雲のない快晴を求めて

古明地 蓮

文字の大きさ
上 下
5 / 9
新たなる危機に瀕して

見つからないように

しおりを挟む

「軍に連れてかれた?
   それはどうして?」

「わかんない
   でも、お姉ちゃんの腕を掴んで連れてってた」

「そうか
   暁月のことは心配だけど、軍と戦いたくはないかな
   まあ、暁月の能力も危険じゃないし、きっと帰ってくるよ」

「そっか
   お姉ちゃんなら帰ってきそうだね
   それじゃあ、少しの間我慢してればいいんだよね?」

「そうだと思うよ」

「わかった~」

落ち着いたのか、僕のベッドに暁音が寝転んだ。
そうは言ったものの、正直暁月のことは心配だ。
空を飛ぶ程度の能力じゃ文句は言われないと思うけど
ただ、なんでも警戒するのが軍だしなぁ

「夜神いる?」

僕の家のとが勝手に開いた
その声は!まさに今話していた人物のものだ

「いるよ~
   何か用?」

「とにかく入るわよ
   って、暁音が先に来てたのね
   じゃあ話は早いと思うんだけど
   とりあえず私は問題なかったよ」

「それは何より」
 
「目の前で簡単に能力を見せてあげたら信じてくれたんだよ
   でも、暁音のことも検査したいって」

「まあ、兄弟姉妹は、能力者になりやすいからな
   ただ、まだなんの能力か分からないからな」

「多分これから軍の人達がここに来るから、少し暁音を隠れさせてくれる?」

「別にいいよ
   暁音を匿うぐらいなら」

「それじゃあ私もお邪魔するわね」

「それは、危険じゃないか?」

「そうかしら」

「暁月が神社にいないと分かったら、周辺を探し出すと思うからさ
   この家も安全じゃなくなるよ」

「それもそうだけど…
   軍の連中にあったらあったでめんどくさいし」

「暁音がどこにいるか聞かれそうだしな
   まあ、どう足掻いてもこれが最善策かもね」

「でしょ
   だから、取り敢えず今日明日はここにいるからね」

はぁ
また面倒臭いことが起きてしまった。
暁音については、まだ能力を使えるようになっていない。
しかし、軍の能力者検査には引っかかる可能性が大いにある。
まだ能力を使えるようになっていない人は、使えるようになるまで施設行きのはずだ。
しかも、強い能力だった場合、能力を私利私欲のために使わないように洗脳し終えるまで帰れない。
そんな事にはさせたくないけど、軍と対立もしたくない。
これまでは、何とか友好的とは行かないまてまも、対立は極力避けていた。
けど、僕にとっての身内同然の人と軍との関係なら、暁月が暁音を取るだろう。
そしたら、僕はそれについて行くしかない。

まあ、2日間は暁姉妹と過ごす訳だ。
十分な食料も揃ってるし、生活に困ることは無いはず。
なんというか、生活感溢れる家だし、過ごしやすいはずだ。
と思っていたけど

「ここに済むと思うと、ちょっと汚いんだよね」

と、床の埃を指で掬いながら、暁月が言った。

「仕方ないでしょ
   ここんとこ忙しかったし
   急に住むとは思わなかったし」

「まあね
   だから、住まわせてもらう代わりに、掃除してあげるわよ
   綺麗な方が病気とかにもなりにくいし」

「まあ、掃除してくれるのは有難いけどさ
   あんまり外から目立たないようにね」

「ねぇお姉ちゃん
   なんか、私を省いて話が進んでるんだけど
   兎に角、今日はここに住むってこと?」

「そうだよ」

「それで、家を借りる代わりに、掃除をしようってこと?」

「その通り」

「まあ、この家汚いもんね
   あんまり入ることもなかったから、知らなかったけど、埃っぽいよね 
   それじゃあ、私も手伝うよ」

と言って、2人は掃除を始めてしまった。
そこまでこの家も汚くないと思うけどなぁ。
まあ、それで気が紛れるなら別にいいか

なんて、呑気に考えてしまっていた。
あんなことが起きるまでは…


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界でネットショッピングをして商いをしました。

ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。 それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。 これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ) よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m hotランキング23位(18日11時時点) 本当にありがとうございます 誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

処理中です...