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17 恋人未満※
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サノユーはさらに奥へ指を押し込んだ。
「っ!!」
俺よりは太さのあるサノユーの指が、根元まではいった。
「あともう一本、だね」
そう言いながら、サノユーはゆっくりと抜き差しをする。
押して、引いて、俺の反応を楽しんでいるかのようだ。
「あっ、ひあっ、うぐ、あ」
中を二本指で擦り撫でられて、俺は顔を押さえて泣いた。
こんな感覚は知らない。
こんなの、ベータの身体が受け止められるような快感ではない。
こわくてたまらない。
「かわいいね。もうちょっとがんばろうね」
サノユーはあやすように言いながら、内側をしつこく擦っている。
「あ、ぁあ、むり、やだ」
「もう少しなんだけどな。どうしても薬指がはいらない。ねえ、息、ゆっくり吐いてみて?」
そんなことを言われても、俺の肺はちっともこちらの言うことを聞いてくれない。
まともに息さえできない。
ひゅーひゅーと喉から変な音が鳴る。
意識が薄暗くなってくる。
「もしかして、過呼吸になっちゃってる?」
サノユーは手を止め、俺の顔を覗き込んだ。
「かは、ぁ、ほんと、に、むり……ぐす、も、やめ……」
俺は本気で泣いていた。
二本分の太さで圧迫されるだけで、息ができなくなっている。
もう一本なんて、とてもじゃないが考えられない。
「やめるの?」
サノユーは優しく聞いた。
俺は涙でべしょべしょになった顔で、おそるおそる頷いた。
情けなかった。
オメガになりたいのは本当なのに、身体がちっともついてこない。
「そうだね。中イキなんて初めてだもんね、こわいよね……わかった。今夜はここまでにしとこっか」
サノユーは少し寂しそうに言って、指をそっと引き抜いた。
「んああっ!」
いれるとき以上の快感が俺を殴りつけた。
「はあ、あ、っはあ」
必死に息をする俺を、サノユーはじっと見つめている。
「そのかわり、マーキングさせて」
サノユーは自分のものの先端を、俺の脚の間へ向けた。
俺を一心に見つめたまま、茎をしごいている。
手の中で大きなものが、どくんどくんと脈打っている。
「っは……」
俺を犯す想像をしているのだろう。
ぐちゃぐちゃになった俺のうしろに、まだかたくなったままの茎に、胸に、顔に、アルファの視線が絡みつく。
「あ……」
ほとんど無意識だった。
気づくと俺も自分の前を触り始めていた。
だしたくて仕方がなかった。
「はあ、はっ……」
「見られて興奮しちゃってるんだ?」
サノユーは笑った。
指摘されると恥ずかしくなって、もっと気持ちよくなった。
「おっぱいも触ってごらん。オメガはオナニーのとき、するんだよ」
まるで催眠にかかったようだった。
言われるまま、俺は自分の胸にもう片方の手を伸ばした。
どうせサノユーにはもう、いちばん恥ずかしいシーンは見られてしまっている。
サノユーの視線の下で、俺は自分の乳首を触った。
俺の脳みそはもうろうとしている。こうして視線にさらされていると、まるでサノユーに触られているみたいだ。
覚えたての快感が、ずん、と俺の下肢に響いていく。
「あっ……」
漏らすようにあっけなく、俺は果てた。
まだ開いたままの後ろが、ひくんひくんと痙攣している。
「ふふ、おしりぴくぴくしてる。僕じゃなかったら、無理やり犯されちゃってるね」
サノユーは息苦しそうに笑った。
「さすがに僕だって限界だもん。素直になっちゃった朝くん、ほんとたまんない」
サノユーは自分のものの先端を、ぐいっと俺の孔へ押し当てた。
「っ!」
まだはいるはずもない大きな大きな亀頭が、ほんの少しだけ、浅く俺の尻へめり込んだ。
ちゃんといれられたわけでもないのに、内側がきゅんと切なく痺れる。
サノユーは微笑んだ。
「今日はここまで。このまま、いかせて」
俺を視姦しながら、サノユーは力強く手で自分の茎を擦る。
それがもし、俺の腹の中にあったら。
畏れと興奮とがまぜこぜになって、俺を混乱させる。
「くっ……」
眉をきつく寄せて、サノユーは精をほとばしらせた。
アルファの匂いのする白濁が、俺の尻に跳ね返った。
「はー……」
サノユーは長い息をつくと、俺の尻に垂れた体液を指にとった。
その指をそっと中に押し込んでくる。
「んぁっ……」
アルファの精を内側に塗りこまれている。
初めて気持ちよさを知った場所で、ふたたび指が蠢いている。
気持ちよくて、苦しくて、目に涙が浮かんだ。
塗られた場所がじくじくしてたまらない。
