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Gコートフレンド

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戦いの雨が降る、コートに打ち付ける悲しみのような気配は、彼女を覆うGコート、大きなダッフルのようなワッフルのような、温かいミルク、愛するG様
俺は、レザージャケットの襟を立て、荒野をいく、牛飼いを見た、ノアの痛みが、喉を滑る嗚咽の歓喜に震える、憎しみの果てに、忘却の皮を着る、彼は、纏う、父の誇りを、俺は説得するように、そっとシガーに込めた、ナノグラス、名前のない愛する人に、つける、天空の真名。
コートを脱げないの。
夕暮れが近づいて、漆黒の世界が私たちを照らす時、万上を越えた、怒りのシステム。
従順な目が、太陽を重ねたその手に、膨れたほほが、奏でる声、ジュジュジュ、と言って、虹を渡っていく、あの人と重なりながら。
あの人G声を震わせた。
父の手よりも、ブラックレザーハンド、自立の夢に戦場の記憶が、火星の風に、髪をなびかせるから、私は親友だけれど、勝ちたい、ただ、力ではなく、今はこの想いで、
女に生まれたナノ、だから、いっそ捨てたいって思ったこの意志を、継いでくれる人を探していた。
Gは女だから、でも、私だって女の子、唇から漏れる楽興の声が、痛みと苦しみを知っている、共感の鐘が鳴って、優しさから目が覚めた、失意の夜更けに友情を語る、ママはいないから、いっそパパになって、レイジ、そこから、私は、這いあがる、獅子に落とされた世界は凍っている、命令よりも、自由の指を、ピアノを弾きたい、レイジのために、と言ったらあなたはどう答えるかしら。
「ああ、いいよ」
淡白な人はたんぱく質を分化して、ナノ化して、殺すように、生かしてあげる、でも信じてほしいことがあるの、私の信条は「正義」あなたの信条は「愛がすべて」
甘い人ね、でもチョコレートよりもタバコが吸いたい、あなたの唇に乗ったそのフィルターに、まるで、焦がして、表面を焼いて、サンドして、中にはバニラクリーム、あなたの唇に漏れたセリフは、聞き取れない、生命を奪う興奮は、虐殺の歴史のなかで、輝く瞳を奪っていった野蛮なものを葬り去る、私のGは、純粋な剣、私は彼女の楯、そして、合わされば、最大公約数のマシン、でもそんなことはいい、レイジ、あなたは戦士、甘い、甘い、けれど、自由の意味を教えて欲しい、するとレイジはこう言った、「……」彼の声は聞き取れない、まだ彼からの返事はない、
GRコードの先で待っている奇跡は、きっと、あるから、そっと唇を尖らせて、歌って欲しい、レイジのメッセージは、きっと一つ、
「ライブナになってくれ」
でも、今は、体を休めて、床について、待つだけ、そう、忘却の徴に刻まれた無限ハートの愛に、体が泣いている、接吻を待つ、ライブナの夢は、永遠の愛。
信じられるなら、言葉で答える、答えは、知っているはず。
Gよりも反逆。
ポップな声は、ジュジュジュ。
響いていく虹の先に宇宙はない。
あるのは、あなたの心だけ。
さようなら、戦争。
こんにちわ、神様。
戦争と平和は、神一重の夢。

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