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6 女神降臨
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「アイタタ…」
また頭を打った。いい加減にして欲しい。ぶつぶつと文句を言いながら立ち上がった私の目に入ってきたのは、こちらに背を向けて立っているさっきの男の人と、それに対してこっちを向いて剣と杖を構えて立っているアルス、イルダ、フレア。男の人は、さっきまで着ていなかった、趣味の悪そうなマントを身に着けている。
えーっと。どういう状況?
「まさか魔物とはな…」
「人間の振りをして待ち伏せとは、卑怯な真似をしてくれるじゃねーか。」
アルスとイルダが、隙を見せないように、少しずつ距離を詰めながら言う。え、魔物?
「ウィッチごときを倒して女神気取りの愚かな人間がいると聞いてな。見に来たんだが、どうやら留守らしいな。まあいい。俺の放った吸血コウモリを倒してここに来たってことは、それなりに使える連中なんだろう。さっさと死んでもらって、魔王様の復活のための贄になってもらうとしよう」
私はさっとあたりを見廻したが、女神様はいないようだ。目に入ったのは、部屋の中央にある台と、それに刺さった剣だけ。あー、ちなみに女神気取りの人なんてのもいませんから。
「へん、お前みたいな卑怯な奴にやられるものか」
イルダは、よっぽど騙されたことが気に入らなかったみたい。そういえば一番心配してたしなぁ。
「女、なめるなよ。私はウィッチごときの下級の魔物とは格が違うのだ。高位魔族のヴァンパイアだ」
「…高位魔族!」
「そうだ、ただの人間に勝ち目はないぞ」
「そうでしょうか?」
相手が高位魔族だと知って、少しひるんだアルスとイルダだったが、フレアはひるまなかった。
「あなたは、様子を見に来たと言いましたが、ここの扉を開けることができなかったのでしょう?それどころか、触れることもできなかったのでは?当然ですね、ここの扉は女神の封印がされていますから。女神の封印も破れず、誰かが来るまで寝ているとは、大した高位魔族ですね?」
フレア、結構きつい。
「黙れ!私はただの魔物ではない!魔界十六将が一人、ヴラドだ!この名前を憶えて死ぬがいい!」
あー、煽り耐性がないなぁ。でも、十六将のヴラド、ヴァンパイア、どこかで聞いたような…。
「あーっ!」
私は思わず声を上げた。みんながびっくりしてこちらを見る。
「思い出した!十六将の『末尾』のヴラド!ラミアに負けて十六番目になったっていう」
「何だと…」
あ、しまった。余計なことを言ってさらに煽ってしまった。なんかすごく怒ってるみたい。ヴラドは、牙をむき出しにし、金色の瞳で思い切り睨みつけてくる。怖い。
「お前は私のことを『良ーく』知っているようだな?」
怖いから睨まないで。良く考えたら身を守る手段がまったくないのは私だけだし、ヴラドから見てみんなと反対側に一人で立っているのだ。まずい。
「おお!記憶が戻ったのか!」
「女神様の記憶か!」
アルスにイルダ、何を余計な事言ってるの。
「…そうか、お前がウィッチを倒したぐらいで女神『気取り』の愚かな人間か」
睨んでいる目の怖さが増した。気取ってないから許して。私は台に刺してある剣が、ヴラドとの間の位置になるように、じりじりと後退した。剣の陰に隠れるような感じだ。
「これが、女神の剣か。ちょうど良い。この剣で片付けてやろう。女神の剣で殺されるなら本望だろう? ・・・っ!?」
ヴラドは、嘲笑って剣に手をかけて抜こうとした。だが、思ったようには抜けなかったらしく、声を上げる。
その隙が出来た瞬間、アルスが踏み込んでヴラドの胴に切り付けた。身をよじって避けられたが、これは計算のうち。次の瞬間、アルスの陰で思い切り勢いを付けて剣を振りかぶったイルダの一撃が襲う。
避けきれず、わずかに掠ったようだが、それ以上の傷は与えられなかった。イルダの大剣は、台に刺さったままの女神の剣にはじかれた。しかし、まだ止まらない。はじかれた勢いを利用して体を勢いよく回転させると、反対側から胴に切り付ける。
