【R18作品】善悪虐殺伝「ミサキ」

蛾脳シンコ

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第1章 十七番街の主、燭台篇

第5話 街に潜む恐ろしきモノ

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私の名はミサキ、現在肩揉みをされている、世界最強の力を持つ女の子。
燭台の暗示を持つ者を探しに十七番街の接骨院「狂気賛歌」にやって来たが…
そこに居た怪力店主はただの人違いだった様だ…しかし、もう彼は居ない。
私が殺したから…だって、正当防衛だし仕方ないよね。

「あぁ~…もう良いよ。帰る。」
「ハイ…」
「アンタ、下手くそだけど殺さないであげる。」
「ありがとうございます…」

少し肩が軽くなった私は店を出て、燭台探しに向かおうとした。
だが…気付かなかった、この接骨院に入って来る者の存在を。

「うーっす店長、遅れま……した…」
「なんだ爬虫類か…今日から店じまいよ。帰りな。」
「お、お前は…誰だ…」

接骨院に入って来たのはカメ型の爬虫類人だった…甲羅を背負っているのでそうだろう。
当たり前だが相手は血まみれでグチャグチャの接骨院、頭部のない死体、私を見て…状況がイマイチ理解できていない様だな。
逆にコレで理解出来たらノーベル賞ものだ。

「私は通りすがりの巫女よ。気にしないで。」
「そりゃ…気にするけど………アァァァ!!貴様!!ミサキだな!!」
「な!?何故私の事を……お、お前まさか…爬虫類連合の奴か?」
「あんときはよくも総長を!」

随分と前に依頼を受け、この国一の暴走族、爬虫類連合をぶっ潰したことがある。
コイツが私の事を知っているという事はそうだろう。
厄介な事にならないと良いけど…

「甲羅展開!」
「ッチ…身体強化魔法を…どうする気だ…」
「総長に引き続き、店長までも…許さねぇ!!」

全身を六角模様の鎧に身を包んだ、爬虫類は私へ飛び掛かって来た!
防御の構えを取ったが…ダメだ、コイツ等は力が強い!自分の体重では飛ばされる!
駄目だ…正面から行けばゴリ押しできるが…しょうがない、人質を取るか。
私は近くに居た受付の女を人質に取った。

「キャアアァァア!」
「ぐぅ…やってくれるじゃないの…えぇ?」
「アナ!おのれ…人質とは汚いぞ!」
「汚いも儚いもあるか!勝てば強いのだ!!」
「主人公の台詞じゃねぇな…喰らえ!!」
「うぅッ!?ベタベタする…」

奴は人質を取る私の顔面へ、ベチャベチャする何かを発射した!
こ、これは…ヒルだ!奴め…考えたな…だが、ヒルごとき私の敵じゃない!
威圧感を発すれば…コイツ等はショック死する!

「ヒルが……チクショウ!!」
「逃げるか!待ちな!!」

爬虫類は敵わないと悟ったのか、給湯室の方へ逃げ込んだ!
後を追ったが…窓は開いており…もうそこに奴の姿は無かった…逃したか?
いやしかし、生気は感じるぞ、近くから…外には出ていない。

「……後ろか!」
「じゃあな、ミサキ。ぶっ飛びな。」
「ぶっ飛ぶ?」

後ろを向けば奴は受付の女を背負い、違う窓から出ようとしていた。
そして奴がぶっ飛べと言っていた理由が分かったぞ…コンロの上に…手榴弾が…
なんで手榴弾が給湯室のあるんだ!?それよりもまず奴を…しかし!
まずは手榴弾を片付けるしかない!プロパンタンクの近くだから…

「クッソォォ!!」
「もう遅いぜ!じゃあな!!」

手榴弾を拾い上げ、奴へ投げ返そうとした瞬間…それは爆発した。
プロパンガスのタンクの近くだったので、誘発を起こし、接骨院は大爆発を起こす…私は無事だが…服の九割が吹っ飛んでしまった。

