44 / 131
第3章
第3章 世界へようこそ 13
しおりを挟む
13 歓声
港に戻ったクローリーたちは大歓声で迎えられた。
海賊に数日は封鎖されそうだったものが、あっという間に解放されたのであるから当然だった。
出航を控えると商材によっては劣化するものもあるし、無理矢理出航すれば海賊に捕まるかもしれない。
多くの船長たちが考えていたのは、誰かが海賊に捕まっている隙にすり抜けたいというものだ。
我慢比べで耐えられなくなった船が犠牲になることを期待している者がほとんどなのであった。
「うお!?何するんだ!!!!?」
リンザットが大勢の人に胴上げされていた。
ただ囮になっただけのアダマストール号も、港に詰めた人々から見たら英雄だった。
「お主ら、本当に海賊を倒しに行ったんじゃな……」
ヒンカは驚いた表情でクローリーたちを迎えた。
口では勇ましいことを言っても実際には行動できない人間をたくさん見てきた。
彼女は大きくクローリーたちを見直した。
「まー。貰った油が良かったっスからなー」
これは照れ隠しでも何でもない。
あれほど簡単に燃える油はクローリーは知らなかった。
「それにそっちのお嬢ちゃんも良くやったのじゃ」
ヒンカはルシエに視線を移した。
「大したことはない」
ルシエは真っ赤になって照れていた。
あまり褒められることに慣れていないのかもしれない。
大きなベレー帽の横からもふもふの耳が出てぴょこぴょこ動いていた。
「え……?」
クローリーが目を疑った。
「わー。わんわんみたいな耳―!かーわーいーいー」
沙那は喜んでいた。
犬や猫などの動物が好きなのだ。
「あんた……獣憑きか?」
シュラハトが警戒する目を向けた。
獣憑きは人間が獣のような姿をとる恐るべき病気だと思われていた。
ルシエは無言になった。
この世界では多くの人に忌み嫌われる存在なのだ。
そのために大きなベレー帽で特徴を隠しているのだが、何かの拍子に出てしまう時がある。
油断してしまったとルシエは唇を噛んだ。
「かーわーいーいー!」
沙那はルシエに抱き着いていた。
彼女の感覚からすれば秋葉原にでもいそうなコスプレ少女にしか見えない。
生モノであってもそれはそれで可愛い。
ここは夢の中なのだから、そういうのも悪くない。
沙那はそう思っていた。
もふもふすりすり。もふもふすりすり。
「それにこの子、けっこーおっぱい大きいよー?クロちゃん」
「人をおっぱい星人みたいに言うなし……」
「この娘は痴女なのか?」
ルシエはジト目で沙那を見る。
「いや、まあ、格好自体もわりと痴女っぽいっスが……たぶん違うと思うっス」
「クロちゃん、この子可愛いよー!連れて行こー?」
「私は捨て犬でも捨て猫でもないぞ」
ルシエは抗議した。
とはいえ自分に懐いてくれる少女は嫌いではない。
普通ならこの姿を見たら走って逃げるものなのだ。
「ああ。その子は病気とかじゃないぞ」
様子を見ていたヒンカが冷静に言った。
「獣憑きっていうのは勘違いじゃぞ?それはそういう種族なんじゃ」
「種族……?」
クローリーは怪訝に思った。
そんな話は聞いたことがない。
「かいつまんで言うとじゃな。異世界召喚者は必ず同じ世界から召喚されるものではないんじゃ」
「違う世界からってことっスか?」
「そうじゃ。妾とおっぱい娘の世界はかなり近似性がありそうじゃが。妾とテリューも互いは全く異なる世界の住人じゃ」
クローリーがかねてから幾つも色んな世界があるという仮説に近かった。
肯定されているといって良い。
「テリューはこの世界の人間と少し外見が違ったじゃろ?あれは運動能力に優れた世界の人間じゃ。この世界の常人を遥かに凌駕する……戦闘力に優れる種族じゃ」
テリューが軍事力として重宝されなかったのは、この世界に召喚されたときにまだ子供だったために何も見出されなかったためであった。
ちょっと運動神経の良い子供としか見られなかったのだ。
もしもその時点で大人だったのなら、また違った人生になっていただろう。
「で、そこのおっぱい娘はおっぱいの大きな牛胸族という種族で……」
「違ーう!」
「分かっておるわ。見せびらかしおって。妾も以前はダイナマイトバディだったのじゃ」
つるぺたなヒンカは少しばかり沙那に対抗心があったようだ。
「そっちの犬娘はそういう種族ばかりの世界から来たのじゃ。前にも何人か見たことがある」
「病気じゃねぇのか?」
