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第2章 エンジャラスバレーに眠る彫刻篇
第11話 こうした方が早い
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私の名はミサキ、厄介なゲームに参加してしまった女の子だ。
ここ、エンジャラスバレーでは現在、彫刻の暗示を持つと思われる天使の頭部によって無意味な殺人ゲームが行われている。
2日に1度やって来る吹雪…それが吹くと街の物は変貌し、化け物へと変わる。
生還する為には自分の家族以外を潰さなければならない。
残りの1家族になるまで…
「ふふふ、じゃぁねぇ。」
『とっとと帰れ!』
「おお怖い怖い。」
そう言ってムニマジアは荷物を持ち、笑いながら出て行った…
一歩間違えればルミリィは発砲してしまいそうな勢いだ…彼女の手元に武器が無くて良かったと思う。
「ルミリィ、抑えろ。」
『兄様…分かりました…申し訳ございません。』
「それで良い。んじゃ、夕飯にしようぜ。」
「あ、ああ。分かったよ。」
そう言うとアルツォ…基アッツォは台所へ向かい、何かを作り始める。
ルミリィは貧乏ゆすりをしてイライラを抑えていた…相当怒っている様だ。
彼女は娼婦を嫌いな様だな…何故かは知らないけど。
「今日はシチューだよ。…今日もだけど。」
『調理が簡単ですからね。』
「ごめんね、私まで。」
「気にしないでよ。ミサキが居れば安全だからね。」
アルツォが作ったのは茶色いシチュー…ビーフシチューと言う食べ物だ。
イギリスの料理で日本にも渡ったらしい…ドロドロのそれをアルツォはボットボットとお玉で掬い、少し深い皿に注ぐ…
そして…私へ突き出して来たので受け取った。
「(味は…普通のしょっぱいスープだ…)」
シチューの中には一口大の肉が1つ…ある…それをスプーンで取ると。
ルミリィとアルツォの私を見る目が変わった。
罠にかかる獲物を見つめる目だ…私は恐怖した…
「な、何か…?」
「いや何でもないよ。」
『何でもありませんわ。あぁ美味しい。』
怪しいと思った私は肉を口の中に入れ、噛むフリをして…飲み込んだ。
2人はそれを見て…何も感じずに食事を続けた、余計にそれは怪しさを加速させる。
そして…食事を終えた10分後、消化が始まる前にトイレへ向かい…
「お、おぇぇ……おぇぇぇぇええ!!はぁ…はぁ…」
悪いと思いながらも噛まずに飲み込んだ肉を自身の胃の中から吐き出した。
それは…牛肉にも見えるが…否、明らかに違うという事だけは分かる。
この硬さは違う、牛肉なら嚙み切れる硬さだが…これは硬すぎる。
まるでゴムみたいだ…
『ミサキー?いつまで入ってんだ?変わってよ…』
「え?ああ!ごめんごめん…便秘気味なもので…」
しばらく弄っていたが…このままではマズイと感じた私はポケットにしまった。
そして服を直す音をわざと出すと、流してアルツォと変わった。
この肉は…ルミリィが見てないうちに暖炉の中へぶち込んでおこう。
暖炉の中に放り込まれた肉はごうごうと燃える…
『寒いのですか?』
「え?うん…ちょっとね、もう大丈夫。」
『そうですか。』
私は今…ほんの少しだけ…本当に少しだけ…恐怖を感じている。
かなり大きな疑いも…この兄妹…何かを隠している!言えない様な何かを…
危機が迫る前に…何とかしないとな……ゲームを終わらせるしか無いな。
要は他の家族が全滅すれば良いのだろう、私が全員殺せば良い。
明日から…少しずつ…減らして行くか。
作者が悪いんだ、バトルも満足に書けないのに変な事を始めるから。
「私はもう寝るわ。このソファ、使わせてもらうから。」
『分かりました。では毛布を…』
「いや、大丈夫。暖炉があるから。」
『そうですか…ではおやすみなさいませ。』
私もおやすみーと返すと、直ぐに眠りについた。
・・・
「………(誰も…居ない…わよね?)」
数時間経った頃だろうか…目を覚まし、辺りを見回した…誰も居らず、部屋は暗い。
生気を感じ取っても2人に気の乱れは感じない…就寝している様だ。
まだ外は暗いが…もう行ってしまおう、暗い内に片付けた方が良い。
「(玄関はマズいよね…ちょっと熱いけど暖炉から出るか…)」
玄関を開ければ、かなりの音が出る…なので熱いのを我慢して暖炉から外へ出よう。
白鞘を持ち、暖炉から煙突へ…飛んで出て行くと、空はまだ暗い…集落が広がっていた…此処は本当に人が少ない。
こんな所に住んで不便じゃ無いんだろうか?
