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ACT3 優柔不断は早々簡単に治らない4
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「なんだよそれ・・・」
「だって、てっちゃん、デビュー前のあおちぃほど、これでもかっ!ていうやる気、全然ないもーん」
しれっとそっぽを向きながら、きなこは、俺にとってはあまりにも痛すぎる言葉を、あっさりと口にした。
「……」
俺は、きなこの言葉で、今、まさにKOされた。
返す言葉もない。
きなこは、なぜかムーンリバーを一気飲みすると、俺に向かって容赦なく追い討ちをかける。
「てっちゃんがそんなんだからね~彼女さんにフラレるんだよ~もうどうするか決めたの~?」
「い、いや…つか、そんなのおまえには関係ないだろうよ…」
「関係あるよ!てっちゃんほんとわかってないなぁ~
それなのに、よくあんな歌詞書けるよね!なんでわからないのかなぁ?
馬鹿なの?死ぬの?」
きなこの大きな瞳が、じろっと俺を睨んだ。
強いカクテルを一気飲みしたせいで、一気に酔いが回ってきたのか、きなこの顔はみるみる赤くなる。
しかも目が座り始めてるし。
ああ…きなこがこうなると、もうどうしようもない。
だけど、さすがの俺もイラっときてる。
俺は、しかめっ面を作ってきなこに言った。
「わかる訳ないだろうよ!
だいたいなぁ、真奈美のことは、ほんとおまえには関係ねーから!
相当関係ね~から!
俺がどうしようと、そんなの俺が決めることだ、いちいちおまえに口を出される筋合いないだろ」
「あ…そんなこと言うんだ!大事なファンに向かってそんなこと言うんだ!ほんとてっちゃんは…っ」
きなこが何を言いかけたとき、その不穏な空気を遮るように、Marinが、ぱっと俺ときなこの目の前に両手を突きだした。
「はいはい!もぉ、きぃちゃん絡らんだらダメだよぉ~…てっちゃんも落ち着いて~」
その言葉にふと我に返った俺。
Marin、大人だな・・・
Marinのビスクドールのような大きな瞳が、呆れたようにきなこを見る。
ぱさぱさと音が鳴りそうなほど長いまつげは、多分きっと自前なんだろうな・・・と変なとこに俺は感心した。
きなこは子供みたいにぷくっと頬っぺたをふくらませると、それこそハリセンボンかフグのような顔になって、じーっとMarinの顔を見た。
あまりにもきなこの顔が面白かったのか、Marinはぷっと笑いを吹き出す。
「もおおおお!やめなよきぃちゃん!!その変な顔!!真面目な話できなくなっちゃうじゃん!」
「だって!だって!!だってぇぇぇぇ!」
そこまで言ったきなこがハリセンボンかフグみたいな顔をして、ぶすっとしたまま俺に振り返った。
「てっちゃん!!!おかわり!!!!強いやつ!!」
「ばか・・・おまえヤメロよ~どうせ弱くてすぐつぶれるんだから」
「優柔不断なダメ男のてっちゃんにお説教されたくないです!べぇ~~~だ!!」
「は?w」
小学生っかっていうぐらい派手に舌を出して、きなこはまたしてもじろっと俺をにらんだ。
ほんとに今日はめちゃくちゃ絡んでくるなこいつwww
一体この間からなんだなんだとwww
でもまぁ、優柔不断のダメ男なのは確かに当たってるからな・・・・
俺は思わずため息をついて、ご希望通り強めのやつをチョイスしてやることにした。
シェイカーを握った俺と、Marinの目が合う。
Marinは、ふふふっと可笑しそうに笑った。
「てっちゃんはきぃちゃんに気に入られてんだね?」
俺のその言葉に思わずきょとんとした。
え?なにが?
どこか?
さんざん暴言吐かれた上に、インポだのなんだのとまで言われるこの俺が、きなこに気に入られてるだと?
「え?なんで?俺いっつもきなこに暴言吐きまくられてるし、めたくそに言われるけど?」
俺はため息まじりにMarinにそう返した。
「だって、てっちゃん、デビュー前のあおちぃほど、これでもかっ!ていうやる気、全然ないもーん」
しれっとそっぽを向きながら、きなこは、俺にとってはあまりにも痛すぎる言葉を、あっさりと口にした。
「……」
俺は、きなこの言葉で、今、まさにKOされた。
返す言葉もない。
きなこは、なぜかムーンリバーを一気飲みすると、俺に向かって容赦なく追い討ちをかける。
「てっちゃんがそんなんだからね~彼女さんにフラレるんだよ~もうどうするか決めたの~?」
「い、いや…つか、そんなのおまえには関係ないだろうよ…」
「関係あるよ!てっちゃんほんとわかってないなぁ~
それなのに、よくあんな歌詞書けるよね!なんでわからないのかなぁ?
馬鹿なの?死ぬの?」
きなこの大きな瞳が、じろっと俺を睨んだ。
強いカクテルを一気飲みしたせいで、一気に酔いが回ってきたのか、きなこの顔はみるみる赤くなる。
しかも目が座り始めてるし。
ああ…きなこがこうなると、もうどうしようもない。
だけど、さすがの俺もイラっときてる。
俺は、しかめっ面を作ってきなこに言った。
「わかる訳ないだろうよ!
だいたいなぁ、真奈美のことは、ほんとおまえには関係ねーから!
相当関係ね~から!
俺がどうしようと、そんなの俺が決めることだ、いちいちおまえに口を出される筋合いないだろ」
「あ…そんなこと言うんだ!大事なファンに向かってそんなこと言うんだ!ほんとてっちゃんは…っ」
きなこが何を言いかけたとき、その不穏な空気を遮るように、Marinが、ぱっと俺ときなこの目の前に両手を突きだした。
「はいはい!もぉ、きぃちゃん絡らんだらダメだよぉ~…てっちゃんも落ち着いて~」
その言葉にふと我に返った俺。
Marin、大人だな・・・
Marinのビスクドールのような大きな瞳が、呆れたようにきなこを見る。
ぱさぱさと音が鳴りそうなほど長いまつげは、多分きっと自前なんだろうな・・・と変なとこに俺は感心した。
きなこは子供みたいにぷくっと頬っぺたをふくらませると、それこそハリセンボンかフグのような顔になって、じーっとMarinの顔を見た。
あまりにもきなこの顔が面白かったのか、Marinはぷっと笑いを吹き出す。
「もおおおお!やめなよきぃちゃん!!その変な顔!!真面目な話できなくなっちゃうじゃん!」
「だって!だって!!だってぇぇぇぇ!」
そこまで言ったきなこがハリセンボンかフグみたいな顔をして、ぶすっとしたまま俺に振り返った。
「てっちゃん!!!おかわり!!!!強いやつ!!」
「ばか・・・おまえヤメロよ~どうせ弱くてすぐつぶれるんだから」
「優柔不断なダメ男のてっちゃんにお説教されたくないです!べぇ~~~だ!!」
「は?w」
小学生っかっていうぐらい派手に舌を出して、きなこはまたしてもじろっと俺をにらんだ。
ほんとに今日はめちゃくちゃ絡んでくるなこいつwww
一体この間からなんだなんだとwww
でもまぁ、優柔不断のダメ男なのは確かに当たってるからな・・・・
俺は思わずため息をついて、ご希望通り強めのやつをチョイスしてやることにした。
シェイカーを握った俺と、Marinの目が合う。
Marinは、ふふふっと可笑しそうに笑った。
「てっちゃんはきぃちゃんに気に入られてんだね?」
俺のその言葉に思わずきょとんとした。
え?なにが?
どこか?
さんざん暴言吐かれた上に、インポだのなんだのとまで言われるこの俺が、きなこに気に入られてるだと?
「え?なんで?俺いっつもきなこに暴言吐きまくられてるし、めたくそに言われるけど?」
俺はため息まじりにMarinにそう返した。
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