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やっと愛してると伝え合えるね
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バスルームに立ちこめる湯気が喉に優しい。断続的に響く要の嬌声を、シャワーの音がかき消そうとする。が、それに要がほっとしたのを見抜いたのか、泉は要の弱い場所を責めたてた。
「ん、ぉ……あ……」
「立ってるのが苦しいなら掴まれ」
泉の一回り大きな手が、要の手を泉の肩へ導く。子供のようにしがみつこうとしたが
「それじゃ触れないだろ」
と優しくたしなめられて要は「くぅん」と子犬のような声を上げた。
「乳首尖ってる。可愛いな」
シャワーの水滴を滴らせ、桃色の先端がツンと尖る。キスの合間にそこをつねったり捏ねたりされるたび、要はビクビクと腰を震わせ、泉の肩に爪を立ててしまった。
「も、そこばっか……や……」
「そこばっかり? 他のところも触ってやってるだろ?」
「ん……っ」
もう一方の手で赤く熟れた尻の穴を広げられ、要は身もだえた。男のはずなのに、そこで快感を拾ってしまう自身が恥ずかしい。しかし、指を二本入れられ、前立腺のあたりを刺激されるたびに目の前がチカチカして尻の穴を狭めてしまうと、泉は
「よしよし、ちゃんと気持ちよくなれて偉いな」
と褒めてくれるので、罪悪感が薄れてしまう。ただ褒められるたびにキュウキュウと喜んで泉の指を締めつけてしまうのが恥ずかしかった。
「あ、泉……もう……いいよ、挿れても……」
むしろドロドロにほぐされ、恥知らずなくらいにそこが泉のものに穿たれるのを待っている。真っ赤になって要が訴えると、泉が要の粘膜から指を抜いた。
「……やっと、本当に繋がれるのか?」
「泉……?」
「嫌じゃないんだよな?」
「いずみ……」
泉は長雨に打たれたような顔をしていた。不安で仕方ないと、要を傷付けることが不安で仕方ないという顔をしている。
それが愛しくて、要は泉の鎖骨に一つキスを落とし、彼の胸元に額を預けた。
「君がいいよ」
「……っ」
「あ……っ!?」
すごい力で持ち上げられ、壁に背中を預けられる。ふと鏡を見ると、泉に軽々と抱き上げられて、足が浮いていた。背中には壁、目の前には泉で逃げ場がない。
一瞬の出来事に息を詰めていると、尻の狭間に火傷するほどの熱を感じた。限界まで張りつめた泉の雄がピタリと擦りつけられている。そして――――……。
「あ、ああ……っ」
太い雁首が、要の粘膜を潜ってくる。大きな質量に身体を貫かれ、それだけで要は射精してしまった。泉の割れた腹に、要の白濁がかかる。
「何だ、挿れただけでイッたのか?」
「わ、分かんな……何で……」
香の催淫効果のせいか。太い杭を打たれた要は、哀れな罪人のようだ。前にも後ろにも逃げ場がない。足の自由も利かない中では、快楽を拾うことしかできない。
「あ、ま、待って、泉」
「好きだ。要」
「あ、お、オレも、だけど……っ」
ズルリと太い雄を引き出され、電流のような気持ちよさが要の背中を走り抜ける。とんでもないことだ。想いが通じ合った性交は、こんなにも気持ちいいのかと怖くさえなった。
「あうっ」
パチュンッと要の尻たぶと泉の太ももが当たる音がバスルームに響く。ギリギリまで抜かれてから押し込まれるたびに、要はひっきりなしに喘いだ。
「あ、や、ねぇっ、奥、トントンしないで……待って……」
「要、要……気持ちいい。絡みついてくる……」
「あ、うぅ……激し、息、苦し……」
バチュバチュと恥ずかしい音が響くほど激しく突かれ、喉元まで貫かれている気がして要は上手く息が出来ない。けれど抱っこされたことで高くなった視線から泉を見下ろせば、彼の瞳が気持ちよさそうに伏せられていて、また繋がった場所を締めつけてしまった。
達しかけたのを寸でのところで堪えた泉が、犬歯を剥きだして笑った。その表情が凄絶で、要は自身の陰茎からタラタラと蜜が零れるのを感じた。
「……悪戯するなよ」
