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終章 ゼンマイ
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「誰――――」
その人物の顔を見ようと、顔を持ち上げようとしたその瞬間、腹部に強い痛みが走る。
「……っか」
衝撃波が彼の体を貫通する。唾液を吐き出すとともに、瞳をかっ開く。
男は空気中に発散された唾液を繊細な動きで避けながら、フェニスの腹部へもう一撃叩き込む。
フェニスは再び唾液を吐き出した。あまりの威力に体を『く』の字にしてしまう。
三度目の正直。
男はフェニスの拳から手を離して、全身を使った全力の打撃を『く』の字の凹んだ部分へと放つ。
空中へ放り出されるフェニス。長い距離を移動して地面に着地すると、そのすぐ後に強くせき込んでいた。幾たびもそれを繰り返して、体の不調を取り除こうとしていた。
――明らかな異常事態。油断していたとはいえ、武闘派であるフェニスがこれだけダメージを負わされてしまった。
オーデンは目の前にいる男へと視線を向ける。
そう、そいつこそがベルセルクを葬った魔、剣錬天なのだ。
もう出し惜しみをしていられない。否が応でもそう思わされてしまったオーデンは、体に眠る全てをできる限り抽出する。抽出したエネルギーはやがて彼の背に光の翼を作り、余ったエネルギーは彼の体表を優しく覆った。
「早く復帰してくれよ、フェニス!」
言った後、地を足底でなぞった。
槍を腕の筋肉を総稼働させて握り、地を蹴る足にも同じようにする。
ソシアスは動かない。後ろの女もオーデンのマントを掴んだまま動かない。
オーデンは急加速。一気に距離を詰めて、ソシアスへ微塵の隙も許さない突きを繰り出した。
が、見て回避される。明らかな反応の遅れを、神経の伝達スピードによって帳消しにした。
首を横に動かした男は白い髪を揺らして腕を振るう。
オーデンは槍を盾のように構えて防御利用し、飛んでくる拳に対してその槍で合わせるように脳内で意識した。
「あ゛っ」
強烈な衝撃が槍から体中に迸る。槍では衝撃が吸収しきれず、体に強い衝撃が伝わってしまったのだ。オーデンは堪らず声を漏らす。
ソシアスは別の腕を後ろに振っていた。あれだけの威力がもう一度飛んでくると言うことに危機を覚えたオーデンはすぐさま後方へ飛び退り回避行動をとった。
……あの女は能力を持っていた。恐らく体の時間を操作するような力。
だとしたらあの男にもある。なんだ?
オーデンは警戒心を強める。
ソシアスは腕を後ろに振ったまま、足指に力を入れる。
――まさに一瞬。男が目の前に到達するまで、刹那ともかからなかった。
ソシアスは腕を前に押し出す。オーデンは背の翼を曲げ、体の前に持ってくる。エネルギーの結晶である光翼を盾にすれば、ダメージや槍で防御した時のような耐え難い衝撃は伝わらないと踏んだからである。
体の横を通過し、加速する拳。これなら受け止められる――と、彼は楽観的に考えていた。
拳が拳に触れることは、無かった。
オーデンの顔が驚きに包まれる。
精確に言えば、触れてはいる。触れてはいるが、透過している。
翼を通り抜けたのだ。
死ぬ。と、先ほどの彼の打撃を食らい理解させられている。
少なくとも無傷じゃいられない。生きれば運がいい方、死ねば仕方がなかったとしか言えない。
咄嗟に腕を槍を合わせる時間もない、完全な万事休す。
と、そこで彼はある存在を思い出した。
横から来訪した゛それ゛は、腕の軌道を変えるのには十分だった。
手首に打撃を受けた拳が、オーデンの顔面スレスレを通過する。
「……フェニス。案外早かったな」
咄嗟に声を上げていた。どしんと腰を構え、拳を握った右手を伸ばす、無邪気で必死なフェニスの顔が、こちらを向く。
オーデンも堪らずにやついてしまう。そして活動を再開する。
パンチに使った右手が伸び切ったままのソシアスの中段に槍を押す。
