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ACT4 けじめけじめと言うけれどけじめを付けてどうすれば??8
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「ほんとはダメなんだけど・・・」と、あおいがプライベート用のLINEを教えてくれた訳だが・・・
それと関係あるのか否か、帰りの特急の中、何故かきなこのご機嫌は斜めだった。
こいつは機嫌悪いとひたすら物を食う癖があるのか?
東京駅で買った駅弁やらサンドイッチやらスイーツやらを並べて、ずっとむしゃむしゃ食っている。
その姿は何かの動物のようで、俺は思わず吹いた。
「おまえさぁ・・・食い物は飲み物じゃないんだから、もうちょっとゆっくり食ったら???w」
「うるしゃいなぁ~てっちゃんには関係ないでそぉ!」
「食いながら喋るなよww」
「むぅっ」
ペットボトルのジャスミン茶をごくごくと飲んで、口の中の食べ物を一気に流しこむよ、きなこは、ツンと唇を尖らせて、大きな目でじーっと俺の顔を見た。
「てっちゃん、ちゃんとあたしに感謝してる???」
「はぁ??してるよ・・・」
「それを証明してよ!!!」
「おまえ、何言ってんの???どうやって証明しろって?w」
「てっちゃんはね!!!あたしを無碍にしすぎ!!」
「なんで?」
「あおちぃ~にはデレってするくせに!あたしにはしれっとしてるじゃん!!」
「何言ってんのおまえ????」
俺はますます訳がわからなくって、まじまじときなこの顔を覗きこんでしまった。
きなこは、ふうっと大きく息を吐くと、食べかけのサンドイッチを置いて、大きな瞳を伏せがちにすると、またハリセンボンのように頬っぺたを膨らませる。
「てっちゃんのばーかばーかばーか」
「あのなぁ・・・・」
俺が呆れてそういうときなこはまた、俺の顔を大きな目で見つめ返して、今度は珍しくクールに笑った。
「てっちゃんて、ほんとバカでクズでどうしようもないけど・・・今日のオーディションの時は、かっこよかった」
「おまえは俺を褒めたいの???けなしたいの???」
「うーん・・・両方??」
「意味わかんねーよ!」
「親戚特権であおちぃと、てっちゃんが歌ってるとこ、モニターで見てたんだよぉ
プロデュサーがなんていうかわからないけど、てっちゃん、少しは歌で稼げるといいね?」
「・・・・稼げるわけないじゃん、あの手のオーディションなんて名ばかりで、もうとっくにメンバーなんて決まってんだよ、金も権力もない人間なんてかすりもしないさ」
「えーーーーー!そんなことないよ!!だってあのてっちゃんは本気だったもん!
いつもよりもっともっと真剣に歌ってた気がするよ!」
「真剣に歌ったよ!そりゃ!でも、それとこれとは話が別なんだよ
金がないやつは夢なんて見れないし、夢見ちゃいけないんだよ
世の中の金と権力には勝てないし、真剣に歌ったところで評価なんかされないよ」
そこまで言って、俺は思わずため息をついた。
ジャパニーズドリームなんてあるはずもない。
世の中は全部金で回ってるんだから、金がないやつがどんだけ実力あっても、認められるはずなんてないんだよ・・・
特急の窓に映った俺の顔は、思ったより卑屈な表情をしてた。
「てっちゃん、そんなこと言ったら、めっ!」
その言葉と同時に、きなこが眉を吊り上げて、何故か俺のほっぺたをぺちぺちと叩く。
俺が振り返ると、きなこは両手でむぎゅっと俺の頬っぺたを包んだ。
「確かにてっちゃんにお金なんかある訳ないし、クズが稼げる訳ないのもわかってるけど!
でも・・・てっちゃんには歌があるじゃん?
あたしはいつだって、真剣にてっちゃんを応援してるよ?」
きなこは何故かにっこりと笑う。
たしかにこいつは、何故かいつだって真剣に俺を応援してくれてる。
まぁ、今回のことだって、事前に連絡よこさないのはどうかと思うけど、でも、あおいから連絡を受けて、必死に俺のこと迎えにきたんだもんな・・・
俺は、頬っぺたをむぎゅっとしてるきなこの両手をのけて、小さく息を吐く。
「きなこ・・・」
「なぁに?」
「ありがとう・・・・」
珍しくまじめな顔してたと、自分でも思う。
真奈美にフラれて、少しだけ真面目に、人生を本気で生きることを考えてたからかもしれない。
俺は、じーっときなこの大きな目を見つめてた。
きなこは、少しだけはっとすると、めちゃくちゃ嬉しそうに、なんか照れたようにうつむいた。
「ん・・・いいんだよ、あたしは、真剣に応援してるだけだし・・・べ、別に・・・」
「・・・・・なにもじもじしてんの???珍しいw」
「だって、てっちゃん、いつもみたいに間抜けな顔しなかったから、恥ずかしくなっちゃった!
一応、あたしはてっちゃんのファンだしね・・・えへへ」
「間抜け言うなwwww褒めるかけなすか、どっちかにしろwww」
「ほんとはダメなんだけど・・・」と、あおいがプライベート用のLINEを教えてくれた訳だが・・・
それと関係あるのか否か、帰りの特急の中、何故かきなこのご機嫌は斜めだった。
こいつは機嫌悪いとひたすら物を食う癖があるのか?
東京駅で買った駅弁やらサンドイッチやらスイーツやらを並べて、ずっとむしゃむしゃ食っている。
その姿は何かの動物のようで、俺は思わず吹いた。
「おまえさぁ・・・食い物は飲み物じゃないんだから、もうちょっとゆっくり食ったら???w」
「うるしゃいなぁ~てっちゃんには関係ないでそぉ!」
「食いながら喋るなよww」
「むぅっ」
ペットボトルのジャスミン茶をごくごくと飲んで、口の中の食べ物を一気に流しこむよ、きなこは、ツンと唇を尖らせて、大きな目でじーっと俺の顔を見た。
「てっちゃん、ちゃんとあたしに感謝してる???」
「はぁ??してるよ・・・」
「それを証明してよ!!!」
「おまえ、何言ってんの???どうやって証明しろって?w」
「てっちゃんはね!!!あたしを無碍にしすぎ!!」
「なんで?」
「あおちぃ~にはデレってするくせに!あたしにはしれっとしてるじゃん!!」
「何言ってんのおまえ????」
俺はますます訳がわからなくって、まじまじときなこの顔を覗きこんでしまった。
きなこは、ふうっと大きく息を吐くと、食べかけのサンドイッチを置いて、大きな瞳を伏せがちにすると、またハリセンボンのように頬っぺたを膨らませる。
「てっちゃんのばーかばーかばーか」
「あのなぁ・・・・」
俺が呆れてそういうときなこはまた、俺の顔を大きな目で見つめ返して、今度は珍しくクールに笑った。
「てっちゃんて、ほんとバカでクズでどうしようもないけど・・・今日のオーディションの時は、かっこよかった」
「おまえは俺を褒めたいの???けなしたいの???」
「うーん・・・両方??」
「意味わかんねーよ!」
「親戚特権であおちぃと、てっちゃんが歌ってるとこ、モニターで見てたんだよぉ
プロデュサーがなんていうかわからないけど、てっちゃん、少しは歌で稼げるといいね?」
「・・・・稼げるわけないじゃん、あの手のオーディションなんて名ばかりで、もうとっくにメンバーなんて決まってんだよ、金も権力もない人間なんてかすりもしないさ」
「えーーーーー!そんなことないよ!!だってあのてっちゃんは本気だったもん!
いつもよりもっともっと真剣に歌ってた気がするよ!」
「真剣に歌ったよ!そりゃ!でも、それとこれとは話が別なんだよ
金がないやつは夢なんて見れないし、夢見ちゃいけないんだよ
世の中の金と権力には勝てないし、真剣に歌ったところで評価なんかされないよ」
そこまで言って、俺は思わずため息をついた。
ジャパニーズドリームなんてあるはずもない。
世の中は全部金で回ってるんだから、金がないやつがどんだけ実力あっても、認められるはずなんてないんだよ・・・
特急の窓に映った俺の顔は、思ったより卑屈な表情をしてた。
「てっちゃん、そんなこと言ったら、めっ!」
その言葉と同時に、きなこが眉を吊り上げて、何故か俺のほっぺたをぺちぺちと叩く。
俺が振り返ると、きなこは両手でむぎゅっと俺の頬っぺたを包んだ。
「確かにてっちゃんにお金なんかある訳ないし、クズが稼げる訳ないのもわかってるけど!
でも・・・てっちゃんには歌があるじゃん?
あたしはいつだって、真剣にてっちゃんを応援してるよ?」
きなこは何故かにっこりと笑う。
たしかにこいつは、何故かいつだって真剣に俺を応援してくれてる。
まぁ、今回のことだって、事前に連絡よこさないのはどうかと思うけど、でも、あおいから連絡を受けて、必死に俺のこと迎えにきたんだもんな・・・
俺は、頬っぺたをむぎゅっとしてるきなこの両手をのけて、小さく息を吐く。
「きなこ・・・」
「なぁに?」
「ありがとう・・・・」
珍しくまじめな顔してたと、自分でも思う。
真奈美にフラれて、少しだけ真面目に、人生を本気で生きることを考えてたからかもしれない。
俺は、じーっときなこの大きな目を見つめてた。
きなこは、少しだけはっとすると、めちゃくちゃ嬉しそうに、なんか照れたようにうつむいた。
「ん・・・いいんだよ、あたしは、真剣に応援してるだけだし・・・べ、別に・・・」
「・・・・・なにもじもじしてんの???珍しいw」
「だって、てっちゃん、いつもみたいに間抜けな顔しなかったから、恥ずかしくなっちゃった!
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