シュラハトが驚いた。
帝国では獣憑きは重大な呪いか病気で、治癒する方法はなく殺すしかないのが常識だった。
「そうじゃよ。妾やお主たちと同じ人間ではあるが、犬や猫といった既知の動物に似た特徴も持ってるってだけのことじゃぞ」
「あ。ほんとだー!尻尾あるよー?尻尾ー!」
ルシエに抱き着いたままの沙那が、ルシエのスカートの中ら尻尾を引っ張り出した。
もふもふ尻尾は沙那の大好物だ。
実家で飼っていた犬や猫を思い出す。
「おい。この痴女を何とかしてくれ」
ルシエがクローリーを睨んだ。
「あー……さにゃは可愛いものを見ると暴走するっスよ。諦めてもらうしかないっスな」
沙那の神の中から出てきたイズミもうんうんと頷いた。
「こりゃ驚いた。妖精連れじゃ!」
今度はヒンカが驚く番だった。
妖精を連れて歩く人間なんて見たことがない。
召喚された妖精を見たことは何度もあるが、懐かせて連れ歩くなんて聞いたこともない。
「あんた、あれが見えるんスか」
「ふん。バカにするんじゃない。友人が魔法で呼び出すのは何度も見たことがあるのじゃ」
「へっへー。泉の妖精のイズミちゃんだよー。ボク専属のお風呂屋さん」
「……お風呂屋さん違う」
イズミがぶんぶんと首を振った。
「こんなにくっきりとした妖精は私も初めてだ」
ルシエもまじまじをイズミを見つめた。
「あなたたちはいったい……?」
「ふはっ……ふはは……あーははははははははっ!」
ヒンカが大声で笑いだした。
涙まで流している。
「お主たち、本当に面白いのう。うむ。妾もしばらくお主たちと一緒に行っても良いのじゃ」
「良いんスか?」
「妾は大したことはできぬが、お主の家の畑を色んな作物でいっぱいにしてやろうじゃないか」
「わ。それは助かるー!ボク、園芸はあまり詳しくないからー」
作物の種を欲しがった割には沙那は家庭菜園……というよりプランターでハーブやイチゴやミニトマトとかを栽培した経験が多少ある程度で、がっつりの農業は判らなかったのだ。
実際、今後ずっとアレクサンダー領での新種の作物栽培を沙那が担当したら、枯らしたり失敗の連続だったろう。
種や苗を商っているヒンカの方がずっと詳しいはずだった。
「力強い仲間だねー!……あ、もふもふ尻尾ちゃん」
沙那がルシエの尻尾を頬ずりした。
「やめろ。この痴女!」
* * *
「ほんとにあんたも来るンすか?結構大変なことになるかもしれないっスよ」
クローリーはアダマストール号に合わせて出港準備を始めるルシエに声をかけた。
「ああ。私のことを説明してくれそうなヒンカが行くのでは、私もついて行こうと思う」
「それは良いんスが。後悔しても知らないっスよ?」
ルシエは犬耳をピョコっと動かした。
「私はこの姿だから。理解者がいる場所の方が良い」
「まー……船を持つ仲間が増えるのは助かるっスが」
「船も好きに役立ててくれて良い」
ルシエは慌てて後ろに飛びのいた。
犬耳を見た沙那が笑顔でにじり寄ってきたからだ。
「ただ、その痴女を近づけないで欲しい」
「痴女違うー」
「煩い。私を撫でるな。触るな。褒めるな」
なぜか沙那に苦手意識を持ったようだ。
「ともかく。そっちの船について行く」
ルシエは自分の船に戻っていった。
港に戻ったクローリーたちは大歓声で迎えられた。
海賊に数日は封鎖されそうだったものが、あっという間に解放されたのであるから当然だった。
出航を控えると商材によっては劣化するものもあるし、無理矢理出航すれば海賊に捕まるかもしれない。
多くの船長たちが考えていたのは、誰かが海賊に捕まっている隙にすり抜けたいというものだ。
我慢比べで耐えられなくなった船が犠牲になることを期待している者がほとんどなのであった。
「うお!?何するんだ!!!!?」
リンザットが大勢の人に胴上げされていた。
ただ囮になっただけのアダマストール号も、港に詰めた人々から見たら英雄だった。
「お主ら、本当に海賊を倒しに行ったんじゃな……」
ヒンカは驚いた表情でクローリーたちを迎えた。
口では勇ましいことを言っても実際には行動できない人間をたくさん見てきた。
彼女は大きくクローリーたちを見直した。
「まー。貰った油が良かったっスからなー」
これは照れ隠しでも何でもない。
あれほど簡単に燃える油はクローリーは知らなかった。
「それにそっちのお嬢ちゃんも良くやったのじゃ」
ヒンカはルシエに視線を移した。
