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第14話
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私は女神ユマさんがくれた水晶で出来たアイテムを取り出して見た。ぱっと見た感じ、スマホだね。あれ、何か着信が入ってるみたいだ。チェックしてみる。ああ、なんだ。これって「SNS」じゃん。これなら使い方は良く知ってるよ。
「そうそう。言い忘れてました。ティタルちゃんの苗字は『アリストクラート』です。あと年齢は5歳と言っていたと思うけど、数え年です。満年齢は4歳なので宜しく!」
ユマさんからの着信を確認する。何か虎縞の可愛らしい動物が「よろしく!」とサインを出してるスタンプが押されてた。なんだろ、タヌキかな? 私も「判りました。わざわざご連絡ありがとうございます。」と返信して、同じキャラクターのスタンプで「サンキュー!」と押しておいた。直ぐに「既読」が着いたよ。女神様と「SNS」出来るってちょっと良いね!
「リンお嬢様、そろそろ移動しましょうか。ティタルお嬢様、私目はクアーエと申します。以後、何なりと申し付け下さい。」
「うん! くあーえたん、よろちくね♪」
「・・・。尊きお言葉、このクアーエは一生忘れませぬ!」
彼女は少し肩を震わせてから、そう言った。やっぱりね。まあ、こういう人なんだよ。私はもう慣れた。小さい子にも優しい良い人なんだ。ちょっと大袈裟だけどね・・・。
「ティタルちゃん、行こ! もう直ぐ『お八つ』の時間だよ。」
私はティタルちゃんの手を引いてクアーエさんの後を付いて行った。リーネオさんのお屋敷はすぐ近くにあった。なんだろ、近所のコンビニに買い物に行く位の処だった。
そう言えばクアーエさんの服装もいつもと違う。いつもはピッチリしたレオタードみたいなのの上に胸当てとか籠手とか防具を着けてるんだけど、今日は何かゆったりしたドレスみたいな服だよ。
「こちらが我が王、イーサ・フォン・インゼル様のお屋敷でございます。」
ああ、そうか。お父さんのお屋敷に同居なんだね。大っきいけど、ペルクーリ王太子の居城みたいに物々しくないよ。なんかね、国民に対して開かれてるって感じだね。
「わー、おっきいへいたいさん。こんにちわ!」
ティタルちゃんが挨拶すると、若い門番さんはニッコリ微笑んで敬礼してくれる。ああ、すごく良い感じだ。本当に安心出来る雰囲気が街中に溢れてる。治安が良いって、こういうことなのかな。私達はお屋敷の中に入れて貰った。
「おお、良く来たな。クアーエ、ご苦労だった。下がって良いぞ。」
「御意! それではリンお嬢様、ティタルお嬢様、また後ほど!」
中ではリーネオさんが待ってくれていた。今から王様とお妃様に合わせてくれるそうだ。あれ、良く見るとリーネオさんと一緒に女の人が居るな。
「初めまして! 私、リーネオの妹のベルファ・フォン・インゼルですわ。ようこそ、リンさん、ティタルちゃん。お会いできて嬉しいわ。」
銀髪って言うの? ちょっと青い感じのとても綺麗なキラキラの長い髪。凄まじい美人だよ! 長い睫毛も銀色。アーモンドみたいな形の眼、瞳の色は金色だ。優しい眉に長く通った鼻筋。薄桃色の形の良い唇。ファンタジー小説の挿絵に出てくるような人だな。
「うむ。ベルファはリンと同じ17歳だ。もう姉妹と思って貰って構わんぞ。宜しく頼む。」
え? この豪奢な貴婦人が私と同じ17歳? いやいやいや、無いでしょ。姉妹とか無理でしょ! そりゃ仲良くしますよ。宜しく頼むって・・・。どんだけ、無茶振りするの、リーネオさん?
