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ACT4 けじめけじめと言うけれどけじめを付けてどうすれば??4
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俺には何もない。
地位もなければ名誉もなく、そして金もない。
そして昨夜、カノジョもいなくなった。
フッたんじゃない、フラレたんだ。
今、俺に残ってるのは真奈美に復讐された形跡の小銭と、音楽と、バイト。
ほんと財産少くねーな www
タバコぐらい買える小銭はあるがさwww
部屋に帰ってきたのは午前3時近い頃だった。
寝て起きても、脳ミソはほぼ死んでた。
スマホを見ると、時間は既に14時。
安定のクズ生活だわ、と今さら思う。
それにしても、地味に痛てぇ…
いや、金無くなったこともそうだけど、面倒くさかった真奈美との関係が終わって、残ったものは変な罪悪感と自己嫌悪だしな。
なんだか、珍しくへこみまくってる自分に気づいて、なんかため息が出た。
枕元に放り投げてあるタバコの箱から、最後の一本を取って、ベッドから起きながら口にくわえてみる。
カーテンを開けたら、ムカつくぐらいに晴れた青い空が、目の前にあった。
「本気で生きるって、どうすればいいんかな……?」
ベランダでなんとなくタバコを吸いながら、思わずつぶやいた。
少し冷たい風に雲が流れてく。
ああ・・・俺の人生って、ほんっと根っこがない。
そもそも、俺の人生は本当に中途半端。
特に金持ちでもなく、いたって普通の家庭で育って、普通に高校いって、ギリギリで入れた四流大学でバンドやってる友達に誘われて音楽のサークルに入ったら、歌に夢中になって。
講義放って音楽やってたら単位足りなくなって、面倒くせーから二年で大学中退したら、親父にもお袋にもぶん殴られた。
まぁ・・・今考えると当たり前だけど・・・
で、当時の仲間とやってたバンドで、オーディション受けたら、なんか間違ってベスト4まで残って、これはいける!と思ったら、シードで上がってきた俺らなんかより全然下手くそな連中に大賞持ってかれた・・・
何んでだ!?と思ったら、後になってそのバンドのリーダーがどこかの政治家の息子で裏で金が動いてたってオチ。
それが21の時で、それ以来、世の中は実力じゃなく金なんだなと悟った。
それじゃなくてもやる気ない人生、その出来事で更にやる気なくなった。
ぬるく楽しく生きればいいさ。
なんて、そんな生活長く続く訳ないよな、しみじみ考えたらさ。
人生を本気で生きるってパワーがいるんだよ、だから、本気で生きてる奴らは毎日レッドブルでも飲んでんじゃねーか?ってぐらいのパワーあるんだろうな。
ため息と一緒に、むかつくほど青い空に向かってタバコの煙を吐き出した時だった・・・
ベッドに置きっぱなしのスマホから、LINEの音が聞こえた。
「・・・・・」
くわえタバコのまま窓からベッドの上のスマホを取る。
LINEを鳴らした主は、きなこだった。
『彼女さんとはちゃんと話したの??』
ああ・・・・あいつ、まじ、空気読めwwww
俺はその文字を読んで思わず苦笑して、一言返す。
『フラれた』
『当たり前だよね、てっちゃんクズだし』
『うるせーwwww』
『あのさ、今日バイト?』
『バイトだよ』
『休んで、東京いくよ』
即レスで返ってきたその返事に、画面に向かって「はぁ?」って言った俺。
いや待てよ…
なんだよ急に東京って・・・
所持金896円で東京いける訳ねーわ・・・
『あほかよ?金ねーよ!俺、今、1000円ねーわwww口座には104円だわwwww』
『18%金利で貸してあげる!』
『闇金かよwwwwwwwwwww』
その時俺は、ここで選択した結果が、あんなことになるなんて思ってなかったんだ。
地位もなければ名誉もなく、そして金もない。
そして昨夜、カノジョもいなくなった。
フッたんじゃない、フラレたんだ。
今、俺に残ってるのは真奈美に復讐された形跡の小銭と、音楽と、バイト。
ほんと財産少くねーな www
タバコぐらい買える小銭はあるがさwww
部屋に帰ってきたのは午前3時近い頃だった。
寝て起きても、脳ミソはほぼ死んでた。
スマホを見ると、時間は既に14時。
安定のクズ生活だわ、と今さら思う。
それにしても、地味に痛てぇ…
いや、金無くなったこともそうだけど、面倒くさかった真奈美との関係が終わって、残ったものは変な罪悪感と自己嫌悪だしな。
なんだか、珍しくへこみまくってる自分に気づいて、なんかため息が出た。
枕元に放り投げてあるタバコの箱から、最後の一本を取って、ベッドから起きながら口にくわえてみる。
カーテンを開けたら、ムカつくぐらいに晴れた青い空が、目の前にあった。
「本気で生きるって、どうすればいいんかな……?」
ベランダでなんとなくタバコを吸いながら、思わずつぶやいた。
少し冷たい風に雲が流れてく。
ああ・・・俺の人生って、ほんっと根っこがない。
そもそも、俺の人生は本当に中途半端。
特に金持ちでもなく、いたって普通の家庭で育って、普通に高校いって、ギリギリで入れた四流大学でバンドやってる友達に誘われて音楽のサークルに入ったら、歌に夢中になって。
講義放って音楽やってたら単位足りなくなって、面倒くせーから二年で大学中退したら、親父にもお袋にもぶん殴られた。
まぁ・・・今考えると当たり前だけど・・・
で、当時の仲間とやってたバンドで、オーディション受けたら、なんか間違ってベスト4まで残って、これはいける!と思ったら、シードで上がってきた俺らなんかより全然下手くそな連中に大賞持ってかれた・・・
何んでだ!?と思ったら、後になってそのバンドのリーダーがどこかの政治家の息子で裏で金が動いてたってオチ。
それが21の時で、それ以来、世の中は実力じゃなく金なんだなと悟った。
それじゃなくてもやる気ない人生、その出来事で更にやる気なくなった。
ぬるく楽しく生きればいいさ。
なんて、そんな生活長く続く訳ないよな、しみじみ考えたらさ。
人生を本気で生きるってパワーがいるんだよ、だから、本気で生きてる奴らは毎日レッドブルでも飲んでんじゃねーか?ってぐらいのパワーあるんだろうな。
ため息と一緒に、むかつくほど青い空に向かってタバコの煙を吐き出した時だった・・・
ベッドに置きっぱなしのスマホから、LINEの音が聞こえた。
「・・・・・」
くわえタバコのまま窓からベッドの上のスマホを取る。
LINEを鳴らした主は、きなこだった。
『彼女さんとはちゃんと話したの??』
ああ・・・・あいつ、まじ、空気読めwwww
俺はその文字を読んで思わず苦笑して、一言返す。
『フラれた』
『当たり前だよね、てっちゃんクズだし』
『うるせーwwww』
『あのさ、今日バイト?』
『バイトだよ』
『休んで、東京いくよ』
即レスで返ってきたその返事に、画面に向かって「はぁ?」って言った俺。
いや待てよ…
なんだよ急に東京って・・・
所持金896円で東京いける訳ねーわ・・・
『あほかよ?金ねーよ!俺、今、1000円ねーわwww口座には104円だわwwww』
『18%金利で貸してあげる!』
『闇金かよwwwwwwwwwww』
その時俺は、ここで選択した結果が、あんなことになるなんて思ってなかったんだ。
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