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ACT3 ローマは一日にして成らず、そう言った先人まじすげー10
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エレベーターに乗り込むと、あおいはいったん笑いをおさめて、ふと、俺の顔をみた。
「てっちゃん」
「ん?」
妙に神妙な顔つきになって、あおいは低めたトーンで言う。
「あたし・・・サイゾーさんと寝たりしてないよ」
俺は一瞬きょとんとして、そして、あおいが何を言いたいの理解して、にまっと笑って見せる。
「わかってるよそんなこと、そもそも、あおいはそういうタイプじゃないだろ
結構真正面から突進してくタイプじゃん、だからわかる」
少しほっとした顔をして、あおいは言葉を続けた。
「ん・・・ありがとう・・・」
「心配しなくていいから、今日はもう部屋帰って寝とけ」
「うん・・・・」
「Toyってあいつのせいで微妙な気分だったけど・・・・膝カックンしてやったからいいかw」
「よくあんなことできたよね?wあいつ、結構売れてるアイドルグループのメンバーだよ?」
「別にあいつがなんだろうと、俺、興味ないしwどうでもいいしww」
「あはははw
なんか、てっちゃんらしいっていうか、さすがっていうか、なんていうか・・・・!」
そこまで言って、あおいはまた神妙な顔になって俺を見上げる。
「てっちゃんは・・・・聞かないの?Toyとあたし、何があったとか?」
あんまりにも神妙な顔をするもんだから、俺は思わずあおいの頭を撫でた。
いたって率直に俺は言う。
「いや~・・・特につっこんで聞きたいとか思わないかなぁ?
多分、あおいにとって嫌な思い出なんだろうしさ
とりあえず、あいつが元カレじゃないのはなんとなくわかるし
言いたくないこと言う必要もないしな」
あおいは、どこか嬉しそうに、でもどこか切なそうに、そんな複雑な表情をしながら、ぺたっと俺の胸に抱き着いてきたから、思わずその体を抱きとめた。
「てっちゃん・・・・やっぱてっちゃんは良いね・・・
なんか安心する・・・ほんとに」
ふんわりと香る香水の匂いに、うかつに俺はどきっとする。
やわらかい髪が、否応なしに俺の指先に絡む。
それよりなにより、抱きとめたあおいの体が異様に熱い。
「っ!?
おまえ・・・これ、熱上がってないか??」
「ん・・・・ちょっと・・・だるい」
「いやいやいや、だるいとかだるくないとか、そういう問題じゃないだろこれ
病院いったほうがよくないか???」
そう言った瞬間、あおいの体からふっと力が抜けて、床の上にずるずると倒れそうになるから、慌ててぎゅっと抱きしめてしまう。
あおいは、力なく俺のTシャツの背中を握りながら、か細い声で言うのだった。
「ちょっと・・・・ふらっと・・・する・・・・
なんか、安心したら・・・力抜けちゃった・・・・」
「ちょっとじゃないだろ!部屋まで連れてく!
マネージャーにも連絡しないとダメだろこれ・・・・っ!」
「ん・・・・」
あおいが潤んだ瞳で俺の顔を見上げた時、エレベーターのドアが開いた。
「てっちゃん」
「ん?」
妙に神妙な顔つきになって、あおいは低めたトーンで言う。
「あたし・・・サイゾーさんと寝たりしてないよ」
俺は一瞬きょとんとして、そして、あおいが何を言いたいの理解して、にまっと笑って見せる。
「わかってるよそんなこと、そもそも、あおいはそういうタイプじゃないだろ
結構真正面から突進してくタイプじゃん、だからわかる」
少しほっとした顔をして、あおいは言葉を続けた。
「ん・・・ありがとう・・・」
「心配しなくていいから、今日はもう部屋帰って寝とけ」
「うん・・・・」
「Toyってあいつのせいで微妙な気分だったけど・・・・膝カックンしてやったからいいかw」
「よくあんなことできたよね?wあいつ、結構売れてるアイドルグループのメンバーだよ?」
「別にあいつがなんだろうと、俺、興味ないしwどうでもいいしww」
「あはははw
なんか、てっちゃんらしいっていうか、さすがっていうか、なんていうか・・・・!」
そこまで言って、あおいはまた神妙な顔になって俺を見上げる。
「てっちゃんは・・・・聞かないの?Toyとあたし、何があったとか?」
あんまりにも神妙な顔をするもんだから、俺は思わずあおいの頭を撫でた。
いたって率直に俺は言う。
「いや~・・・特につっこんで聞きたいとか思わないかなぁ?
多分、あおいにとって嫌な思い出なんだろうしさ
とりあえず、あいつが元カレじゃないのはなんとなくわかるし
言いたくないこと言う必要もないしな」
あおいは、どこか嬉しそうに、でもどこか切なそうに、そんな複雑な表情をしながら、ぺたっと俺の胸に抱き着いてきたから、思わずその体を抱きとめた。
「てっちゃん・・・・やっぱてっちゃんは良いね・・・
なんか安心する・・・ほんとに」
ふんわりと香る香水の匂いに、うかつに俺はどきっとする。
やわらかい髪が、否応なしに俺の指先に絡む。
それよりなにより、抱きとめたあおいの体が異様に熱い。
「っ!?
おまえ・・・これ、熱上がってないか??」
「ん・・・・ちょっと・・・だるい」
「いやいやいや、だるいとかだるくないとか、そういう問題じゃないだろこれ
病院いったほうがよくないか???」
そう言った瞬間、あおいの体からふっと力が抜けて、床の上にずるずると倒れそうになるから、慌ててぎゅっと抱きしめてしまう。
あおいは、力なく俺のTシャツの背中を握りながら、か細い声で言うのだった。
「ちょっと・・・・ふらっと・・・する・・・・
なんか、安心したら・・・力抜けちゃった・・・・」
「ちょっとじゃないだろ!部屋まで連れてく!
マネージャーにも連絡しないとダメだろこれ・・・・っ!」
「ん・・・・」
あおいが潤んだ瞳で俺の顔を見上げた時、エレベーターのドアが開いた。
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