6 / 43
ACT1 聞いてますかぁ?ちゃんと聞いてますかぁ?ひとの話はちゃんと聞きましょう!5
しおりを挟む
「まぁ、気にすんなよあおい
そんな変なメールくるとか、すげー人気ある証拠だろうしさ
人気あるから、変なファンもアンチも多くなるんだよ
それってさ、あおいが頑張ってる証拠だし
何言われたって、余計なこと言ってる連中なんか、どうせあおいのポジションになんて来れないんだから
まじ、気にすんな」
俺は、あおいの綺麗な顔を真正面に見みつめたままそう言った。
あおいは、ぴくっと肩を震わすと、なんとなく一瞬泣きそうな顔になって、それでも、何かを堪えるようににっこりと笑った。
「ありがとう・・・っ
なんか、そう言われると、ちょっとだけ・・・
ほっとする・・・っ!」
「あーら、Marin、顔が普通の女の子になってるわよ?
でも、確かにてっちゃんの言う通りね~
脅迫だの嫌がらせだのは、もう運命だから仕方ないわ
あたしも散々そういうの送られてきたわよw」
「そうなんですか!?」
「まじすか!?」
あおいと俺の言葉が重なった。
なので、思わず、顔を見合わせて吹き出す。
マーボさんは、のほほんという表情でマティーニを飲みながら話を続けた。
「そりゃそうよ~
一応、あたしがいたユニットなんて、ミリオン7冠達成したユニットだったし
あたしなんか、当時のマネージャーに、この言葉づかいがバレないようにしろ!って言われてたから
仕方なく黙ってただけなのに・・・
『かっこつけて気取りやがって』とか『おかまみたいで気持ち悪い』とか
散々週刊誌やワイドショーに叩かれたり、誹謗中傷の手紙やメールが来たり、ほんとひどかったわよ~
もぉ!どうせあたしはおかまよ!悪かったわね!!!って言ってやりたかったわ、ほんと!」
その言葉に実感がこもりすぎてて、俺はうけて笑う。
「すいませwwwちょwwwつぼったwwwまじすいませんwww」
ってか、あおいの周りにいる大物はなんでこんなに気取らないのか?
むしろ、本当の大物プロって、自分の経歴なんか自慢したり、鼻にかけたりしないのかもな。
大御所と呼ばれる人達は、腰が低いって聞いたことあるし、マーボさんはまさにそれなのかも・・・
笑いながらも、俺は思わすそんなことにも関心する。
「んもぉ!失礼しちゃう!
でも、まぁ、今となってはほんとに笑い話ねw」
そう言ってマティーニを飲み干して、マーボさんは「おかわりちょーだい!」と言ってきた。
なので、俺はまた、同じものを作り始める。
人気があればあるだけリスクがある。
自由も効かなくなるだろうし、本当の自分も隠さないといけなくなる。
まぁ、こういう世界って、本当の自分のようで虚像の自分を演じなければいけない、そういう世界なのかもしれない。
俺にとって、音楽ギョーカイってまだまだ遠い世界だ。
いくらオーディション受かったといっても、まだこうして、バーテンのバイトしてる訳だしさ。
やっぱまるで実感ないwww
そんなことを思いつつ、マティーニのグラスをマーボさんに差し出した俺に、きらきらと目を輝かせたあおいが言う。
「ねぇねぇ、てっちゃん!」
「なんだ?」
「明日さ、凱旋ライブ見に来たら?バックステージパス、大沢さんに頼んでおくからさ!
ね!いいよねマーボさん!?」
その言葉に、マティーニのグラスを手にとったマーボさんが、あおいをちらっと見る。
「あたしは別にいいけど、とりあえず、大沢くんに聞きいてみなさいよ」
マーボさんのこの言葉のあと、あおいがマネージャーを読んで、ほぼ無理やり俺のためにバックステージパスを用意させたのは言うまでもないw
フロントに立って歌唄う人間だから、あおいは行動はえーし、積極的だよな。
こうやって頑張ってるやつを見ると、地味に俺もなんとかやってかないとなとか思ってしまう訳だ・・・
あおいのバックコーラスかぁ・・・
まだまだ全然実感ないけど・・・
頑張ってみるか・・・
俺は、テーブル席からオーダーされた水割りを作りながら、ぼんやりとそんなこと考えていた・・・
そんな変なメールくるとか、すげー人気ある証拠だろうしさ
人気あるから、変なファンもアンチも多くなるんだよ
それってさ、あおいが頑張ってる証拠だし
何言われたって、余計なこと言ってる連中なんか、どうせあおいのポジションになんて来れないんだから
まじ、気にすんな」
俺は、あおいの綺麗な顔を真正面に見みつめたままそう言った。
あおいは、ぴくっと肩を震わすと、なんとなく一瞬泣きそうな顔になって、それでも、何かを堪えるようににっこりと笑った。
「ありがとう・・・っ
なんか、そう言われると、ちょっとだけ・・・
ほっとする・・・っ!」
「あーら、Marin、顔が普通の女の子になってるわよ?
でも、確かにてっちゃんの言う通りね~
脅迫だの嫌がらせだのは、もう運命だから仕方ないわ
あたしも散々そういうの送られてきたわよw」
「そうなんですか!?」
「まじすか!?」
あおいと俺の言葉が重なった。
なので、思わず、顔を見合わせて吹き出す。
マーボさんは、のほほんという表情でマティーニを飲みながら話を続けた。
「そりゃそうよ~
一応、あたしがいたユニットなんて、ミリオン7冠達成したユニットだったし
あたしなんか、当時のマネージャーに、この言葉づかいがバレないようにしろ!って言われてたから
仕方なく黙ってただけなのに・・・
『かっこつけて気取りやがって』とか『おかまみたいで気持ち悪い』とか
散々週刊誌やワイドショーに叩かれたり、誹謗中傷の手紙やメールが来たり、ほんとひどかったわよ~
もぉ!どうせあたしはおかまよ!悪かったわね!!!って言ってやりたかったわ、ほんと!」
その言葉に実感がこもりすぎてて、俺はうけて笑う。
「すいませwwwちょwwwつぼったwwwまじすいませんwww」
ってか、あおいの周りにいる大物はなんでこんなに気取らないのか?
むしろ、本当の大物プロって、自分の経歴なんか自慢したり、鼻にかけたりしないのかもな。
大御所と呼ばれる人達は、腰が低いって聞いたことあるし、マーボさんはまさにそれなのかも・・・
笑いながらも、俺は思わすそんなことにも関心する。
「んもぉ!失礼しちゃう!
でも、まぁ、今となってはほんとに笑い話ねw」
そう言ってマティーニを飲み干して、マーボさんは「おかわりちょーだい!」と言ってきた。
なので、俺はまた、同じものを作り始める。
人気があればあるだけリスクがある。
自由も効かなくなるだろうし、本当の自分も隠さないといけなくなる。
まぁ、こういう世界って、本当の自分のようで虚像の自分を演じなければいけない、そういう世界なのかもしれない。
俺にとって、音楽ギョーカイってまだまだ遠い世界だ。
いくらオーディション受かったといっても、まだこうして、バーテンのバイトしてる訳だしさ。
やっぱまるで実感ないwww
そんなことを思いつつ、マティーニのグラスをマーボさんに差し出した俺に、きらきらと目を輝かせたあおいが言う。
「ねぇねぇ、てっちゃん!」
「なんだ?」
「明日さ、凱旋ライブ見に来たら?バックステージパス、大沢さんに頼んでおくからさ!
ね!いいよねマーボさん!?」
その言葉に、マティーニのグラスを手にとったマーボさんが、あおいをちらっと見る。
「あたしは別にいいけど、とりあえず、大沢くんに聞きいてみなさいよ」
マーボさんのこの言葉のあと、あおいがマネージャーを読んで、ほぼ無理やり俺のためにバックステージパスを用意させたのは言うまでもないw
フロントに立って歌唄う人間だから、あおいは行動はえーし、積極的だよな。
こうやって頑張ってるやつを見ると、地味に俺もなんとかやってかないとなとか思ってしまう訳だ・・・
あおいのバックコーラスかぁ・・・
まだまだ全然実感ないけど・・・
頑張ってみるか・・・
俺は、テーブル席からオーダーされた水割りを作りながら、ぼんやりとそんなこと考えていた・・・
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載中しております。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる