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第3章 ロムズタウンへ潜む聖書篇
第17話 廃滅概念無炎鳥、降臨
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「さぁ来な、2体同時に相手してあげるよ。」
『(スゴイ熱風だ…これが神の力か…)』
全身に炎を纏い、構えるマジコ…彼女は悪魔では無く、不死鳥だった…
生気を感じないが…これは感じていないのでは無い!生気が大き過ぎるから感じ取れないだけだ!オーバーフローを起こしているのか!
「か、神が居たなんて…」
「信仰しちゃう?しても良いんだよ?」
【マジコ!前!!】
「うん?」
こちらへ向いて話しかけるマジコの顔面へプロ4-スは拳を叩き込む!!
しかし、マジコは何も感じず、身体も動かず…平然としている。
「どうした、そんなモノなの?お前は攻撃は!!」
『な、掴み…うわぁぁあああ!!』
「鉄は鉄らしく!!溶けて散れ!!」
マジコはプロ4-スの腕を掴み!ブォン!!と上へ投げた!!
そして纏った炎を柱の様に打ち上げると、炎に包まれた相手は…
『ぐあああ!!と、溶けルゥゥゥ!!』
「粗大ごみの出来上がりってね。」
奴は溶けるどころか…塵1つ残さず、消えてしまった…いや、蒸発した?
だが…蒸発したら私達もヤバいハズなのに…何か変な力でも働いているのだろうか…気になるが、今は話題を相手へ持って行こう。
残った1人のヴィッタは、一目散に飛んで逃げる!!
当たり前だが、マジコはそれを許さない!
「逃げるような臆病者には焼け火箸がお似合いだね…矢化火箸!!」
マジコがそう唱えると、炎は細く、槍の様に固まると、奴へ飛んで行った!
ヴィッタは必死に加速して逃げようとするが!!無念にも…火箸は刺さる!!
奴は上空で球体状の爆発に巻き込まれ…粉々に散った。
今度は色々落ちているので、蒸発はしていない模様。
始終、私は呆気に取られ、一連の行動を眺めていた。
「ふぅ…終わったぁ…さぁて、戻ろうか。」
「あ、アンタって…その…強くない?私が居る理由ってある?」
「云々は戻ってから話そうよ。これ以上此処に居るとマズイ。」
「分かったわ。」
【はぁ~疲れた…】
私達はバーまで帰って行った。
・・・
「んで、話すけど…どこから話せば良い?」
「全てよ。全て分かりやすいように説明して。」
「良いよ。」
基地であるバーまで戻った私はマジコの話を聞くことに。
マジコは先ほども言ったように、灰途腑獲尼津玖棲であり、あだ名は火廼禽…そして地球の生き物では無いとも教えてくれた。
ちなみに、今は元の怪しい姿。
「あの姿だって人間じゃあない、アレは違う星の知的生命体の姿だ。」
「人間と変わらないじゃない。」
「そんな事言うけど、科学が起こるのは全く同じ条件下だよ?同じ条件で出来上がるモノが変わるなんてあり得ないよ。」
「それもそうね。」
生物が生まれる理由は決まっており、地球と同じ生物が生まれ、同じ歴史を歩み、そして…滅びて行く。
その光景を何度も目撃したらしい…この地球に来るまで。
「たしか地球に着いた時…人間はまだそんなに進化してなかったな。」
「それって今から…どのくらい前の話?」
「えーっとだな…うーん…1400…いや、1300年ぐらい前かな…」
「随分と前じゃない、私のわの字も無いわ。」
そのくらい前だと、ジャパンは奈良時代かな…どうだっけかな?