「それじゃ、お義姉さんとお呼びしますわ。じゃあ行きましょう!」
ぎゃあぁ~! この圧倒的な性能差でお義姉さんとか? これも一種の煽り運転じゃないのかな? 正直、許して欲しいよぅ。 無茶振り兄妹だ、この二人は・・・。
「おいちぃ~! このおかし、だいしゅき♪」
ティタルちゃんはお八つを気に入ったみたいで満面の笑顔だ。見てるこっちまで癒されるよ。皆でお八つを食べてたら、リーネオさんのお父さんとお母さんがやって来た。
「ようこそ、イコォーマへ。とても聡明な【戦巫女】殿と聞いておる。これからは我が国を良き方向に導いて欲しい。どうか宜しくお願い致しまする。」
「まあ、可愛らしい。娘と孫が一遍に出来たみたいだわ。うふふ、孫はまだ早かったかしら。二人ともこれから宜しくお願いしますね。」
イコォーマの王様とお妃様は懐が広くて暖かい雰囲気の人たちだ。ゴルジョケアの王族の人みたいに冷たさが全然無い。ペルクーリ王太子は勿論、こんな丁寧な挨拶をされたことなんて無かったよ。王様なんか、「ジロッ!」と睨んでプイッとそっぽ向いちゃったもんね。お妃様は無言で私の存在自体を無視してたし。
「今宵は細やかだが宴を用意してある。クアーエも呼んでおるから気兼ねなく存分に楽しむが良い。」
リーネオさんが教えてくれた。そうか、それでクアーエさんドレス着てたんだ。「後ほど」って言ってたしね。彼女からは、どんなお話聞けるのかな。今から楽しみだよ。
「なんと! 己が欲望のために、このような幼気なティタルを戦に巻き込むとは! とんでもなく暴虐な神だな、そのエイフバというのは・・・。神と言えど、許せぬ!」
神界での顛末をリーネオさんに話したら、彼は見たこともない怖い顔で怒った。ああ、やっぱりちゃんとした人なんだな。安心したよ。けど、この顔を長い間、ティタルちゃんに見せたら泣いちゃうね。
「リーネオさん、安心してください。その神様にはキッチリと罰を与えて来ましたから。それと女神様と若い男の神様にしっかり見張ってくれるようにお願いして来ました。もう、これからは大丈夫ですよ。」
「そうか! 悪神に罰を下して来るとは、天晴な【戦巫女】よ! 俺もすっかり溜飲が下がったわ。はっはっはっ!」
リーネオさんはすっかり、いつもの優しい顔に戻った。他の人はびっくりして目を丸くして私を見てるよ。やっぱり神様に会って来たとか、私が召喚された【戦巫女】じゃなきゃ信じられないよね。
「よし、これでリンを【戦巫女】に任ずれば万事上手くゆくぞ。明日からは戦を遅らせる仕事に全力で取り組もうではないか!」
リーネオさんは朗々と宣言した。頼もしいね。この夜はベルファさんやクアーエさんとも沢山お話出来た。よーし、私も明日からティタルちゃんと頑張ろう。
「そうそう。言い忘れてました。ティタルちゃんの苗字は『アリストクラート』です。あと年齢は5歳と言っていたと思うけど、数え年です。満年齢は4歳なので宜しく!」
ユマさんからの着信を確認する。何か虎縞の可愛らしい動物が「よろしく!」とサインを出してるスタンプが押されてた。なんだろ、タヌキかな? 私も「判りました。わざわざご連絡ありがとうございます。」と返信して、同じキャラクターのスタンプで「サンキュー!」と押しておいた。直ぐに「既読」が着いたよ。女神様と「SNS」出来るってちょっと良いね!
「リンお嬢様、そろそろ移動しましょうか。ティタルお嬢様、私目はクアーエと申します。以後、何なりと申し付け下さい。」
「うん! くあーえたん、よろちくね♪」
「・・・。尊きお言葉、このクアーエは一生忘れませぬ!」
彼女は少し肩を震わせてから、そう言った。やっぱりね。まあ、こういう人なんだよ。私はもう慣れた。小さい子にも優しい良い人なんだ。ちょっと大袈裟だけどね・・・。
「ティタルちゃん、行こ! もう直ぐ『お八つ』の時間だよ。」
私はティタルちゃんの手を引いてクアーエさんの後を付いて行った。リーネオさんのお屋敷はすぐ近くにあった。なんだろ、近所のコンビニに買い物に行く位の処だった。
そう言えばクアーエさんの服装もいつもと違う。いつもはピッチリしたレオタードみたいなのの上に胸当てとか籠手とか防具を着けてるんだけど、今日は何かゆったりしたドレスみたいな服だよ。
「こちらが我が王、イーサ・フォン・インゼル様のお屋敷でございます。」
