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the dream comes true
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1
朝が来てしまった。鬱陶しいほどの日光と鳥の囀り、トラックやバイクの走る音が聞こえる。
母「朝よ、早く起きなさい!」
一階から聞こえて来るお母さんの声
母「ご飯冷めちゃうよ!」
だめだ。まだ寝ていたい。母の返事に応える声も出ない程に眠たい。でもそんなことはいつものことだ。なぜか今日はもっと寝ていたい気分だ。不思議になるくらいに。
私の部屋の扉がずっと母に叩かれているのがさすがに鬱陶しかったので、目を瞑りながらではあるが、洗面台に向かった。
顔を洗い、ダイニングルームに向かう。毎日朝のテレビはニュースが流れている。今日は武蔵野で有名な動物カフェが報道されていた。しかし、かわいい、癒される、なんて思えないほど眠かった。
そして私は支度を済ませ、家を出る。
私は「いってきます」と一声かけると、母は「いってらっしゃい」と皿を洗いながら応えた。
でも、その声は母の声ではなかった。
2
朝の朝礼で先生が出席を取る声がかすかにする。私はいつも学校についてすぐに席に座り、先生の声だけを聞いて目を瞑りながら返事をする。
先生「点呼とるぞーA君」
A君「はぁぁぁい!!」
(うるせぇよ...)
先生「...おい...おい!○○!」
...
先生「起きろ!!」
私は細い声で「はい」と返事をした。
先生「おい、お前大丈夫か?」
え?
先生「泣いてるぞ。」
顔を拭った。確かに両目から涙が流れていたのがわかった。でも学校が嫌だからって泣いていたのは小学校低学年ぐらいだ(これ実話)。出し切れないほどのあくびで涙が止まらなかったんだろうと無理矢理な理由を作った。
そういえば今日の夢はこんな内容だった。
「昔からずっと好きでした!!付き合ってください!」
?「ごめん、好きな人がいる。」
あぁ、そうか。夢の中で出会った運命の人にフラれたんだった。あれほどショッキングな内容はないだろう。そりゃ涙が止まらないよな...
でもあの男性、どこかで私と会ったことがある。夢というのは今まで会った人しか出てこないと聞く。ということはどこかで会っているはずだ。
あの人のことは詳細に、夢に現れていた。ということは、過去に深い関わりがあったのだろうか。
でも、思い出したくない感じがする。
3
家に帰ると夕方のニュースが聞こえてきた。
「昨夜、殺人の容疑の疑いで高校生の○○が逮捕されました。」
戦慄を覚えた。
私は被害者と容疑者の顔と名前をそれぞれ観た。
戦慄した。涙が止まらなかった。なんてことをしてしまったんだろうと。
この容疑者は私に絶えず告白をしてきた男だった。私はその都度、断ってきた。理由は、私のストーカーだったから。
夢に出てきていた男性は、今回の被害者で、わたしが「好きな人」だ。私はよくストーカーされていることを相談していた。その都度、私はわざと彼氏を演じて欲しいと頼み、ストーカーから距離を離そうとした。彼氏を演じてもらううちに、彼の人柄に恋をして、好きになっていった。私は勇気を出して告白した。しかし、彼にも好きな人がいた。私はその結果から、彼を記憶から消し去ってしまった。
犯人は心からの嫉妬心、憎悪の念から、彼を殺したんだ。
私は恐怖でおののき、吐き気さえした。私は洗面台に向かい、嘔吐を繰り返してしまった。
私はふと鏡を見た。鏡に映るのは私ではなく、「好きな人」だった。
私は鏡に手を伸ばすと、鏡から赤い液体が流れていた。
「血?」
私は鏡を割って彼に会いに行こうとしていた。赤い液体で洗面台がいっぱいになる。
あぁ、家族の声がする。
鳥の囀りの声がする。でもおまけに、
彼の声がする。
これで二人きりになれる。
翌日
ニュースには、不可解な謎の死が報道された。
死体には両腕がなく、その両腕はひび割れた鏡にめり込んでいたという。