あんまし世界史には詳しくないので意味不明だ。
そんなに生きていると、暇を持て余すかもしれないが…そうでも無いらしい、たまに人間の姿で現れ、能力をひけらかしたり、無双するのは楽しいと語っている。
「ちょっと進めると、私はこの亡国で…」
「進め過ぎよ…」
「そうかな?1300年なんてすぐだけど。」
「良いから!もう良いから!話進めて!」
この物語は1話辺りが4000から5000字しか無いのだ。
早めに物語を進めないとグダる。(もしくはエタる)
「最近、結構前に言われたことを思い出してさ…」
「結構前って何時くらいよ。」
「確か……2年前かな、それで…」
「ちょっと待って!1300年をちょっとって言っておいて…2年前を結構前って言うワケ!?」
「2年もありゃ、人は変わるさ。」
「1300年だと大分変わるよ!」
「そうかな…人間ってあんま変わんない時とそうじゃない時があるから…」
全く…このマジコの価値観には付いて行けない…これが神の価値観か?
「まぁそれは置いとくとして…何を思い出したわけ?」
「それがさぁ、パパがさぁ。」
「パパ!?アンタ、パパ居るの!?」
「居るよ、パパが居なかったらアタシも居ないよ。」
「そりゃそうだけども…」
マジコの父親もそれはそれはエライ神様であり、その名はンヌケプァルボォォンファグンジュンペヌと言うらしい…この名前は無理やり地球の言葉にしているので…普通はもっとにスマートに発音するらしい。
神の言葉って難しい。
「でね、パパがさ…お前は神として導きの基礎を学ぶべきだって。」
「それでどうしたの?」
「だからアタシも、そのくらい余裕だよって言ったんだ。そしたらへぇーだったらそこら辺のマフィアを全滅させてみろって言われちゃった。」
まぁ要約すれば父親に歯向かった結果、どうしようもない立場に居ると言う事だ。
マフィアを潰せば見直してくれると信じており、最低限の神の力を使い、人間を導き、物事を完遂させるのが今の目標らしい。
なので強い私に目を掛けたと。
ちなみに、チョコ云々は完全なる副業である。
「実はヤバいんだよ…力を使ったから…怒られないか心配で…」
「何回も使ってるんでしょ?大丈夫じゃない。」
「そうかな…」
ちなみにセータイには正体がバレており、不老不死になりたい彼は血を求めていると…体液は全て強い治癒能力を持っており、一時的な不老不死状態にしてくれるらしい。
「ねぇミサキ?血が欲しくない?」
「い、いらないわよ、ロクな結果にならないと思うし…」
「安心して、凄惨な事になったのはたったの373人だよ。」
「めちゃくちゃ居るじゃないの!」
凄惨な結果になった者は毎回、宇宙に放ったり、父親に頼んで遠い次元に飛ばしているらしい…このフェニックス…飛んだ害獣だ…
「アタシ…ミサキみたいな部下が欲しいなぁ…」
「私はアンタみたいな上司が欲しくないわ。」
「そんなこと言わないでさ?神に反すると祟るよ?」
「祟るって…でも不老不死か…」
私は少し恐ろしいと思うが、不老不死自体には興味がある。
今の状態でもそれに近い者が摂取するとどうなる気になるし、単に不老不死になってみたい気がする…だって永遠の命は…魅力的でしょ?
「興味あるの?」
「宇宙の真理を知りたいからね、興味が無いと言えば嘘になるわ。」
「へぇ…宇宙の真理だね。教えてあげるよ。」
「えぇ!?良いの!!知りたい!」
「けど地球の言葉だけで説明するのは不可能だから3つの異星の言葉を完璧にマスターしてね。説明だけでも200年くらいかかると思うけど…」
「やっぱ良いわ。」
そんなに時間が掛かるなら良いや…また今度にしよう。
ひとまず私は…軽い気持ちで血を貰うことにした…しかし、これが後年…これから生きる永遠の中でも最大の後悔になるとは…この時、私は気付けなかった。
「じゃあちょっと待ちな。…いてっ。」
「うへぇ…そうやるの?」
マジコは手首を噛むと、血がドロドロと噴き出し、肘へと伝う…
その垂れている血を…少し舐めると…身体中が熱くなるのを感じる…
もしかして…これで…不死者へなれたってこと?