「大したことはない」
ルシエは真っ赤になって照れていた。
あまり褒められることに慣れていないのかもしれない。
大きなベレー帽の横からもふもふの耳が出てぴょこぴょこ動いていた。
「え……?」
クローリーが目を疑った。
「わー。わんわんみたいな耳―!かーわーいーいー」
沙那は喜んでいた。
犬や猫などの動物が好きなのだ。
「あんた……獣憑きか?」
シュラハトが警戒する目を向けた。
獣憑きは人間が獣のような姿をとる恐るべき病気だと思われていた。
ルシエは無言になった。
この世界では多くの人に忌み嫌われる存在なのだ。
そのために大きなベレー帽で特徴を隠しているのだが、何かの拍子に出てしまう時がある。
油断してしまったとルシエは唇を噛んだ。
「かーわーいーいー!」
沙那はルシエに抱き着いていた。
彼女の感覚からすれば秋葉原にでもいそうなコスプレ少女にしか見えない。
生モノであってもそれはそれで可愛い。
ここは夢の中なのだから、そういうのも悪くない。
沙那はそう思っていた。
もふもふすりすり。もふもふすりすり。
「それにこの子、けっこーおっぱい大きいよー?クロちゃん」
「人をおっぱい星人みたいに言うなし……」
「この娘は痴女なのか?」
ルシエはジト目で沙那を見る。
「いや、まあ、格好自体もわりと痴女っぽいっスが……たぶん違うと思うっス」
「クロちゃん、この子可愛いよー!連れて行こー?」
「私は捨て犬でも捨て猫でもないぞ」
ルシエは抗議した。
とはいえ自分に懐いてくれる少女は嫌いではない。
普通ならこの姿を見たら走って逃げるものなのだ。
「ああ。その子は病気とかじゃないぞ」
様子を見ていたヒンカが冷静に言った。
「獣憑きっていうのは勘違いじゃぞ?それはそういう種族なんじゃ」
「種族……?」
クローリーは怪訝に思った。
そんな話は聞いたことがない。
「かいつまんで言うとじゃな。異世界召喚者は必ず同じ世界から召喚されるものではないんじゃ」
「違う世界からってことっスか?」
「そうじゃ。妾とおっぱい娘の世界はかなり近似性がありそうじゃが。妾とテリューも互いは全く異なる世界の住人じゃ」
クローリーがかねてから幾つも色んな世界があるという仮説に近かった。
肯定されているといって良い。
「テリューはこの世界の人間と少し外見が違ったじゃろ?あれは運動能力に優れた世界の人間じゃ。この世界の常人を遥かに凌駕する……戦闘力に優れる種族じゃ」
テリューが軍事力として重宝されなかったのは、この世界に召喚されたときにまだ子供だったために何も見出されなかったためであった。
ちょっと運動神経の良い子供としか見られなかったのだ。
もしもその時点で大人だったのなら、また違った人生になっていただろう。
「で、そこのおっぱい娘はおっぱいの大きな牛胸族という種族で……」
「違ーう!」
「分かっておるわ。見せびらかしおって。妾も以前はダイナマイトバディだったのじゃ」
つるぺたなヒンカは少しばかり沙那に対抗心があったようだ。
「そっちの犬娘はそういう種族ばかりの世界から来たのじゃ。前にも何人か見たことがある」
「病気じゃねぇのか?」
シュラハトが驚いた。
帝国では獣憑きは重大な呪いか病気で、治癒する方法はなく殺すしかないのが常識だった。
「そうじゃよ。妾やお主たちと同じ人間ではあるが、犬や猫といった既知の動物に似た特徴も持ってるってだけのことじゃぞ」
「あ。ほんとだー!尻尾あるよー?尻尾ー!」
ルシエに抱き着いたままの沙那が、ルシエのスカートの中ら尻尾を引っ張り出した。
もふもふ尻尾は沙那の大好物だ。
実家で飼っていた犬や猫を思い出す。
「おい。この痴女を何とかしてくれ」
ルシエがクローリーを睨んだ。
「あー……さにゃは可愛いものを見ると暴走するっスよ。諦めてもらうしかないっスな」
沙那の神の中から出てきたイズミもうんうんと頷いた。
「こりゃ驚いた。妖精連れじゃ!」
今度はヒンカが驚く番だった。
妖精を連れて歩く人間なんて見たことがない。
召喚された妖精を見たことは何度もあるが、懐かせて連れ歩くなんて聞いたこともない。
「あんた、あれが見えるんスか」
「ふん。バカにするんじゃない。友人が魔法で呼び出すのは何度も見たことがあるのじゃ」
「へっへー。泉の妖精のイズミちゃんだよー。ボク専属のお風呂屋さん」
「……お風呂屋さん違う」
イズミがぶんぶんと首を振った。