今度ははっきりと胴に剣が食い込んだのが見えた。しかし、まだ致命傷というわけではないようだ。
「グッ、…確かに少しはやるようだ」
ヴルドは呻く。
「残念でしたね。その剣を抜くことが出来るのは、剣に選ばれた方だけ。普通の人間でも抜くことも使うことも出来ません。魔族のあなたが扱うことなど無理なのです」
フレア、さっきからちょっと煽り過ぎ。巫女ともなると、魔族への恨みが強いのかしら。
「余所見をするなよ!」
ヴルドがフレアを睨みつけている隙を狙って、アルスが反対から剣を思い切り突き出す。ヴルドの胴を串刺しにした、と思った次の瞬間、ヴルドの体が無数のコウモリに分裂した。
「調子に乗るな!」
コウモリの群れとなったヴルドが体当たりでアルスを襲う。剣で防御し切り返すが、コウモリは剣を避けてバラバラになり、ダメージを与えられない。それにしても、コウモリの群れのどこから声が出ているんだか。
体勢を崩したアルスに再びヴルドが襲い掛かるが、今度は見えない壁に弾かれる。フレアの魔法だろう、杖を頭上に掲げている。
「無詠唱で『シールド』を使うか」
ヴルドが今度はフレアに襲い掛かる。一撃二撃、体を捌きながら杖とそれに纏わせた「シールド」で跳ね返した。
「ユウカさん、その剣を取ってください!」
フレアが叫ぶが、私は躊躇した。さっき「剣に選ばれた人」しか使えないって言ってたじゃないの。
躊躇っている私に、元の姿に戻ったヴルドが襲い掛かる。私は目をつぶって必死に手を伸ばし、そして―
「えーい」
と手に掴んだ剣を振った。
「くっ」
と脇腹を押さえたヴルドが呻く。私は手に持っている剣を掲げた。軽い、というより殆ど重さを感じない。どこかで何かの音楽が鳴ったような気がした。
アルスとイルダは、驚いた顔でこちらを見ている。
「くそっ」
声を上げながら、再びコウモリの群れになったヴルドが襲ってくる。私は、襲い掛かられるたびに、コウモリを1匹ずつ切り捨てたが、そのコウモリは空中で飛散して消えてしまう。本体ではないのだ。
「きゃっ」
二度三度と襲い来るコウモリを避けていたが、バランスを失って尻餅をついてしまう。手から離れた剣が床を転がる。
攻撃を避けながら、殆ど投げるようにフレアが手渡してきた剣を受け取って、もう一度構えなおす。それを見てコウモリの群れは、距離を取ってこちらの様子を伺っているようだ。
私は思い出したから知っている。群れの中に一匹、本体というべきコウモリがいる。声を出しているのもそのコウモリだ。その見分け方は―
襲い掛かってくるコウモリの群れをじっと見つめる。その中に一匹だけ、金色の目をしたコウモリがいる。それが本体だ。
私は剣を突き出し、そのコウモリを刺し貫く!
一瞬後、コウモリの群れは人型のヴルドに変化し、その胸を剣が貫いている。貫かれているのは心臓。
「み、見事…」
剣を抜くと、ヴルドは床に転がった。剣が手から離れ、カランと音を立てて床に落ちた。魔物でも人型を刺したのは気分が悪く、目を逸らそうとしたが、それより前にその体はシュルシュルと縮んで消えてしまった。代わりにポンという音がして大きな宝石が現れた。魔石だ。
「やったな!」
「すごいな、やっぱり只者じゃないと思ってたぜ!」
「め、女神様…」
と、ため息をついている私のところへ歩み寄ってきたアルスとイルダは、調子の良いことを言って肩を叩いて来たが、フレアは恭しく頭を下げて、じっとこちらを見つめる。何か目がキラキラしている。ちょっと気持ちが悪い。
「いやいやいや、女神様じゃないって!」
「でも、『思いだした』って言ってたじゃん。いや仰ってたじゃないですか」
「そ、そう、女神の記憶とか、あ、いや、で、ですとか」
止めて、アルスもイルダも無理な敬語止めて。
「違うのよ!本で読んだの!本の内容を思い出したのよ!」
私は叫んだ。
また頭を打った。いい加減にして欲しい。ぶつぶつと文句を言いながら立ち上がった私の目に入ってきたのは、こちらに背を向けて立っているさっきの男の人と、それに対してこっちを向いて剣と杖を構えて立っているアルス、イルダ、フレア。男の人は、さっきまで着ていなかった、趣味の悪そうなマントを身に着けている。
えーっと。どういう状況?