「クソ!生気を探知して…ダメだ!乱れている生気が多すぎる!」

周囲の者の生気は爆発で驚いたのか、乱れている者ばかりで探知が出来ない。
黒焦げの窓から外を眺めても…もう奴の姿は無い…逃がしてしまったか。
耐衝撃用のポーチを持っていて良かった…財布は無事だが水筒は吹っ飛んだ。
しかし…白鞘は不思議な事に無事だ、何故だろう…

「それにしても…逃がしたか……はぁ~あ…面倒くせぇ…」

逃げたアイツを探すのは骨が折れる…私が死んだと思っているのならそれで良いが…
もし味方を連れ、攻撃しに来たら偉い騒ぎになる…そうなれば奴を探すのも手間取る。
しょうがない…服がある程度再生したら教会に行って、手掛かりを聞いて来よう。



「ふぅ…大体は再生したし…教会に行ってみるか…」

地図を見てみれば、教会は此処より近い、山の麓にあるらしい。
私は黒焦げのビルから出て、野次馬を押しのけて、僅かな隙間から上へ飛び出た。
上へ上がれば…見えるぞ…あの墓標だらけの所がそうか。
私はビュン!と教会までひとっ飛びした…

「邪魔するわよ。」
「うぅ!?なんだミサキか…早かったな、もう終わったのか。」
「いやまだ全然、どうにも見つからなくてね、燭台ってやつが。」
「なんだその事か…だったらシスターに聞こう、ちょっと待ってろ。」

このボロッちい、あばら家が逆卍教の教会らしい…だがしかし、此処にはギサキ以外誰も居ない。(一応シスターは居る様だが…)
ギサキは奥へシスターを呼びに行ったが、1人で戻って来た。

「すまない、シスターはブラが洗濯中で無いから出たくないと。」
「リアルね…けど私は燭台の手掛かりさえあればいいの。」
「手掛かりか…シスターは組織を築いているかもとしか言って無いからな…」

どうやら此処に来たのは…完全なる時間の無駄だったようだ。
やっぱり教会でも分からないか…だったら早いトコ、戻って敵を探しに行こう。
しかし、そんな私をギサキが引き留めた。

「ま、待てよ…もう帰るのか?茶でも出すよ。」
「充分よ。早く戻って探しに行かないと。」
「そうかい、次来るときは良い知らせを期待してるからな。」
「こっちもよ。次の標的を調べておきなさい。」

私は見送られながらも、かっ飛んで十七番街へ急いで戻った…何事も無いと良いが。
だがそんな私の希望は1本のミサイルにより、粉々に撃ち砕かれた。
何処からか飛んできたミサイルは躱せたが…誰だ、人に向かって撃つとは…
上から見下ろし、見つけたりは黒服の悪魔…アイツがやりやがったんだな。

「アンタ、中々度胸あるじゃない。」
「フン。敵が俺だけだと思うなよ!」
「な!?」

私は次の瞬間、四方八方から銃撃を受けた!拳銃にマシンガン…夥しい弾数だ。
分かっていると思うが、そんな物…通用などしない!!

「や、やっぱり死なねぇか…」
「アンタ、自分がどうなるか分かってんでしょうね?」
「へへへ…こういう事だろ!!」

黒服の悪魔は懐からまたしても手榴弾を取り出し、ピンを抜いて掲げた!
私は直ぐに相手の襟を掴み、建物の屋上をから投げ落としたので…今回は無事だ。
そして…隠れている他の奴らめ!!決して1人たりとも生かしてはおかんぞ!!

