閑却な日の思い出

雪莉月花

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雨の日の思い出

十三話

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「まこちゃん、猫みたい」




 私は静かににゃあ、と鳴いて旦那に身を預ける。旦那は私の頭をそっと撫で、


「今日ね、まこちゃんに着て欲しい服があるの。服も、靴も、下着だって用意したから着て欲しい」




「うん、でももうちょっとだけこうしていたい」



「これじゃあ、風邪ひいちゃうね」



「いいもん、それで」


「そっか」



 突然旦那が私の太腿を伝い、慎重に指でほぐしていく。



「なに」


「いや、まだのこってるのかなって」


「そんなこと…」



 そんなこと確かめなくても、と口に出そうとしたがやめた。旦那はちいさくいいでしょ、と耳を甘噛みして、拡げるように指を動かす。



「今日、だけ特別」


「ん…」


 私は艶かしく動く指に意識させまいと、必死に何か別のことを考える。



「ねぇ、今日…どうするの」


「前まこちゃんがいきたがってた服屋にいこっかなって」


「あそこ、高…いよ」


「たまにはいいでしょ」


「うん…、てかまだ続けるの」


「だめかな」



 だめじゃないと、ためらいながらも、旦那の胸によりかかると昨日のように抱き上げベッドに戻されてしまう。やっぱり、抵抗しても無駄だった。


「そっ…そこまでは許可してない…から」


「僕へのプレゼントってことで」


「いじわる」




 あぁ、幸せだ。旦那が私を欲しがる度、私の存在価値の輪郭がはっきりする。旦那が、欲しい。骨も肉もすべて。いっそ旦那を殺して食べてしまおうか。しんぞうだって、焼かずに丸ごと飲み込んでやる。
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