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71 宣戦布告
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二日後、正式に発表された。開戦自体は五日後とのこと。
「早いのか遅いのか…」
「いや、そんなもんだろう。貴族や騎士、専門の兵士は準備済みのはずだし、平民の連中もほぼそうだろう。時間が掛かるのは不和の荒野までの進軍と、そこでの準備だろうな」
「準備?」
「平民は寄せ集めだろ?演習とかするんじゃないのか?」
「幸か不幸か、寄せ集めの平民も戦争慣れしているから演習といってもそれほど必要ないけどな」
私とアルスが例によって開店前の酒場で朝食を食べながら話していると、イルダが苦笑しつつ付け足した。
「もう宣戦布告はしたんでしょ?どちらかが先に戦場に着いちゃうと、後から来た方が不利になるんじゃ…」
「あー。そうじゃないんだよ、ユーカ。国同士の戦争はきちんとやり方が決まっていて、そういう卑怯なことはしないんだ。だからまだ正式に『宣戦布告』もされていない」
「どういうこと?」
さっぱりわからない。
「まず、裏で外交ルートを使って、今回なら五日後に開戦しましょう、という合意が両国でなされる。で、両軍は余裕を持って不和の荒野で対峙する」
「ふんふん」
「当日の朝、決められた時間に両軍から代表者が出て、中央でお互いに相手の悪事を並べ立て、降伏勧告をする。領土と金銭を寄こせーとかね。それで、両者ともそれを拒絶。そこで初めて、お互いに正式に宣戦布告をする。その後、代表者が軍に戻った時点で戦争が開始されるって訳さ」
「…面倒なのね。約束を守らないで、奇襲すれば勝てるんじゃ…」
「そんなことをしたら、こちらが悪いと喧伝するようなものだね。長く見ると損でしかない」
「…ユーカの言うとおり面倒くさそうだな。それにしてもイルダは詳しいんだな」
アルスが興味深そうに言う。
「え?あ、いや、コマンダリアなら誰でも知っているさ。しょっちゅう戦争をやってるんだから」
「そうか。…それで代表者が軍に戻ったら、兵士や徴兵された平民が、わーっと突撃するって訳だな」
「突撃なんかはしないよ」
「ありゃ、てっきり偉そうにしている貴族や騎士が追い立てるのかと思ったけど」
うん、私もそう思った。
「いや、追い立てるのはそうだけど、兵士は縦横に並んで整然と集団で移動しながら戦うぞ?移動速度も歩くよりちょっと速いくらいだね」
「個人個人で勝手に戦うのかと思ってたわ」
「下っ端の兵士の軍装なんてたかが知れてるからな。乱戦になったら敵味方の区別もつかなくなるし、被害が大きすぎる。普通は隊列が崩れたらそれで負けだよ」
テレビドラマや映画なんかは最初っから突撃の乱戦だけど、あれは絵になるからかしらね。…うん?ってことは、代表者がお互いに宣戦布告してから、両軍が実際にぶつかるまでは結構時間がある?
