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Episode 29 男の娘 夜美お嬢様①

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 やっとお城が見えてきた。
 長い筈の馬車の道のりは、ご主人様とエッチな事ばかりしていたらあっという間過ぎていった。

 初めてご主人様にお会いした時は、とても真面目そうな方だと思ったし……
 まさかこんなにエロい人だとは、思わなかった。
 まったくご主人様は……
 でも構って貰えないよりは、いいのかな……



 お城に着くと、リズさんが数人のお供を連れて出迎えに来てくれていた。
 きっと沢山買ってくるのをわかっていたんだろう。
 お供の中には、騎士団の人であろう、とても身体の大きな男性が何人かまざっていた。

 それと、一人リズさんの隣に男の娘が立っている。
 僕と同い年位だろうか?
 いや、少し年上かな? 
 中学生位の見た目をしたその男の娘は、黒髪のツインテールを瞳の色と同じ赤いリボンで纏めていた。
 真っ白な肌に赤い口紅が映えている。
 フリルの白いブラウスにゴスロリっぽい黒のスカート。
 とても綺麗だけど、少し生意気そうな……というか意地悪そうな雰囲気をしている。

 その子は、僕らが馬車から降りると、スカートの裾を摘まんでご主人様に丁寧なお辞儀をした。

「ドルフ殿下、今日もお見麗しい」
「おお、夜美(ヤミ)か! 久方ぶりではないか」

 リズさんが前に出る。
「今日は、夜美をゆうとに紹介しようと思って連れて来たんです。この後宮でゆうとに年の近い者となると夜美くらいしかいなかったので」

「おお、そうか、それはいい。ゆうと、こちらに来なさい」
「は、はい、ご主人様」

 僕は、夜美さんに挨拶をした。
「ゆ、ゆうとです。よ、宜しくお願いします」
「あら可愛らしい男の娘ね、私は、夜美。宜しくね」




 
 その後、ご主人様は、お仕事でその場を離れられた。そして僕は、夜美さんに預けられ彼女? の部屋で紅茶をご馳走になっていた。
 
「ふーん、ゆうとって20歳(ハタチ)なんだ」
「は、はい。や、夜美ちゃんは、何歳なんですか?」

「ちゃんじゃなくてお姉様、夜美お姉様。私は、あなたより3つも年上なのよ!」
「ご、ごめんなさい、や、夜美…お姉…様…」

「まあ、それは、いいとして……あなた馬車の中で何をしていたの?」
「えっ? な、何って……何も……ただ乗っていただけ…というか……」

 夜美ちゃんは、椅子から立ち上がると僕の前に来て鼻をクンクンとさせた。

くんくんくん…
「あたしねえ……鼻は、いいんだよねえ」

 そして椅子に座る僕の前でしゃがむと……

バサッ…

「えっ……?」
「キャハハハ、やっだあイカ臭~い」

 夜美ちゃんは、座っている僕のスカートを突然めくりあげると、その場で笑いだした。

カァァァ…
「イ、イカって……」

ぷにぷに…

「ちょ、ちょっと夜美ちゃん……」
「キャハハ、パンツぱりぱりじゃーん」

 夜美ちゃんにちんちんを指先でツンツンされて困っていると、扉がノックされた。

コンコン…
「夜美お嬢様、レイナード卿がご面会に来られております」

「げえっ? あの変態また来てんの?」
 夜美ちゃんが面倒くさそうにぼやく。
 そして扉の方を向いて返事をした。
「直ぐに其方に伺いますので、お待ち頂いて下さい」

「畏まりました。夜美お嬢様……」


「そうだっ、ゆうとも一緒に来なさいよ。面白いもの見せてあげるから」

「い、いや……ぼ、僕は…やめと……」

「はい、決定ね。さっ準備するわよ」

 結局、僕は、夜美ちゃんの押しに負けてついていく事となる。
 そして夜美ちゃんの別の顔を見る事となるのだった。

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