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11、ベルだけの部屋ではない※
しおりを挟むノックして扉が開くと、リアムが出てくる。
どうやらベルは僕を探しに行ったらしく、行き違いになると困るからと部屋に上げてくれた。
「ベルは俺のタイプじゃないから安心して?同室に手出すほど飢えてないし。」
ニッコリ笑って僕を安心させようとしてくれるが、その発言だけでヤリチンを公言しているのと同じで全然安心出来ない。
なので僕がしつこく「ほんと?絶対?」と詰め寄ると、何故か頬を赤くして顔を逸らされた。
「リアム、何でこっち見ないの?やっぱり嘘?」
「嘘じゃないよ。…あー、ベルの奴羨ましいな。レンファくん中身まで可愛いんですけど。こんなの同室になったら惚れちゃうに決まってんじゃん。」
「?」
「レンファ!!」
「!ベルッ!?」
リアムと話していると扉が開いて、ベルが部屋に飛び込んでくる。
思わず立ち上がった僕をギュウッと抱き締めるベルに、リアムも苦笑いしながら立ち上がった。
「じゃあ俺二時間位時間潰してくるから。」
「あぁ、悪いな。」
「リアム、ごめんね。ありがとう。」
「ううん。本当は泊めてあげたいけど、見つかるとマズイからね。」
リアムが部屋から出ていくのを見送ると、ベルは僕をぎゅうぎゅうしながら頬や額に何度もキスしてくる。
くすぐったくて「えへへ」と笑うと、抱き締められた腕に更に力が込められた。
「不安にさせてごめん。でも俺にはレンファだけだから。…とりあえず、少しでも気になる事があれば逃げずにその場ですぐ聞いてくれ。目の前で消えられると心臓に悪い。」
「うん…早とちりしてごめんなさい。あと、なんか僕ってすんごく嫉妬深いみたいなんだけど…嫌いにならないでくれる?」
「なるわけないだろ。嫉妬してるレンファを見れて嬉しい位だ。」
「えへへ。あ、あと、あとね、リアムだけズルいから、僕もベルの裸を見せて欲しいな…だめ?」
誤解が解けた事で、僕は早速仲直りしたら言おうと思っていたことをお願いする。
ベルはそんな僕を見て笑うと、いつになく甘い声で呟いた。
「レンファも見せてくれるなら。」
◇
ベッドで服を脱がせ合い上半身裸になると、僕はベルの筋肉の付いた腕や割れた腹筋にうっとり見惚れる。
反対にベルも僕の真っ白で細いだけの体をじっと見つめていた。
「僕これ以上筋肉つかないんだぁ…僕もベルみたいになりたいな。」
ぺそっとしながら自分の薄っぺらい腹をペチペチ叩いていると、胡座をかいていたベルの上に向かい合うように座らせられる。
「俺みたいになんてならなくていい。」
「えぇー…やだよ、かっこよくなりたいもん。」
「レンファは美人なんだからもう十分。」
そう言ってカプッと唇を噛まれ、深く口付けられる。
何度も角度を変え食まれている間、ベルは大きな手を僕の体中に這わせた。
「はぁ。ベル、だめ、ゾクゾクするから…。」
「気持ち悪い?」
「ちがう…気持ち良いの。」
肩で息をしながらコツッと額を付けると、ベルが呟くように「…このまま抱きたい。」と零す。
「…ベルだけの部屋じゃないからダメ。」
「どうしても?」
「どうしても。」
「…一緒にイクのはいい?」
「…。」
そう言って押し付けられた股間の硬さに、僕はかーっと顔が熱くなる。
黙っていると再びキスされながらベルが覆い被さってきて、クンックンッと腰を揺らした。
「ぁ、う、ベル。」
「レンファ、したい。」
「うぅ…揺れないで。僕もおっきくなっちゃうから…。」
「大きくしてんの。しよ?」
色気たっぷりに誘われ真っ赤になりながら顔を手で覆うと、カチャカチャとベルトを外す音がする。
いつの間にか僕のベルトも外され直に下半身が重なると、グチュリグチュリと粘着質な水音と共にベルが体を揺らし始めた。
「あ、ぁん、ベル、僕するって言ってないのに…ッ」
「しないとも言ってない。それにレンファも出さないと部屋に戻れないだろ?」
口角を上げ笑うベルがエッチすぎて、僕は恥ずかしさで俯いて、口元に腕を押し付け必死で声を抑える。
ベルはその仕草が気に入ったようで、目を細めて笑った。
「レンファ、それ可愛い。気持ち良いの?腰揺れてる。」
「いじわるしないで…」
「してないよ、可愛がってるだけ。」
「うそ。いじわるだよ…」
「どうして?気持ち良くない?」
気持ち良い。
気持ち良いから困ってるのに。
上目遣いで睨むと、ベルは目尻を下げて僕の機嫌を取るようにちゅっと額にキスする。
「俺のこと好き?」
「すき。」
「なら、騎士になったら俺と外で暮らす?」
「え?なに……ぁ、あっ、急に強く擦らないで…ッ」
「騎士になったら俺と暮らす?」
「くらすからぁ…っ」
徐々に激しくなる動きにベッドが軋み、僕は自分が何を聞かれているのか分からなくなる。
とりあえず肯定してみたが、ベルが嬉しそうなので正解だったようだ。
「じゃあ、騎士になったらすぐに結婚しよう。結婚したら、レンファは騎士を辞めて、屋敷で俺を待ってて欲しい。いい?」
「ん、ぅん?いいよ?ッ、あっ、ベル、イク、僕イッちゃう…ッ」
ベルに縋り付きながらビクビク体を震わせると、生温かいものが僕らの間に放たれる。
恍惚としながら体から力が抜けるのを感じていると、ベルも僕とほぼ同時に射精したらしく、先程までの危険な色気はだいぶ治まっていた。
「うぅ…。恥ずかしい…。自分の部屋じゃないのにえっちみたいな事しちゃった…。あ、早く浄化しなきゃ…。」
僕が浄化すると、お腹にあったヌルヌルも部屋の匂いもあっという間に消え去る。
まだ火照ったままの顔でリアムが帰ってくる前に服を…と焦りだす僕に、ベルは上半身裸のまま僕の腕を掴んだ。
「?ベルも早く服着ないと、リアム帰って来ちゃうよ!」
「…まだ時間じゃないから大丈夫。それより、さっき言ったこと忘れるなよ?」
「え。う、うん?」
マズイ、忘れるどころか何にも覚えてないぞ…。
なに言われたんだっけ?
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