ああ、そうか。お父さんのお屋敷に同居なんだね。大っきいけど、ペルクーリ王太子の居城みたいに物々しくないよ。なんかね、国民に対して開かれてるって感じだね。
「わー、おっきいへいたいさん。こんにちわ!」
ティタルちゃんが挨拶すると、若い門番さんはニッコリ微笑んで敬礼してくれる。ああ、すごく良い感じだ。本当に安心出来る雰囲気が街中に溢れてる。治安が良いって、こういうことなのかな。私達はお屋敷の中に入れて貰った。
「おお、良く来たな。クアーエ、ご苦労だった。下がって良いぞ。」
「御意! それではリンお嬢様、ティタルお嬢様、また後ほど!」
中ではリーネオさんが待ってくれていた。今から王様とお妃様に合わせてくれるそうだ。あれ、良く見るとリーネオさんと一緒に女の人が居るな。
「初めまして! 私、リーネオの妹のベルファ・フォン・インゼルですわ。ようこそ、リンさん、ティタルちゃん。お会いできて嬉しいわ。」
銀髪って言うの? ちょっと青い感じのとても綺麗なキラキラの長い髪。凄まじい美人だよ! 長い睫毛も銀色。アーモンドみたいな形の眼、瞳の色は金色だ。優しい眉に長く通った鼻筋。薄桃色の形の良い唇。ファンタジー小説の挿絵に出てくるような人だな。
「うむ。ベルファはリンと同じ17歳だ。もう姉妹と思って貰って構わんぞ。宜しく頼む。」
え? この豪奢な貴婦人が私と同じ17歳? いやいやいや、無いでしょ。姉妹とか無理でしょ! そりゃ仲良くしますよ。宜しく頼むって・・・。どんだけ、無茶振りするの、リーネオさん?
「それじゃ、お義姉さんとお呼びしますわ。じゃあ行きましょう!」
ぎゃあぁ~! この圧倒的な性能差でお義姉さんとか? これも一種の煽り運転じゃないのかな? 正直、許して欲しいよぅ。 無茶振り兄妹だ、この二人は・・・。
「おいちぃ~! このおかし、だいしゅき♪」
ティタルちゃんはお八つを気に入ったみたいで満面の笑顔だ。見てるこっちまで癒されるよ。皆でお八つを食べてたら、リーネオさんのお父さんとお母さんがやって来た。
「ようこそ、イコォーマへ。とても聡明な【戦巫女】殿と聞いておる。これからは我が国を良き方向に導いて欲しい。どうか宜しくお願い致しまする。」
「まあ、可愛らしい。娘と孫が一遍に出来たみたいだわ。うふふ、孫はまだ早かったかしら。二人ともこれから宜しくお願いしますね。」
イコォーマの王様とお妃様は懐が広くて暖かい雰囲気の人たちだ。ゴルジョケアの王族の人みたいに冷たさが全然無い。ペルクーリ王太子は勿論、こんな丁寧な挨拶をされたことなんて無かったよ。王様なんか、「ジロッ!」と睨んでプイッとそっぽ向いちゃったもんね。お妃様は無言で私の存在自体を無視してたし。
「今宵は細やかだが宴を用意してある。クアーエも呼んでおるから気兼ねなく存分に楽しむが良い。」
リーネオさんが教えてくれた。そうか、それでクアーエさんドレス着てたんだ。「後ほど」って言ってたしね。彼女からは、どんなお話聞けるのかな。今から楽しみだよ。
「なんと! 己が欲望のために、このような幼気なティタルを戦に巻き込むとは! とんでもなく暴虐な神だな、そのエイフバというのは・・・。神と言えど、許せぬ!」
神界での顛末をリーネオさんに話したら、彼は見たこともない怖い顔で怒った。ああ、やっぱりちゃんとした人なんだな。安心したよ。けど、この顔を長い間、ティタルちゃんに見せたら泣いちゃうね。
「リーネオさん、安心してください。その神様にはキッチリと罰を与えて来ましたから。それと女神様と若い男の神様にしっかり見張ってくれるようにお願いして来ました。もう、これからは大丈夫ですよ。」
「そうか! 悪神に罰を下して来るとは、天晴な【戦巫女】よ! 俺もすっかり溜飲が下がったわ。はっはっはっ!」
リーネオさんはすっかり、いつもの優しい顔に戻った。他の人はびっくりして目を丸くして私を見てるよ。やっぱり神様に会って来たとか、私が召喚された【戦巫女】じゃなきゃ信じられないよね。
「よし、これでリンを【戦巫女】に任ずれば万事上手くゆくぞ。明日からは戦を遅らせる仕事に全力で取り組もうではないか!」
リーネオさんは朗々と宣言した。頼もしいね。この夜はベルファさんやクアーエさんとも沢山お話出来た。よーし、私も明日からティタルちゃんと頑張ろう。
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