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もっと、力があれば
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翔は「幸……どこだ………っ」走りながら周りを見渡す。
時折、痛み出す胸を押さえながら探す。
走るスピードが落ちた翔に追いつく二人。
「お兄ちゃん!無理に走るから!!」
「……っるせぇ…幸を探さねぇ…と……っ」
顔を歪めながらいう。
「それは分かっているけど…体のことも気使ってよ!
発作起きたら元も子もないんだよ!!」
「分かってる!」
「分かってないよ!
今にも発作起きそうなんでしょ!?大人しくしてて!
僕たちが探すから!」
「……薫には見えねぇーよ…俺しか見えねぇんだよっ!」
「あーもう!翔ちゃんの分からずや!!
そんなんだから、みんなに迷惑かけているのわかんないの!?」
「…んだと…」
結衣が「今、喧嘩してる場合じゃないでしょ!」と二人の喧嘩を止めようとそう言ったと同時に悲鳴が聞こえた。
「幸……っ!」
悲鳴が上がった場所に急いで走る翔たち。
目の前に衝撃な光景が広がっていた。
ぐったりしている女の子がいた。
よくよく見ると、気絶していたのは彼らが探していた幸だった。
「幸……っ!!」
「チッ、見つかっちまった!
おい、お前ら早くそいつを車に乗せろ!」
「幸を…離せ……!!」
胸を押さえながら、車に連れ込もうとする男たちに言った。
「なんだよ!
気味が悪いのがいなくなって清々するだろうが……っ!」
そう身汚い男が言うと、カラスが何匹でも鳴き始めた。
そして、電信柱を介して男らを眺めている。
「あ?カラス??」
「こんな、真っ昼間からかよ!」
昼間から、カラスが多くそれにザワついた。
1羽だけ、赤い目をしているのを発見したと思ったら、カラスが存在をアピールするようにけたたましく鳴き声を上げて飛び立った。
そして、その場にはいなかったはずの少年が
「あのお方の子に手を出したテメェを呪いな」
少年の赤い瞳を見た男らが、狂ったように騒ぎだした。
偵察に来ていた少年は、気を失ったままの幸を抱え、何を言わず翔に引き渡しガッカリした様子のままカラスとともに消えたのだった。
気を失っている幸を大切そうに抱きしめる翔は、薫、結衣と一緒にデパートの中へと戻った。
薫子たちは、無事に戻ってきた幸たちを見て安心したのか泣きじゃくっていた。
警察から、念の為事情聴取をされ帰宅する頃には、キレイな星が空一面に広がっていた。
家に着き、幸をベッドに寝かせた翔は、頭を軽く撫で部屋から出てリビングに行った。
ホットミルクを入れていた薫が、「幸、どう?まだ目覚めない?」コップに注いぎながらそう聞いてきた。
翔は、頷き椅子に座った。
「でも、本当に良かった……
連れ去られなくて…よかった……っ」
大粒の涙を流しながら薫子は言った。
「姉さん……」
一連の事件を聞いた菊梨は、そっと薫子に寄り添う。
その姿に、唇をかみ己の未熟さに悔しがる翔を見ていた薫はホットミルクを彼に渡す。
「翔ちゃん、ここはいいから幸のそばにいてあげて?
目覚めた時に、翔ちゃんがいたら安心すると思うから」
薫から言われ、飲み物を持ち再び幸の部屋に向かった。
幸が眠るベッドサイドのイスに腰かけ、起きるのを待っていた。
彼が眠ってしまった頃に、幸は目覚めてここはどこなのか状況を確認しようと顔を動かした。
そして、イスに座っている人物に気がつき「……兄ちゃ…ん?」と声をかけた。
その声に目を開けた彼は、視線をベッドに向けた。
「幸…っ!良かった目が覚めて」
「心配かけて、ごめんなさい…」
「謝らなくていい。
母さんたち呼んでくる」
「うん……」
彼は、幸が目覚めたことを薫子たちに伝えに行ったあと、足音を立てながら部屋に入ってきたみんな。
「幸っ!
怪我はない!?どこも痛くない?!」
「目が覚めて、良かった~!!
心配したんだからね!」
「お姉ちゃん、無事でよかった」
「みんな…
ごめんね、迷惑かけちゃって…」
一気に、言われたので苦笑いしながらも心配かけてしまった事に対して謝った。
「私……どのぐらい寝てた?」
「3時間も気絶して起きなかったのよ!」
「そんなに…?」
「人によるんじゃねーの?多分な」
「そっか……」
幸の誘拐事件で、すっかり酔いが覚めた菊梨が「正月、早々誘拐とか…心臓に悪いわよ…」そう言った。
「……ごめんな、守りきれなくて
そもそも、俺があんな事さえ言わなければこんな事にならなかったよな」
唇を噛み締めて言った。
その言葉に、首を横に振った幸は「兄ちゃんのせいじゃないよ」と言いながら微笑んだ。
「けど、また翔くんらが見つけてたね」
苦笑いしながら言う徹。
翔「まぁ、どこにいても分かるし」
なぜ?と聞かれ、口を紡いだ。
言っていいか分からなかったからと、小さい頃にそれのせいで大変な目にあったからだった。
そんな様子に薫子は優しく「私の身内だから、言っても大丈夫よ。」そう翔に伝えた。
翔は、幸と結衣が廣世家として来る前のことを少しづつ話した。
小さい頃から、小さいものや大きいもの等が見えていて、周りから気味悪がられたり、逆にその力を利用とされたりとしてきた。
それを母親である薫子に話すと「他の人には話さないようにね。それで、翔たちが傷つくから」と言われたのだ。
そして、自分自身を守るために契約者しか見えない、"妖精"と契約したのだった。
姉妹が来た時に、怖がられないようそれらを隠してきた事、こっそり自分らの妖精を付けて見守ってきたことなどを伝えた。
全て話し終えると、反応が怖くて幸たちの方を見れなかった翔。
「翔くん、話してくれてありがとう」
「翔兄ちゃん、辛かったよね。
大丈夫だよ。私たちは何があっても、翔兄ちゃんたちの味方だよ」
その言葉に驚いてしまい、幸たちの方を見た。
「……信じて…くれるのか?」
「信じるよ。家族だからね。
それに、なぜ早く見つけられるのか、その話を聞いて納得したよ!」
「私も、もちろん信じるよ。
というか、姉さんと同じ力を引き受けちゃったのかもね~」
徹たちのその言葉が嬉しくなり、嬉し泣きしながら「ありがとう」と伝えた。
「それじゃ、幸も目覚めたから晩御飯にしましょ!」
「姉さんに賛成!
酔いも冷めたしお腹すいたよ」
ゾロゾロとみんなが幸の部屋を出ていく中、翔はまだ中に残っていた。
「兄ちゃん?どうしたの?」
「いや、何でもない…起き上がれるか?」
「うん…何とか」
幸が起き上がるのを待ち、一緒にリビングへ向かったのだった。
その日の夜、翔は空を見上げていると、薫から声をかけられた。
「翔ちゃん、平気?」
「おう!平気だぜ!」
「……翔ちゃん、あんまり夜更かししちゃダメだからね?」
「分かってるって、ただ眠れないだけだよ」
「なら、いいんだけど……
僕、眠いから先に寝るよ?
翔ちゃんも早く寝ないとね」
「もう少ししたらな。おやすみ薫」
「うん、おやすみなさい」
もそもそと自分の布団に入る薫を見て微笑み、再び空の方へと顔を向けた。
(もっと俺に力があれば、こんな事にならなかったのに…力さえあれば……っ)
幸が誘拐未遂だったとはいえ、何も出来なかった自分に腹が立っていた。
空を見ていると、夜なのにカラスが電信柱に止まって鳴いていた。
「……こんな夜にカラス?」
なぜ、ここにカラスがいるんだろうかと思っていると、月明かりだけの光で、あの少年が電信柱に座っており目が合った。
その少年はニコリと笑っていた。
「……誰だ、お前は…」
少年はやれやれとしたような仕草をした後
「こんなのが、俺の上に立つやつかよ」
そう呟き赤い目を細めた。
廊下から物音が聞こえハッ!としドアの方に向き、もう一度電信柱に顔を向けると、そこにはもう少年とカラスの姿が消えていた。
「……夢…?」
そう呟きながら、電信柱を見たあとベッドに潜り眠りについた。
時折、痛み出す胸を押さえながら探す。
走るスピードが落ちた翔に追いつく二人。
「お兄ちゃん!無理に走るから!!」
「……っるせぇ…幸を探さねぇ…と……っ」
顔を歪めながらいう。
「それは分かっているけど…体のことも気使ってよ!