ソシアスはそれを掴む。カウンターという形で拳を叩き込みに来たが、横にいるフェニスがそれを許さない。ついさっき自分にやって来たように、ソシアスの拳を片手で受け止めて見せた。
「強いのは俺だ! お前じゃ俺には勝てねぇぜ!」
言いながら宙に身を踊り出す。脚を心臓よりもはるかに高い位置にセットし、それを彗星の如く振り下ろす。纏った火は消えたが、しっかり物理攻撃は効くようだ。
頭に踵を撃ち込まれたソシアスが離した槍で二回突いた。
だがそれをもソシアスは躱す。確実に見て避けている、彼の目先を見ればそれがわかった。
「……そっ!」
今までほとんど優位に立たれることのなかったオーデンは焦りを見せる。
しかしその焦りは、フェニスが隣にいてくれることで軽減される。
もの凄い力で、フェニスの握りによる拘束を解く。
開く力より握る力の方が強いことは魔物も神も同じだ。それでいて拘束を解けると言うのは、いかにソシアスが怪力かということを知ることができる。
開いた手ですぐさま拳を作る。フェニスはその拳を受けたが、距離による威力上昇がないためあまり痛手にはならなかった。
拘束を解かれてしまったフェニスにも、ソシアスは打撃を与える。回し蹴りによる高威力な攻撃だったが、腕を体の前で交差させていたことで威力減衰。かなりの衝撃が伝わったであろうが、こちらも大した痛手にはならなかった。
必然的に綺麗な三角形が作られた。二等辺三角形が一番近いだろうか。
その一角を担うソシアスは、空間から剣を取り出して、呟く。
「学習の時間だ」
魔物が言葉を発した。その事実にフェニスはおろかオーデンでさえ気付かない。それだけ集中しているという証拠だろう。
空間から出た剣は細かった。刀よりは幅広だが、剣ほど幅狭でもない。
加えて真っ白な刀身。何もかもを無に帰すかのような恐怖感が感じれる白さだ。
その人物の顔を見ようと、顔を持ち上げようとしたその瞬間、腹部に強い痛みが走る。
「……っか」
衝撃波が彼の体を貫通する。唾液を吐き出すとともに、瞳をかっ開く。
男は空気中に発散された唾液を繊細な動きで避けながら、フェニスの腹部へもう一撃叩き込む。
フェニスは再び唾液を吐き出した。あまりの威力に体を『く』の字にしてしまう。
三度目の正直。
男はフェニスの拳から手を離して、全身を使った全力の打撃を『く』の字の凹んだ部分へと放つ。
空中へ放り出されるフェニス。長い距離を移動して地面に着地すると、そのすぐ後に強くせき込んでいた。幾たびもそれを繰り返して、体の不調を取り除こうとしていた。
――明らかな異常事態。油断していたとはいえ、武闘派であるフェニスがこれだけダメージを負わされてしまった。
オーデンは目の前にいる男へと視線を向ける。
そう、そいつこそがベルセルクを葬った魔、剣錬天なのだ。
もう出し惜しみをしていられない。否が応でもそう思わされてしまったオーデンは、体に眠る全てをできる限り抽出する。抽出したエネルギーはやがて彼の背に光の翼を作り、余ったエネルギーは彼の体表を優しく覆った。
「早く復帰してくれよ、フェニス!」
言った後、地を足底でなぞった。
槍を腕の筋肉を総稼働させて握り、地を蹴る足にも同じようにする。
ソシアスは動かない。後ろの女もオーデンのマントを掴んだまま動かない。
オーデンは急加速。一気に距離を詰めて、ソシアスへ微塵の隙も許さない突きを繰り出した。
が、見て回避される。明らかな反応の遅れを、神経の伝達スピードによって帳消しにした。
首を横に動かした男は白い髪を揺らして腕を振るう。
オーデンは槍を盾のように構えて防御利用し、飛んでくる拳に対してその槍で合わせるように脳内で意識した。
「あ゛っ」
強烈な衝撃が槍から体中に迸る。槍では衝撃が吸収しきれず、体に強い衝撃が伝わってしまったのだ。オーデンは堪らず声を漏らす。
ソシアスは別の腕を後ろに振っていた。あれだけの威力がもう一度飛んでくると言うことに危機を覚えたオーデンはすぐさま後方へ飛び退り回避行動をとった。
……あの女は能力を持っていた。恐らく体の時間を操作するような力。
だとしたらあの男にもある。なんだ?
