はいったん落としておこう。滑っちゃったら困るから」
湯が肌に跳ね返る感触すら、愛撫のようだった。
ばんそうこうのせいかいつもより敏感になった乳首が、つぶつぶとした水流を受けて甘く切なく痺れる。
うしろの溝や孔に湯がつたっていく、それだけでも快感が生まれた。
(おれ、へんだ。こんなのが、きもちいい)
全身の神経がとがって、こわいぐらいだ。
アランも手早く自分の身体を清めている。
「お待たせ」
湯を止めて、アランはささやいた。
「準備するね」
アランはポーチを片手で漁って、ローションの袋を出した。
アランはとろみのある液体をたっぷりと手のひらにとった。
「床にこぼすとやばいな。ふたりで転んで救急車にお世話になるのはまずい」
アランはおどけている。
「さて、しよっか」
31
お気に入りに追加
110
あなたにおすすめの小説
転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
嘘をついて離れようとしたら逆に離れられなくなった話
よしゆき
BL
何でもかんでも世話を焼いてくる幼馴染みから離れようとして好きだと嘘をついたら「俺も好きだった」と言われて恋人になってしまい離れられなくなってしまった話。
爽やか好青年に見せかけたドロドロ執着系攻め×チョロ受け
俺は完璧な君の唯一の欠点
白兪
BL
進藤海斗は完璧だ。端正な顔立ち、優秀な頭脳、抜群の運動神経。皆から好かれ、敬わられている彼は性格も真っ直ぐだ。
そんな彼にも、唯一の欠点がある。
それは、平凡な俺に依存している事。
平凡な受けがスパダリ攻めに囲われて逃げられなくなっちゃうお話です。
煽られて、衝動。
楽川楽
BL
体の弱い生田を支える幼馴染、室屋に片思いしている梛原。だけどそんな想い人は、いつだって生田のことで頭がいっぱいだ。
少しでも近くにいられればそれでいいと、そう思っていたのに…気持ちはどんどん貪欲になってしまい、友人である生田のことさえ傷つけてしまいそうになって…。
※ 超正統派イケメン×ウルトラ平凡
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる