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ACT4 けじめけじめと言うけれどけじめを付けてどうすれば??5
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なぜ俺が、わざわざバイトを休んでまで東京までこないといけなかったのか?
しかもなぜ行先が、銀座なのか???
きなこのLINEでは
『もしかしたら、てっちゃんのやる気でるかもしれないから17時までに東京いこう!』
とのことだったが、この場に及んで、俺は何故今ここに自分がいるのか、全然教えてらってない。
後ろからも前からも、聞こえてくるのは外国語。
ここは日本のはずなのに、まじでグローバル・・・何いってんのかわかんねーw
そんなことを思いつつ、人込みを歩くことに慣れてるような様相のきなこをちらりと見る。
あのLINEの後、驚くこほどの速さできなこは俺のアパートまできた。
以前、風邪ひいたときに、きなこが薬を買ってきてくれたことがあり、その時にアパートの場所を教えておいた。
それ以来、きなこが俺のアパートに来ることはなかったが、さっき、ものすげー勢いでタクシーで乗り付けられてびびったのは言うまでもない。
「おい、きなこ」
「なぁに?」
「なぁに?じゃねーよ、なんで俺ここにいんの??」
「えー!てっちゃんが来るっていったからじゃない!」
「はっ!?だっておまえが、俺のやる気出るかもしれないからって言ったから来たんじゃん!」
「やる気は出るかもしれないけど、てっちゃんだからな~あんま期待はしてない」
「はぁ???」
のほほんと答えたきなこに、俺は思わず脱力した。
ほんとに、なんなんだ一体・・・
俺は思わず、ため息をつきながら、少しくすんだ東京の空を仰いだ。
そんな俺に、きなこは言う。
「でも、てっちゃん、ちゃんとけじめ付けられてよかったね?」
「え?」
「彼女さんのこと」
「ああ・・・」
「彼女さんの気持ち、あたし、よくわかるな~・・・
てっちゃんに、本気の人生を生きてもらいたいって気持ち」
来る途中の特急の中で、思い切り真奈美のことを突っ込まれた俺は、なんだか素直にことの顛末をきなこに話していた。
きなこは、時折渋い顔をしながら「やっぱてっちゃんはクズ~」「彼女さんの気持ちわかる~」と繰り返し言うだけで、絶対俺を擁護しないwww
いや、まぁ、女からしたら俺なんて擁護する価値ないんだろうけどさ・・・
「人生に本気出してないのは自分でもわかってる」
「あたしの連絡はタイムリーだったね!あたしに感謝感謝するんだぞ!!」
「あのな・・・・なんの要件かもわからんのに、タイムリーもくそもないわ!」
「え~きっとね、着いたら、絶対あたしに感謝感謝になって!
絶対あたしににゃんにゃんってしたくなって、絶対あたしを忘れられなくなって、絶対あたしを」
「おい待て、途中から話がおかしくなってるぞ」
うざいのできなこの話を途中で止めてみた。
きなこは、不満そうにぷくっとほっぺたを膨らませて、大きな目でじろっと俺をにらむ。
「はりせんぼん・・・」
「クズカスよりまし!」
「クズカス言い過ぎだまじおまえ!」
「ついた!!」
「は?」
きなこがそう言って指さした先は、なんだか入り口に芸術的なオブジェのあるビルだった。
その入り口には『ワールドアラウンドビル』の看板があり、その脇には、このビルに入っている企業名がずらっとならんでいた、その中に、オーバーワールドレコーズという名前を見つけ俺ははっとした。
「いこう!てっちゃん」
「きなこ・・・ここ?」
「うふふふw」
きなこは無邪気に笑って俺の手を掴むと早足で自動ドアに飛び込んだのだった。
しかもなぜ行先が、銀座なのか???
きなこのLINEでは
『もしかしたら、てっちゃんのやる気でるかもしれないから17時までに東京いこう!』
とのことだったが、この場に及んで、俺は何故今ここに自分がいるのか、全然教えてらってない。
後ろからも前からも、聞こえてくるのは外国語。
ここは日本のはずなのに、まじでグローバル・・・何いってんのかわかんねーw
そんなことを思いつつ、人込みを歩くことに慣れてるような様相のきなこをちらりと見る。
あのLINEの後、驚くこほどの速さできなこは俺のアパートまできた。
以前、風邪ひいたときに、きなこが薬を買ってきてくれたことがあり、その時にアパートの場所を教えておいた。
それ以来、きなこが俺のアパートに来ることはなかったが、さっき、ものすげー勢いでタクシーで乗り付けられてびびったのは言うまでもない。
「おい、きなこ」
「なぁに?」
「なぁに?じゃねーよ、なんで俺ここにいんの??」
「えー!てっちゃんが来るっていったからじゃない!」
「はっ!?だっておまえが、俺のやる気出るかもしれないからって言ったから来たんじゃん!」
「やる気は出るかもしれないけど、てっちゃんだからな~あんま期待はしてない」
「はぁ???」
のほほんと答えたきなこに、俺は思わず脱力した。
ほんとに、なんなんだ一体・・・
俺は思わず、ため息をつきながら、少しくすんだ東京の空を仰いだ。
そんな俺に、きなこは言う。
「でも、てっちゃん、ちゃんとけじめ付けられてよかったね?」
「え?」
「彼女さんのこと」
「ああ・・・」
「彼女さんの気持ち、あたし、よくわかるな~・・・
てっちゃんに、本気の人生を生きてもらいたいって気持ち」
来る途中の特急の中で、思い切り真奈美のことを突っ込まれた俺は、なんだか素直にことの顛末をきなこに話していた。
きなこは、時折渋い顔をしながら「やっぱてっちゃんはクズ~」「彼女さんの気持ちわかる~」と繰り返し言うだけで、絶対俺を擁護しないwww
いや、まぁ、女からしたら俺なんて擁護する価値ないんだろうけどさ・・・
「人生に本気出してないのは自分でもわかってる」
「あたしの連絡はタイムリーだったね!あたしに感謝感謝するんだぞ!!」
「あのな・・・・なんの要件かもわからんのに、タイムリーもくそもないわ!」
「え~きっとね、着いたら、絶対あたしに感謝感謝になって!
絶対あたしににゃんにゃんってしたくなって、絶対あたしを忘れられなくなって、絶対あたしを」
「おい待て、途中から話がおかしくなってるぞ」
うざいのできなこの話を途中で止めてみた。
きなこは、不満そうにぷくっとほっぺたを膨らませて、大きな目でじろっと俺をにらむ。
「はりせんぼん・・・」
「クズカスよりまし!」
「クズカス言い過ぎだまじおまえ!」
「ついた!!」
「は?」
きなこがそう言って指さした先は、なんだか入り口に芸術的なオブジェのあるビルだった。
その入り口には『ワールドアラウンドビル』の看板があり、その脇には、このビルに入っている企業名がずらっとならんでいた、その中に、オーバーワールドレコーズという名前を見つけ俺ははっとした。
「いこう!てっちゃん」
「きなこ・・・ここ?」
「うふふふw」
きなこは無邪気に笑って俺の手を掴むと早足で自動ドアに飛び込んだのだった。
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