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Aの衝撃

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漂流者は、脳チップにさいなまれ、孤独の遡行を繰り返す。
時間軸のぶれた、世界が、溶ける、宇宙の果てに、空間をひずめて、鎮まることのない星に、祈りを捧げる、夕闇抜けて、静寂の死角に銃を放つ。
解放されたスケートボードのダッシュボードに滑る、木目に、絡んで、つる草の絡む平面世界。
ラジオを聴きながら、想った、荒野の中で、始まりのナンバー、数字を並べて、ごたくを並べる、意味不明な、言語解析、狂気の花が咲いている。
名前は、聞いたことのない撹乱、網膜に走るラジオの音とこの、星で取り残された胎動のリズム、野蛮な共振に、手が震える杖を持った老人の達観見ている所詮は女の肉を嗅ぐ。
運命抗う、宇宙の惑星艦隊、ビームを放って、衝撃のA。
花が散るように、女たちの悲鳴と無垢な魂は、漂流者の眼に、焼き付いた写真、恋人を奪われた一抹の脳細胞に、絡みつくニューロン計数、藪蛇の。
茨を抜けて、棘を差す、とどめを刺して、貫いた肉の焼ける臭いの避ける裂けめにブラックホール。
隠した黒い弾丸が、塗装のはがれた装甲に乱れ撃つ、オイルが飛んで、流れる水に追いすがる路上の枯れ草、待つだけの恋人に、絶縁体の影に、焼き付いたレンズの砕けるまるで、ミュッパの果実が、漆黒の血に、しぶく、しごいた棒に、絡め取る舌先、死の匂いを嗅いだ、戦士の勘が、打ち消す終わりの数字、今、こうして、始まりの前に、女装する変体、段階、第二段階、繰り上げる衝撃のバランス、アンブレラ作戦。
遂行する任務に、影の間を縫って、サンドの三段階目、逃れる、約束のレター、レイターフォーム。
ライターで焼いた恋人の手紙に、別れの口づけ。
妬けるまで、たいまつをたいて、待ちぼうけの空波の空気を食う、すると、苦悩の戦士は、胃袋に、入れた、吐き始める弱音の内臓歪んで、言葉にラジオを止める。
最終を待って、乗り込んだ、切符を切って、手首を切った恋人に、愛の告白、果たされない想いは、錯綜の空に、浮いた雲、黄金を探すように、漂流者は、乗る。
指切りをして、誓ったことが、忘れる瞬間に調律のバー。ピアノの音階が、忘却のカー。
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