オーデンは警戒心を強める。
ソシアスは腕を後ろに振ったまま、足指に力を入れる。
――まさに一瞬。男が目の前に到達するまで、刹那ともかからなかった。
ソシアスは腕を前に押し出す。オーデンは背の翼を曲げ、体の前に持ってくる。エネルギーの結晶である光翼を盾にすれば、ダメージや槍で防御した時のような耐え難い衝撃は伝わらないと踏んだからである。
体の横を通過し、加速する拳。これなら受け止められる――と、彼は楽観的に考えていた。
拳が拳に触れることは、無かった。
オーデンの顔が驚きに包まれる。
精確に言えば、触れてはいる。触れてはいるが、透過している。
翼を通り抜けたのだ。
死ぬ。と、先ほどの彼の打撃を食らい理解させられている。
少なくとも無傷じゃいられない。生きれば運がいい方、死ねば仕方がなかったとしか言えない。
咄嗟に腕を槍を合わせる時間もない、完全な万事休す。
と、そこで彼はある存在を思い出した。
横から来訪した゛それ゛は、腕の軌道を変えるのには十分だった。
手首に打撃を受けた拳が、オーデンの顔面スレスレを通過する。
「……フェニス。案外早かったな」
咄嗟に声を上げていた。どしんと腰を構え、拳を握った右手を伸ばす、無邪気で必死なフェニスの顔が、こちらを向く。
オーデンも堪らずにやついてしまう。そして活動を再開する。
パンチに使った右手が伸び切ったままのソシアスの中段に槍を押す。
ソシアスはそれを掴む。カウンターという形で拳を叩き込みに来たが、横にいるフェニスがそれを許さない。ついさっき自分にやって来たように、ソシアスの拳を片手で受け止めて見せた。
「強いのは俺だ! お前じゃ俺には勝てねぇぜ!」
言いながら宙に身を踊り出す。脚を心臓よりもはるかに高い位置にセットし、それを彗星の如く振り下ろす。纏った火は消えたが、しっかり物理攻撃は効くようだ。
頭に踵を撃ち込まれたソシアスが離した槍で二回突いた。
だがそれをもソシアスは躱す。確実に見て避けている、彼の目先を見ればそれがわかった。
「……そっ!」
今までほとんど優位に立たれることのなかったオーデンは焦りを見せる。
しかしその焦りは、フェニスが隣にいてくれることで軽減される。
もの凄い力で、フェニスの握りによる拘束を解く。
開く力より握る力の方が強いことは魔物も神も同じだ。それでいて拘束を解けると言うのは、いかにソシアスが怪力かということを知ることができる。
開いた手ですぐさま拳を作る。フェニスはその拳を受けたが、距離による威力上昇がないためあまり痛手にはならなかった。
拘束を解かれてしまったフェニスにも、ソシアスは打撃を与える。回し蹴りによる高威力な攻撃だったが、腕を体の前で交差させていたことで威力減衰。かなりの衝撃が伝わったであろうが、こちらも大した痛手にはならなかった。
必然的に綺麗な三角形が作られた。二等辺三角形が一番近いだろうか。
その一角を担うソシアスは、空間から剣を取り出して、呟く。
「学習の時間だ」
魔物が言葉を発した。その事実にフェニスはおろかオーデンでさえ気付かない。それだけ集中しているという証拠だろう。
空間から出た剣は細かった。刀よりは幅広だが、剣ほど幅狭でもない。
加えて真っ白な刀身。何もかもを無に帰すかのような恐怖感が感じれる白さだ。
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