「まさか魔物とはな…」
「人間の振りをして待ち伏せとは、卑怯な真似をしてくれるじゃねーか。」
アルスとイルダが、隙を見せないように、少しずつ距離を詰めながら言う。え、魔物?
「ウィッチごときを倒して女神気取りの愚かな人間がいると聞いてな。見に来たんだが、どうやら留守らしいな。まあいい。俺の放った吸血コウモリを倒してここに来たってことは、それなりに使える連中なんだろう。さっさと死んでもらって、魔王様の復活のための贄になってもらうとしよう」
私はさっとあたりを見廻したが、女神様はいないようだ。目に入ったのは、部屋の中央にある台と、それに刺さった剣だけ。あー、ちなみに女神気取りの人なんてのもいませんから。
「へん、お前みたいな卑怯な奴にやられるものか」
イルダは、よっぽど騙されたことが気に入らなかったみたい。そういえば一番心配してたしなぁ。
「女、なめるなよ。私はウィッチごときの下級の魔物とは格が違うのだ。高位魔族のヴァンパイアだ」
「…高位魔族!」
「そうだ、ただの人間に勝ち目はないぞ」
「そうでしょうか?」
相手が高位魔族だと知って、少しひるんだアルスとイルダだったが、フレアはひるまなかった。
「あなたは、様子を見に来たと言いましたが、ここの扉を開けることができなかったのでしょう?それどころか、触れることもできなかったのでは?当然ですね、ここの扉は女神の封印がされていますから。女神の封印も破れず、誰かが来るまで寝ているとは、大した高位魔族ですね?」
フレア、結構きつい。
「黙れ!私はただの魔物ではない!魔界十六将が一人、ヴラドだ!この名前を憶えて死ぬがいい!」
あー、煽り耐性がないなぁ。でも、十六将のヴラド、ヴァンパイア、どこかで聞いたような…。
「あーっ!」
私は思わず声を上げた。みんながびっくりしてこちらを見る。
「思い出した!十六将の『末尾』のヴラド!ラミアに負けて十六番目になったっていう」
「何だと…」
あ、しまった。余計なことを言ってさらに煽ってしまった。なんかすごく怒ってるみたい。ヴラドは、牙をむき出しにし、金色の瞳で思い切り睨みつけてくる。怖い。
「お前は私のことを『良ーく』知っているようだな?」
怖いから睨まないで。良く考えたら身を守る手段がまったくないのは私だけだし、ヴラドから見てみんなと反対側に一人で立っているのだ。まずい。
「おお!記憶が戻ったのか!」
「女神様の記憶か!」
アルスにイルダ、何を余計な事言ってるの。
「…そうか、お前がウィッチを倒したぐらいで女神『気取り』の愚かな人間か」
睨んでいる目の怖さが増した。気取ってないから許して。私は台に刺してある剣が、ヴラドとの間の位置になるように、じりじりと後退した。剣の陰に隠れるような感じだ。
「これが、女神の剣か。ちょうど良い。この剣で片付けてやろう。女神の剣で殺されるなら本望だろう? ・・・っ!?」
ヴラドは、嘲笑って剣に手をかけて抜こうとした。だが、思ったようには抜けなかったらしく、声を上げる。
その隙が出来た瞬間、アルスが踏み込んでヴラドの胴に切り付けた。身をよじって避けられたが、これは計算のうち。次の瞬間、アルスの陰で思い切り勢いを付けて剣を振りかぶったイルダの一撃が襲う。
避けきれず、わずかに掠ったようだが、それ以上の傷は与えられなかった。イルダの大剣は、台に刺さったままの女神の剣にはじかれた。しかし、まだ止まらない。はじかれた勢いを利用して体を勢いよく回転させると、反対側から胴に切り付ける。
今度ははっきりと胴に剣が食い込んだのが見えた。しかし、まだ致命傷というわけではないようだ。
「グッ、…確かに少しはやるようだ」
ヴルドは呻く。