「変な味ね。でも…これ、本当に意味あるのかしら?」
「あるよ。ミサキの魂がドロドロに溶けるのを………感じない…あれ?ミサキって死んでるの?」
「バカな事言わないで、人間じゃないけど…生きてるわ。」
「ふーん…じゃ効果あるかも。そして言っておくよ、死という束縛からキミを開放するのは、永遠という呪いさ。ようこそミサキ、尽きない苦痛の世界へ。」
私は…不老不死になったのだろうか?本当に…けど、熱いのは感じた。
効果があるらしいので…このままでいい。
マジコの傷はもう完全に治っていた。
しかし、不老不死になった時点で生物は死ぬのではないだろうか…永遠を生きる者に死という概念が無いなら、それは死んだも同然だと思う…いや、思いたい。
(というか軽はずみで飲んじゃったけど…良いのかな…)
「安心してよ。アタシに歯向かわないうちは…一緒に居るから。」
「ふーん…良い気はしないわね。」
「そんな事言うんだから…」
ところで…だいぶ話は変わったが、話を戻そう。
私達の敵、テイションズシリーズは残り1体…5タのみ…ちなみに読みはフィフタである、ゴタでは無い。
奴は整備中らしく、まだ出陣しないとのこと。
なのでテイションズシリーズはこれにて一旦置いておき、次はラーテゲムファミリーへの対応を考えることとなった。
「おい、セータイ起きろ。ラーテゲムん所、お前が詳しいだろ。」
【うぃー…あそこならディスとハフダ辺りが緩いな。】
「よっしゃ。アイツ等は…」
ラーテゲムファミリーには幹部が10人も居る。
ディスとハフダと言うのはその中でも最弱…と言われる奴等で仕事内容は主に死体処理である。
薬品で溶かしたり、バラバラにして地中に埋めたり、粉々にして海へ撒いたり…とにかく掃除が役目。
死体が残ると警察のガサ入れが入るので、大切な仕事だ。
死体処理班が死体になるとは…なんだか木乃伊取りが木乃伊になるって感じ。
「奴らはどうやっておびき寄せるの?」
「そうさねぇ…呼ぶか。」
「呼ぶ?」
【それが良いな。仕事と呼んで、殺そう。】
「ああ、なるほど…」
あの2人は仕事さえ頼めば直ぐに来てくれるらしい…なので呼ぶことにした。
電話番号は…0120からの語呂合わせで『水曜以外はどうなんでしょう』である。
なんだよソレ…と思った人は自分の電話を見て欲しい…番号を見てみて、ちっとも分からないと思うから。
ちなみにマジコが使っているのはスマホだ、2代くらい前の。
「あーもしもし?アタシだよアタシ…事故起こしちゃって、167万円ほど…」
「詐欺をするな!ちゃんとやれ!」
「なーんちゃって、まだかかって無いよ。」
「縊り殺すぞ。」
気を取り直し、再度マジコは電話した。
「もしもし。」
『はい?こちらディスとハフダですけど。』
「(普通に名乗るんだ…)」
「デカいので揉めてんだよね、なんとかならない?」
『ッチ…こんな時に仕事かよ…クソ忙しいのに…』
どうやら相手はよっぽど機嫌が悪いらしい…そりゃ、セガッタンファミリーの仕事もあるだろうに、わざわざ呼ばれるなんて怠い。
「それがさ…この死体、胸がデカくて…」
『そういう事なら任せてください、すぐ行きます。』
「頼んだよ。住所はねぇ、コープス通りの悪霊番地の○○だ。」
『はい、では直ぐにイキます…いや、向かいます。』
そう言って電話は切れた様だ…なんとも現金な奴らだ。
胸がデカいのがそんなに良いのか?男の価値観なんてよく分かんないものだな。
女の価値観も男は分からないと思うが。
「これで大丈夫!アル中、死体役やれ。」
「そうだぞアル中、働けよ。」
【アル中は良いよなぁ…酒を飲んでぶっ飛べるから。】
「…………しね…」
死ねと言い放ったキジハラは床にうつ伏せに倒れ込み、死んだ…フリをした。
なんという迫真の演技…呼吸すら止まっている様だ…あれ?止まってね?
