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第1章 十七番街の主、燭台篇
第6話 機械も奇怪、バダルファミリー
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私の名前はミサキ♪世界最強の力を持つ女の子♪今は十七番街にて♪
マフィアのボスのバダル・マシンザ・チェーンハットを♪探してる~
変な歌を口ずさみながら探すはマフィアのボス…奴らに私の事はバレているだろう。
だが負ける気がしないので本拠地を探して殴りこみに行こう。
「(だけど十七番街は広い…探すのも一苦労だ。)」
此処は広いし、建物も多いし、人もたくさん居る…なので探すのは非常に面倒くさい。
こうなりゃ人に聞くが早い、それっぽい人を探して聞いてみよう。
あそこに居る怖そうなおじさんなんて良いのでは無いだろうか?
「なぁちょっとそこの人。」
「あぁん?なんだいお嬢ちゃん。」
「マフィアの本拠地って何処にあるか知らない?」
「…お嬢ちゃん、人を見た目で判断してはいけないよ。」
この怖いおじさんはパセリ工場で働く人らしい…なのでマフィアとは無関係と。
それを聞いた私は詫びをして、また別の所へ聞き込みに向かった。
一番手っ取り早いのはあの爬虫類を探して、聞き出す事だ、アイツが何か関係しているに違いない。
だが…如何せんアイツの生気を微塵も感じない…
「何処も彼処も…知らないの一点張りか…」
いくら聞けど、誰に尋ねても…私の期待する答えは1つも返って来なかった。
それでも私はめげずに聞き込みを続け、とある電気屋へ入った。
別に…此処で聞けるとは思っても無いが、無駄では無いと思う…今来なければ後で来ることになるかもしれない。
此処の店員はロボット…か?顔が無いので分からないな…
「ヤァ、ラッシャイ。ウチハ電池カラ発電機マデ揃ッテルヨ。」
「悪いけど買いに来たわけでは無いの、聞きに来たの。」
「ナニヲ聞キニ?エアコンヤ扇風機ノ修理方法?」
「それも聞きたいけど…私が聞きたいのはバダルと言う男についてよ。」
そう言うと店員はビューン…と低音を響かせ、黙りこけてしまった。
此処もダメか…まったく、次はペットショップにでも行ってみるか?
「ア、待ッテ!オ客サン!」
「なによ?押し売りならごめんよ。」
「違ウ…教エルヨ…バダルファミリーニツイテ…」
「バダルファミリー?」
店員は私を手招きすると、奥の狭く、暗い倉庫へ私を連れて行った。
どうにも、聞かれてはいけない感じの話らしい。
マフィアについてなら当たり前だよね、手下だって殺すんだもん。
「バダルファミリーハ…ココラ辺デ悪サヲシテイル連中ダ…」
「ふーん…具体的に言えばどんな?」
「地上ゲヤショバ代ノ取リ立テ…ウチモ被害ニアッテイル…」
「なるほど。で?私に話をしたって事は…」
「奴等ヲ何トカシテホシイ…モウ、仲間ガ何人モ…」
そう言う事なら尚更好都合と言うもの、だって奴らを殺すちゃんとした理由が出来るんだから。
罪悪感は元から無いけど、湧くことも無くなるな。
「なら任せてちょうだいな。」
「コンナ女ノ子ニ任セルノモアレダケド…頼ンダヨ。」
「となると…奴らのお家みたいなものは何処にあるか分かる?」
「ソレハ誰ニモ分カラナイ…ケド構成員ヲ絞メレバ何カ分カルカモ。」
「なるなる、構成員をぶっ殺せば良いのね。」
街をうろついてるマフィアをぶっ殺して構成員から聞き出したり、何か情報等を見つければ良いだろう…さてそうと決まれば後は行動に移すのみ。
思い立ったが吉日とも言う…しかし、倉庫を出ようとした時…
低い声が扉の奥で響く。
「おい!バゼンダ!今月のショバ代を撤収しに来たぞ!!」
「ヒェェ…来タ…ドウシヨウ…」
「私に任せな…まぁちょっと荒っぽくなるけど。」
「ナ、何ヲ…」
私は倉庫から出て、奴等とご対面する事に…ただの下っ端だな。
構成員が2人、低級悪魔と人間の男…コイツ等を絞めるのは苦労しない。
「客なら帰んな!こっちは店員と大事な大事な話があるんだよ。」
「………兄貴!コイツ、ミサキですよ!グランツ殺した奴です!」
「あーあ、バレちゃった。」
「なんだと…グランツの叔父貴を…」
「あのザコなら宇宙旅行に行ったから安心しなさい。」
私がそう言うと、悪魔はドスを取り出して、鞘を抜いた…フン、刃物か。
それにしてもドスって…こちとら白鞘抱えてんのよ?無理にも程があるでしょ。
しかしこちらは…得物を使わなくても勝てるけどね。
「叔父貴の仇!!」
「うぅぁあ!?」
「もらったぁ!」
「や、やったね!兄貴!!流石だよ!」
悪魔はドスを私の腹部へ突き立てる!!パキンと音がすると…カランと刃が落ちる。
刀でも傷付けられなかった私の身体をおままごとで使う包丁みたいな刃物では尚更無理な話ってもの。
「な…刃が折れ…」
「(またこの展開かぁ…)じゃ、次は私ね。…アウラァァアア!!」
「うごうぉぉぉ!!」
今度は自分の番なので、悪魔の脇腹へ右手をめり込ませると、ドアの方へ投げた!
悪魔の構成員はガラス製のドアを突き破り、道へ投げ出される。
私の右手は…奴の内臓の一部を握っていた…しかし、こんな物…握りつぶす!
この一連の行動はそこで立ち尽くしている男を怯えさせるには丁度いい。
「あ、兄貴が…」
「兄貴死んじゃったね?貴方もこうなりたい?」
「ななな…何が…目的で…」
「私が知りたいのはアンタ達の拠点の場所……早く教えろ。」
私が内臓を右手で弄びながら、脅すと…相手は無言で立ち尽くしたまま喋らない。
コイツ、先生に怒られるとひたすら黙るタイプだな。
「ねぇ!言うの!言わないの!どっちなの!!」
「言います言います!!命だけは…」
「分かったから早く言え!!ぶっ殺すぞ!!」
【おい、テメェ等…何してやがる。】
「(あぁ!もう!またややこしくなる!!)」
コイツがうウジウジ虫してたせいでまた強そうなのが来ちゃった…
電気屋の壊れたドアからは、大柄な女が入って来た…2メートルはあるね。
服装からするに…幹部だな、スーツの派手さが違う。
「ネライドの姉御!助けてください!!」
【情けないね、大の男が。】
「ネライド…って言うのね。アンタも直ぐに始末してあげるわ。」
私は一般構成員の顔面を拳で潰すと、奴へ注目を向けた。
それにしても本当にデカい…電気屋の天井は3メートルぐらいあるだろうが…
それでもギリギリで届きそうだ。
明らかに人間では無く、悪魔…でも無いな、賢い魔族か?
「アンタ、何も言わないのね。部下がやられたのに。」
【使えないザコがやられようとワタシには関係ないわ、邪魔なだけよ。】
「ほぉう…じゃ、アンタが死んだら誰も怒らないでしょうね。」
【カカカクク…よく言うわ……貴方、ウチに来ないかしら?】
「何を言いだすかと思えば…」
そんなバカらしい話…まぁ話は聞いておくか。
聞いたところ、私の事を知っているみたいだ、世界最強の力を持っていることも。
しかしその事を大体の奴は知らない…なので部下になれば頼もしいと…
【どうかしら?ワタシって使える人には優しいわよ?貴方とかね。】
「それはそれは…とても魅力的で嬉しいお誘いだわ。もちろん…」
【フフフ…】
「い・や・だ・ね!」
【アッハハ!!だと思った…死ねぇぇ!!】
ネライドは初めから私の事を仲間にする気なんて無かった様だ…
私をぶん殴って外まで飛ばした!!凄い力だ…やはりこの力は魔族のもの。
こんなに話が出来る魔族が居たとは思わなかった。
貴重な奴だけど…殴られたからには絶対に許さん!!ぶっ殺してやる!!
私が体勢を立て直すとネライドは店から出る…店員の死体を引き摺りながら。
「(あの人に思入れは無いけど…許せん!!)」
【金も無い奴に…やる慈悲も無いわね。さぁ邪魔者は居ないわ。】
「こ、コイツ…」
【どっぷり…殺り合いましょ?】
ネライドの両腕に電撃が走る…身体強化系の魔法か?魔族なら不思議では無い…
こっちも使うか…?けど…魔法は頭を使う…学が無い私には…無茶だな。
【ッシャオラァァ!!行くぞォ!!】
「こっちは最強…やってんのよ!!そんな物…効くかぁ!!」
【ヘッヘェン!だったらもっとボルテージ上げるわよ!】
奴がそう言うと両腕に纏った電撃は一層強くなり、周囲の電気機器が誤作動を起こす。
バイクの警報が鳴ったり、ラジオが奇妙な音を発したり。
心なしか…私の髪の毛も少しゆらゆらしている。
【こういう事だって出来るのよ?】
『キィィィ!!さぁ!魔!を、殺す!!ゾゥゥゥ!!』
「テレビが喋っている…」
【まぁ…手品みたいなものね!!次はアンタよ!痺れてイキな!!】
「あぎぎがあががあああ!!」
全身に走るド熱い強力な衝撃!身体中がバチバチと焼け焦げる感覚に陥る!
脳にバヂリィン!!と走る度、じわじわと気持ちが良い何かが溢れる…
だが熱い!気持ちいい!意味が分からない…
「うあぁぁあああ!!離せェェ!!」
【ぐぅぅ…無理やり離れたか…流石はミサキと言うワケね…】
「はぁ…はぁ…(さっきの感覚…癖になっちゃいそう…)」
【悪い子にはお仕置きね。もっと電圧を上げるから覚悟しなさい。】
も、もっと…!?もっと凄いのって…喰らったらどうなっちゃうんだろう…
って!いやいや!!駄目だ!敵に流されては…コイツを殺さなくてはならない!
ネライドの身体へさらに激しい電流が流れる!青白い肌には光る亀裂が走り始める…
コイツ…魔族の中でもかなりの上級者だ…凄い魔力を感じる…
「こっちも…本気を出さなきゃマズいわね…」
【ハッハハ!マジになりなさいな!ワタシは無事じゃないかもしれないけど…】
「よく分かってるじゃない。」
【アンタも無事じゃ無いわよ。永遠に熱される火傷をあげる。】
コイツから発せられるのは電気、電気と言えば雷、雷と言えば避雷針。
避雷針の代わりなんて………あるわね…立派なものがあるじゃない!!
やっぱり持って来て良かったわ!!白鞘ァ!!
【刀を抜いてわね。斬れるなんて思わない…事ね!!】
「デルアアァァアアア!!」
【投げ!?】
私は白鞘を抜くと、相手へぶん投げた!白鞘は回りながら飛んで行く!
ネライドは電撃で白鞘を弾き飛ばすと、私は直ぐに奴に向かってドロップキックを喰らわせようと向かって行った!
当然だがネライドは電撃を放つ…が。
【しまった…刀に電撃が寄せられて…】
「デリャァ!!」
【うぐぁああ!!?】
私の足はメキメキと相手の腹部へめり込む…位置的に肋骨は避け、内蔵に行っただろう。
コイツは魔族だと思うので人間の常識が通るかは分からないが…苦しんでいる!
ネライドは口から血と胃液を噴き出しながら後ずさる。
しかし自分もキックの際に電撃を喰らった…だが効かないね!!最強だから!
【お、おのれぇぇ…うぅぅ…】
「ポンポン痛いのかしら?はぁ…今度は…もっと痛いわよ?」
【ぐぅぅ…しょうがねぇ……また来るからな!】
「逃げる気か!!させねぇぞ!」
【そうだ!戦略撤退だよ!頭の良い逃走さ!】
突如としてネライドの全身はバチバチの電気になり、電線へ流れ込んで行く。
私は追おうとしたが、電気になってしまってはどうしようもない。
アイツは電気なので生気もクソも無いので探知も出来ない…チックショウ!!
また逃がしたか…全身がボロボロなのに…はぁ~あ!!面倒くさいな!
ネライド…か、アイツだけは絶対にぶっ殺す…そう肝に銘じておこう…
つづく
マフィアのボスのバダル・マシンザ・チェーンハットを♪探してる~
変な歌を口ずさみながら探すはマフィアのボス…奴らに私の事はバレているだろう。
だが負ける気がしないので本拠地を探して殴りこみに行こう。
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こうなりゃ人に聞くが早い、それっぽい人を探して聞いてみよう。
あそこに居る怖そうなおじさんなんて良いのでは無いだろうか?
「なぁちょっとそこの人。」
「あぁん?なんだいお嬢ちゃん。」
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「…お嬢ちゃん、人を見た目で判断してはいけないよ。」
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一番手っ取り早いのはあの爬虫類を探して、聞き出す事だ、アイツが何か関係しているに違いない。
だが…如何せんアイツの生気を微塵も感じない…
「何処も彼処も…知らないの一点張りか…」
いくら聞けど、誰に尋ねても…私の期待する答えは1つも返って来なかった。
それでも私はめげずに聞き込みを続け、とある電気屋へ入った。
別に…此処で聞けるとは思っても無いが、無駄では無いと思う…今来なければ後で来ることになるかもしれない。
此処の店員はロボット…か?顔が無いので分からないな…
「ヤァ、ラッシャイ。ウチハ電池カラ発電機マデ揃ッテルヨ。」
「悪いけど買いに来たわけでは無いの、聞きに来たの。」
「ナニヲ聞キニ?エアコンヤ扇風機ノ修理方法?」
「それも聞きたいけど…私が聞きたいのはバダルと言う男についてよ。」
そう言うと店員はビューン…と低音を響かせ、黙りこけてしまった。
此処もダメか…まったく、次はペットショップにでも行ってみるか?
「ア、待ッテ!オ客サン!」
「なによ?押し売りならごめんよ。」
「違ウ…教エルヨ…バダルファミリーニツイテ…」
「バダルファミリー?」
店員は私を手招きすると、奥の狭く、暗い倉庫へ私を連れて行った。
どうにも、聞かれてはいけない感じの話らしい。
マフィアについてなら当たり前だよね、手下だって殺すんだもん。
「バダルファミリーハ…ココラ辺デ悪サヲシテイル連中ダ…」
「ふーん…具体的に言えばどんな?」
「地上ゲヤショバ代ノ取リ立テ…ウチモ被害ニアッテイル…」
「なるほど。で?私に話をしたって事は…」
「奴等ヲ何トカシテホシイ…モウ、仲間ガ何人モ…」
そう言う事なら尚更好都合と言うもの、だって奴らを殺すちゃんとした理由が出来るんだから。
罪悪感は元から無いけど、湧くことも無くなるな。
「なら任せてちょうだいな。」
「コンナ女ノ子ニ任セルノモアレダケド…頼ンダヨ。」
「となると…奴らのお家みたいなものは何処にあるか分かる?」
「ソレハ誰ニモ分カラナイ…ケド構成員ヲ絞メレバ何カ分カルカモ。」
「なるなる、構成員をぶっ殺せば良いのね。」
街をうろついてるマフィアをぶっ殺して構成員から聞き出したり、何か情報等を見つければ良いだろう…さてそうと決まれば後は行動に移すのみ。
思い立ったが吉日とも言う…しかし、倉庫を出ようとした時…
低い声が扉の奥で響く。
「おい!バゼンダ!今月のショバ代を撤収しに来たぞ!!」
「ヒェェ…来タ…ドウシヨウ…」
「私に任せな…まぁちょっと荒っぽくなるけど。」
「ナ、何ヲ…」
私は倉庫から出て、奴等とご対面する事に…ただの下っ端だな。
構成員が2人、低級悪魔と人間の男…コイツ等を絞めるのは苦労しない。
「客なら帰んな!こっちは店員と大事な大事な話があるんだよ。」
「………兄貴!コイツ、ミサキですよ!グランツ殺した奴です!」
「あーあ、バレちゃった。」
「なんだと…グランツの叔父貴を…」
「あのザコなら宇宙旅行に行ったから安心しなさい。」
私がそう言うと、悪魔はドスを取り出して、鞘を抜いた…フン、刃物か。
それにしてもドスって…こちとら白鞘抱えてんのよ?無理にも程があるでしょ。
しかしこちらは…得物を使わなくても勝てるけどね。
「叔父貴の仇!!」
「うぅぁあ!?」
「もらったぁ!」
「や、やったね!兄貴!!流石だよ!」
悪魔はドスを私の腹部へ突き立てる!!パキンと音がすると…カランと刃が落ちる。
刀でも傷付けられなかった私の身体をおままごとで使う包丁みたいな刃物では尚更無理な話ってもの。
「な…刃が折れ…」
「(またこの展開かぁ…)じゃ、次は私ね。…アウラァァアア!!」
「うごうぉぉぉ!!」
今度は自分の番なので、悪魔の脇腹へ右手をめり込ませると、ドアの方へ投げた!
悪魔の構成員はガラス製のドアを突き破り、道へ投げ出される。
私の右手は…奴の内臓の一部を握っていた…しかし、こんな物…握りつぶす!
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「あ、兄貴が…」
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「ななな…何が…目的で…」
「私が知りたいのはアンタ達の拠点の場所……早く教えろ。」
私が内臓を右手で弄びながら、脅すと…相手は無言で立ち尽くしたまま喋らない。
コイツ、先生に怒られるとひたすら黙るタイプだな。
「ねぇ!言うの!言わないの!どっちなの!!」
「言います言います!!命だけは…」
「分かったから早く言え!!ぶっ殺すぞ!!」
【おい、テメェ等…何してやがる。】
「(あぁ!もう!またややこしくなる!!)」
コイツがうウジウジ虫してたせいでまた強そうなのが来ちゃった…
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服装からするに…幹部だな、スーツの派手さが違う。
「ネライドの姉御!助けてください!!」
【情けないね、大の男が。】
「ネライド…って言うのね。アンタも直ぐに始末してあげるわ。」
私は一般構成員の顔面を拳で潰すと、奴へ注目を向けた。
それにしても本当にデカい…電気屋の天井は3メートルぐらいあるだろうが…
それでもギリギリで届きそうだ。
明らかに人間では無く、悪魔…でも無いな、賢い魔族か?
「アンタ、何も言わないのね。部下がやられたのに。」
【使えないザコがやられようとワタシには関係ないわ、邪魔なだけよ。】
「ほぉう…じゃ、アンタが死んだら誰も怒らないでしょうね。」
【カカカクク…よく言うわ……貴方、ウチに来ないかしら?】
「何を言いだすかと思えば…」
そんなバカらしい話…まぁ話は聞いておくか。
聞いたところ、私の事を知っているみたいだ、世界最強の力を持っていることも。
しかしその事を大体の奴は知らない…なので部下になれば頼もしいと…
【どうかしら?ワタシって使える人には優しいわよ?貴方とかね。】
「それはそれは…とても魅力的で嬉しいお誘いだわ。もちろん…」
【フフフ…】
「い・や・だ・ね!」
【アッハハ!!だと思った…死ねぇぇ!!】
ネライドは初めから私の事を仲間にする気なんて無かった様だ…
私をぶん殴って外まで飛ばした!!凄い力だ…やはりこの力は魔族のもの。
こんなに話が出来る魔族が居たとは思わなかった。
貴重な奴だけど…殴られたからには絶対に許さん!!ぶっ殺してやる!!
私が体勢を立て直すとネライドは店から出る…店員の死体を引き摺りながら。
「(あの人に思入れは無いけど…許せん!!)」
【金も無い奴に…やる慈悲も無いわね。さぁ邪魔者は居ないわ。】
「こ、コイツ…」
【どっぷり…殺り合いましょ?】
ネライドの両腕に電撃が走る…身体強化系の魔法か?魔族なら不思議では無い…
こっちも使うか…?けど…魔法は頭を使う…学が無い私には…無茶だな。
【ッシャオラァァ!!行くぞォ!!】
「こっちは最強…やってんのよ!!そんな物…効くかぁ!!」
【ヘッヘェン!だったらもっとボルテージ上げるわよ!】
奴がそう言うと両腕に纏った電撃は一層強くなり、周囲の電気機器が誤作動を起こす。
バイクの警報が鳴ったり、ラジオが奇妙な音を発したり。
心なしか…私の髪の毛も少しゆらゆらしている。
【こういう事だって出来るのよ?】
『キィィィ!!さぁ!魔!を、殺す!!ゾゥゥゥ!!』
「テレビが喋っている…」
【まぁ…手品みたいなものね!!次はアンタよ!痺れてイキな!!】
「あぎぎがあががあああ!!」
全身に走るド熱い強力な衝撃!身体中がバチバチと焼け焦げる感覚に陥る!
脳にバヂリィン!!と走る度、じわじわと気持ちが良い何かが溢れる…
だが熱い!気持ちいい!意味が分からない…
「うあぁぁあああ!!離せェェ!!」
【ぐぅぅ…無理やり離れたか…流石はミサキと言うワケね…】
「はぁ…はぁ…(さっきの感覚…癖になっちゃいそう…)」
【悪い子にはお仕置きね。もっと電圧を上げるから覚悟しなさい。】
も、もっと…!?もっと凄いのって…喰らったらどうなっちゃうんだろう…
って!いやいや!!駄目だ!敵に流されては…コイツを殺さなくてはならない!
ネライドの身体へさらに激しい電流が流れる!青白い肌には光る亀裂が走り始める…
コイツ…魔族の中でもかなりの上級者だ…凄い魔力を感じる…
「こっちも…本気を出さなきゃマズいわね…」
【ハッハハ!マジになりなさいな!ワタシは無事じゃないかもしれないけど…】
「よく分かってるじゃない。」
【アンタも無事じゃ無いわよ。永遠に熱される火傷をあげる。】
コイツから発せられるのは電気、電気と言えば雷、雷と言えば避雷針。
避雷針の代わりなんて………あるわね…立派なものがあるじゃない!!
やっぱり持って来て良かったわ!!白鞘ァ!!
【刀を抜いてわね。斬れるなんて思わない…事ね!!】
「デルアアァァアアア!!」
【投げ!?】
私は白鞘を抜くと、相手へぶん投げた!白鞘は回りながら飛んで行く!
ネライドは電撃で白鞘を弾き飛ばすと、私は直ぐに奴に向かってドロップキックを喰らわせようと向かって行った!
当然だがネライドは電撃を放つ…が。
【しまった…刀に電撃が寄せられて…】
「デリャァ!!」
【うぐぁああ!!?】
私の足はメキメキと相手の腹部へめり込む…位置的に肋骨は避け、内蔵に行っただろう。
コイツは魔族だと思うので人間の常識が通るかは分からないが…苦しんでいる!
ネライドは口から血と胃液を噴き出しながら後ずさる。
しかし自分もキックの際に電撃を喰らった…だが効かないね!!最強だから!
【お、おのれぇぇ…うぅぅ…】
「ポンポン痛いのかしら?はぁ…今度は…もっと痛いわよ?」
【ぐぅぅ…しょうがねぇ……また来るからな!】
「逃げる気か!!させねぇぞ!」
【そうだ!戦略撤退だよ!頭の良い逃走さ!】
突如としてネライドの全身はバチバチの電気になり、電線へ流れ込んで行く。
私は追おうとしたが、電気になってしまってはどうしようもない。
アイツは電気なので生気もクソも無いので探知も出来ない…チックショウ!!
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