それはともかく…まずはあの家から行くか…
「(此処は…ジョゴン家だな。)」
不幸にも私の標的になったのはジョゴン家だ。
この家にはジョゴンとその伴侶、カクマクが住んでいるハズ。
私は白鞘を抜くと…ドアを蹴破って中へ突入した!何処だ!殺してやる!
「な、なんだ!?だ、誰だお前は…」
「お前たちを始末しに来た天使の使いさ。」
まず最初に飛び起きたのはジョゴンと思われる男だった…愕然としているところを袈裟斬りにして始末した。
バッ…と血が噴き出し、壁と私を汚す…次はカクマク!
奴は何処に居る!寝室か?シャワー室か?それとも書斎か?
何処だ…探しても見つからないぞ………おやおやこれは…
「屋根裏だな!」
バカめ…スライドタラップの紐が揺れているぞ…先ほど、階段を収納した証拠だ。
ちなみにスライドタラップとはよく海外ドラマとかで見る屋根裏への収納階段の事だ、正式名称は最近知った…いや!そんな事よりも!
階段を降ろして屋根裏へ行けば…
「ヒィィィ!!や、止めてくれ!!」
「…うん?お前、男じゃないか…あのジョゴンとか言う奴はホモだったのか。」
「俺がジョゴンだ…頼む…命だけは…」
「ダメだね。」
泣いて慈悲を求めるジョゴン(真)を斬り捨てると…屋根裏の窓から外へ出た。
飛行って便利だなぁ…私ってさながら非行少女よね……フフッ。
「あと1軒くらい行けそうかな…」
そう言って辺りを見渡せば…あそこが良いな!確か3人家族のナジィード家!
昼間に挨拶しに行ったけど、まぁ良いかな、殺しても…どうせ2人殺したんだ、もう3人も100人も一緒だ。
ナジィード家の前へ降り立つと、またしても白鞘を抜き、戸を蹴り破った。
此処の家族は父ナジィード、母ズルマン、長男ニヤムルの3人家族…
「だ、誰です!?人の家を…あ、貴方は…」
「旅人だよ。」
「ミ、ミサキさん…ウチに…何の用で…」
「察しが悪い奴は嫌いでね。斬る事にしてるんだ。」
ナジィードは奥から包丁を持って来ると、それを私の元へ突き刺そうとやって来た。
しかし、包丁の刃はパッキィン!と折れて…無駄になる…服は斬れても肌は斬れないなんて…哀れな包丁だ、しかも折れるとは。
「ほ、包丁が……がぁ!!ぐっぐ…ごぉ…!!」
包丁の刃が折れ、戦意が喪失したナジィードの喉を掻っ切ると、しばらく悶え、苦しんだのち…床へうつ伏せに倒れて絶命した。
人間の喉を斬るのは面白い、人によって苦しみ方は違うからだ。
必死に床を掻きむしったり、喉を抑えて止血しようと試みたり…観察甲斐がある。
「ッキャァァァ!!」
ズルマンと思われる女性は叫んで部屋の鍵を閉じ、中へ籠ってしまった。
ドアノブをガチャガチャ回したが…当たり前に開くはずが無く…面倒くさいのでもう1つの部屋へ入って、中の様子を確認した。
中には…長男のニヤムルと思われる青年が就寝している。
もちろん見逃すはずが無く…
「フンッ!」
「グギャッッ!!」
刀を心臓に突き刺して即死させた…即死なのだろうか?痛いのは一瞬だろうが…まぁ良い。
次はズルマン、お前だ…折角なので驚かせてやろう。
玄関から外へ出ると、彼女が閉じこもっていると思われる部屋の窓まで飛び…
「こんばんわー!!」
「キャアアアアアアアアア!!」
窓を突き破って中へ入った…この女は良く叫ぶ。
ズルマンは部屋の物を手当たり次第にこちらへ投げて抵抗する…クッション、枕、ぬいぐるみ…そしてスノードーム!おい!