指を緩慢に動かしながら、サノユーは囁いた。
「覚えておいてね。ここは僕のだから」
「っ!!」
俺よりは太さのあるサノユーの指が、根元まではいった。
「あともう一本、だね」
そう言いながら、サノユーはゆっくりと抜き差しをする。
押して、引いて、俺の反応を楽しんでいるかのようだ。
「あっ、ひあっ、うぐ、あ」
中を二本指で擦り撫でられて、俺は顔を押さえて泣いた。
こんな感覚は知らない。
こんなの、ベータの身体が受け止められるような快感ではない。
こわくてたまらない。
「かわいいね。もうちょっとがんばろうね」
サノユーはあやすように言いながら、内側をしつこく擦っている。
「あ、ぁあ、むり、やだ」
「もう少しなんだけどな。どうしても薬指がはいらない。ねえ、息、ゆっくり吐いてみて?」
そんなことを言われても、俺の肺はちっともこちらの言うことを聞いてくれない。
まともに息さえできない。
ひゅーひゅーと喉から変な音が鳴る。
意識が薄暗くなってくる。
「もしかして、過呼吸になっちゃってる?」
サノユーは手を止め、俺の顔を覗き込んだ。
「かは、ぁ、ほんと、に、むり……ぐす、も、やめ……」
俺は本気で泣いていた。
二本分の太さで圧迫されるだけで、息ができなくなっている。
もう一本なんて、とてもじゃないが考えられない。
「やめるの?」
サノユーは優しく聞いた。
俺は涙でべしょべしょになった顔で、おそるおそる頷いた。
情けなかった。
オメガになりたいのは本当なのに、身体がちっともついてこない。
「そうだね。中イキなんて初めてだもんね、こわいよね……わかった。今夜はここまでにしとこっか」
サノユーは少し寂しそうに言って、指をそっと引き抜いた。
「んああっ!」
いれるとき以上の快感が俺を殴りつけた。
「はあ、あ、っはあ」
必死に息をする俺を、サノユーはじっと見つめている。
「そのかわり、マーキングさせて」
サノユーは自分のものの先端を、俺の脚の間へ向けた。
俺を一心に見つめたまま、茎をしごいている。
手の中で大きなものが、どくんどくんと脈打っている。
「っは……」
俺を犯す想像をしているのだろう。
ぐちゃぐちゃになった俺のうしろに、まだかたくなったままの茎に、胸に、顔に、アルファの視線が絡みつく。
「あ……」
ほとんど無意識だった。
気づくと俺も自分の前を触り始めていた。
だしたくて仕方がなかった。
「はあ、はっ……」
「見られて興奮しちゃってるんだ?」
サノユーは笑った。
指摘されると恥ずかしくなって、もっと気持ちよくなった。
「おっぱいも触ってごらん。オメガはオナニーのとき、するんだよ」
まるで催眠にかかったようだった。
言われるまま、俺は自分の胸にもう片方の手を伸ばした。
どうせサノユーにはもう、いちばん恥ずかしいシーンは見られてしまっている。
サノユーの視線の下で、俺は自分の乳首を触った。
俺の脳みそはもうろうとしている。こうして視線にさらされていると、まるでサノユーに触られているみたいだ。
覚えたての快感が、ずん、と俺の下肢に響いていく。
「あっ……」
漏らすようにあっけなく、俺は果てた。
まだ開いたままの後ろが、ひくんひくんと痙攣している。
「ふふ、おしりぴくぴくしてる。僕じゃなかったら、無理やり犯されちゃってるね」
サノユーは息苦しそうに笑った。
「さすがに僕だって限界だもん。素直になっちゃった朝くん、ほんとたまんない」
サノユーは自分のものの先端を、ぐいっと俺の孔へ押し当てた。
「っ!」
まだはいるはずもない大きな大きな亀頭が、ほんの少しだけ、浅く俺の尻へめり込んだ。
ちゃんといれられたわけでもないのに、内側がきゅんと切なく痺れる。
サノユーは微笑んだ。
「今日はここまで。このまま、いかせて」
俺を視姦しながら、サノユーは力強く手で自分の茎を擦る。
それがもし、俺の腹の中にあったら。
畏れと興奮とがまぜこぜになって、俺を混乱させる。
「くっ……」
眉をきつく寄せて、サノユーは精をほとばしらせた。
アルファの匂いのする白濁が、俺の尻に跳ね返った。
「はー……」
サノユーは長い息をつくと、俺の尻に垂れた体液を指にとった。
その指をそっと中に押し込んでくる。
「んぁっ……」
アルファの精を内側に塗りこまれている。
初めて気持ちよさを知った場所で、ふたたび指が蠢いている。
気持ちよくて、苦しくて、目に涙が浮かんだ。
塗られた場所がじくじくしてたまらない。
指を緩慢に動かしながら、サノユーは囁いた。
「覚えておいてね。ここは僕のだから」
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