しっかり者がダメ男に惹かれる法則(1)

坂田 零

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ACT1 暴言吐きまくり女子だけどなんか可愛いのは何故だろう?3

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<もしかして、他の女の子連れ込んでんの?!>

<約束忘れてんの?>

<返事ぐらいよこしなよ!!>

<無視ですか!?>

<いつも約束守らないし!!>

<馬鹿!あほ!>

<うそつき!!間抜け!>

etc・・・etc・・・

で、最後の〆は・・・

<死ねよカス!>だった。

 確かに俺が悪いよ。
 そんなこと判ってるけどさ・・・・なにこの、ちょっとストーカー入ったような素敵なlineの数々は?
 いや、ほんとに俺が悪いけどさ・・・
 なんか、腹立ってきたのは、俺の心が狭いせい???

 きなこと俺は、友達以上でもそれ以下でもない。
 知り合ったのは半年ぐらい前で、ほんとに、気づいたら俺の周りをうろちょろしてた。

 笑顔はかわいい。
 背も小さい。
 太すぎず細すぎず、しゃべらなければそこそこイケるタイプだと思う。
 時々、恐ろしい天然をぶちかましてくれるきなこ。
 あんなんでほんとに看護師なんか勤まるのか、ちょっと心配になるときもある。

 だ・が!

「死ねよカス」は、ないだろう?

 たかがカラオケすっぽかしたぐらいで、line102件と、死ねよカスってあの一言。
 なにもそこまでしなくも・・・・って、思ってたら。
 掌の中で、スマホが鳴った。

「・・・ん?」

 ディスプレイを見ると、何故か、きなこからだった。

「・・・・・・」

 出ようか出まいか、一瞬ためらって・・・通話ボタンを押してみる。

「はい・・・?」

『なんで電話かけなおしてこないのよ!?
どうしててっちゃんはいつもそうなの!?
もうちょっとさ!謝ってみようとか思わないの!?
馬鹿なの!?』

 俺は、再び、目が点になった・・・
 こいつは・・・一体、なにが言いたいんだ????
 なにこの・・・ツンデレ?
 こいつこんなキャラだっけ???
 とりあえず、勤めて冷静に、俺はlineの向こうのきなこに言った。

「え?いや・・・その・・・ごめん?」

『もぉぉぉぉぉぉ!!!てっちゃんのばぁか!
ばぁか!!
ぶぁか!!!
ほんとに悪いと思ってんなら、今から来てよね!
あたし、もうずっと、待ってんだからね!!!
ばぁか!ばぁか!ばぁか!!!』


ブツ・・・

またしても、一方的に、通話は切れた。

俺はただ、通話終了という文字が出るディスプレイを眺めたまま、フリーズする。

「きなこ・・・
訳わかんねーよ、きなこ・・・
つか・・・
おまえ・・・
今どこにいんだよ・・・・・
まずはそこだろ・・・!?」

通話の終わったスマホを握ったまま、俺が思わず、そうつぶやいたのは、言うまでもない。
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