「まず1人め…」
「うわぁぁあああ!!」

「そして2人目…」
「うぐぅおおお!!」

「3人目、アンタ…誰の差し金よ?」
「答えたら…許してくれるのか…?」
「ええ、良いわよ。」

3人目の悪魔を捕まえた私はコイツ等が誰の差し金かを聞くことにした。
掴み上げ、拳をちらつかせれば…大体の奴はビビッて口を割る。
悪魔とて例外ではない、目の前で仲間が死ぬのを見れば誰だってビビる。

「バ、バダルだよ…」
「誰よソレ、私にも分かるように教えなさい。」
「バダル・マシンザ・チェーンハットだ!十七番街のマフィアのボスだ!!」

私が捕まえた悪魔はそれを言い終えた瞬間、頭が粉々に飛び散った…
もちろん私のせいでは無い…一瞬だが右から飛んで来る弾丸が見えたのでスナイパーの仕業だ!バダルと言う男の情報を漏らしたので殺されたのだろう。
まだ全部聞いていないのに…ええ!面倒くさい!!
あのスナイパーもとっ捕まえて懲らしめてやれば吐くだろう!
向こう側の屋上へ飛び移り、奴へ向かって行く!

「そこのスナイパー!!止まれ!!」
【来るか…良いだろう、相手になってやる。】
「よくもまぁ…あの光景を見てそういう気になれるわね。」
【バダル様の事は漏らすなと言われてるんでね。】

スナイパーの正体は低級では無い…ゴツゴツ肌の悪魔だ。
低級の悪魔とは違う、身長は2メートルを越し、私の倍以上もある。
これはこれは…骨のありそうな奴だこと。
奴はスーツとインナーを脱ぎ捨て、ゴツゴツの身体を露わにする。

【俺の名はグランツ。冥途の土産に覚えておくと良い。】
「じゃあ私の名はミサキ、死んだら何も無いし、覚えなくて良いよ。」
【小娘が…生意気な口を!!】
「んぐぅ!!!」

グランツは両手の拳を握り合わせると、ハンマーの様に私の脳天をぶっ叩く!
私の身体は打たれる度に、釘の様に床へ刺さって行き、首元まで埋まる頃には屋上の床は抜け、2人共仲良く下へ落ちて行った。

「痛てぇ…」
【まだ終わらんぞ!!オラァ!!】
「うがぁああ!!」

グランツは下の階でも、同じように私へ拳を振り下ろす!その下の階に着いても…
やがて私達は一番下の階まで…来てしまった…頭がガンガンする…
だけど…もうお遊びはここまで!!充分受けてやったんだから今度はこちらの番!
好都合な事に、向こうの方も疲れている。

【はぁ…はぁ…何故だ…何故死なん…】
「ごめんなさいね、私ってば世界最強だから。」
【おのれぇぇ!!こうなれば引き千切って…】
「残念だけどアンタの番は終わりよ!!次はこちらのターン!!」

私は奴の掴もうと伸びて来たグランツの腕を手刀で斬り飛ばす!
そして右手の拳へ力を思い切り溜め込む…

【ぐぉぉお!!俺のう、腕が…何をする気だァァァ!!】
「私は下に行ったんだ!!アンタは上にでも…行きなさい!!」
【がぶばぁぁ!!】
「ただし…首、だけね…」

奴の顎目掛けてアッパーカットを叩き込むと、奴の首は上へぶっ飛んで行った。
さらに都合が良い事に、グランツが開けてくれた穴は首を飛ばす邪魔にはならなかった…はは、良い宇宙旅行になる事を祈ってるよ。

「さて…派手にやり過ぎちゃったわね。」

私が暴れたせいで少なくとも2件のビルは崩壊、多数の死者が出た。
けど仕方ないよね、これも必要な犠牲!私を捕まえようとする連中も殺すだけ。

「それにしてもバダル…マシンザ・チェーンハットだっけかな?」

バダル・マシンザ・チェーンハットという言いにくく、長い名前の奴が…今の所一番怪しい…もしシスターの言っている組織がマフィアだったとしたら…
そのバダルと言う奴が燭台の暗示を持つ者に違いない。
マフィアのボスとは中々骨が折れそうだが…探す手間は省けるね。
さて…奴を探しに行くか…

つづく
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