「わーっ!!アル中が死にかけてるーッ!!」
【酒だ!酒持ってこい!!】
「えぇ!?酒…酒ってどれ!?」
「何でもいい!とにかくアルコールを!!」
キジハラは酒が切れて死にかけていた、よぼよぼのおじいちゃんみたいに。
私は直ぐにカウンターからワインを持って来て、セータイに渡すと、銃で無理やり栓を撃ち抜き、ドボドボとキジハラのお口の中へ注いでいく。
アルコールが喉を通り、胃に流れて行く度に…キジハラの目に光が戻る!イケイケアル中!立ち上がるんだ!アル中!
「ん!ん!ん!うおぉおおおお!!元気百倍!!」
「見て!アル中が立っているぞ!それも杖も無しに!真っすぐと!」
「神の奇跡よ!100年に1度の奇跡ね!!感涙だわ!」
【こんな事がこの世で起きて良いのか!】
キジハラが光る眼で立ち上がったその瞬間…嵐は去り、暗雲は晴れ、鶏は捌かれた。
この世に奇跡と言う言葉がある…それなら満を持して言えよう、この光景こそ奇跡と言うにはバカすぎる光景だと。
そう悟った瞬間、海へゴミが流され、魚は浮き、胸肉は炎に包まれた。
「お遊戯はさておき…そろそろ来ると思うわ。」
「で、どうすんの?私達は。」
「それぞれ、セータイが射殺、ミサキが証拠隠滅、アル中は確定申告をしろ。」
【任せろ。】「まぁ…得意ね。」「………酒税…」
そして…しばらくすると、バーのドアが開き、2人の男女が入って来た。
人間の男がディス、悪魔の女がハフダ…私とセータイ、キジハラはバーの奥に座って待った。
「やぁやぁ、よく来たね。」
「俺達はあまり時間が無い。即急に死体へ案内してくれ。」
「分かった……えーっとミサキ、ちょっと退いて。」
「え?あぁ、分かったわ。」
私はソファから退くと、マジコはソファの座席を開けた。
そして…その中には腐った誰かの死体が詰め込まれていた…私は死体の上で寝ていたのだ…変な臭いも死体の匂いだったのだ…オェェ…
【うっげぇ…なんでこんなんなるまで放置したの?】
「忘れててさ…あ、そうだまだ有るよ。もう1つ…いや、もう2つ。」
「何処だ?」
【今ここに突っ立ってるぜ。】
そう言ってセータイは拳銃で後ろから2人の後頭部を撃ち抜いた。
サイレンサーを付けていたので、ピシュン!とした音が響く…死体が3つに増えてしまったな。
「じゃあミサキ、掃除して。」
「ちょっとティーが無いわね。」
「無茶って言いたいの?そりゃ…うん、奥のバスルーム使って。」
4人で死体をバスルームまで持って行くと、ディスのはバスタブ、腐った誰かさんはトイレの上、そしてハフダは…セータイが欲情していたのを止め、床へ置いた。
白鞘でバラバラにして全部、バスタブに漬けて溶かすらしい。
「アタシは買い出し行って来る、薬品をね。」
「じゃあセータイ、手伝いなさい。」
【俺が?刀は無いぜ。】
「………ホラ。」
【おいおい、こんな時に気ィ遣わせるな…】
キジハラは自身の刀の1本…小さい方をセータイへ渡した。
私が持っているのとは違う、赤い光を放つ刀だ…かなり怪しい雰囲気が漂っている…
だが……うーん!!こんな大量の死体、全部捌き切れるかな?