「こんなにくっきりとした妖精は私も初めてだ」
ルシエもまじまじをイズミを見つめた。
「あなたたちはいったい……?」
「ふはっ……ふはは……あーははははははははっ!」
ヒンカが大声で笑いだした。
涙まで流している。
「お主たち、本当に面白いのう。うむ。妾もしばらくお主たちと一緒に行っても良いのじゃ」
「良いんスか?」
「妾は大したことはできぬが、お主の家の畑を色んな作物でいっぱいにしてやろうじゃないか」
「わ。それは助かるー!ボク、園芸はあまり詳しくないからー」
作物の種を欲しがった割には沙那は家庭菜園……というよりプランターでハーブやイチゴやミニトマトとかを栽培した経験が多少ある程度で、がっつりの農業は判らなかったのだ。
実際、今後ずっとアレクサンダー領での新種の作物栽培を沙那が担当したら、枯らしたり失敗の連続だったろう。
種や苗を商っているヒンカの方がずっと詳しいはずだった。
「力強い仲間だねー!……あ、もふもふ尻尾ちゃん」
沙那がルシエの尻尾を頬ずりした。
「やめろ。この痴女!」
* * *
「ほんとにあんたも来るンすか?結構大変なことになるかもしれないっスよ」
クローリーはアダマストール号に合わせて出港準備を始めるルシエに声をかけた。
「ああ。私のことを説明してくれそうなヒンカが行くのでは、私もついて行こうと思う」
「それは良いんスが。後悔しても知らないっスよ?」
ルシエは犬耳をピョコっと動かした。
「私はこの姿だから。理解者がいる場所の方が良い」
「まー……船を持つ仲間が増えるのは助かるっスが」
「船も好きに役立ててくれて良い」
ルシエは慌てて後ろに飛びのいた。
犬耳を見た沙那が笑顔でにじり寄ってきたからだ。
「ただ、その痴女を近づけないで欲しい」
「痴女違うー」
「煩い。私を撫でるな。触るな。褒めるな」
なぜか沙那に苦手意識を持ったようだ。
「ともかく。そっちの船について行く」
ルシエは自分の船に戻っていった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
転生したので好きに生きよう!
ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。
不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。
奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。
※見切り発車感が凄い。
※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
腐ったお姉ちゃん、【ヤンデレBLゲームの世界】で本気を出すことにした!
月白ヤトヒコ
ファンタジー
ある日、不遇な異母兄が虐げられる理由を考えていたら――――
この世界が鬼畜ヤンデレスキーな腐女子ご用達の、ほぼほぼハッピーエンドの無い、メリバ、バッドエンド、デッドエンドの散りばめられているBLゲーム【愛シエ】の世界だと気が付いた!
そして自分が、ゲームの攻略対象のメンヘラリバース男の娘こと第三王子のネロに生まれ変わっていることを知った前世腐女子の茜は、最推しだったゲーム主人公(総受け)のバッドエンド&死亡フラグをへし折ることを決めた。
まずは異母兄弟であることを利用し、ゲーム主人公のシエロたんに会うと――――
なんとびっくり、シエロたんの中身は前世の弟、蒼だったっ!?
BLは嫌だと『腐ったお姉様。伏してお願い奉りやがるから、是非とも助けろくださいっ!?』と、半泣きで縋られたので、蒼のお姉ちゃんである茜は、弟の生命と貞操と尊厳を守るため、運命に立ち向かうことにした。
「生でBLを見られる♪」というワクテカな誘惑を、泣く泣く断ち切って・・・
どうにかして、破滅、死亡フラグを折って生き残ってやろうじゃないのっ!!!!
掛かって来いや運命っ!
設定はふわっと。
多分、コメディー。
※BLゲームに転生ですが、BLを回避する目的なのでBLな展開にはなりません。
※『腐ったお姉様。伏してお願い奉りやがるから、是非とも助けろくださいっ!?』の、腐ったお姉ちゃんが主役の話。
『腐ったお姉様~』の方を読んでなくても大丈夫です。
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる