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ACT4 けじめけじめと言うけれどけじめを付けてどうすれば??2
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真奈美からのLINEは、思いのほか早く返ってきて、びびったのはむしろ俺の方。
真奈美は、俺のバイトが終わるのを待ってるとレスしてきた。
やべぇ~・・・なんか変な意味で緊張する。
けじめなんて面倒くさくてだいたいフェードか、もしくは一方的にフラれるとかで凌いできたクズな俺は、ぶっちゃけ、別れ話を真剣にしたのがいつだったか思い出せないレベルだ。
思い返せば思い返すほど、やっぱ俺ってクズだなと思う。
午前1時を回った24時間営業のファミレスで、俺は真奈美を向かいにして、なんて言おうか足りない頭で言葉を選んでいた。
目の前の真奈美は、ほぼ無表情で俺の顔を黙って見てる。
余りにも無表情すぎて、ますます最初の言葉が出てこない。
有線から流れるJAZZの音だけが響く、人なんてほぼいない深夜のファミレス。
やばいほど空気が重い。
ドリンクバーからコーヒーは持ってきたものの、雰囲気的に手をつけられなかった。
やっべ、まじ、なんて言おう・・・
「あの…真奈美…
えっと、ごめん…」
俺がそう言うと、真奈美はピクッと眉の隅を動かした。
「それは、どう言う意味でのごめん?」
「あ…えと、いつも、ちゃんとしてなくて、ごめん…って意味で
ごめん…」
俺は、視線を上げて、真奈美をまっすぐ見た。
ここまできたら、きっと多分、全部正直にぶちまけた方が楽だと、俺は思った。
だから、俺は、ちゃんと真奈美に全部の腹の中を見せるつもりで、口を開く。
「こういうの、あんま慣れてないから、なんて言えばいいか、わからないし…
とりあえず、最近、ちょっと求人誌とかは、見てはいたんだ」
「……うん」
真奈美は、少しだけ唇の端を上げる。
俺は、一度、真奈美から目を反らして、もう一度真奈美を見る。
「やりたい仕事、正直何もなくて。
ぶっちゃけ、正社員とかの枠に自分がハマれるかもわからないし
それより何より、俺、どうしたいのかな?って、真面目に考えてはみたんだ」
「うん…」
「俺はさ……」
「うん」
「真奈美の考えには、やっぱそってやれないかも」
そこまで言って、なんか変な気の抜け方をして、変な笑い方をしてしまった。
だけど真奈美は、黙ったまま俺を見て、怒ることもなかった。
「だから、ごめん…真奈美…
俺、おまえのこと嫌いじゃない…
なんか、いつもきちんと色々やっててすげーなと思う
でも…なんていうか…
真奈美の言う通りに動けないし、動いてもやれない…」
「…………」
真奈美は黙ったまま、うっすらと瞳を潤ませて、俺の顔を見てる。
心のすみが、めちゃくちゃ痛い。
まだ、痛いと思うだけ、クズにはクズなりの思いみたいなのがあったんだなと、変なところで自分に感心してみる。
俺は、少しだけ下を向いて、すっかり冷めたコーヒーを見てから、また真奈美を見た。
「真奈美はさ、俺と違って頭いいし、仕事もデキるしさ、先の事とかちゃんと考えてるし…
料理も美味いし、ふぇらも」
「それは関係ないと思うっ!」
ピクッと眉をつり上げて、ピシャッと言葉を遮るとことか、まじさすがだ… なんて、感心してる場合じゃない。
「あ、はい…すいませんでした」
あまりにも素直に謝ったせいか、イラっとした顔をしながらも、真奈美はぷっと笑いを吹き出した。
「哲のバカっ!!
もぉ、なんでこんな時までそうなの…っ!?
どうしてこんな時に、そんな冗談言えんのよっ!?」
とか言いつつ、何故か真奈美は笑っていた。
口を手で抑えながら、笑いながらも、真奈美の目からまた涙が溢れ出していた。
あぁ…やべぇ、また泣かした…
「いや、冗談とかじゃなくて、本気で思ってる。
あの、まじ…ほんとごめん
俺はさ、人間として終わってても、おまえはデキた女だから…
きっと直ぐに、俺なんかよりまともで、金もあって、ちゃんとした仕事してる奴、見つかると思う」
「あのさ!あたしのこと考えて別れるみたいなこと言わないでよ!」
笑ってんのか、泣いてんのかわからない掠れた声でそう言った真奈美が、肩を震わせて目をこすりながら俺を見る。
だから、真面目な顔して俺は答える。
「いや…一応、俺なりにちゃんと、おまえのこと考えたんだけど…?
