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23、甘くてつらい
しおりを挟む「はい、レンファ。あーん。」
「ん、ぁーん。」
長い長い閨がやっと途切れ、僕は今ベルの膝の上で果物を与えられている。
それも密着したまま口移しで与えられ、一口食べ終わるごとに甘い眼差しと共に濃厚なキスを贈られる。
勿論僕はそのすべてを嬉々として甘受するので、ベルも超ご機嫌だ。
僕はこれがやり過ぎだとは思わない。
甘えたな僕には、この位の愛情表現の方が丁度いいのだ。
ちなみに僕の体はキスマークだらけ。
ベルは僕を抱いた事で愛情の箍が外れてしまったらしく、とにかく甘くて甘くて、僕はずっとうっとり夢見心地だった。
「ちゅっ。ベル、ベルぅ。」
「ん?なに?」
「すき。すきなの。だぁいすき。」
「俺も大好きだよ。…はぁ、可愛い。レンファが可愛く甘えてくるからまたしたくなった…挿れるぞ?いいか?」
「いいよぉ…いっぱい突いてぇ。」
ずっとこんな調子。
食べて、寝て、挿れて、イチャイチャして…とにかく離れている時間は無い。
いつでも繋がれる様にずっと裸のまんまだし、爛れてるけど最高に心地良い。
…いや、でもまた何か忘れてるな。
そうだ。僕、仕事で人間界に来てるんだぞ?
駄目じゃん!これおサボりどころじゃない!
職務放棄だよ、陛下に愛想つかされちゃうやつ!!
ハッと腰を上げると、根元まで埋まっていたベルの陰茎が抜ける。
いきなりの強い刺激に二人してイッちゃったけど、僕はそのまま膝立ちでベルの顔を手で挟み上から覗き込んだ。
「ベルッ、僕達仕事中だよ!こんなことしてる場合じゃないんじゃない!?」
「…今更か?もう三日経ってるぞ。それに、仕事の事ならあの精霊の王が何とかしてんだろ。それより、もう一回…」
「だ、だめ…!もう!あんなに沢山したのに!えっちなんだから!」
腰を掴んで落とそうとしてくるベルに、ベルの首に抱きついて抵抗する。
何だかんだ文句は言っても僕はベルにメロメロなのだ。
一応意見は言うが、ベタ惚れ状態なので抵抗も甘いし弱い。
「んー…そりゃこんな美味しそうなレンファが目の前に居るのに、我慢しろなんて無理じゃないか?レンファだって本当は嫌じゃないだろ?」
「嫌じゃ…嫌じゃないけどぉ…。」
あぅあぅ言いながらモジモジしている僕の顔にキスしながら、ベルは僕をごろんとベッドに組み敷く。
見下ろしてくるその顔が素敵でぽーっとなっていると、ベルがまた少し考えるように視線をずらしてから僕を見た。
「…まぁ確かに今のまんまじゃ中途半端だもんな。ちゃんと結婚して俺のものだって目に見える証は魅力的だし。それに、やっぱ今の時代雄が雌を養うのに体裁的にも働かなきゃ格好がつかないからな。財宝は腐るほどあるんだが…ブラブラ家に居るだけの雄は雌に嫌われるんだろう?」
どこ情報だそれは…と疑問が浮かんだが、とりあえずコクコクと頷いて置く。
結婚の証とは、たぶん神を祀る教会や神殿で誓うと体に刻まれる婚姻の紋章の事だと思う。
これはどの種族も共通なので、ベルもそれの事を言っているに違いない。
婚姻の紋章は手の甲に浮き出るので対外的にアピールするのには有効だし、刻むのは簡単だが消すのは物凄く面倒なのだ。
「なら、仕方ないから一旦戻るか。王都に新しく屋敷も購入しなきゃなんないし、レンファの退職届も出してこなきゃなんないからな。」
「エッ!?退職!?僕仕事辞めるの!?」
驚愕。
いつの間にそんなことに!?
「そう。寿退社。約束しただろ?」
「え、ぇー…?」
知らないうちに僕は寿退社に頷いていたらしい。
でもあまりに甘く微笑むベルに僕はそれを否定することが出来なかった。
と、とりあえず後で聞く…?
で、結婚しても仕事を続けたいってお願いしよう。うん。それがいい。そうしよう。
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