しかし、やるしか無いだろう…はぁ、面倒くさい。
つづく(>ω<)
『(スゴイ熱風だ…これが神の力か…)』
全身に炎を纏い、構えるマジコ…彼女は悪魔では無く、不死鳥だった…
生気を感じないが…これは感じていないのでは無い!生気が大き過ぎるから感じ取れないだけだ!オーバーフローを起こしているのか!
「か、神が居たなんて…」
「信仰しちゃう?しても良いんだよ?」
【マジコ!前!!】
「うん?」
こちらへ向いて話しかけるマジコの顔面へプロ4-スは拳を叩き込む!!
しかし、マジコは何も感じず、身体も動かず…平然としている。
「どうした、そんなモノなの?お前は攻撃は!!」
『な、掴み…うわぁぁあああ!!』
「鉄は鉄らしく!!溶けて散れ!!」
マジコはプロ4-スの腕を掴み!ブォン!!と上へ投げた!!
そして纏った炎を柱の様に打ち上げると、炎に包まれた相手は…
『ぐあああ!!と、溶けルゥゥゥ!!』
「粗大ごみの出来上がりってね。」
奴は溶けるどころか…塵1つ残さず、消えてしまった…いや、蒸発した?
だが…蒸発したら私達もヤバいハズなのに…何か変な力でも働いているのだろうか…気になるが、今は話題を相手へ持って行こう。
残った1人のヴィッタは、一目散に飛んで逃げる!!
当たり前だが、マジコはそれを許さない!
「逃げるような臆病者には焼け火箸がお似合いだね…矢化火箸!!」
マジコがそう唱えると、炎は細く、槍の様に固まると、奴へ飛んで行った!
ヴィッタは必死に加速して逃げようとするが!!無念にも…火箸は刺さる!!
奴は上空で球体状の爆発に巻き込まれ…粉々に散った。
今度は色々落ちているので、蒸発はしていない模様。
始終、私は呆気に取られ、一連の行動を眺めていた。
「ふぅ…終わったぁ…さぁて、戻ろうか。」
「あ、アンタって…その…強くない?私が居る理由ってある?」
「云々は戻ってから話そうよ。これ以上此処に居るとマズイ。」
「分かったわ。」
【はぁ~疲れた…】
私達はバーまで帰って行った。
・・・
「んで、話すけど…どこから話せば良い?」
「全てよ。全て分かりやすいように説明して。」
「良いよ。」
基地であるバーまで戻った私はマジコの話を聞くことに。
マジコは先ほども言ったように、灰途腑獲尼津玖棲であり、あだ名は火廼禽…そして地球の生き物では無いとも教えてくれた。
ちなみに、今は元の怪しい姿。
「あの姿だって人間じゃあない、アレは違う星の知的生命体の姿だ。」
「人間と変わらないじゃない。」
「そんな事言うけど、科学が起こるのは全く同じ条件下だよ?同じ条件で出来上がるモノが変わるなんてあり得ないよ。」
「それもそうね。」
生物が生まれる理由は決まっており、地球と同じ生物が生まれ、同じ歴史を歩み、そして…滅びて行く。
その光景を何度も目撃したらしい…この地球に来るまで。
「たしか地球に着いた時…人間はまだそんなに進化してなかったな。」
「それって今から…どのくらい前の話?」
「えーっとだな…うーん…1400…いや、1300年ぐらい前かな…」
「随分と前じゃない、私のわの字も無いわ。」
そのくらい前だと、ジャパンは奈良時代かな…どうだっけかな?