発作起きたら元も子もないんだよ!!」
「分かってる!」
「分かってないよ!
今にも発作起きそうなんでしょ!?大人しくしてて!
僕たちが探すから!」
「……薫には見えねぇーよ…俺しか見えねぇんだよっ!」
「あーもう!翔ちゃんの分からずや!!
そんなんだから、みんなに迷惑かけているのわかんないの!?」
「…んだと…」
結衣が「今、喧嘩してる場合じゃないでしょ!」と二人の喧嘩を止めようとそう言ったと同時に悲鳴が聞こえた。
「幸……っ!」
悲鳴が上がった場所に急いで走る翔たち。
目の前に衝撃な光景が広がっていた。
ぐったりしている女の子がいた。
よくよく見ると、気絶していたのは彼らが探していた幸だった。
「幸……っ!!」
「チッ、見つかっちまった!
おい、お前ら早くそいつを車に乗せろ!」
「幸を…離せ……!!」
胸を押さえながら、車に連れ込もうとする男たちに言った。
「なんだよ!
気味が悪いのがいなくなって清々するだろうが……っ!」
そう身汚い男が言うと、カラスが何匹でも鳴き始めた。
そして、電信柱を介して男らを眺めている。
「あ?カラス??」
「こんな、真っ昼間からかよ!」
昼間から、カラスが多くそれにザワついた。
1羽だけ、赤い目をしているのを発見したと思ったら、カラスが存在をアピールするようにけたたましく鳴き声を上げて飛び立った。
そして、その場にはいなかったはずの少年が
「あのお方の子に手を出したテメェを呪いな」
少年の赤い瞳を見た男らが、狂ったように騒ぎだした。
偵察に来ていた少年は、気を失ったままの幸を抱え、何を言わず翔に引き渡しガッカリした様子のままカラスとともに消えたのだった。
気を失っている幸を大切そうに抱きしめる翔は、薫、結衣と一緒にデパートの中へと戻った。
薫子たちは、無事に戻ってきた幸たちを見て安心したのか泣きじゃくっていた。
警察から、念の為事情聴取をされ帰宅する頃には、キレイな星が空一面に広がっていた。
家に着き、幸をベッドに寝かせた翔は、頭を軽く撫で部屋から出てリビングに行った。
ホットミルクを入れていた薫が、「幸、どう?まだ目覚めない?」コップに注いぎながらそう聞いてきた。
翔は、頷き椅子に座った。
「でも、本当に良かった……
連れ去られなくて…よかった……っ」
大粒の涙を流しながら薫子は言った。
「姉さん……」
一連の事件を聞いた菊梨は、そっと薫子に寄り添う。
その姿に、唇をかみ己の未熟さに悔しがる翔を見ていた薫はホットミルクを彼に渡す。
「翔ちゃん、ここはいいから幸のそばにいてあげて?
目覚めた時に、翔ちゃんがいたら安心すると思うから」
薫から言われ、飲み物を持ち再び幸の部屋に向かった。
幸が眠るベッドサイドのイスに腰かけ、起きるのを待っていた。
彼が眠ってしまった頃に、幸は目覚めてここはどこなのか状況を確認しようと顔を動かした。
そして、イスに座っている人物に気がつき「……兄ちゃ…ん?」と声をかけた。
その声に目を開けた彼は、視線をベッドに向けた。
「幸…っ!良かった目が覚めて」
「心配かけて、ごめんなさい…」
「謝らなくていい。
母さんたち呼んでくる」
「うん……」
彼は、幸が目覚めたことを薫子たちに伝えに行ったあと、足音を立てながら部屋に入ってきたみんな。
「幸っ!
怪我はない!?どこも痛くない?!」
「目が覚めて、良かった~!!
