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ACT1 聞いてますかぁ?ちゃんと聞いてますかぁ?ひとの話はちゃんと聞きましょう!5
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「まぁ、気にすんなよあおい
そんな変なメールくるとか、すげー人気ある証拠だろうしさ
人気あるから、変なファンもアンチも多くなるんだよ
それってさ、あおいが頑張ってる証拠だし
何言われたって、余計なこと言ってる連中なんか、どうせあおいのポジションになんて来れないんだから
まじ、気にすんな」
俺は、あおいの綺麗な顔を真正面に見みつめたままそう言った。
あおいは、ぴくっと肩を震わすと、なんとなく一瞬泣きそうな顔になって、それでも、何かを堪えるようににっこりと笑った。
「ありがとう・・・っ
なんか、そう言われると、ちょっとだけ・・・
ほっとする・・・っ!」
「あーら、Marin、顔が普通の女の子になってるわよ?
でも、確かにてっちゃんの言う通りね~
脅迫だの嫌がらせだのは、もう運命だから仕方ないわ
あたしも散々そういうの送られてきたわよw」
「そうなんですか!?」
「まじすか!?」
あおいと俺の言葉が重なった。
なので、思わず、顔を見合わせて吹き出す。
マーボさんは、のほほんという表情でマティーニを飲みながら話を続けた。
「そりゃそうよ~
一応、あたしがいたユニットなんて、ミリオン7冠達成したユニットだったし
あたしなんか、当時のマネージャーに、この言葉づかいがバレないようにしろ!って言われてたから
仕方なく黙ってただけなのに・・・
『かっこつけて気取りやがって』とか『おかまみたいで気持ち悪い』とか
散々週刊誌やワイドショーに叩かれたり、誹謗中傷の手紙やメールが来たり、ほんとひどかったわよ~
もぉ!どうせあたしはおかまよ!悪かったわね!!!って言ってやりたかったわ、ほんと!」
その言葉に実感がこもりすぎてて、俺はうけて笑う。
「すいませwwwちょwwwつぼったwwwまじすいませんwww」
ってか、あおいの周りにいる大物はなんでこんなに気取らないのか?
むしろ、本当の大物プロって、自分の経歴なんか自慢したり、鼻にかけたりしないのかもな。
大御所と呼ばれる人達は、腰が低いって聞いたことあるし、マーボさんはまさにそれなのかも・・・
笑いながらも、俺は思わすそんなことにも関心する。
「んもぉ!失礼しちゃう!
でも、まぁ、今となってはほんとに笑い話ねw」
そう言ってマティーニを飲み干して、マーボさんは「おかわりちょーだい!」と言ってきた。
なので、俺はまた、同じものを作り始める。
人気があればあるだけリスクがある。
自由も効かなくなるだろうし、本当の自分も隠さないといけなくなる。
まぁ、こういう世界って、本当の自分のようで虚像の自分を演じなければいけない、そういう世界なのかもしれない。
俺にとって、音楽ギョーカイってまだまだ遠い世界だ。
いくらオーディション受かったといっても、まだこうして、バーテンのバイトしてる訳だしさ。
やっぱまるで実感ないwww
そんなことを思いつつ、マティーニのグラスをマーボさんに差し出した俺に、きらきらと目を輝かせたあおいが言う。
「ねぇねぇ、てっちゃん!」
「なんだ?」
「明日さ、凱旋ライブ見に来たら?バックステージパス、大沢さんに頼んでおくからさ!