「ちが、違う……オレ、っぁむ……」
ニヤリと笑った泉が要の口から零れた唾液を舐めとり、舌を絡ませてくる。必死でそれに答えていると、抱っこしなおされ、さらに深いところまで泉の雄が要をえぐった。
「あ、あうっ」
角度が変わったことにより、より鋭敏に快感を拾ってしまう。もうダメだと思うのに、泉が要を抱きなおしたのは、片手で要を抱っこするためだった。そして空いた片手が、二人の間でフルフルと健気に揺れていた要の雄に伸びる。
「あ……っだ、ダメぇ……っ! 同時、やぁっ!」
「やじゃない。気持ちいいだろ」
泉の温かい手に雄をしごかれ、ガツガツと直腸を穿たれる。その上またしても舌を伸ばしてキスをされ、同時に三か所を責められて要は意識が朦朧としてきた。
身体が爛れたみたいに熱い。奥を突かれるたびに目の前に星が散る。強弱をつけてしごかれ、口内の弱いところを責めたてられては、もうダメだった。
「あ、ぁあー……」
「一緒にイこうな」
「う、ん……。あ……っぁああああっ」
キスしながら囁かれ、最奥を突かれた瞬間――――要の眼前で白い光が爆ぜる。薄くなった精液が泉の手を汚したのと同時に、腹の中に熱い飛沫が散った。
ドクドクと注がれる熱に溺れ、ひたすら痙攣を繰り返す。敏感になった要の唇を、泉がもう一度愛しげに吸った。
一泉を怒らせるものじゃない、と要が痛感したのは事件があって一週間経った時だった。
「セクシー女優が激白! 美作監督の歪んだ性癖。性奴隷と呼ばれる葛藤……」
木漏れ日が眩しい真昼には似つかわしくないタイトルを読みあげたのは佐和社長だ。
なまめかしい生足を組んだ社長は、今日は真っ白なスーツを着ている。短いタイトスカートが目に毒で、視線をどこに合わせればいいか迷い要はモジモジしていたのだが、ソファにふんぞり返った泉はあからさまに渋面を作った。
社長曰く、今日はエロティックな家庭教師風の格好らしい。訳知り顔の社長は、磨きあげられた机越しに流し目を送った。
「美作監督の性癖を雑誌にリークしたのは誰かしらねん?」
「さあね」
泉は涼しい顔で別の雑誌をめくる。要は社長室をせわしなく歩き回ったり社長机の前で青くなったりしながら言った。
「泉ですよ……! 泉が、例の事件の夜に美作監督が呼んだ女性たちを後日呼び出して、虜にさせちゃって……美作監督の不利な情報を吐き出させたんです……! それをそのまま雑誌社に提供して……」
最後には泉のかけるソファの隣に沈みこみ、この世の終わりのような呻きを上げる。
「美作監督は泉にリークされたスキャンダルで降板。泉の映画も白紙ですよ……」
「別にいいだろ。あんな下種と映画を撮り続ける気なんてなかったんだから」
「そうだけど……でもいざ現実として突きつけられると……」
美作と一緒に仕事を続けると思うだけで足がすくむ。あの湿った手が肌を這う感触を思い出すだけで吐きそうだ。が……泉の映画のためなら我慢してもいいと思い始めていた。それほどまでに、要は泉にもう一度彼の時代を取り戻してほしかったのだ。
肩を落とす要の鼻を、不意に泉が白い歯で噛む。突然噛みつかれた要は、瓶底メガネをずり下げて驚いた。
「う、あっ。何!?」
「俺のそばに要がいる限り、俺はスターであり続けるって言っただろ。映画が白紙になったって、また別の仕事とってきてくれよ。そのためなら俺だって努力する」
日本人離れした美しい顔で、泉が真っすぐに訴える。魅惑的なグリーンアイズはどうしてこうも、力強さと安心感を兼ね備えているのだろうと要は不思議に思った。
「ちょっとぉ? このアタシを置いて二人の世界に入らないでちょうだいよ?」
真っ赤なグロスが引かれた唇を尖らせ、社長が言う。
それから社長は組んだ指に顎を載せ
「それに、チャンスは意外に引き寄せられてるかもしれないわよ?」
と悪戯っぽく笑った。
「どういうことです……?」
要が首を傾げたのと、社長室にノックが響いたのはほぼ同時だった。来客に反応して泉が居住まいを正したのを確認してから要がドアを開ける。
