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ストロング&アーム

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手に持った武器が、人を殺めることは自明。しかし、弱きものは、誰も助けられないらしいけど、言葉の代わりに愚かさで、血迷うように銃を向ける、それは、間違いというよりも、知性の不足、状況の分析が甘いため、戦いを劇化して乗り越えた先に、死が訪れるが、生命の侵犯に限りなく偏る、理想というよりも、妄想。
虐げられると、リアルな苦しみが、コミック感覚で、女は左右に首を振り、屈辱のままに奪われて、その操を呪うと、憎しみが、ほとばしり、血が上った頭で、腰を振る。
敵でも、味方でもない。
女が股を開くのは、力のあるものにだけ。
武器を手にした猛獣は、正義の拳を振りかざす。見当違いの方向に、走る、破壊の衝動が、弱い本能を揺さぶって、根底にある意志は、襲われた女、肉体を強奪された女に暴力を向ける、言い訳はいつも、「愛しているよ」
しかし、その言葉を見抜けない女はいないが、戦争になれば、薬物で侵され、人為的に人格を奪われるが、愛と言うやつ、特に同情と隣人愛ほど、ごまかしをにおわせるものはない。
そして、すべての時代の流れが、逆境に立たされる恋人に死が迫ると、切迫した恐怖が、女にあっさりと、裏切りを勧める。これを止める手段はただ一つ。暴力だけ。
強いものは奪って、弱いものは奪われて、女子供は、取引、そして、耐えるというよりも憎しみを転嫁する対象を探す。
女が戦争で生き残ると、外様に傾いたため、必ず裁かれる。
神と称する偽善は、勝利によって、利益を分け合う、ための口実に過ぎない。
利益とは性欲、暴力でなびいた女は、暴力で制するしかない。そのために、生かすという手段は、指導者に死を招く結果になる、必ず。遅かれ早かれ。これを誤ると、そこから大きく裂けてくる。恨みが、恋人を奪われた恨みではなく、生き残るために寄り掛かる新しい支え、そう男を欲する残忍さこそが人間の女の大多数の本能だ。
真の強さとは、忍耐ではない。賢さ、それから、武器を向けない自制心。
女は、暴力を越えて、愛するために、時間と共に融和していく文化と習俗に。
結局、男次第、というのは誤り。武器で脅された愛は、単なる肉欲、そして、それ以上の愛とは、無力さに苦しんで、諦めること。全生命を落とされたまま生きるには、愛を求めず、ひたすらに前を向く。寄り掛かる存在が、敵なら、腰を振るという武器で、乗り越える、強さとは、優しさではなく、屈辱に耐えて、今を背ける、技術である。
でも、戦争のために傷ついた心は、決してふさがらない。
結局、芸術、文化、音楽、すべてが、セックスに収束され、それを追い求めて、奪った男は、滅びる。
女は、肉欲の対象でしかなかった。
尊重するためには、戦に勝つこと。
負ければ、どんな言い訳も許されない。
言い訳を探すものは、奴隷になって、売られる。
賢さとは、現状に合わせて、型にはめ、心身を矯正し、順応するそのためだけに「愛」という行為が必要であり、いまだかつて、「愛」がこの世にあったことはない。
存在したのは、肉欲だけ。
強さと武器、悲しいほどに人は弱く、悲しいほどに愚かで、生きていくために、体を売った女を解放するのが、神であるなら、神がこの世にいたためしはない。
しかし、もし、乗り越える力が女と解放者にあるなら、ディールをするように、求め合う肉体と、精神のつながり、未来永劫、永遠に訪れない、心の平和。
微妙にすれ違っていく価値観は、埋め合わせる、倦怠と退屈の中で、忘れ去られていく犠牲、覚えておくことはできない、生き残った者の使命は、繁栄。
後は、平和の実現に向けて、建設的な努力。
世界が終わった。
武器はない。
女の夢は、自立、男から解放されたらしいが、やはり、幻想を求めて、帰ってくる、しかし、人間の本能には、埋め合わせる性器がある。
埋めるためには、新しい価値観。
決してない、価値観は、時間とともに、変わるが、変わらないものは、奪われた憎しみと、乗り越えがたい現実、白い鳥が、空を飛んだ時、目で追うゆとりができれば、世界はまだあきらめない。
自由と気高さ、解放記念日。
未来は遠い。
服を選ぶこと。
まずはそこから始めればいい。
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