朝が来てしまった。鬱陶しいほどの日光と鳥の囀り、トラックやバイクの走る音が聞こえる。
母「朝よ、早く起きなさい!」
一階から聞こえて来るお母さんの声
母「ご飯冷めちゃうよ!」
だめだ。まだ寝ていたい。母の返事に応える声も出ない程に眠たい。でもそんなことはいつものことだ。なぜか今日はもっと寝ていたい気分だ。不思議になるくらいに。
私の部屋の扉がずっと母に叩かれているのがさすがに鬱陶しかったので、目を瞑りながらではあるが、洗面台に向かった。
顔を洗い、ダイニングルームに向かう。毎日朝のテレビはニュースが流れている。今日は武蔵野で有名な動物カフェが報道されていた。しかし、かわいい、癒される、なんて思えないほど眠かった。
そして私は支度を済ませ、家を出る。
私は「いってきます」と一声かけると、母は「いってらっしゃい」と皿を洗いながら応えた。
でも、その声は母の声ではなかった。
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朝の朝礼で先生が出席を取る声がかすかにする。私はいつも学校についてすぐに席に座り、先生の声だけを聞いて目を瞑りながら返事をする。
先生「点呼とるぞーA君」
A君「はぁぁぁい!!」
(うるせぇよ...)
先生「...おい...おい!○○!」
...
先生「起きろ!!」
私は細い声で「はい」と返事をした。
先生「おい、お前大丈夫か?」
え?
先生「泣いてるぞ。」
顔を拭った。確かに両目から涙が流れていたのがわかった。でも学校が嫌だからって泣いていたのは小学校低学年ぐらいだ(これ実話)。出し切れないほどのあくびで涙が止まらなかったんだろうと無理矢理な理由を作った。
そういえば今日の夢はこんな内容だった。
「昔からずっと好きでした!!付き合ってください!」
?「ごめん、好きな人がいる。」
あぁ、そうか。夢の中で出会った運命の人にフラれたんだった。あれほどショッキングな内容はないだろう。そりゃ涙が止まらないよな...
でもあの男性、どこかで私と会ったことがある。夢というのは今まで会った人しか出てこないと聞く。ということはどこかで会っているはずだ。
あの人のことは詳細に、夢に現れていた。ということは、過去に深い関わりがあったのだろうか。
でも、思い出したくない感じがする。
3
家に帰ると夕方のニュースが聞こえてきた。
「昨夜、殺人の容疑の疑いで高校生の○○が逮捕されました。」
戦慄を覚えた。
私は被害者と容疑者の顔と名前をそれぞれ観た。
戦慄した。涙が止まらなかった。なんてことをしてしまったんだろうと。
この容疑者は私に絶えず告白をしてきた男だった。私はその都度、断ってきた。理由は、私のストーカーだったから。
夢に出てきていた男性は、今回の被害者で、わたしが「好きな人」だ。私はよくストーカーされていることを相談していた。その都度、私はわざと彼氏を演じて欲しいと頼み、ストーカーから距離を離そうとした。彼氏を演じてもらううちに、彼の人柄に恋をして、好きになっていった。私は勇気を出して告白した。しかし、彼にも好きな人がいた。私はその結果から、彼を記憶から消し去ってしまった。
犯人は心からの嫉妬心、憎悪の念から、彼を殺したんだ。
私は恐怖でおののき、吐き気さえした。私は洗面台に向かい、嘔吐を繰り返してしまった。
私はふと鏡を見た。鏡に映るのは私ではなく、「好きな人」だった。
私は鏡に手を伸ばすと、鏡から赤い液体が流れていた。
「血?」
私は鏡を割って彼に会いに行こうとしていた。赤い液体で洗面台がいっぱいになる。
あぁ、家族の声がする。
鳥の囀りの声がする。でもおまけに、
彼の声がする。
これで二人きりになれる。
翌日
ニュースには、不可解な謎の死が報道された。
死体には両腕がなく、その両腕はひび割れた鏡にめり込んでいたという。
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