100均で始まる恋もある

三森のらん

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8.クリスマスツリー

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 僕が風呂に入っている間に、山本さんが用意してくれたのは、少し大き目なジャージ。微かに香る柔軟剤の匂いが、僕の中にある山本さんの匂いと重なって、それだけで僕の下半身はちょっとだけ反応してしまう。

「お、お先にありがとうございました」

 リビングに戻ると、似たようなジャージ姿になっていた山本さんに声をかけた。少し、うつらうつらしてたのか、僕が声をかけたら、ビクッと身体を震わせた。

「ああ、じゃあ、俺も入って来るかな……」

 山本さんが、少し疲れたような声で言うのを聞いて、僕はちょっとだけ不安になった。もしかして、僕は山本さんに無理させてたりするんじゃないかって。だけど、それは、僕が心配しすぎだったみたいで……。



 常夜灯の淡い光の中、狭いベッドの上で、僕と山本さんは、互いの素肌を確かめるように、手を這わせ合っていた。せっかく着ていたジャージも下着も、今は床の上。
 エアコンも入れていない部屋の中は肌寒いはずなのに、互いの体温と衝動のせいで、むしろ暑いくらい。溢れる欲望を抑えきれずに、何度も、何度も唇を重ねては、舌を絡め、吸い上げ、口の端からは唾液がたらたらと零れていく。山本さんの力強くて大きな手が背中をなぞるたびに、ゾクゾクとした快感が這い上がる。

 正直、僕の貧弱な身体を見たら、もしかしたら山本さんは引いてしまうんじゃないか、そんな気にならないんじゃないか、と、すごく不安だった。だけど、そんなことはまったくなかった。僕のモノなんかより、もっと大きい山本さんのモノも、萎えることもなく、その存在感に、僕の方が怯んでしまうくらいだった。

 唇から漏れる淫らな水音に、煽られ夢中になってる僕は、まったく余裕なんかない。その上、僕のモノと山本さんのモノが抱きしめるたびに触れあってしまう。突然、何度も背中を往復をしていた山本さんの片方の手が、脇腹をなぞった。僕はあまりのくすぐったさに、「んあっん」と、つい唇を離して声が漏れてしまった。

「フフッ、もしかして、脇腹、弱いのかな」

 上から見下ろしてくる山本さんは、そう言いつつ、脇腹を撫でていた手が僕の胸元へとゆっくりと動いていく。手のひらから、徐々に指先だけに変わり、その指先は僕の胸の小さな飾りにまでたどり着く。

「濱田くんの肌は、白くて綺麗だね……」
「そ、そんなこと……ふっ、んんっ」

 指先は、ゆっくりと僕の飾りの周りを何度も何度も撫でていく。それだけなのに、変な声が出てしまいそうになって、僕は片手で自分の口を抑え込もうとした。

「ダメだよ。我慢しちゃ」

 山本さんは僕の手をはずさせると、僕の飾りに唇を近づけ、舌先でチロチロと弄り始めた。

「んあっ!?」

 思いのほか感じてしまっている自分に驚きながら、無意識に下半身を山本さんに擦り付けようと揺れてしまう。僕のモノに山本さんの大きな手が伸びてきた。

「や、山本さんっ……」

 山本さんのに比べたら、ちょっと小ぶりのモノは、彼の手に簡単に包み込まれてしまう。自分以外の手に触れられるのなんて、初めてで、その感触だけでも十分にヤバイ状態。その上、ゆっくりと上下に扱かれて、僕の快楽の頂まではあっという間に持ってかれてしまう。

「んあっ……あ、あっ……だ、ダメですっ……い、イッちゃいますっ……」

 荒く息を吐きながら、山本さんの胸の中から逃れようとしたいのに、山本さんの片腕に抱きかかえられて逃がしてもらえない。じゅるじゅると小さな胸の飾りを吸い上げていた山本さんが、ニヤリと笑いながら、僕を見上げる。

「いいよ、イきなさい……」

 山本さんの低い声が僕の身体に響いた。

「あっ、やっ、はぁぁんっ……んんーっ!」

 我慢しきれずに迸った熱は、大きな山本さんの手からも零れてしまう。僕は、荒い息を吐き出しながら、力なく山本さんの頭を抱きしめる。

「ご、ごめんなさい……」

 僕はこんなに早くイッてしまったことが恥ずかしくて仕方がなかった。だけど、山本さんの手がいけない。まるで僕の感じやすいところがわかるみたいに、刺激してくるんだもの。だけど、そんなこと、僕からなんか言えなくて、恥ずかしくなって顔を両手で隠した。
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