「残念でしたね。その剣を抜くことが出来るのは、剣に選ばれた方だけ。普通の人間でも抜くことも使うことも出来ません。魔族のあなたが扱うことなど無理なのです」
フレア、さっきからちょっと煽り過ぎ。巫女ともなると、魔族への恨みが強いのかしら。
「余所見をするなよ!」
ヴルドがフレアを睨みつけている隙を狙って、アルスが反対から剣を思い切り突き出す。ヴルドの胴を串刺しにした、と思った次の瞬間、ヴルドの体が無数のコウモリに分裂した。
「調子に乗るな!」
コウモリの群れとなったヴルドが体当たりでアルスを襲う。剣で防御し切り返すが、コウモリは剣を避けてバラバラになり、ダメージを与えられない。それにしても、コウモリの群れのどこから声が出ているんだか。
体勢を崩したアルスに再びヴルドが襲い掛かるが、今度は見えない壁に弾かれる。フレアの魔法だろう、杖を頭上に掲げている。
「無詠唱で『シールド』を使うか」
ヴルドが今度はフレアに襲い掛かる。一撃二撃、体を捌きながら杖とそれに纏わせた「シールド」で跳ね返した。
「ユウカさん、その剣を取ってください!」
フレアが叫ぶが、私は躊躇した。さっき「剣に選ばれた人」しか使えないって言ってたじゃないの。
躊躇っている私に、元の姿に戻ったヴルドが襲い掛かる。私は目をつぶって必死に手を伸ばし、そして―
「えーい」
と手に掴んだ剣を振った。
「くっ」
と脇腹を押さえたヴルドが呻く。私は手に持っている剣を掲げた。軽い、というより殆ど重さを感じない。どこかで何かの音楽が鳴ったような気がした。
アルスとイルダは、驚いた顔でこちらを見ている。
「くそっ」
声を上げながら、再びコウモリの群れになったヴルドが襲ってくる。私は、襲い掛かられるたびに、コウモリを1匹ずつ切り捨てたが、そのコウモリは空中で飛散して消えてしまう。本体ではないのだ。
「きゃっ」
二度三度と襲い来るコウモリを避けていたが、バランスを失って尻餅をついてしまう。手から離れた剣が床を転がる。
攻撃を避けながら、殆ど投げるようにフレアが手渡してきた剣を受け取って、もう一度構えなおす。それを見てコウモリの群れは、距離を取ってこちらの様子を伺っているようだ。
私は思い出したから知っている。群れの中に一匹、本体というべきコウモリがいる。声を出しているのもそのコウモリだ。その見分け方は―
襲い掛かってくるコウモリの群れをじっと見つめる。その中に一匹だけ、金色の目をしたコウモリがいる。それが本体だ。
私は剣を突き出し、そのコウモリを刺し貫く!
一瞬後、コウモリの群れは人型のヴルドに変化し、その胸を剣が貫いている。貫かれているのは心臓。
「み、見事…」
剣を抜くと、ヴルドは床に転がった。剣が手から離れ、カランと音を立てて床に落ちた。魔物でも人型を刺したのは気分が悪く、目を逸らそうとしたが、それより前にその体はシュルシュルと縮んで消えてしまった。代わりにポンという音がして大きな宝石が現れた。魔石だ。
「やったな!」
「すごいな、やっぱり只者じゃないと思ってたぜ!」
「め、女神様…」
と、ため息をついている私のところへ歩み寄ってきたアルスとイルダは、調子の良いことを言って肩を叩いて来たが、フレアは恭しく頭を下げて、じっとこちらを見つめる。何か目がキラキラしている。ちょっと気持ちが悪い。
「いやいやいや、女神様じゃないって!」
「でも、『思いだした』って言ってたじゃん。いや仰ってたじゃないですか」
「そ、そう、女神の記憶とか、あ、いや、で、ですとか」
止めて、アルスもイルダも無理な敬語止めて。
「違うのよ!本で読んだの!本の内容を思い出したのよ!」
私は叫んだ。
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