【女性3人用声劇台本】北部奪還作戦 JACK外伝《第8部隊の少女達》

未旅kay

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4話 朝日と断末魔

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(3時50分 洞爺湖 Aグループ)

カイ:「こちらAグループ、目的地点へ到着する。Z周波を再生後、臨戦態勢りんせんたいせいに入る」

コロロ:(M)全隊員がワイヤレスイヤホンの表面をなぞります。

AI:コネクティング。エミット。ゼットレイ。

コロロ:(M)3時55分……。戦闘開始時刻。朝陽あさひ湖面こめんかがやかせ始めました……。

ミミ:「ん?」

コロロ:「隊長…、ムゲン体の姿が……」

(間)

コロロ:(M)いない!!

カイ:「ぐっ……!」

コロロ:「なに!!」

ミミ:「……!」

カイ:(M)静寂を切り裂いたのは無線からの絶望的なBグループの悲鳴。私たちはBグループの地点に目をらす。

コロロ:「なんで!」

カイ:「おい、聞こえるか!撤退しろ!副隊長!聞こえるか!コウ!慈水じすい)コウ!応答おうとうしろ……コウ」

コロロ:(M)まばゆいクラウ砲の光線が、遠くからでも分かるくらい大量のムゲン体の群れの隙間を通過します。

ミミ:「隊長!早く!助けに行かないと!まだ生きてる隊員がいます!」

(Bグループの方角を見ていたミミが振り向く)

(間)

ミミ:「……え?」

ミミ:(M)ぎ倒し、背後はいごにいたのはトレーラーほどの巨躯きょくのムゲン体。

コロロ:(M)そして、吹き飛ばされて吐血する隊長でした。

ミミ:(M)くっ……。Bグループは19名。まだ生存者がいるなら、15名で援護に行かせれば勝機しょうきを見出せる。

ミミ:(M)私の他に2名を見繕みつくろって、ここに残る。隊長の傷は浅い。隊長の復活しだい私たちも援護にいけば。これは……あなたの仕事でしょ。

ミミ:「このデカいのは私が1人でブチのめす」

コロロ:「え」

ミミ:「コロロちゃん、私はここに残るからBグループの援護に行って」

コロロ:「ダメだよ!こんなサイズ、1人じゃ」

ミミ:「コロロちゃん強いでしょ!ゼッタイに隊長と援護に行くから。それまで、みんなを護って。私は隊長を守りながらムゲン体をブチのめすから」

コロロ:「……うん。ミミちゃん、隊長をお願い!皆んな、Bグループを。仲間を助けに行こう!」

コロロ:「ミミちゃん。次に会った時は手合わせなんだからね!」

(間)

ミミ:「2人は、隊長の応急処置をお願い!」

ミミ:「こんにちは。いつから、そこにいたのかな?」

(ミミは高く翔ぶ)
(ムゲン体の背に乗りクラウソードを突き刺した)
(ミミのクラウソードが青いプラズマと轟音ごうおんを響かせる)

ミミ:「てやあああああああ!」

(ムゲン体は一度動きを止めたが。突然、四肢をバタつかせた)

ミミ:(M)へーーー、まだ動くんだぁ!

ミミ:「くらえ!くらえ!くらえ!トドメーーー!」

(ミミはムゲン体の巨躯きょくを四つ切りにした)

ミミ:(M)さすがに、ピクリともしなくなったかぁ。

ミミ:「ねえ、2人とも。隊長の様子はど…………う?」

(間)

ミミ:「やっぱり、私が残って正解だったかも……」

ミミ:(M)目の前に映る光景は、衝撃的だったけれど。私は冷静でいられた。

ミミ:「隊長、もう目を覚ましたんですね。そこの2人をつらぬいてるソード、抜いてもらえますか?」

(2人の隊員の返り血がカイの頬を流れる)

カイ:「ああ、そうだな。作戦の時点で、ミミ。君は何か違和感を感じていたんじゃないのか?作戦は順調に進んでいるけれどね」

ミミ:「結果オーライです」

カイ:「虚勢きょせいを張っている?」

ミミ:「まさか~。ずっと言ってるじゃないですか。手合わせしたいって」

(ミミはクラウソードの切っ先をカイに向けた)

カイ:「殺し合いの……間違いだろ?」

(カイとミミはワイヤレスイヤホンの表面を叩いた)

カイ:「第8部隊 隊長慈江じこうカイ。緊急事態により、Z周波数の2段階解除を隊長権限けんげんにより申請しんせい

AI:エミット。ゼットレイ。チートコードS。

ミミ:「せこい!2段階解除とか!」

ミミ:(M)いくら隊長でも、Z周波数の2段階解除は脳と身体への負荷が大きいはず。そのすきを狙って無力化むりょくかするしかないよね。

ミミ:(M)え?無力化?隊長は、2人も隊員を抹殺まっさつしたのに?

ミミ:「ぐっ……、考えてる余裕よゆうは無いか」

(カイの重たい刃(やいば)がズシリとミミを襲う)

カイ:「どうした?そんなものじゃないだろ」

(ミミはカイのクラウソードをはじく)

ミミ:「はあああああ!」

カイ:「ふっ……」

ミミ:(M)クラウソードのが……くだけた。刀身とうしんが真っ二つになった?

カイ:「あっけないな」

ミミ:「…………!」

(カイはクラウソードを振り上げた)
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