あんまし世界史には詳しくないので意味不明だ。
そんなに生きていると、暇を持て余すかもしれないが…そうでも無いらしい、たまに人間の姿で現れ、能力をひけらかしたり、無双するのは楽しいと語っている。
「ちょっと進めると、私はこの亡国で…」
「進め過ぎよ…」
「そうかな?1300年なんてすぐだけど。」
「良いから!もう良いから!話進めて!」
この物語は1話辺りが4000から5000字しか無いのだ。
早めに物語を進めないとグダる。(もしくはエタる)
「最近、結構前に言われたことを思い出してさ…」
「結構前って何時くらいよ。」
「確か……2年前かな、それで…」
「ちょっと待って!1300年をちょっとって言っておいて…2年前を結構前って言うワケ!?」
「2年もありゃ、人は変わるさ。」
「1300年だと大分変わるよ!」
「そうかな…人間ってあんま変わんない時とそうじゃない時があるから…」
全く…このマジコの価値観には付いて行けない…これが神の価値観か?
「まぁそれは置いとくとして…何を思い出したわけ?」
「それがさぁ、パパがさぁ。」
「パパ!?アンタ、パパ居るの!?」
「居るよ、パパが居なかったらアタシも居ないよ。」
「そりゃそうだけども…」
マジコの父親もそれはそれはエライ神様であり、その名はンヌケプァルボォォンファグンジュンペヌと言うらしい…この名前は無理やり地球の言葉にしているので…普通はもっとにスマートに発音するらしい。
神の言葉って難しい。
「でね、パパがさ…お前は神として導きの基礎を学ぶべきだって。」
「それでどうしたの?」
「だからアタシも、そのくらい余裕だよって言ったんだ。そしたらへぇーだったらそこら辺のマフィアを全滅させてみろって言われちゃった。」
まぁ要約すれば父親に歯向かった結果、どうしようもない立場に居ると言う事だ。
マフィアを潰せば見直してくれると信じており、最低限の神の力を使い、人間を導き、物事を完遂させるのが今の目標らしい。
なので強い私に目を掛けたと。
ちなみに、チョコ云々は完全なる副業である。
「実はヤバいんだよ…力を使ったから…怒られないか心配で…」
「何回も使ってるんでしょ?大丈夫じゃない。」
「そうかな…」
ちなみにセータイには正体がバレており、不老不死になりたい彼は血を求めていると…体液は全て強い治癒能力を持っており、一時的な不老不死状態にしてくれるらしい。
「ねぇミサキ?血が欲しくない?」
「い、いらないわよ、ロクな結果にならないと思うし…」
「安心して、凄惨な事になったのはたったの373人だよ。」
「めちゃくちゃ居るじゃないの!」
凄惨な結果になった者は毎回、宇宙に放ったり、父親に頼んで遠い次元に飛ばしているらしい…このフェニックス…飛んだ害獣だ…
「アタシ…ミサキみたいな部下が欲しいなぁ…」
「私はアンタみたいな上司が欲しくないわ。」
「そんなこと言わないでさ?神に反すると祟るよ?」
「祟るって…でも不老不死か…」
私は少し恐ろしいと思うが、不老不死自体には興味がある。
今の状態でもそれに近い者が摂取するとどうなる気になるし、単に不老不死になってみたい気がする…だって永遠の命は…魅力的でしょ?
「興味あるの?」
「宇宙の真理を知りたいからね、興味が無いと言えば嘘になるわ。」
「へぇ…宇宙の真理だね。教えてあげるよ。」
「えぇ!?良いの!!知りたい!」
「けど地球の言葉だけで説明するのは不可能だから3つの異星の言葉を完璧にマスターしてね。説明だけでも200年くらいかかると思うけど…」
「やっぱ良いわ。」
そんなに時間が掛かるなら良いや…また今度にしよう。
ひとまず私は…軽い気持ちで血を貰うことにした…しかし、これが後年…これから生きる永遠の中でも最大の後悔になるとは…この時、私は気付けなかった。
「じゃあちょっと待ちな。…いてっ。」
「うへぇ…そうやるの?」
マジコは手首を噛むと、血がドロドロと噴き出し、肘へと伝う…
その垂れている血を…少し舐めると…身体中が熱くなるのを感じる…
もしかして…これで…不死者へなれたってこと?
