勇者ライフ!

わかばひいらぎ

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日常編(単発)

兄弟の休日

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 ある日のお昼頃、フーリはルイスと一緒にお昼ご飯を探して歩いていた。
「ねぇフー兄さん、そろそろお腹が空いたよ」
「そうだな、すぐ近くにラーメン屋あるけど行く?」
「行く!」
「美味いんだよなぁ、あの店の器」
「え?」
「レンゲとか甘いしな……あっ!箸とかコリコリしててさ」
「フー兄さん?」
 なんかフーリから人外的なものを感じるが、こんなこと日常茶飯事なので特に気にもとめずラーメン屋に向かった。

 ここはラーメン屋『スピリチュアル』。ネーミングセンスはクソだが、味は絶品だとリーダーがベタ褒めしていた。
「う~ん、何頼めばいいか迷うな~」
「なんだよ、ルイスはいつも味噌ラーメン頼んでるからそれでいいじゃん」
「ここの店は醤油が売りらしいからちょっと悩んでるんだよね」
 確かに、ここの店の入口には『クソうまいソイソース』と書いてあった。
「う~ん迷う!進路選択の時より迷う!」
「進路選択もラーメンも適当でいいんだよ適当で」
「その表現は語弊を生むでしょ」
 ルイスはなかなかラーメンが決められないようだ。するとそんな時、乱暴にドアを開ける音が聞こえた。
「おっす店主!産業資本家として上手く店を運営してるか?」
「そんな挨拶があるか。お二人さん、いつもの席に」
「すみませんねいつも……」
 なんとやってきたのはリーダーと言うよりほぼラーメン評論家に成り果てたリーダーだった。役職名と本名が一緒だとややこしいなほんと。ちなみに秘書さんもいる。
「そうだルイス!リーダーが頼んだやつをお前も頼めばいいんじゃないか?あいつは美味いラーメンしか頼まないからな」
「なるほど。リーダーが頼んだやつね」
 ルイスはじっと耳を澄まして注文の時を待っている。しかし……
「はいよ」
「お!きたきたサンキュー!」
 なんとリーダーが注文をする前にラーメンが届いていたのだ。
「えー!なんで!」
「あー、多分あれだ。常連すぎて頼むもの覚えられてる系だ」
「そんなぁ……」
 注文のヒントを得られなかったことでルイスはしょんぼりとしてしまった。が、暫くすると秘書さんの声が聞こえてきた。
「リーダー、そのグロいラーメンなんてしたっけ?」
「そんなにグロいか?これはな、塩、味噌、醤油、豚骨、ポンコツの全ての味の合体系。その名も……インターナショナルなんとかなんとかだ」
「ポンコツは既存メニューなんですね」
「そうそう。店長の髪の毛がチラついてるんだよ」
「それポンコツじゃなくて不衛生なだけじゃないですか」
 こんな感じの内容が耳に入ってきた。
「フー兄さん……僕、味噌でいいよ」
「あいよ」
 こうして、ルイスはリーダーのおかげで変なものを食べずに済んだのであった。
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