そして、そこに立っていた人物に要は目を見開いた。
「目が、落ちてしまうのではないか」
蚊の鳴くような声は健在だ。竜胆のMVの監督を務めた五条が、独特のテンポで言った。
「ん、ぉ……あ……」
「立ってるのが苦しいなら掴まれ」
泉の一回り大きな手が、要の手を泉の肩へ導く。子供のようにしがみつこうとしたが
「それじゃ触れないだろ」
と優しくたしなめられて要は「くぅん」と子犬のような声を上げた。
「乳首尖ってる。可愛いな」
シャワーの水滴を滴らせ、桃色の先端がツンと尖る。キスの合間にそこをつねったり捏ねたりされるたび、要はビクビクと腰を震わせ、泉の肩に爪を立ててしまった。
「も、そこばっか……や……」
「そこばっかり? 他のところも触ってやってるだろ?」
「ん……っ」
もう一方の手で赤く熟れた尻の穴を広げられ、要は身もだえた。男のはずなのに、そこで快感を拾ってしまう自身が恥ずかしい。しかし、指を二本入れられ、前立腺のあたりを刺激されるたびに目の前がチカチカして尻の穴を狭めてしまうと、泉は
「よしよし、ちゃんと気持ちよくなれて偉いな」
と褒めてくれるので、罪悪感が薄れてしまう。ただ褒められるたびにキュウキュウと喜んで泉の指を締めつけてしまうのが恥ずかしかった。
「あ、泉……もう……いいよ、挿れても……」
むしろドロドロにほぐされ、恥知らずなくらいにそこが泉のものに穿たれるのを待っている。真っ赤になって要が訴えると、泉が要の粘膜から指を抜いた。
「……やっと、本当に繋がれるのか?」
「泉……?」
「嫌じゃないんだよな?」
「いずみ……」
泉は長雨に打たれたような顔をしていた。不安で仕方ないと、要を傷付けることが不安で仕方ないという顔をしている。
それが愛しくて、要は泉の鎖骨に一つキスを落とし、彼の胸元に額を預けた。
「君がいいよ」
「……っ」
「あ……っ!?」
すごい力で持ち上げられ、壁に背中を預けられる。ふと鏡を見ると、泉に軽々と抱き上げられて、足が浮いていた。背中には壁、目の前には泉で逃げ場がない。
一瞬の出来事に息を詰めていると、尻の狭間に火傷するほどの熱を感じた。限界まで張りつめた泉の雄がピタリと擦りつけられている。そして――――……。
「あ、ああ……っ」
太い雁首が、要の粘膜を潜ってくる。大きな質量に身体を貫かれ、それだけで要は射精してしまった。泉の割れた腹に、要の白濁がかかる。
「何だ、挿れただけでイッたのか?」
「わ、分かんな……何で……」
香の催淫効果のせいか。太い杭を打たれた要は、哀れな罪人のようだ。前にも後ろにも逃げ場がない。足の自由も利かない中では、快楽を拾うことしかできない。
「あ、ま、待って、泉」
「好きだ。要」
「あ、お、オレも、だけど……っ」
ズルリと太い雄を引き出され、電流のような気持ちよさが要の背中を走り抜ける。とんでもないことだ。想いが通じ合った性交は、こんなにも気持ちいいのかと怖くさえなった。
「あうっ」
パチュンッと要の尻たぶと泉の太ももが当たる音がバスルームに響く。ギリギリまで抜かれてから押し込まれるたびに、要はひっきりなしに喘いだ。
「あ、や、ねぇっ、奥、トントンしないで……待って……」
「要、要……気持ちいい。絡みついてくる……」
「あ、うぅ……激し、息、苦し……」
バチュバチュと恥ずかしい音が響くほど激しく突かれ、喉元まで貫かれている気がして要は上手く息が出来ない。けれど抱っこされたことで高くなった視線から泉を見下ろせば、彼の瞳が気持ちよさそうに伏せられていて、また繋がった場所を締めつけてしまった。
達しかけたのを寸でのところで堪えた泉が、犬歯を剥きだして笑った。その表情が凄絶で、要は自身の陰茎からタラタラと蜜が零れるのを感じた。
「……悪戯するなよ」
「ちが、違う……オレ、っぁむ……」
ニヤリと笑った泉が要の口から零れた唾液を舐めとり、舌を絡ませてくる。必死でそれに答えていると、抱っこしなおされ、さらに深いところまで泉の雄が要をえぐった。
「あ、あうっ」