「変な味ね。でも…これ、本当に意味あるのかしら?」
「あるよ。ミサキの魂がドロドロに溶けるのを………感じない…あれ?ミサキって死んでるの?」
「バカな事言わないで、人間じゃないけど…生きてるわ。」
「ふーん…じゃ効果あるかも。そして言っておくよ、死という束縛からキミを開放するのは、永遠という呪いさ。ようこそミサキ、尽きない苦痛の世界へ。」
私は…不老不死になったのだろうか?本当に…けど、熱いのは感じた。
効果があるらしいので…このままでいい。
マジコの傷はもう完全に治っていた。
しかし、不老不死になった時点で生物は死ぬのではないだろうか…永遠を生きる者に死という概念が無いなら、それは死んだも同然だと思う…いや、思いたい。
(というか軽はずみで飲んじゃったけど…良いのかな…)
「安心してよ。アタシに歯向かわないうちは…一緒に居るから。」
「ふーん…良い気はしないわね。」
「そんな事言うんだから…」
ところで…だいぶ話は変わったが、話を戻そう。
私達の敵、テイションズシリーズは残り1体…5タのみ…ちなみに読みはフィフタである、ゴタでは無い。
奴は整備中らしく、まだ出陣しないとのこと。
なのでテイションズシリーズはこれにて一旦置いておき、次はラーテゲムファミリーへの対応を考えることとなった。
「おい、セータイ起きろ。ラーテゲムん所、お前が詳しいだろ。」
【うぃー…あそこならディスとハフダ辺りが緩いな。】
「よっしゃ。アイツ等は…」
ラーテゲムファミリーには幹部が10人も居る。
ディスとハフダと言うのはその中でも最弱…と言われる奴等で仕事内容は主に死体処理である。
薬品で溶かしたり、バラバラにして地中に埋めたり、粉々にして海へ撒いたり…とにかく掃除が役目。
死体が残ると警察のガサ入れが入るので、大切な仕事だ。
死体処理班が死体になるとは…なんだか木乃伊取りが木乃伊になるって感じ。
「奴らはどうやっておびき寄せるの?」
「そうさねぇ…呼ぶか。」
「呼ぶ?」
【それが良いな。仕事と呼んで、殺そう。】
「ああ、なるほど…」
あの2人は仕事さえ頼めば直ぐに来てくれるらしい…なので呼ぶことにした。
電話番号は…0120からの語呂合わせで『水曜以外はどうなんでしょう』である。
なんだよソレ…と思った人は自分の電話を見て欲しい…番号を見てみて、ちっとも分からないと思うから。
ちなみにマジコが使っているのはスマホだ、2代くらい前の。
「あーもしもし?アタシだよアタシ…事故起こしちゃって、167万円ほど…」
「詐欺をするな!ちゃんとやれ!」
「なーんちゃって、まだかかって無いよ。」
「縊り殺すぞ。」
気を取り直し、再度マジコは電話した。
「もしもし。」
『はい?こちらディスとハフダですけど。』
「(普通に名乗るんだ…)」
「デカいので揉めてんだよね、なんとかならない?」
『ッチ…こんな時に仕事かよ…クソ忙しいのに…』
どうやら相手はよっぽど機嫌が悪いらしい…そりゃ、セガッタンファミリーの仕事もあるだろうに、わざわざ呼ばれるなんて怠い。
「それがさ…この死体、胸がデカくて…」
『そういう事なら任せてください、すぐ行きます。』
「頼んだよ。住所はねぇ、コープス通りの悪霊番地の○○だ。」
『はい、では直ぐにイキます…いや、向かいます。』
そう言って電話は切れた様だ…なんとも現金な奴らだ。
胸がデカいのがそんなに良いのか?男の価値観なんてよく分かんないものだな。
女の価値観も男は分からないと思うが。
「これで大丈夫!アル中、死体役やれ。」
「そうだぞアル中、働けよ。」
【アル中は良いよなぁ…酒を飲んでぶっ飛べるから。】
「…………しね…」
死ねと言い放ったキジハラは床にうつ伏せに倒れ込み、死んだ…フリをした。
なんという迫真の演技…呼吸すら止まっている様だ…あれ?止まってね?