おまえの言う通り、多分、俺ら一緒にいても、きっとダメになるだけだと思う
俺は元からダメだけど、おまえが俺のせいでダメダメになっても、俺は責任とってやれない」
真奈美からのLINEは、思いのほか早く返ってきて、びびったのはむしろ俺の方。
真奈美は、俺のバイトが終わるのを待ってるとレスしてきた。
やべぇ~・・・なんか変な意味で緊張する。
けじめなんて面倒くさくてだいたいフェードか、もしくは一方的にフラれるとかで凌いできたクズな俺は、ぶっちゃけ、別れ話を真剣にしたのがいつだったか思い出せないレベルだ。
思い返せば思い返すほど、やっぱ俺ってクズだなと思う。
午前1時を回った24時間営業のファミレスで、俺は真奈美を向かいにして、なんて言おうか足りない頭で言葉を選んでいた。
目の前の真奈美は、ほぼ無表情で俺の顔を黙って見てる。
余りにも無表情すぎて、ますます最初の言葉が出てこない。
有線から流れるJAZZの音だけが響く、人なんてほぼいない深夜のファミレス。
やばいほど空気が重い。
ドリンクバーからコーヒーは持ってきたものの、雰囲気的に手をつけられなかった。
やっべ、まじ、なんて言おう・・・
「あの…真奈美…
えっと、ごめん…」
俺がそう言うと、真奈美はピクッと眉の隅を動かした。
「それは、どう言う意味でのごめん?」
「あ…えと、いつも、ちゃんとしてなくて、ごめん…って意味で
ごめん…」
俺は、視線を上げて、真奈美をまっすぐ見た。
ここまできたら、きっと多分、全部正直にぶちまけた方が楽だと、俺は思った。
だから、俺は、ちゃんと真奈美に全部の腹の中を見せるつもりで、口を開く。
「こういうの、あんま慣れてないから、なんて言えばいいか、わからないし…
とりあえず、最近、ちょっと求人誌とかは、見てはいたんだ」
「……うん」
真奈美は、少しだけ唇の端を上げる。
俺は、一度、真奈美から目を反らして、もう一度真奈美を見る。
「やりたい仕事、正直何もなくて。
ぶっちゃけ、正社員とかの枠に自分がハマれるかもわからないし
それより何より、俺、どうしたいのかな?って、真面目に考えてはみたんだ」
「うん…」
「俺はさ……」
「うん」
「真奈美の考えには、やっぱそってやれないかも」
そこまで言って、なんか変な気の抜け方をして、変な笑い方をしてしまった。
だけど真奈美は、黙ったまま俺を見て、怒ることもなかった。
「だから、ごめん…真奈美…
俺、おまえのこと嫌いじゃない…
なんか、いつもきちんと色々やっててすげーなと思う
でも…なんていうか…
真奈美の言う通りに動けないし、動いてもやれない…」
「…………」
真奈美は黙ったまま、うっすらと瞳を潤ませて、俺の顔を見てる。
心のすみが、めちゃくちゃ痛い。
まだ、痛いと思うだけ、クズにはクズなりの思いみたいなのがあったんだなと、変なところで自分に感心してみる。
俺は、少しだけ下を向いて、すっかり冷めたコーヒーを見てから、また真奈美を見た。
「真奈美はさ、俺と違って頭いいし、仕事もデキるしさ、先の事とかちゃんと考えてるし…
料理も美味いし、ふぇらも」
「それは関係ないと思うっ!」
ピクッと眉をつり上げて、ピシャッと言葉を遮るとことか、まじさすがだ… なんて、感心してる場合じゃない。
「あ、はい…すいませんでした」
あまりにも素直に謝ったせいか、イラっとした顔をしながらも、真奈美はぷっと笑いを吹き出した。
「哲のバカっ!!
もぉ、なんでこんな時までそうなの…っ!?
どうしてこんな時に、そんな冗談言えんのよっ!?」
とか言いつつ、何故か真奈美は笑っていた。
口を手で抑えながら、笑いながらも、真奈美の目からまた涙が溢れ出していた。
あぁ…やべぇ、また泣かした…
「いや、冗談とかじゃなくて、本気で思ってる。
あの、まじ…ほんとごめん
俺はさ、人間として終わってても、おまえはデキた女だから…
きっと直ぐに、俺なんかよりまともで、金もあって、ちゃんとした仕事してる奴、見つかると思う」
「あのさ!あたしのこと考えて別れるみたいなこと言わないでよ!」
笑ってんのか、泣いてんのかわからない掠れた声でそう言った真奈美が、肩を震わせて目をこすりながら俺を見る。
だから、真面目な顔して俺は答える。
「いや…一応、俺なりにちゃんと、おまえのこと考えたんだけど…?
おまえの言う通り、多分、俺ら一緒にいても、きっとダメになるだけだと思う
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