今のは痛かったぞーっ!!
「ああ…あぁあ…止めて…許して…」
「許すも何も…お前は何も悪くないよ。」
「ひぃ…いいい…あああああああ!!」
「もう会話は出来ないか…」
「ぐぶぁッ!?」
よし…ナジィード家はこれにて全滅…はぁ…マズイ、今ので人が集まって来る!
早いトコ「こんなところ」からズラかろう!!
・・・
「はぁ…はぁ……(戻って来れた…)」
私は急いで…文字通り飛んで帰ると、直ぐに白鞘を置き、寝たふりをした。
アルツォとルミリィは外の騒ぎを感じ取って、急いで起きて来た…危ねぇ…
狸寝入りを徹底しよう…
「ルミリィ、俺は様子を見て来る、ミサキと此処に居てくれ。」
『分かりました。』
「…案外神経が図太いんだなぁ…ミサキって。」
アルツォは多分、猟銃を持って外へ飛び出し、ルミリィは鍵を掛けた。
あとはこのまま…自然に起きるふりをすれば…
『ミサキ、騒ぎを起こしたのは貴方ですよね?』
「な!?な…何を…」
『白鞘の位置がズレています。』
なんだと…!白鞘の位置が…なぜそんな事を覚えているんだ!?
確かに刀は同じ位置に戻したハズなのに…こ、コイツ…化け物か…
「バカ言っちゃダメだよ…私は寝てたよ、此処で。」
『ではなぜ…服に血が?』
「そ、そんなわけ!…ついてないじゃん………あ。」
『兄様が帰ってきたら話し合いましょう。』
私は迷った…今、ここでルミリィを斬り殺すか…それとも従うか…
自分は誰かに首を垂れる性格ではない、媚びだって売らない。
だが…何故だろう…今逆らうと…とんでもない事が起こりそうな気ががする。
私達はアルツォの帰りを待った。
残り、3家族、10人
本日の死者、ジョゴン、カクマク、ナジィード、ニヤムル、ズルマン
本日の変貌、ミサキ…
つづく
ここ、エンジャラスバレーでは現在、彫刻の暗示を持つと思われる天使の頭部によって無意味な殺人ゲームが行われている。
2日に1度やって来る吹雪…それが吹くと街の物は変貌し、化け物へと変わる。
生還する為には自分の家族以外を潰さなければならない。
残りの1家族になるまで…
「ふふふ、じゃぁねぇ。」
『とっとと帰れ!』
「おお怖い怖い。」
そう言ってムニマジアは荷物を持ち、笑いながら出て行った…
一歩間違えればルミリィは発砲してしまいそうな勢いだ…彼女の手元に武器が無くて良かったと思う。
「ルミリィ、抑えろ。」
『兄様…分かりました…申し訳ございません。』
「それで良い。んじゃ、夕飯にしようぜ。」
「あ、ああ。分かったよ。」
そう言うとアルツォ…基アッツォは台所へ向かい、何かを作り始める。
ルミリィは貧乏ゆすりをしてイライラを抑えていた…相当怒っている様だ。
彼女は娼婦を嫌いな様だな…何故かは知らないけど。
「今日はシチューだよ。…今日もだけど。」
『調理が簡単ですからね。』
「ごめんね、私まで。」
「気にしないでよ。ミサキが居れば安全だからね。」
アルツォが作ったのは茶色いシチュー…ビーフシチューと言う食べ物だ。
イギリスの料理で日本にも渡ったらしい…ドロドロのそれをアルツォはボットボットとお玉で掬い、少し深い皿に注ぐ…
そして…私へ突き出して来たので受け取った。
「(味は…普通のしょっぱいスープだ…)」
シチューの中には一口大の肉が1つ…ある…それをスプーンで取ると。
ルミリィとアルツォの私を見る目が変わった。
罠にかかる獲物を見つめる目だ…私は恐怖した…
「な、何か…?」
「いや何でもないよ。」
『何でもありませんわ。あぁ美味しい。』
怪しいと思った私は肉を口の中に入れ、噛むフリをして…飲み込んだ。
2人はそれを見て…何も感じずに食事を続けた、余計にそれは怪しさを加速させる。
