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アレンに鞭打たれたあと、カレンは暫くベッドから離れられなかった。
ルーはその間はご機嫌で、カレンのもとに足繁く通った。
カレンの服を脱がせては、背中の傷に軟膏を塗り、清潔な布を当てて手当てした。軟膏を塗る前に、生々しい傷痕に舌を這わせては、カレンが痛みにビクビク震える姿を楽しんでもいた。
「いつもありがとう、ルー。私のことをこんなに想ってくれているのはあなただけよ」
カレンはルーが喜ぶだろうことばをその都度口にした。間違っても「お前がやったことだろう、おぞましい化け物め」などとと思っていることがバレないように気を付けた。
薬を塗るついでに、カレンの乳房をつまんだり、指で弄んだり、不必要に全ての服を脱がせたり、カレンの秘所に手を伸ばしたり、行動はどんどん図々しくなった。カレンにとっても、抵抗するのが難しい相手だ。一刻も早く、ここを出るために、体調を回復させなくてはと真剣に考えた。
そしてある程度動けるようになってから、あまり出ていない社交界にでかけたり、侍女を買収して、ルーに気付かれないよう、目当ての貴族に手紙を届けさせたり涙ぐましい努力を続けた。その努力は実り、ある青年貴族はカレンの恋の奴隷となった。
ルーには通じないが、並の人間には、一定条件下で簡単な暗示をかけることができる。カレンは子供の頃、森で神隠しにあったときに、叔母の言うとおり取り替え子になったのかも知れない。不思議な力があった。しかし、ルーにベタベタされた後はその力がかなり減っているのだと最近気付くようになった。ルーと離れていると、力は増えてできることも増えるのだ。
(私は魔女…なのかもしれない)
以前、マルタも自分に似ていると言っていたではないか。
そのマルタは領主にとってかわって、ここを支配している。
政治的な邪魔者には容赦のないマルタだが、領地運営に関してはそれぞれの土地の状況をみながら、上手く政策をとっており、なかなか領民からの評価はたかかった。彼らは自分たちが恙無く暮らせればそれで良いのだ。多少、不気味な噂のある領主代行でも。
マルタの目的は、ルーを育てることだと思っていたが、それだけではなかったようだ、とカレンは薄々察するようになった。しかし、その目的は分からなかった。ルーは人を食べる化け物で、マルタはルーが幼い頃は罪人を調達してはルーに食べさせていた。ルーもある程度大きくなると、マルタの世話は必要なくなり、自分でなんとかするようになった。大きくなったので、それほど食べる必要もなくなったのかもしれない。
マルタは、カレンが壊れてしまわないよう、アレンは殺さないようにルーに忠告していた。アレンはカレンの足枷になっているのだと。
その足枷は既に外れ、カレンは自分のためだけに逃げる道を模索していた。
ルーはその間はご機嫌で、カレンのもとに足繁く通った。
カレンの服を脱がせては、背中の傷に軟膏を塗り、清潔な布を当てて手当てした。軟膏を塗る前に、生々しい傷痕に舌を這わせては、カレンが痛みにビクビク震える姿を楽しんでもいた。
「いつもありがとう、ルー。私のことをこんなに想ってくれているのはあなただけよ」
カレンはルーが喜ぶだろうことばをその都度口にした。間違っても「お前がやったことだろう、おぞましい化け物め」などとと思っていることがバレないように気を付けた。
薬を塗るついでに、カレンの乳房をつまんだり、指で弄んだり、不必要に全ての服を脱がせたり、カレンの秘所に手を伸ばしたり、行動はどんどん図々しくなった。カレンにとっても、抵抗するのが難しい相手だ。一刻も早く、ここを出るために、体調を回復させなくてはと真剣に考えた。
そしてある程度動けるようになってから、あまり出ていない社交界にでかけたり、侍女を買収して、ルーに気付かれないよう、目当ての貴族に手紙を届けさせたり涙ぐましい努力を続けた。その努力は実り、ある青年貴族はカレンの恋の奴隷となった。
ルーには通じないが、並の人間には、一定条件下で簡単な暗示をかけることができる。カレンは子供の頃、森で神隠しにあったときに、叔母の言うとおり取り替え子になったのかも知れない。不思議な力があった。しかし、ルーにベタベタされた後はその力がかなり減っているのだと最近気付くようになった。ルーと離れていると、力は増えてできることも増えるのだ。
(私は魔女…なのかもしれない)
以前、マルタも自分に似ていると言っていたではないか。
そのマルタは領主にとってかわって、ここを支配している。
政治的な邪魔者には容赦のないマルタだが、領地運営に関してはそれぞれの土地の状況をみながら、上手く政策をとっており、なかなか領民からの評価はたかかった。彼らは自分たちが恙無く暮らせればそれで良いのだ。多少、不気味な噂のある領主代行でも。
マルタの目的は、ルーを育てることだと思っていたが、それだけではなかったようだ、とカレンは薄々察するようになった。しかし、その目的は分からなかった。ルーは人を食べる化け物で、マルタはルーが幼い頃は罪人を調達してはルーに食べさせていた。ルーもある程度大きくなると、マルタの世話は必要なくなり、自分でなんとかするようになった。大きくなったので、それほど食べる必要もなくなったのかもしれない。
マルタは、カレンが壊れてしまわないよう、アレンは殺さないようにルーに忠告していた。アレンはカレンの足枷になっているのだと。
その足枷は既に外れ、カレンは自分のためだけに逃げる道を模索していた。
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