「わーっ!!アル中が死にかけてるーッ!!」
【酒だ!酒持ってこい!!】
「えぇ!?酒…酒ってどれ!?」
「何でもいい!とにかくアルコールを!!」
キジハラは酒が切れて死にかけていた、よぼよぼのおじいちゃんみたいに。
私は直ぐにカウンターからワインを持って来て、セータイに渡すと、銃で無理やり栓を撃ち抜き、ドボドボとキジハラのお口の中へ注いでいく。
アルコールが喉を通り、胃に流れて行く度に…キジハラの目に光が戻る!イケイケアル中!立ち上がるんだ!アル中!
「ん!ん!ん!うおぉおおおお!!元気百倍!!」
「見て!アル中が立っているぞ!それも杖も無しに!真っすぐと!」
「神の奇跡よ!100年に1度の奇跡ね!!感涙だわ!」
【こんな事がこの世で起きて良いのか!】
キジハラが光る眼で立ち上がったその瞬間…嵐は去り、暗雲は晴れ、鶏は捌かれた。
この世に奇跡と言う言葉がある…それなら満を持して言えよう、この光景こそ奇跡と言うにはバカすぎる光景だと。
そう悟った瞬間、海へゴミが流され、魚は浮き、胸肉は炎に包まれた。
「お遊戯はさておき…そろそろ来ると思うわ。」
「で、どうすんの?私達は。」
「それぞれ、セータイが射殺、ミサキが証拠隠滅、アル中は確定申告をしろ。」
【任せろ。】「まぁ…得意ね。」「………酒税…」
そして…しばらくすると、バーのドアが開き、2人の男女が入って来た。
人間の男がディス、悪魔の女がハフダ…私とセータイ、キジハラはバーの奥に座って待った。
「やぁやぁ、よく来たね。」
「俺達はあまり時間が無い。即急に死体へ案内してくれ。」
「分かった……えーっとミサキ、ちょっと退いて。」
「え?あぁ、分かったわ。」
私はソファから退くと、マジコはソファの座席を開けた。
そして…その中には腐った誰かの死体が詰め込まれていた…私は死体の上で寝ていたのだ…変な臭いも死体の匂いだったのだ…オェェ…
【うっげぇ…なんでこんなんなるまで放置したの?】
「忘れててさ…あ、そうだまだ有るよ。もう1つ…いや、もう2つ。」
「何処だ?」
【今ここに突っ立ってるぜ。】
そう言ってセータイは拳銃で後ろから2人の後頭部を撃ち抜いた。
サイレンサーを付けていたので、ピシュン!とした音が響く…死体が3つに増えてしまったな。
「じゃあミサキ、掃除して。」
「ちょっとティーが無いわね。」
「無茶って言いたいの?そりゃ…うん、奥のバスルーム使って。」
4人で死体をバスルームまで持って行くと、ディスのはバスタブ、腐った誰かさんはトイレの上、そしてハフダは…セータイが欲情していたのを止め、床へ置いた。
白鞘でバラバラにして全部、バスタブに漬けて溶かすらしい。
「アタシは買い出し行って来る、薬品をね。」
「じゃあセータイ、手伝いなさい。」
【俺が?刀は無いぜ。】
「………ホラ。」
【おいおい、こんな時に気ィ遣わせるな…】
キジハラは自身の刀の1本…小さい方をセータイへ渡した。
私が持っているのとは違う、赤い光を放つ刀だ…かなり怪しい雰囲気が漂っている…
だが……うーん!!こんな大量の死体、全部捌き切れるかな?
しかし、やるしか無いだろう…はぁ、面倒くさい。
つづく(>ω<)
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