**********
…開戦の前日夕方、馬車の一団が不和の荒野に向かって移動していた。既に兵士達は不和の荒野に移動済みであり、この一団は教会が用意した治癒の神聖魔法が使える神官や魔法使い、医者などだ。戦闘の開始までは、不和の荒野の手前の川辺で待機する事になっている。
「おい、最後尾の馬車が遅れているぞ」
馬に乗って併走している騎士の一人が、もう一人の騎士に話しかけた。
「何やってるんだ…、お前様子を見て来いよ」
「何で俺が…」
言われた騎士は、ぶつぶつ言いながらも速度を落とし、最後尾の馬車に並んだ。
「おい、どうした」
「すまんの。どうも車軸の調子がおかしいでの。幸いと言ってはなんだが、この馬車には神官さんらは乗っておらんし、遅れてもそれほど問題はないでの。明日朝までには指定された場所に追いつくゆえ、気にせず先に行ってくれ」
御者のドワーフに言われて馬車の中を見ると、冒険者のようだ。神官の護衛だろう。騎士は頷いて、馬の速度を上げ、前の騎士に追いついた。
「どうだった?」
「ああ、どうやら馬車の調子がな。乗っている連中は神官の護衛という冒険者達だ。遅れても問題あるまい」
「神官の護衛を言い訳に、戦闘に参加しない連中か。どうせ大した腕でもないのだろう」
「俺達も似たような物だがな」
「おい、俺達は好きで神官共の護衛をやっているわけではあるまい?」
「冗談だ。気にするな」
「…ったく、まあいい。それより、先頭の馬車に乗っている、ウィスタリアからやって来たという神殿の巫女さんはえらい美女だそうじゃないか。後で顔を見に行くか」
「俺達ごときに顔を見せてくれればな。それにしても、他の国の戦争で傷付いた人にまで手を伸ばそうとは、まあ立派な方なんだろうよ」
「『聖女』って呼ばれているらしいぞ」
「そりゃまた…。俺達には縁がなさそうだな」
「違いない」
後ろの馬車のことをすっかり忘れて馬鹿話をしている騎士たちは、すでに薄暗くなっている事もあり、かなり後方でその馬車が違う道に入っていくことには気付かなかった。
**********
「誰かに見つからないかしら」
「上流のこっちの方は流れも速いし、川がぶつかって二つに分かれるところは、それほど高くはないが切り立った崖でね。戦争の見物には場所も悪いし、普段でもあまり人は来ないから大丈夫だよ」
「ここで見つかっても、山菜取りの依頼とでも言っておけば良いだろ。まさか崖を登って不和の荒野に行くとも思わないだろうし」
私の心配に、イルダとアルスが答える。他の人間が来ないようなルートで、私たちは不和の荒野に行く事にしたのだ。
「それより、向こうの『聖女様』は大丈夫かね」
「問題ないと思いますよ。なるべく顔は見せないようにする、とグレース様も仰っていましたから」
フレアが言う。もちろん向こうのフレアは偽者だ。グレースさんが協力的で良かった。
馬車を山道でこれ以上行けない、という所で止めて、夕食を済ませた。「月」が昇ってきたので、夜といっても真っ暗ではない。輪がある上に大きいし。でも、初めて見た時よりも輪の傾きが小さくなり細く見えるようになっている。季節によって輪の傾きが変わるのが、この世界だ。
「さて、儂が寝ずの番をするから、お主らは早めに寝ると良いぞ」
「ああ、悪いなエド」
「なに、儂は明日ゆっくりと寝させてもらうでの」
**********
夜中、わたくしは起き出して、音を立てないように馬車から降りました。他の方は良く眠っていらっしゃるようです。エドさんは、焚き火の前に座って星を眺めているようでした。
「ああ、フレア殿。眠れないかの?」
「あ、いえ、ちょっと」
と言ってそのまま歩いていこうとすると、エドさんに止められました。
「待て待て。一人では危ないぞ?何か用があるなら儂も一緒にの…」
「え、えっと、お花を摘みに…」
「…」
あ、いけません。こちらの方には通じない隠語でしたか。
「お、おお、そ、それは失礼、うん、あまり遠くには行かないようにの」
