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8.クリスマスツリー

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 寝室のドアを開ける。真っ暗なまま、濱田くんの背中から抱きしめると、彼はくるりと周り込んで俺の胸の中で深い溜息をついた。彼の頤を指先であげる。目を潤ませて見上げる濱田くんの顔が、暗闇の中に、ぼんやりと見える。

 もっとちゃんと彼を見たい。

 俺はドアの脇の電気のスイッチをつける。煌々とした灯りに、濱田くんは眩しそうに顔をしかめる。さすがに、こんなに明るい中では、お互いに恥ずかしいだろう。俺は濱田くんを抱きしめながら、電灯から下がっている紐をカチカチと引っ張ると、淡いオレンジ色の常夜灯をつけた。
 そして再び見下ろすと、白かった肌が薄っすらと灯りの色に色づいている。不安そうに見上げる濱田くんの口元を目に捉えると、無意識に唇を重ねていた。

「んっ、ん、んん」

 縋りつくように俺の二の腕を掴む手にゾクリとする。その瞬間、唇を離し、濱田くんのジャージの上着を剥ぎ取って、再び、口づける。貪るように唇を奪いながら、華奢な身体を抱きしめる。手に伝わるしっとりした肌触りに、両手でその感触を味わいたくなる。

「はっ、んん、んんんっ」

 そのままの勢いで、けして広いとはいえないベッドへと倒れ込んだ。
 唇を離し、荒い息を吐きながら、互いの目を見つめ合うが、すぐに唇が重なる。求め合う心に互いの身体が勝手に動いていく。

「あ、はっ、んん」

 切なく漏れる濱田くんの吐息。
 首筋や耳を舐ると、甘い喘ぎに変わる。
 いつの間にか下も脱ぎ捨てて、猛ったモノが二人の腹に挟まれる。俺のに比べれば、少し細身のソレは、肌の色と相まって、少し濃いピンク色をしている。その楚々とした様と比べると、若干、凶悪な気がしないでもない俺自身のモノ。しかし、濱田くんが欲しいという欲望は抑えられない。
 肌に感じる、互いのモノが持っている焼けつくような熱と、どちらのものとも言えない溢れる先走りによる水音が、二人の欲望を煽っていく。

「んあっん」

 細い脇腹を撫でただけなのに、濱田くんから甘い喘ぎ声があがる。若さのせいなのか、張りのいい白い肌を堪能したくて、撫でまわす手が止まらない。切なそうに眉間に皺をよせた顔に、思わず笑みが浮かぶ。

「フフッ、もしかして、脇腹、弱いのかな」

 そう言うと、恥ずかしそうな流し目で俺を見つめる。
 完全に俺を煽っているとしか思えない。
 目の前に咲く胸元のピンク色のぷつんと尖った小さな粒を指先で嬲る。

「濱田くんの肌は、白くて綺麗だね……」
「そ、そんなこと……ふっ、んんっ」

 素直に声をあげればいいものを、懸命に抑えようと手で口元隠そうとする。その必死さに、余計に愛しさがこみあげてくる。

「ダメだよ。我慢しちゃ」

 優しく手をとり、そのままピンクの可憐な粒に舌を這わせる。舌先で嬲りながら濱田くんの顔を伺うと、潤んだ瞳と視線が重なった。
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