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クラシカルシューズ

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君の赤い口紅、バレエシューズに口づけを。
ロンドに合わせて踊る謎の美女、スペースコロニー愛してる。
愛、会いたい。あなたに、この夜の隣で。
かどわかした体に、キスマークの雨が降る。
洪水を起こした心のドアに、やってくる、蒼い眼をしたレディたち。
待って、このまま連れ去って、欲しいの。
私の足は、あなたには合わないから、フィットする感覚で、フットリズムに慣れるまで、一緒にいてね、愛の日の下で。
傘も差さないのよ、ここは高原の窓辺、から覗いているの、スコープライトを使って、あなたの足が、猫のように、しなる時、私の体も揺れるのよ。
抱きしめる前に、ここで、詩を送って、葬送ではなく憧れの詩を。
送り出す前に、あなたの前を生きたい。
生きて、永遠に語ったら、バレエシューズにキスをして。
素敵な人ね、本当に、体を合わせるまで、合わない靴が、踊るようにステップを踏む、足を踏んだら、子猫のしっぽをふんじゃった。
にゃんって泣いたら、夢を見た。
あなたを愛する夢を見たの。
また見たい、沈む地球の沈まない海に咲く一凛の華、あなたの瞳に宿る、恋の戯れ、蝶々のような私の服を脱がしてほしいの、覚めない日々に、紅茶を入れて、お菓子はあなたの指の間のパヒュームロール、そう匂い煙草のいい香り。
脱いだわ、私のクラシカルシューズ。
古いけれど、そんな私を愛してくれる、あなたの指でひもを解いて、そしたら、猫撫で声で、喉を震わせる、恋してるのよっていうから、答えてほしい。
ああ、指の触れる音が、さらりとするから、私のわかめのような髪の毛を触って、うっとりと見つめる視線の先に、瞳のシャワー、洪水になって、渡りたい、かかる橋は、光る川に、滑らないように歩く、キャットウォーク、肉球を押して、私は鳴くわ、にゃんっとね。
涼し気な滑り台から一気に滑って、たどり着いたら、抱き留めて。
離れたくなから、一秒でも、この先ずっと、一緒にいてくださらない?
滑り台がたどり着いたところは、宇宙の静かな場所。
あなたの腕の中、心地のいい夢、バレエが終わったら、静かに靴を脱ぐからね。
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