そして…食事を終えた10分後、消化が始まる前にトイレへ向かい…
「お、おぇぇ……おぇぇぇぇええ!!はぁ…はぁ…」
悪いと思いながらも噛まずに飲み込んだ肉を自身の胃の中から吐き出した。
それは…牛肉にも見えるが…否、明らかに違うという事だけは分かる。
この硬さは違う、牛肉なら嚙み切れる硬さだが…これは硬すぎる。
まるでゴムみたいだ…
『ミサキー?いつまで入ってんだ?変わってよ…』
「え?ああ!ごめんごめん…便秘気味なもので…」
しばらく弄っていたが…このままではマズイと感じた私はポケットにしまった。
そして服を直す音をわざと出すと、流してアルツォと変わった。
この肉は…ルミリィが見てないうちに暖炉の中へぶち込んでおこう。
暖炉の中に放り込まれた肉はごうごうと燃える…
『寒いのですか?』
「え?うん…ちょっとね、もう大丈夫。」
『そうですか。』
私は今…ほんの少しだけ…本当に少しだけ…恐怖を感じている。
かなり大きな疑いも…この兄妹…何かを隠している!言えない様な何かを…
危機が迫る前に…何とかしないとな……ゲームを終わらせるしか無いな。
要は他の家族が全滅すれば良いのだろう、私が全員殺せば良い。
明日から…少しずつ…減らして行くか。
作者が悪いんだ、バトルも満足に書けないのに変な事を始めるから。
「私はもう寝るわ。このソファ、使わせてもらうから。」
『分かりました。では毛布を…』
「いや、大丈夫。暖炉があるから。」
『そうですか…ではおやすみなさいませ。』
私もおやすみーと返すと、直ぐに眠りについた。
・・・
「………(誰も…居ない…わよね?)」
数時間経った頃だろうか…目を覚まし、辺りを見回した…誰も居らず、部屋は暗い。
生気を感じ取っても2人に気の乱れは感じない…就寝している様だ。
まだ外は暗いが…もう行ってしまおう、暗い内に片付けた方が良い。
「(玄関はマズいよね…ちょっと熱いけど暖炉から出るか…)」
玄関を開ければ、かなりの音が出る…なので熱いのを我慢して暖炉から外へ出よう。
白鞘を持ち、暖炉から煙突へ…飛んで出て行くと、空はまだ暗い…集落が広がっていた…此処は本当に人が少ない。
こんな所に住んで不便じゃ無いんだろうか?
それはともかく…まずはあの家から行くか…
「(此処は…ジョゴン家だな。)」
不幸にも私の標的になったのはジョゴン家だ。
この家にはジョゴンとその伴侶、カクマクが住んでいるハズ。
私は白鞘を抜くと…ドアを蹴破って中へ突入した!何処だ!殺してやる!
「な、なんだ!?だ、誰だお前は…」
「お前たちを始末しに来た天使の使いさ。」
まず最初に飛び起きたのはジョゴンと思われる男だった…愕然としているところを袈裟斬りにして始末した。
バッ…と血が噴き出し、壁と私を汚す…次はカクマク!
奴は何処に居る!寝室か?シャワー室か?それとも書斎か?
何処だ…探しても見つからないぞ………おやおやこれは…
「屋根裏だな!」
バカめ…スライドタラップの紐が揺れているぞ…先ほど、階段を収納した証拠だ。
ちなみにスライドタラップとはよく海外ドラマとかで見る屋根裏への収納階段の事だ、正式名称は最近知った…いや!そんな事よりも!
階段を降ろして屋根裏へ行けば…
「ヒィィィ!!や、止めてくれ!!」
「…うん?お前、男じゃないか…あのジョゴンとか言う奴はホモだったのか。」
「俺がジョゴンだ…頼む…命だけは…」
「ダメだね。」
泣いて慈悲を求めるジョゴン(真)を斬り捨てると…屋根裏の窓から外へ出た。
飛行って便利だなぁ…私ってさながら非行少女よね……フフッ。
「あと1軒くらい行けそうかな…」
そう言って辺りを見渡せば…あそこが良いな!確か3人家族のナジィード家!
