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<ACT2 女神の戯れ>3
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俺は美麗さんの隣のブランコに腰を下ろして、彼女の真似をする。
美麗さんはブランコをこいだまま、まるで少女のように微笑んだ。
「コージくん」
「なんでしょう?」
「こういう仕事だから、仕方ないんだけど…なんで男は女のおっぱいしか見ないんだろうね?」
その言葉に、俺は思わず吹き出しそうになった。
「はぁ…まぁ、なんというか、サガとでも言うんでしょうか…
基本的に男は、みんな女のおっぱいが好きかと思います」
「というこは、コージくんも?」
「‥‥‥‥‥っ!」
答えに詰まって思わず俺は黙った。
「別にコージくんはいいんだ、不思議と気持ち悪いとは思わないから。
でも、たまに、接客してると嫌になるときあるんだ。
どんなに経済の勉強しても、どんなに政治のことを勉強しても、そうやって話を合わせて接客してても
最終的にはみんな私のおっぱいだけを見るの」
「美麗さんが賢いのは俺が良くわかってますよ、おっぱいだけが美麗さんじゃないです」
俺が思わずそう答えると、美麗さんは艶やかに微笑(わら)った。
「コージくんは変わった」
そう言って、美麗さんはブランコを飛び降りた。
ドレスの裾が空中を舞い、まるで青い蝶が飛び立つような装いだった。
同時に、俺も、そんな美麗さんの隣に飛び降りる。
美麗さんは、長い睫毛を伏せがちにして言った。
「ゴミの中で血まみれで倒れてた時は、もう死んじゃってるのかと思ったんだ
あの時のコージくんは狼みたいだった」
「今じゃ、美麗さんに飼いならされた小型犬です」
「小型犬にしては大きすぎるよ」
美麗さんはそう言うと、くったくない表情で背伸びをして、頭一つ分高い位置にある俺の頭を撫でる。
素直に撫でられてるところなんて、我ながら本当に飼い犬だなと思うが、今更抵抗する気もない。
この女神は、俺のご主人様だ。
俺にはこの人に恩義がある。
今の俺がいるのは、この人のお陰なんだから。
だから、俺は、自分が死んだとしてもこの女神を守ると決めている。
美麗さんはブランコをこいだまま、まるで少女のように微笑んだ。
「コージくん」
「なんでしょう?」
「こういう仕事だから、仕方ないんだけど…なんで男は女のおっぱいしか見ないんだろうね?」
その言葉に、俺は思わず吹き出しそうになった。
「はぁ…まぁ、なんというか、サガとでも言うんでしょうか…
基本的に男は、みんな女のおっぱいが好きかと思います」
「というこは、コージくんも?」
「‥‥‥‥‥っ!」
答えに詰まって思わず俺は黙った。
「別にコージくんはいいんだ、不思議と気持ち悪いとは思わないから。
でも、たまに、接客してると嫌になるときあるんだ。
どんなに経済の勉強しても、どんなに政治のことを勉強しても、そうやって話を合わせて接客してても
最終的にはみんな私のおっぱいだけを見るの」
「美麗さんが賢いのは俺が良くわかってますよ、おっぱいだけが美麗さんじゃないです」
俺が思わずそう答えると、美麗さんは艶やかに微笑(わら)った。
「コージくんは変わった」
そう言って、美麗さんはブランコを飛び降りた。
ドレスの裾が空中を舞い、まるで青い蝶が飛び立つような装いだった。
同時に、俺も、そんな美麗さんの隣に飛び降りる。
美麗さんは、長い睫毛を伏せがちにして言った。
「ゴミの中で血まみれで倒れてた時は、もう死んじゃってるのかと思ったんだ
あの時のコージくんは狼みたいだった」
「今じゃ、美麗さんに飼いならされた小型犬です」
「小型犬にしては大きすぎるよ」
美麗さんはそう言うと、くったくない表情で背伸びをして、頭一つ分高い位置にある俺の頭を撫でる。
素直に撫でられてるところなんて、我ながら本当に飼い犬だなと思うが、今更抵抗する気もない。
この女神は、俺のご主人様だ。
俺にはこの人に恩義がある。
今の俺がいるのは、この人のお陰なんだから。
だから、俺は、自分が死んだとしてもこの女神を守ると決めている。
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