心配したんだからね!」
「お姉ちゃん、無事でよかった」
「みんな…
ごめんね、迷惑かけちゃって…」
一気に、言われたので苦笑いしながらも心配かけてしまった事に対して謝った。
「私……どのぐらい寝てた?」
「3時間も気絶して起きなかったのよ!」
「そんなに…?」
「人によるんじゃねーの?多分な」
「そっか……」
幸の誘拐事件で、すっかり酔いが覚めた菊梨が「正月、早々誘拐とか…心臓に悪いわよ…」そう言った。
「……ごめんな、守りきれなくて
そもそも、俺があんな事さえ言わなければこんな事にならなかったよな」
唇を噛み締めて言った。
その言葉に、首を横に振った幸は「兄ちゃんのせいじゃないよ」と言いながら微笑んだ。
「けど、また翔くんらが見つけてたね」
苦笑いしながら言う徹。
翔「まぁ、どこにいても分かるし」
なぜ?と聞かれ、口を紡いだ。
言っていいか分からなかったからと、小さい頃にそれのせいで大変な目にあったからだった。
そんな様子に薫子は優しく「私の身内だから、言っても大丈夫よ。」そう翔に伝えた。
翔は、幸と結衣が廣世家として来る前のことを少しづつ話した。
小さい頃から、小さいものや大きいもの等が見えていて、周りから気味悪がられたり、逆にその力を利用とされたりとしてきた。
それを母親である薫子に話すと「他の人には話さないようにね。それで、翔たちが傷つくから」と言われたのだ。
そして、自分自身を守るために契約者しか見えない、"妖精"と契約したのだった。
姉妹が来た時に、怖がられないようそれらを隠してきた事、こっそり自分らの妖精を付けて見守ってきたことなどを伝えた。
全て話し終えると、反応が怖くて幸たちの方を見れなかった翔。
「翔くん、話してくれてありがとう」
「翔兄ちゃん、辛かったよね。
大丈夫だよ。私たちは何があっても、翔兄ちゃんたちの味方だよ」
その言葉に驚いてしまい、幸たちの方を見た。
「……信じて…くれるのか?」
「信じるよ。家族だからね。
それに、なぜ早く見つけられるのか、その話を聞いて納得したよ!」
「私も、もちろん信じるよ。
というか、姉さんと同じ力を引き受けちゃったのかもね~」
徹たちのその言葉が嬉しくなり、嬉し泣きしながら「ありがとう」と伝えた。
「それじゃ、幸も目覚めたから晩御飯にしましょ!」
「姉さんに賛成!
酔いも冷めたしお腹すいたよ」
ゾロゾロとみんなが幸の部屋を出ていく中、翔はまだ中に残っていた。
「兄ちゃん?どうしたの?」
「いや、何でもない…起き上がれるか?」
「うん…何とか」
幸が起き上がるのを待ち、一緒にリビングへ向かったのだった。
その日の夜、翔は空を見上げていると、薫から声をかけられた。
「翔ちゃん、平気?」
「おう!平気だぜ!」
「……翔ちゃん、あんまり夜更かししちゃダメだからね?」
「分かってるって、ただ眠れないだけだよ」
「なら、いいんだけど……
僕、眠いから先に寝るよ?
翔ちゃんも早く寝ないとね」
「もう少ししたらな。おやすみ薫」
「うん、おやすみなさい」
もそもそと自分の布団に入る薫を見て微笑み、再び空の方へと顔を向けた。
(もっと俺に力があれば、こんな事にならなかったのに…力さえあれば……っ)
幸が誘拐未遂だったとはいえ、何も出来なかった自分に腹が立っていた。
空を見ていると、夜なのにカラスが電信柱に止まって鳴いていた。
「……こんな夜にカラス?」
なぜ、ここにカラスがいるんだろうかと思っていると、月明かりだけの光で、あの少年が電信柱に座っており目が合った。
その少年はニコリと笑っていた。
「……誰だ、お前は…」
少年はやれやれとしたような仕草をした後
「こんなのが、俺の上に立つやつかよ」
そう呟き赤い目を細めた。
廊下から物音が聞こえハッ!としドアの方に向き、もう一度電信柱に顔を向けると、そこにはもう少年とカラスの姿が消えていた。
「……夢…?」
そう呟きながら、電信柱を見たあとベッドに潜り眠りについた。
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