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ACT2-1
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これはおかしな状況だ・・・
何故、さっき出逢ったばかりのこの女神のような女が、俺の隣にいるのだろう?
俺は夢でも見ているのか?
俺はBARのカウンター席でそんなことを思いながら、隣に座っている女の横顔をまじまじと見つめてしまった。
すっと通った鼻筋と長い睫毛。
まるで彫刻でも見ているかのような、綺麗な横顔。
芸能人でもモデルでもないだろうこの女・・・
こんな綺麗な女を、こんなに間近に見ているなんて・・・
そもそも、何故この女は俺と一緒に来たいなんて言ったんだ?
考えても答えの出ない疑問が、さっきからずっと俺の頭を回っている。
俺の中のそんな疑問を知ってか知らずか、不意に、女が俺を振り返った。
俺は再びどきっとする。
女の女神のような美しい顔が艶やかな微笑をたたえた。
「そんなに見つめられたら・・・恥ずかしいわ」
「え?あ・・・っ、す、すいません・・・つい!」
「私の顔に何か付いてる??」
「いやいや、そんなことは!ただ・・・」
「ただ・・・?」
「ただ・・・すごい、美人だな・・・と」
俺が思わずそう答えると、女はほんのりと頬を赤らめて小さく首を横に振る。
「美人だなんて・・・そんな・・・私なんてただの田舎娘よ?」
この女・・・見た目にそぐわず案外初心(うぶ)なのか?
女は照れたようにうつむいて、カクテルグラスに唇を寄せ『マンハッタン』を一口飲む。
その仕草もどこか品があって美しい。
随分落ち着いて見えたから、俺より少し年上かと思ったけど・・・この女は、思いのほか若いのか?
この女のどこが田舎娘なのか・・・?
「あなたのどこが“田舎娘”なのか・・・俺にはさっぱりわからないですよ。
あなたは本当にお綺麗だ」
「お上手ね・・・そんな風に言われると、その気になって舞い上がってしまいますよ?」
女はそう言って、どこか嬉しそうに、しかし、どこか妖しく微笑する。
この女のこの言動は、計算なのか・・・本音なのか・・・
どこをどう見ても、この女は普通の職業に就いてる女ではない・・・
これはおかしな状況だ・・・
何故、さっき出逢ったばかりのこの女神のような女が、俺の隣にいるのだろう?
俺は夢でも見ているのか?
俺はBARのカウンター席でそんなことを思いながら、隣に座っている女の横顔をまじまじと見つめてしまった。
すっと通った鼻筋と長い睫毛。
まるで彫刻でも見ているかのような、綺麗な横顔。
芸能人でもモデルでもないだろうこの女・・・
こんな綺麗な女を、こんなに間近に見ているなんて・・・
そもそも、何故この女は俺と一緒に来たいなんて言ったんだ?
考えても答えの出ない疑問が、さっきからずっと俺の頭を回っている。
俺の中のそんな疑問を知ってか知らずか、不意に、女が俺を振り返った。
俺は再びどきっとする。
女の女神のような美しい顔が艶やかな微笑をたたえた。
「そんなに見つめられたら・・・恥ずかしいわ」
「え?あ・・・っ、す、すいません・・・つい!」
「私の顔に何か付いてる??」
「いやいや、そんなことは!ただ・・・」
「ただ・・・?」
「ただ・・・すごい、美人だな・・・と」
俺が思わずそう答えると、女はほんのりと頬を赤らめて小さく首を横に振る。
「美人だなんて・・・そんな・・・私なんてただの田舎娘よ?」
この女・・・見た目にそぐわず案外初心(うぶ)なのか?
女は照れたようにうつむいて、カクテルグラスに唇を寄せ『マンハッタン』を一口飲む。
その仕草もどこか品があって美しい。
随分落ち着いて見えたから、俺より少し年上かと思ったけど・・・この女は、思いのほか若いのか?
この女のどこが田舎娘なのか・・・?
「あなたのどこが“田舎娘”なのか・・・俺にはさっぱりわからないですよ。
あなたは本当にお綺麗だ」
「お上手ね・・・そんな風に言われると、その気になって舞い上がってしまいますよ?」
女はそう言って、どこか嬉しそうに、しかし、どこか妖しく微笑する。
この女のこの言動は、計算なのか・・・本音なのか・・・
どこをどう見ても、この女は普通の職業に就いてる女ではない・・・
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