何となく通じたようです…。わたくしはエドさんがこちらを見ていないことを確認すると、音を立てずに小走りに移動しました。
「さて、エドさんもかなり腕の立つ方のようですが、川の音もあるし風上からですと、お気付きにならなかったようですね。…それで、あなたたちは何者なのでしょうか?」
「…驚いたな、気付かれるとは」
「アニキー、来たのはこの女だけみたいだし、さっさと口を塞いじまおうぜー。いや、その前に、へっへっへ…」
草むらから二人の男が姿を現しました。一人は何か変な笑い方をしていらっしゃいますが無視です。
「…で、そちらもお仲間ですか?」
わたくしは、チラッと横に視線を向けて言いました。どうやら、草むらに隠れながら、わたくしの後ろに回り込もうとしていたようです。
「…っ」
「おい油断するな。話には聞いていたが、この女も結構やるようだぞ」
「それで、あなたたちは何者なのでしょうか?」
「金を貰えば何でもやるよー。アニキー、さっさとやっちまおうよー。この女を盾にすれば楽勝だって。女がもう二人いるんだろ?他の連中を片付けて、さっさとお楽しみと行こうよー」
ああ、そういう方たちでしたか~。それでは、ほんのちょっと本気を出しても宜しいでしょうか~。
「早いのか遅いのか…」
「いや、そんなもんだろう。貴族や騎士、専門の兵士は準備済みのはずだし、平民の連中もほぼそうだろう。時間が掛かるのは不和の荒野までの進軍と、そこでの準備だろうな」
「準備?」
「平民は寄せ集めだろ?演習とかするんじゃないのか?」
「幸か不幸か、寄せ集めの平民も戦争慣れしているから演習といってもそれほど必要ないけどな」
私とアルスが例によって開店前の酒場で朝食を食べながら話していると、イルダが苦笑しつつ付け足した。
「もう宣戦布告はしたんでしょ?どちらかが先に戦場に着いちゃうと、後から来た方が不利になるんじゃ…」
「あー。そうじゃないんだよ、ユーカ。国同士の戦争はきちんとやり方が決まっていて、そういう卑怯なことはしないんだ。だからまだ正式に『宣戦布告』もされていない」
「どういうこと?」
さっぱりわからない。
「まず、裏で外交ルートを使って、今回なら五日後に開戦しましょう、という合意が両国でなされる。で、両軍は余裕を持って不和の荒野で対峙する」
「ふんふん」
「当日の朝、決められた時間に両軍から代表者が出て、中央でお互いに相手の悪事を並べ立て、降伏勧告をする。領土と金銭を寄こせーとかね。それで、両者ともそれを拒絶。そこで初めて、お互いに正式に宣戦布告をする。その後、代表者が軍に戻った時点で戦争が開始されるって訳さ」
「…面倒なのね。約束を守らないで、奇襲すれば勝てるんじゃ…」
「そんなことをしたら、こちらが悪いと喧伝するようなものだね。長く見ると損でしかない」
「…ユーカの言うとおり面倒くさそうだな。それにしてもイルダは詳しいんだな」
アルスが興味深そうに言う。
「え?あ、いや、コマンダリアなら誰でも知っているさ。しょっちゅう戦争をやってるんだから」
「そうか。…それで代表者が軍に戻ったら、兵士や徴兵された平民が、わーっと突撃するって訳だな」
「突撃なんかはしないよ」
「ありゃ、てっきり偉そうにしている貴族や騎士が追い立てるのかと思ったけど」
うん、私もそう思った。
「いや、追い立てるのはそうだけど、兵士は縦横に並んで整然と集団で移動しながら戦うぞ?移動速度も歩くよりちょっと速いくらいだね」
「個人個人で勝手に戦うのかと思ってたわ」
「下っ端の兵士の軍装なんてたかが知れてるからな。乱戦になったら敵味方の区別もつかなくなるし、被害が大きすぎる。普通は隊列が崩れたらそれで負けだよ」
テレビドラマや映画なんかは最初っから突撃の乱戦だけど、あれは絵になるからかしらね。…うん?ってことは、代表者がお互いに宣戦布告してから、両軍が実際にぶつかるまでは結構時間がある?