ね!いいよねマーボさん!?」
その言葉に、マティーニのグラスを手にとったマーボさんが、あおいをちらっと見る。
「あたしは別にいいけど、とりあえず、大沢くんに聞きいてみなさいよ」
マーボさんのこの言葉のあと、あおいがマネージャーを読んで、ほぼ無理やり俺のためにバックステージパスを用意させたのは言うまでもないw
フロントに立って歌唄う人間だから、あおいは行動はえーし、積極的だよな。
こうやって頑張ってるやつを見ると、地味に俺もなんとかやってかないとなとか思ってしまう訳だ・・・
あおいのバックコーラスかぁ・・・
まだまだ全然実感ないけど・・・
頑張ってみるか・・・
俺は、テーブル席からオーダーされた水割りを作りながら、ぼんやりとそんなこと考えていた・・・
そんな変なメールくるとか、すげー人気ある証拠だろうしさ
人気あるから、変なファンもアンチも多くなるんだよ
それってさ、あおいが頑張ってる証拠だし
何言われたって、余計なこと言ってる連中なんか、どうせあおいのポジションになんて来れないんだから
まじ、気にすんな」
俺は、あおいの綺麗な顔を真正面に見みつめたままそう言った。
あおいは、ぴくっと肩を震わすと、なんとなく一瞬泣きそうな顔になって、それでも、何かを堪えるようににっこりと笑った。
「ありがとう・・・っ
なんか、そう言われると、ちょっとだけ・・・
ほっとする・・・っ!」
「あーら、Marin、顔が普通の女の子になってるわよ?
でも、確かにてっちゃんの言う通りね~
脅迫だの嫌がらせだのは、もう運命だから仕方ないわ
あたしも散々そういうの送られてきたわよw」
「そうなんですか!?」
「まじすか!?」
あおいと俺の言葉が重なった。
なので、思わず、顔を見合わせて吹き出す。
マーボさんは、のほほんという表情でマティーニを飲みながら話を続けた。
「そりゃそうよ~
一応、あたしがいたユニットなんて、ミリオン7冠達成したユニットだったし
あたしなんか、当時のマネージャーに、この言葉づかいがバレないようにしろ!って言われてたから
仕方なく黙ってただけなのに・・・
『かっこつけて気取りやがって』とか『おかまみたいで気持ち悪い』とか
散々週刊誌やワイドショーに叩かれたり、誹謗中傷の手紙やメールが来たり、ほんとひどかったわよ~
もぉ!どうせあたしはおかまよ!悪かったわね!!!って言ってやりたかったわ、ほんと!」
その言葉に実感がこもりすぎてて、俺はうけて笑う。
「すいませwwwちょwwwつぼったwwwまじすいませんwww」
ってか、あおいの周りにいる大物はなんでこんなに気取らないのか?
むしろ、本当の大物プロって、自分の経歴なんか自慢したり、鼻にかけたりしないのかもな。
大御所と呼ばれる人達は、腰が低いって聞いたことあるし、マーボさんはまさにそれなのかも・・・
笑いながらも、俺は思わすそんなことにも関心する。
「んもぉ!失礼しちゃう!
でも、まぁ、今となってはほんとに笑い話ねw」
そう言ってマティーニを飲み干して、マーボさんは「おかわりちょーだい!」と言ってきた。
なので、俺はまた、同じものを作り始める。
人気があればあるだけリスクがある。
自由も効かなくなるだろうし、本当の自分も隠さないといけなくなる。
まぁ、こういう世界って、本当の自分のようで虚像の自分を演じなければいけない、そういう世界なのかもしれない。
俺にとって、音楽ギョーカイってまだまだ遠い世界だ。
いくらオーディション受かったといっても、まだこうして、バーテンのバイトしてる訳だしさ。
やっぱまるで実感ないwww
そんなことを思いつつ、マティーニのグラスをマーボさんに差し出した俺に、きらきらと目を輝かせたあおいが言う。
「ねぇねぇ、てっちゃん!」
「なんだ?」
「明日さ、凱旋ライブ見に来たら?バックステージパス、大沢さんに頼んでおくからさ!
ね!いいよねマーボさん!?」
その言葉に、マティーニのグラスを手にとったマーボさんが、あおいをちらっと見る。
「あたしは別にいいけど、とりあえず、大沢くんに聞きいてみなさいよ」
マーボさんのこの言葉のあと、あおいがマネージャーを読んで、ほぼ無理やり俺のためにバックステージパスを用意させたのは言うまでもないw
フロントに立って歌唄う人間だから、あおいは行動はえーし、積極的だよな。
こうやって頑張ってるやつを見ると、地味に俺もなんとかやってかないとなとか思ってしまう訳だ・・・
あおいのバックコーラスかぁ・・・
まだまだ全然実感ないけど・・・
頑張ってみるか・・・
俺は、テーブル席からオーダーされた水割りを作りながら、ぼんやりとそんなこと考えていた・・・
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