角度が変わったことにより、より鋭敏に快感を拾ってしまう。もうダメだと思うのに、泉が要を抱きなおしたのは、片手で要を抱っこするためだった。そして空いた片手が、二人の間でフルフルと健気に揺れていた要の雄に伸びる。
「あ……っだ、ダメぇ……っ! 同時、やぁっ!」
「やじゃない。気持ちいいだろ」
泉の温かい手に雄をしごかれ、ガツガツと直腸を穿たれる。その上またしても舌を伸ばしてキスをされ、同時に三か所を責められて要は意識が朦朧としてきた。
身体が爛れたみたいに熱い。奥を突かれるたびに目の前に星が散る。強弱をつけてしごかれ、口内の弱いところを責めたてられては、もうダメだった。
「あ、ぁあー……」
「一緒にイこうな」
「う、ん……。あ……っぁああああっ」
キスしながら囁かれ、最奥を突かれた瞬間――――要の眼前で白い光が爆ぜる。薄くなった精液が泉の手を汚したのと同時に、腹の中に熱い飛沫が散った。
ドクドクと注がれる熱に溺れ、ひたすら痙攣を繰り返す。敏感になった要の唇を、泉がもう一度愛しげに吸った。
一泉を怒らせるものじゃない、と要が痛感したのは事件があって一週間経った時だった。
「セクシー女優が激白! 美作監督の歪んだ性癖。性奴隷と呼ばれる葛藤……」
木漏れ日が眩しい真昼には似つかわしくないタイトルを読みあげたのは佐和社長だ。
なまめかしい生足を組んだ社長は、今日は真っ白なスーツを着ている。短いタイトスカートが目に毒で、視線をどこに合わせればいいか迷い要はモジモジしていたのだが、ソファにふんぞり返った泉はあからさまに渋面を作った。
社長曰く、今日はエロティックな家庭教師風の格好らしい。訳知り顔の社長は、磨きあげられた机越しに流し目を送った。
「美作監督の性癖を雑誌にリークしたのは誰かしらねん?」
「さあね」
泉は涼しい顔で別の雑誌をめくる。要は社長室をせわしなく歩き回ったり社長机の前で青くなったりしながら言った。
「泉ですよ……! 泉が、例の事件の夜に美作監督が呼んだ女性たちを後日呼び出して、虜にさせちゃって……美作監督の不利な情報を吐き出させたんです……! それをそのまま雑誌社に提供して……」
最後には泉のかけるソファの隣に沈みこみ、この世の終わりのような呻きを上げる。
「美作監督は泉にリークされたスキャンダルで降板。泉の映画も白紙ですよ……」
「別にいいだろ。あんな下種と映画を撮り続ける気なんてなかったんだから」
「そうだけど……でもいざ現実として突きつけられると……」
美作と一緒に仕事を続けると思うだけで足がすくむ。あの湿った手が肌を這う感触を思い出すだけで吐きそうだ。が……泉の映画のためなら我慢してもいいと思い始めていた。それほどまでに、要は泉にもう一度彼の時代を取り戻してほしかったのだ。
肩を落とす要の鼻を、不意に泉が白い歯で噛む。突然噛みつかれた要は、瓶底メガネをずり下げて驚いた。
「う、あっ。何!?」
「俺のそばに要がいる限り、俺はスターであり続けるって言っただろ。映画が白紙になったって、また別の仕事とってきてくれよ。そのためなら俺だって努力する」
日本人離れした美しい顔で、泉が真っすぐに訴える。魅惑的なグリーンアイズはどうしてこうも、力強さと安心感を兼ね備えているのだろうと要は不思議に思った。
「ちょっとぉ? このアタシを置いて二人の世界に入らないでちょうだいよ?」
真っ赤なグロスが引かれた唇を尖らせ、社長が言う。
それから社長は組んだ指に顎を載せ
「それに、チャンスは意外に引き寄せられてるかもしれないわよ?」
と悪戯っぽく笑った。
「どういうことです……?」
要が首を傾げたのと、社長室にノックが響いたのはほぼ同時だった。来客に反応して泉が居住まいを正したのを確認してから要がドアを開ける。
そして、そこに立っていた人物に要は目を見開いた。
「目が、落ちてしまうのではないか」
蚊の鳴くような声は健在だ。竜胆のMVの監督を務めた五条が、独特のテンポで言った。
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