上 下
35 / 43
ストーリーの考え方

■「伏線」について

しおりを挟む
伏線とは、「物語中に潜ませるキーワード」の事です。

人物の言動や物事などを物語の序盤や中盤に見せておき、
物語の終盤にそのキーワードの意味がわかるという使い方をします。

伏線により、読者を驚かせたり、予想をさせたり、予想を裏切ったり、読み進める興味を引く事ができます。

伏線がうまく張られている作品は、高評価を得る事が多いです。


―――――――――――――――― ――――――――――――――――
―――――――――――――――― ――――――――――――――――

■「伏線」に関する言葉

○「伏線を張る・伏線を敷く」
伏線を作る事。


○「伏線を回収する」
伏線の答えを出す事。


―――――――――――――――― ――――――――――――――――
―――――――――――――――― ――――――――――――――――

■伏線の使い方

――――――――――――――――

●伏線を張った場合

とある施設から脱出するシーンで、引き出しを開けた時に、中から鍵が出てくるとします。

何の鍵かわかりませんが、何かに使える可能性があると持って行く事にします。
(これが伏線になります)

終盤に、仲間がヘリをよこすと連絡が入ったため屋上に向かいますが、
屋上への扉は鍵が掛かっていて開きません。

ドアノブを何かで壊そうと見回したり、蹴破ろうとするのですが開く事はありません。

ふと引き出しから持ってきた鍵を思い出し、それを使ってドアを開ける事に成功します。
(これが伏線を回収した状態になります)


――――――――――――――――

●伏線を張っていない場合

伏線を張っていないが、すぐにドアを開ける流れにしたい場合は、
「鍵が掛かっていなかった」「簡単に壊して開けられた」など、
その場で解決する単純なものになってしまいます。

この場合、スムーズに進む反面、盛り上がるポイントがなくなってしまいます。


――――――――――――――――

●伏線の回収し忘れ

「伏線の回収し忘れ」という状態は、作者が鍵を手に入れていた事を忘れてしまい、
別の方法でドアを開けてしまったり、開けるのをあきらめてしまう状態の事です。

読者はちゃんと鍵の事を覚えているので、「あの鍵は何のための鍵だったんだ?」とか
「あの鍵を使えよ!」と思ってしまいます。

この失敗をしてしまうと、それまでどんなに良い物語だったとしても、
一気に評価が下がってしまいます。


―――――――――――――――― ――――――――――――――――
―――――――――――――――― ――――――――――――――――

■伏線の大事なポイント

伏線は、伏線を見た時に、先の展開がわかってしまわないようにする必要があります。

先の展開を盛り上げるために伏線を張っているのに、
先の展開がバレてしまっては逆効果になってしまいます。

読者の予想を越えたアイデアを出して、読者を驚かせましょう。


―――――――――――――――― ――――――――――――――――
―――――――――――――――― ――――――――――――――――

■伏線のタイプ

――――――――――――――――

●明確な伏線タイプ

読者が伏線を見て「これは後で何かあるな」と、記憶しやすくした伏線です。

先ほどの鍵の話は、このタイプに当たります。


――――――――――――――――

●さりげない伏線タイプ

読者が見ても何も感じる事がなく、
「なんとなくあったな~」くらいにしか印象に残さないようにした伏線です。
(あえて印象に残さないようにします)

伏線を回収した時に、読者は「あの時のあれは、このためにあったのか!」と驚く事になります。

伏線である事に気付かせないため、「明確な伏線タイプ」よりも先が読まれにくくなります。


――――――――――――――――

●二段構えの伏線タイプ

読者に「張った伏線を回収した」と思わせておいて、
「本当の伏線の回収」をさらに後に用意しておき、伏線を二段構えにしておく方法があります。

読者がたくさんの本を読んでいたり、伏線について良く理解している場合、
伏線が1つだけだと、伏線から先を簡単に予想されてしまいます。

二段構えにしておく事で、1つ目の伏線の回収を予想されても、
もう1つは残るため、読者を驚かせたり、より深みを増した物語にする事ができます。


―――――――――――――――― ――――――――――――――――
―――――――――――――――― ――――――――――――――――

■ミスリードのための伏線

ミスリードとは、「間違った方向に導く」という意味です。

ミスリードは、推理モノなどで良く使われる方法で、
最後まで読者に「真犯人が誰か」という事を気付かせないようにするために使われます。


殺人事件が起こった場合、犯人の目撃証言や現場に残されていたものを手がかりに捜査を開始します。
(これが伏線になります)

物語の中盤くらいまで、ずっとAが犯人として描かれ、とうとうAは逮捕されます。
(これが伏線の回収になります)

ですが、犯人はこのAではなかった事がわかり、別に犯人がいる事がわかります。

作者が「Aが犯人に見えるようにワザと書く事」で、
読者はAが犯人だと予想して読み進めているため、
真犯人は別にいるという事実に驚き、
真犯人は誰なんだと興味を引かれる事になります。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

処理中です...