新宿情火~Flamberge~Ⅰ

坂田 零

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 リムジンがたどりついたのは、新宿の一角にある高層マンションだった。

 俺は、誘われるまま、美麗の部屋に来てしまった。

 これはなんの罠なんだ?と思いながら、この美しい女を・・・

 初めて出会ったばかりの、この女神のような女を・・・

 もしかしたら抱けるかもしれないという、そんな本能に流されてしまったんだ。

 6LDKもあるという豪華な部屋。

 部屋の中に設置された家具は、見るからにインポート物で、どれもこれも高価なものばかりだ。 

 その部屋の大きな窓は、一面、煌びやかなネオンと高層ビルの群れに彩られていた。

 混沌の街、新宿。

 異界のようなその街を一望できる場所に、この綺麗な女は住んでいるんだ。

 彼女はその名の通り、欲望が渦巻く薄汚れた街新宿の美しく麗しい女神なのかもしれない。

 美麗は、大きな窓にもたれかかり新宿の街を眺めながら、憂いを帯びた表情でこう言った。

「ここは新宿・・・さっき、あなたがしてくれたような話は、よくある話よ」

「ああ・・・しのぶのこと?」

「そう」

 美麗はそう言うと、ゆっくりとその視線を俺の方に向けて、至極妖艶に微笑する。

 その微笑に引き寄せられるように、俺は、美麗の元へ歩みよった。

 美麗は、細く白く、そしてしなやかな腕を俺の首に絡めてくる。

 ドレスの胸元から、豊満な胸の綺麗な谷間が覗いている。

 形の良い胸。

 くびれた腰。

 すらりと伸びる形良く長い足。

 バラの花びらのような下唇。

 長い睫毛。

 潤んだ茶色の大きな瞳。

 どれをとっても、彼女ばパーフェクトな女だった。

 俺は、美麗の唇にキスをしようと体を傾ける。

 しかし、悪戯っぽく微笑った美麗の指先が俺の唇を止めた。

「せっかちね?」

「そんな目で誘われたんじゃ、せっかちにもなるよ」

「うふふ・・・ねぇ?ドレスのファスナーをおろして」

 美麗はそう言って、綺麗な背中を俺に向けた。

 俺は、艶やかな巻き髪を片手で持ち上げると、そっとドレスのファスナーをおろす。

 ゆっくりと振り返る美麗の肩から、黒いドレスが絨毯の床に滑り落ちた。

 美麗は、下着をつけていなかった。 
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