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第八話「秘密の通路」
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万城家に車がとまり、琴と時子が帰ってきた。
「おかえりなさいませ!!」
大勢の使用人や女給仕たちが出迎えた。
「うむ…おや?沙苗はどうした?」
琴は全員を見渡しながら言う。
「あっあの娘でしたら、今【開かずの間】に食事を届けさせに出しております」
若奈が焦って言った。
「…若奈…お前妙な事を企んでるのではあるまいな?あの部屋はお前以外には立ち入れないように言ったはずだが?なぜ早苗に行かせた?」
琴が若菜を睨む。
「企むだなんて滅相もございません!さあお疲れでございましょう?時子様も少しお休みになられては…」
若奈がそう言うと、時子が若奈を平手打ちした。
「女中の分際でお節介な事言わないで頂戴!さっ!行きましょうお婆さま。」
時子と琴は屋敷の中へ入って言った。
「(ちっ!あの女狐、だんだんおばばにそっくりになってきやがって!まあいいわ!早く【裏帳簿】を見つけなさい沙苗!)」
心の中で呟く若奈。
一方、【開かずの間】では。
「そう言えば、この部屋の窓からあの【金のなる木】がちょうど見えるわね~」
沙苗は窓を覗き込んだ。
「あの木は一本だけこの窓から見える唯一の木だよ。なんだか病気で動けない僕を監視してるみたいだよ。」
駿太郎は苦笑いで言った。
「…あの木が監視…もしかして!!」
沙苗は突然ひらめいたように部屋の中をガサガサと調べ始めた。
「どうしたんだい?急に!」
駿太郎もベッドから起き上がった。
「あの木が監視してるって言ったじゃない?つまりあの【金のなる木】の唯一見えるこの部屋のどこかに何かヒントがあるはずよ!」
沙苗は本棚に手を掛けたその時!
本棚が動いて秘密の通路が現れる!
「あった!秘密の通路!」
沙苗。
「まさかこの部屋にこんな仕掛けがあったなんて…」
駿太郎も驚く。
「私の勘だとこの奥に【裏帳簿】があるはず…」
沙苗。
「とにかく行ってみよう!」
駿太郎。
「ええ!」
沙苗。
二人は秘密の通路を進んで行った。
通路は薄暗く不気味だった。
二人は通路を進み倉庫のような部屋に出た。
「全くおどろいたな。この屋敷にこんな部屋があったとは!」
駿太郎は辺りを見回した。
「駿太郎さん!見てあの金庫!」
沙苗は大きな金庫を指差した。
「鍵がかかってるな。よし!」
駿太郎は落ちていた針金で金庫の鍵穴を探る。
ガチャっと音がして金庫が開いた!
「よし!開いたぞ!」
駿太郎。
そして金庫の扉を開くと、一冊の帳簿が置かれてある。
「これよ!これだわ!見つけた【裏帳簿】!」
沙苗は喜び勇んで【裏帳簿】を手に取った。
その時!!
「…ご苦労だったわね沙苗…」
後ろから若奈が現れる!
圭吾と千鶴を縛り連れている。
「なっ!!あなた!どう言うつもり?」
沙苗。
「その子たちを離せ!」
駿太郎。
すると若奈は拳銃をだして駿太郎の足元を撃つ。
「きっきさま!」
駿太郎。
「さあ、沙苗。【裏帳簿】をこっちによこしなさい!」
若奈が迫る。
「…最初から裏切るつもりだったの?」
沙苗。
「裏切る?あっはははは!とんだ間抜けなお嬢さん!あたしはあんたたちを利用しただけだよ!こうなればもう用済み!
約束通り逃してあげる…あの世へね!」
若奈が言ったとたん銃声が響く!
つづく
「おかえりなさいませ!!」
大勢の使用人や女給仕たちが出迎えた。
「うむ…おや?沙苗はどうした?」
琴は全員を見渡しながら言う。
「あっあの娘でしたら、今【開かずの間】に食事を届けさせに出しております」
若奈が焦って言った。
「…若奈…お前妙な事を企んでるのではあるまいな?あの部屋はお前以外には立ち入れないように言ったはずだが?なぜ早苗に行かせた?」
琴が若菜を睨む。
「企むだなんて滅相もございません!さあお疲れでございましょう?時子様も少しお休みになられては…」
若奈がそう言うと、時子が若奈を平手打ちした。
「女中の分際でお節介な事言わないで頂戴!さっ!行きましょうお婆さま。」
時子と琴は屋敷の中へ入って言った。
「(ちっ!あの女狐、だんだんおばばにそっくりになってきやがって!まあいいわ!早く【裏帳簿】を見つけなさい沙苗!)」
心の中で呟く若奈。
一方、【開かずの間】では。
「そう言えば、この部屋の窓からあの【金のなる木】がちょうど見えるわね~」
沙苗は窓を覗き込んだ。
「あの木は一本だけこの窓から見える唯一の木だよ。なんだか病気で動けない僕を監視してるみたいだよ。」
駿太郎は苦笑いで言った。
「…あの木が監視…もしかして!!」
沙苗は突然ひらめいたように部屋の中をガサガサと調べ始めた。
「どうしたんだい?急に!」
駿太郎もベッドから起き上がった。
「あの木が監視してるって言ったじゃない?つまりあの【金のなる木】の唯一見えるこの部屋のどこかに何かヒントがあるはずよ!」
沙苗は本棚に手を掛けたその時!
本棚が動いて秘密の通路が現れる!
「あった!秘密の通路!」
沙苗。
「まさかこの部屋にこんな仕掛けがあったなんて…」
駿太郎も驚く。
「私の勘だとこの奥に【裏帳簿】があるはず…」
沙苗。
「とにかく行ってみよう!」
駿太郎。
「ええ!」
沙苗。
二人は秘密の通路を進んで行った。
通路は薄暗く不気味だった。
二人は通路を進み倉庫のような部屋に出た。
「全くおどろいたな。この屋敷にこんな部屋があったとは!」
駿太郎は辺りを見回した。
「駿太郎さん!見てあの金庫!」
沙苗は大きな金庫を指差した。
「鍵がかかってるな。よし!」
駿太郎は落ちていた針金で金庫の鍵穴を探る。
ガチャっと音がして金庫が開いた!
「よし!開いたぞ!」
駿太郎。
そして金庫の扉を開くと、一冊の帳簿が置かれてある。
「これよ!これだわ!見つけた【裏帳簿】!」
沙苗は喜び勇んで【裏帳簿】を手に取った。
その時!!
「…ご苦労だったわね沙苗…」
後ろから若奈が現れる!
圭吾と千鶴を縛り連れている。
「なっ!!あなた!どう言うつもり?」
沙苗。
「その子たちを離せ!」
駿太郎。
すると若奈は拳銃をだして駿太郎の足元を撃つ。
「きっきさま!」
駿太郎。
「さあ、沙苗。【裏帳簿】をこっちによこしなさい!」
若奈が迫る。
「…最初から裏切るつもりだったの?」
沙苗。
「裏切る?あっはははは!とんだ間抜けなお嬢さん!あたしはあんたたちを利用しただけだよ!こうなればもう用済み!
約束通り逃してあげる…あの世へね!」
若奈が言ったとたん銃声が響く!
つづく
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