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…開戦の前日夕方、馬車の一団が不和の荒野に向かって移動していた。既に兵士達は不和の荒野に移動済みであり、この一団は教会が用意した治癒の神聖魔法が使える神官や魔法使い、医者などだ。戦闘の開始までは、不和の荒野の手前の川辺で待機する事になっている。
「おい、最後尾の馬車が遅れているぞ」
馬に乗って併走している騎士の一人が、もう一人の騎士に話しかけた。
「何やってるんだ…、お前様子を見て来いよ」
「何で俺が…」
言われた騎士は、ぶつぶつ言いながらも速度を落とし、最後尾の馬車に並んだ。
「おい、どうした」
「すまんの。どうも車軸の調子がおかしいでの。幸いと言ってはなんだが、この馬車には神官さんらは乗っておらんし、遅れてもそれほど問題はないでの。明日朝までには指定された場所に追いつくゆえ、気にせず先に行ってくれ」
御者のドワーフに言われて馬車の中を見ると、冒険者のようだ。神官の護衛だろう。騎士は頷いて、馬の速度を上げ、前の騎士に追いついた。
「どうだった?」
「ああ、どうやら馬車の調子がな。乗っている連中は神官の護衛という冒険者達だ。遅れても問題あるまい」
「神官の護衛を言い訳に、戦闘に参加しない連中か。どうせ大した腕でもないのだろう」
「俺達も似たような物だがな」
「おい、俺達は好きで神官共の護衛をやっているわけではあるまい?」
「冗談だ。気にするな」
「…ったく、まあいい。それより、先頭の馬車に乗っている、ウィスタリアからやって来たという神殿の巫女さんはえらい美女だそうじゃないか。後で顔を見に行くか」
「俺達ごときに顔を見せてくれればな。それにしても、他の国の戦争で傷付いた人にまで手を伸ばそうとは、まあ立派な方なんだろうよ」
「『聖女』って呼ばれているらしいぞ」
「そりゃまた…。俺達には縁がなさそうだな」
「違いない」
後ろの馬車のことをすっかり忘れて馬鹿話をしている騎士たちは、すでに薄暗くなっている事もあり、かなり後方でその馬車が違う道に入っていくことには気付かなかった。
**********
「誰かに見つからないかしら」
「上流のこっちの方は流れも速いし、川がぶつかって二つに分かれるところは、それほど高くはないが切り立った崖でね。戦争の見物には場所も悪いし、普段でもあまり人は来ないから大丈夫だよ」
「ここで見つかっても、山菜取りの依頼とでも言っておけば良いだろ。まさか崖を登って不和の荒野に行くとも思わないだろうし」
私の心配に、イルダとアルスが答える。他の人間が来ないようなルートで、私たちは不和の荒野に行く事にしたのだ。
「それより、向こうの『聖女様』は大丈夫かね」
「問題ないと思いますよ。なるべく顔は見せないようにする、とグレース様も仰っていましたから」
フレアが言う。もちろん向こうのフレアは偽者だ。グレースさんが協力的で良かった。
馬車を山道でこれ以上行けない、という所で止めて、夕食を済ませた。「月」が昇ってきたので、夜といっても真っ暗ではない。輪がある上に大きいし。でも、初めて見た時よりも輪の傾きが小さくなり細く見えるようになっている。季節によって輪の傾きが変わるのが、この世界だ。
「さて、儂が寝ずの番をするから、お主らは早めに寝ると良いぞ」
「ああ、悪いなエド」
「なに、儂は明日ゆっくりと寝させてもらうでの」
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夜中、わたくしは起き出して、音を立てないように馬車から降りました。他の方は良く眠っていらっしゃるようです。エドさんは、焚き火の前に座って星を眺めているようでした。
「ああ、フレア殿。眠れないかの?」
「あ、いえ、ちょっと」
と言ってそのまま歩いていこうとすると、エドさんに止められました。
「待て待て。一人では危ないぞ?何か用があるなら儂も一緒にの…」
「え、えっと、お花を摘みに…」
「…」
あ、いけません。こちらの方には通じない隠語でしたか。
「お、おお、そ、それは失礼、うん、あまり遠くには行かないようにの」
何となく通じたようです…。わたくしはエドさんがこちらを見ていないことを確認すると、音を立てずに小走りに移動しました。
「さて、エドさんもかなり腕の立つ方のようですが、川の音もあるし風上からですと、お気付きにならなかったようですね。…それで、あなたたちは何者なのでしょうか?」
「…驚いたな、気付かれるとは」
「アニキー、来たのはこの女だけみたいだし、さっさと口を塞いじまおうぜー。いや、その前に、へっへっへ…」
草むらから二人の男が姿を現しました。一人は何か変な笑い方をしていらっしゃいますが無視です。
「…で、そちらもお仲間ですか?」
わたくしは、チラッと横に視線を向けて言いました。どうやら、草むらに隠れながら、わたくしの後ろに回り込もうとしていたようです。
「…っ」
「おい油断するな。話には聞いていたが、この女も結構やるようだぞ」
「それで、あなたたちは何者なのでしょうか?」
「金を貰えば何でもやるよー。アニキー、さっさとやっちまおうよー。この女を盾にすれば楽勝だって。女がもう二人いるんだろ?他の連中を片付けて、さっさとお楽しみと行こうよー」
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