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ユキとデイビットとレイド王子様の旅立ち
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ユキの妊娠を心良く思っていないのは、王妃だった。第1王子も第2王子も側室の子供である。第3王子レイドこそが国をつぐべきと考えていた。血筋のよい姫との間に王子をうんで、あとをついでもらうのが夢だった。王妃はレイド王子様をよびだした。
「側室が妊娠したこと、おめでとう。しかし姫との間にはまだ子供はできぬのか?」
「母上、前から申し上げているとおり、オレの愛するのは側室のユキだけであります」
「まさかアリシュアには手をだしておらぬのか?」
「指一本ふれておりません」
母との会話中にわってはいるものがいた。
「アリシュア姫様ご懐妊でございます。おめでとうございます」
「わかりました、さがりなさい」
「かしこまりました。失礼いたしました」
王妃はレイド王子様の顔をみつめて言った。
「では、アリシュアの子供はレイドとの子供ではないな?」
「誓います。アリシュアにはふれておりません」
王妃は怒りに震えて言った。
「アリシュアの子供は、噂どおりジョシアの子供だわ。あの側室の子供ジョシアめ」
王妃は従者をよびよせて、冷たく命じた。
「アリシュアの子供がうまれぬように、薬をのませよ」
そしてレイド王子様に話した。
「側室ではなく、姫との間に子供をつくるように。側室などけがらわしい」
と、その声は冷たかった。瞬時に、レイド王子様はここにいると、ユキの赤ン坊とユキが危ないとさとった。
その足でユキの実家ラウル公爵家へ、ユキをつれてむかった。事の事情を話してユキの命が危ないと伝えると、すぐに旅の準備がされた。ユキに同行するのは兄のデイビットだった。必ずユキをまもるとレイド王子様に約束し、ユキとデイビットは遠い親戚をたよって旅にでた。
ユキとデイビットの後をずっとついてくるのはレイド王子様だった。
「あとがさみしくなりますので、お見送りはこの辺りで大丈夫です。レイド王子様」
ユキは目をうるませて言った。
「オレがユキと離れるわけがない」
「でも国が大変なことになるのでは?」
「ユキと国どちらが大事か?ユキだろ」
レイド王子様は袋に宝石をたくさんつめて旅の資金もばっちりだとウインクした。
「側室が妊娠したこと、おめでとう。しかし姫との間にはまだ子供はできぬのか?」
「母上、前から申し上げているとおり、オレの愛するのは側室のユキだけであります」
「まさかアリシュアには手をだしておらぬのか?」
「指一本ふれておりません」
母との会話中にわってはいるものがいた。
「アリシュア姫様ご懐妊でございます。おめでとうございます」
「わかりました、さがりなさい」
「かしこまりました。失礼いたしました」
王妃はレイド王子様の顔をみつめて言った。
「では、アリシュアの子供はレイドとの子供ではないな?」
「誓います。アリシュアにはふれておりません」
王妃は怒りに震えて言った。
「アリシュアの子供は、噂どおりジョシアの子供だわ。あの側室の子供ジョシアめ」
王妃は従者をよびよせて、冷たく命じた。
「アリシュアの子供がうまれぬように、薬をのませよ」
そしてレイド王子様に話した。
「側室ではなく、姫との間に子供をつくるように。側室などけがらわしい」
と、その声は冷たかった。瞬時に、レイド王子様はここにいると、ユキの赤ン坊とユキが危ないとさとった。
その足でユキの実家ラウル公爵家へ、ユキをつれてむかった。事の事情を話してユキの命が危ないと伝えると、すぐに旅の準備がされた。ユキに同行するのは兄のデイビットだった。必ずユキをまもるとレイド王子様に約束し、ユキとデイビットは遠い親戚をたよって旅にでた。
ユキとデイビットの後をずっとついてくるのはレイド王子様だった。
「あとがさみしくなりますので、お見送りはこの辺りで大丈夫です。レイド王子様」
ユキは目をうるませて言った。
「オレがユキと離れるわけがない」
「でも国が大変なことになるのでは?」
「ユキと国どちらが大事か?ユキだろ」
レイド王子様は袋に宝石をたくさんつめて旅の資金もばっちりだとウインクした。
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