白馬の王子様が人間拾ったんだってよ

べす

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6、獣人っていいな

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キャロは寂れた立入禁止の離宮の噴水の縁に茫然としながら腰掛けていた。
そのあまりの悲壮さに俺はますます青褪め、もつれるようにしてキャロの前に跪く。

「キャロッ、さっきのは何でも無いんだ!私は君以外を番にする気は無い!」

必死に手を取り言い募るも、キャロの瞳は絶望に染まり静かに涙を溢した。

「良いんです…僕はもう十分すぎるほどシュバルツ様に幸せにして頂きました。これからは本当の番の方と、シュバルツ様がお幸せになる番です。」

ううぅ…ッ
キャロの心が綺麗過ぎて胸が痛い…ッ!
それに比べて俺の番はなんて性根の腐った牝馬だ…ッ!
あんなのが番とか、もう俺の馬生をアイツ一人で台無しにするレベルだぞ…ッ!?

俺はその時、あまりの怒りと悲しみですっかり参っていたのだと思う。
だから、叫んだ。
番制度を作った神に向かって。

「ふざけんなよ、クソ神がぁあ…ッ!お前のせいで俺の大事な伴侶が泣いてんだろうがぁ!番制度とか余計なもん要らねぇんだよ!!俺の言ってることが分かんないならなぁ、お前もいっぺんめっちゃ性格ブスな馬と番ってみろやァ!!!」

その瞬間、空がピカッと光り雷鳴が轟く。
あ、やべ。
と思った直後、以前食らったときより数段威力の増した雷が俺の脳天を直撃した。

『おうおう、言ってくれるなぁ!!せっかく俺様の世界に超美馬で転生させてやったのに、文句ばっか付けやがって!そんなに人間になりたきゃならしてやらァ!ついでにお前の要らねぇっつー番をそこの人間と繋げてやるから感謝しろよォ!?お前だけ独身を謳歌しようったってそうはいかねぇからなァ!?どんだけ可愛い嫁でも結婚したら鬼と化す事を思いしれぇ!!』

雷と共に頭の中に流れ込んできた神の言葉は、それはもう酷いもんだった。

神、めっちゃ鬼嫁に尻に敷かれてんだな…
悪口言ってすまんかった。

そして落雷により気絶した俺はそれから三日三晩寝込んだ。
目覚めた時居たのは自分の宮のベッドの上で、いつもより軽く感じた体に自分の手を見て狂喜する。

に、人間だ…!人間に戻ってる!!

慌ててベッドから飛び降り姿見の前に立つと、そこには馬耳と見慣れ過ぎた尻尾を垂らしたまごう事無き人間?の王子様が居た。

え、めっちゃ美形じゃん!
俺が求めてたのはこれだよこれぇ!!
てゆーか最初からこれで転生させろよ!

「…シュバルツ、様…?」

背後からポツリと呟かれた鈴のなるような声に、俺の心臓がドクリと沸き立つ。

あ、ヤバイぞこれ。
ただでさえ愛しくてしょうが無いのに、番になったら天元突破したわ。

振り向いたら間違いなく襲いかかる自信がある。
でも顔見たいし抱き締めたいしクンクンしたい。
…振り向いていいかな。
いいよな、俺の番だもんな、いっちゃえ俺!

振り向いた瞬間、俺は目に入った愛しい番に襲い掛かり、そのままベッドに逆戻りする。
理性が戻ってくる時には組み敷いたキャロがすっかり恍惚と体を投げ出していて、俺はそんなキャロを見下ろしながらも腰を振り続けた。

「あぁ、ごめん、キャロ。愛してる。愛しくて愛しくて、腰が止まらないんだ。今日はこのままずっとしていいかな?番だもん、もう馬じゃないし、自重しなくていいよね?あぁ、キャロの中は本当に気持ちいいな。ねぇ、キャロも気持ちいい?あー可愛い。番最高。愛してるよ、キャロ。」

「ぁ、あん、シュバルツさまぁ…♡」

ドロッドロのベッちょべちょになるまでキャロを抱き潰した俺は、数時間後再び始めた一方的な行為により強制的に目覚めたキャロに、俺が少しだけ不安に思っていた事を聞いた。

「キャロは、俺が人間でも構わない?」

「そんなの当たり前じゃないですか、むしろ、シュバルツ様が人間になって下さって嬉しいです。だって、やっとこうして交われる…。僕、ずっとシュバルツ様のおっきなコレを僕の中にお迎えしたくて堪らなかったから…。」

「あ…あ…キャロ、なんて可愛い事を…ッ!ううっ、駄目だ、また腰が止まらなく…ッ!」

「と、止まらないで!もっと、もっと僕を欲しがって、僕無しじゃ居られなくなる位、僕に執着して下さい!もう二度とシュバルツ様を盗られたくないッ!」

「あぁぁ…キャロ、私はもうとっくに君の虜だよ。とっくに溺れていたのに、こうして体を繋げてしまえばもう囚われて抜け出せない。私の愛は重いから、覚悟してね?」

ちなみに俺が善がり鳴くキャロを夢中で突き上げている間、俺が人間になった事で国中が大パニックになっていたのだが、前世から燻っていた肉欲プラス馬並みの性欲により俺はそんな一大事すら頭から抜け落ち欲望のままキャロを貪り続けるのだった。

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