昼間に挨拶しに行ったけど、まぁ良いかな、殺しても…どうせ2人殺したんだ、もう3人も100人も一緒だ。
ナジィード家の前へ降り立つと、またしても白鞘を抜き、戸を蹴り破った。
此処の家族は父ナジィード、母ズルマン、長男ニヤムルの3人家族…
「だ、誰です!?人の家を…あ、貴方は…」
「旅人だよ。」
「ミ、ミサキさん…ウチに…何の用で…」
「察しが悪い奴は嫌いでね。斬る事にしてるんだ。」
ナジィードは奥から包丁を持って来ると、それを私の元へ突き刺そうとやって来た。
しかし、包丁の刃はパッキィン!と折れて…無駄になる…服は斬れても肌は斬れないなんて…哀れな包丁だ、しかも折れるとは。
「ほ、包丁が……がぁ!!ぐっぐ…ごぉ…!!」
包丁の刃が折れ、戦意が喪失したナジィードの喉を掻っ切ると、しばらく悶え、苦しんだのち…床へうつ伏せに倒れて絶命した。
人間の喉を斬るのは面白い、人によって苦しみ方は違うからだ。
必死に床を掻きむしったり、喉を抑えて止血しようと試みたり…観察甲斐がある。
「ッキャァァァ!!」
ズルマンと思われる女性は叫んで部屋の鍵を閉じ、中へ籠ってしまった。
ドアノブをガチャガチャ回したが…当たり前に開くはずが無く…面倒くさいのでもう1つの部屋へ入って、中の様子を確認した。
中には…長男のニヤムルと思われる青年が就寝している。
もちろん見逃すはずが無く…
「フンッ!」
「グギャッッ!!」
刀を心臓に突き刺して即死させた…即死なのだろうか?痛いのは一瞬だろうが…まぁ良い。
次はズルマン、お前だ…折角なので驚かせてやろう。
玄関から外へ出ると、彼女が閉じこもっていると思われる部屋の窓まで飛び…
「こんばんわー!!」
「キャアアアアアアアアア!!」
窓を突き破って中へ入った…この女は良く叫ぶ。
ズルマンは部屋の物を手当たり次第にこちらへ投げて抵抗する…クッション、枕、ぬいぐるみ…そしてスノードーム!おい!
今のは痛かったぞーっ!!
「ああ…あぁあ…止めて…許して…」
「許すも何も…お前は何も悪くないよ。」
「ひぃ…いいい…あああああああ!!」
「もう会話は出来ないか…」
「ぐぶぁッ!?」
よし…ナジィード家はこれにて全滅…はぁ…マズイ、今ので人が集まって来る!
早いトコ「こんなところ」からズラかろう!!
・・・
「はぁ…はぁ……(戻って来れた…)」
私は急いで…文字通り飛んで帰ると、直ぐに白鞘を置き、寝たふりをした。
アルツォとルミリィは外の騒ぎを感じ取って、急いで起きて来た…危ねぇ…
狸寝入りを徹底しよう…
「ルミリィ、俺は様子を見て来る、ミサキと此処に居てくれ。」
『分かりました。』
「…案外神経が図太いんだなぁ…ミサキって。」
アルツォは多分、猟銃を持って外へ飛び出し、ルミリィは鍵を掛けた。
あとはこのまま…自然に起きるふりをすれば…
『ミサキ、騒ぎを起こしたのは貴方ですよね?』
「な!?な…何を…」
『白鞘の位置がズレています。』
なんだと…!白鞘の位置が…なぜそんな事を覚えているんだ!?
確かに刀は同じ位置に戻したハズなのに…こ、コイツ…化け物か…
「バカ言っちゃダメだよ…私は寝てたよ、此処で。」
『ではなぜ…服に血が?』
「そ、そんなわけ!…ついてないじゃん………あ。」
『兄様が帰ってきたら話し合いましょう。』
私は迷った…今、ここでルミリィを斬り殺すか…それとも従うか…
自分は誰かに首を垂れる性格ではない、媚びだって売らない。
だが…何故だろう…今逆らうと…とんでもない事が起こりそうな気ががする。
私達はアルツォの帰りを待った。
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